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第一章 追放と仲間探し
29話「クラーク=ハイゼンベルクという女性」
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取り敢えず美容の話をしているアリスの背に向けて声を掛けたあと、俺は受付のお姉さんから指示された通りに裏庭へと出た。
するとそこでは大勢の男の傭兵たちが屯していて、敷地の真ん中では先程教えて貰った情報通りの女性が佇んでいた。恐らくあれが例のクラーク=ハイゼンベルクという女性なのだろう。
彼女は銀色に煌く長髪を風に靡かせて、まるで血のように赤い瞳を持ち、容姿は確かに子供のような体格をしていた。
まさに受付のお姉さんが言ってた通りの人物ではあるが左目は眼帯で隠されているようだ。
これが中二病的なものでなければ、恐らく目の病気か怪我をしているかのどちらかであろう。
そして周りに屯する傭兵達はクラークを見守るようにして地面に座り込んでいる状況だ。
「な、なんだ? 一体なにが始まるんだ?」
その光景は今まさに何かが始まろうとしている雰囲気すら感じ取れて、完全にクラークに話し掛けるタイミングを逃してしまっていた。
だが不用意に話し掛けると普通に怪しまれて戦うことになりかねないという予想も出来るが故に、一体どうするべきかと考えるがその場で体が膠着してしまう。
受付のお姉さん曰く『クラークの戦闘技能において右に出る者はいない』と言われるほどで、話し掛ける際には充分に気をつけろと念を押されているのだ。
それはもう物凄く怖くて、やはりここはコミュ力のスキルがカンストしているアリスを連れてくるべきだっただろうか。
「武装召喚ッ! 私の元に顕現せよ、サウエル&コンバット!」
しかしそんな事を考えている間にクラークは武装召喚なる魔法を発動させると、彼女の右手は途端に眩い光を無造作に放出し始めていた。
そして周りに居る傭兵達はこのことが事前に分かっていたのか、全員が一斉に顔を逸らしたり目元を手で覆い隠していた。
けれど俺はその行動を呆然と見ていたが故に判断が遅れると、
「あがっ!? め、目がぁぁあ!」
その光を直視してしまい目の奥がナイフの先端で突かれているような痛みを受けて悶えた。
だけど何度か目元を手で擦るうちに次第に痛みが抜けていくと、急いで視線をクラークの元へと向けたが、なんと彼女の右手には拳銃のような物が具現化していて、左手にはコンバットナイフのような物騒な得物まで握られていた。
「武装召喚使い……そうか。クラークは自在に武器を手元に呼び出せる者、つまりガンマスターの職業か!」
彼女が先ほど詠唱した言葉と手に握られている武器を見て考察をしていくと、それは一つの職業へと繋がりを示していたのだ。そう、ガンマスターと呼ばれる上級職のことだ。
それは数多の銃火器を自在に召喚し、どんな戦況でも対応できる能力を持つ万能型だ。
「おーいクラーク! いくぞー!」
傭兵の一人が奥の方で声を大にして叫ぶと、その隣には奇妙な木製の大箱が三個ほど置かれていた。そしてクラークが傭兵の言葉に静かに頷くと、それを合図としてなのか木箱から飛び出していた紐を傭兵が力の限り引き抜く。
するとその刹那、木箱からは無数の白い皿が放出されて、それらは上空を飛んでクラークのもとへと向かう。それから放出された皿が彼女の元へと近づくと、クラークは静かに拳銃を構えて狙いを定めるような仕草を見せる。
――そして引き金に添えていた人差し指に力を込めると、自分の元へと飛んでくる皿を次々と即座に打ち落としていき、その狙いに寸分の狂いはなく一発も外すことなく打ち落とす。
地面には次々と打ち落とされた皿が転がるが、最後の一枚が飛んでくると弾切れを起こしたのか拳銃から弾が発射されることはなかった。
「ふっ、やはり最後はこれに限るな」
だがそれは想定の範囲内なのかクラークは白い歯を見せつつ笑みを零すと魔法を解除したのか手元から拳銃を消して、最後は左手に握られていたナイフを手元で遊ばせて上空の皿へと視線を向けていた。
「も、もしかしてナイフで皿を落とそうとしているのか……?」
その言葉を呟くと同時に彼女はナイフを握り直して投擲の姿勢を取ると、やはり俺の予想は的を得ていたようでクラークは最後の皿に目掛けてナイフを投げ放っていた。
しかしナイフと拳銃では根本が違うのだ。それは子供でも分かることであり、そんな無謀とも言える投擲で上空を飛んでいる皿に当たる訳がない。
そう思いつつ放たれたナイフを目で追っていたのだが、
「う、嘘だろ!?」
奇妙な事にナイフは引き寄せられるように近づいていくと見後に皿を貫いたのだ。
そして綺麗に真ん中を貫かれた皿は地面へと落ちると、ナイフの魔法も解除されたのか綺麗に消えていた。
「「「うぉぉぉぉ!」」」
そのあと全ての皿を地に落としたクラークを称えるように、周りからは一斉に拍手喝采の嵐が巻き起こる。
「さすがはクラークだ!」
「今日も見事な腕前だったな!」
「惚れ惚れするぜ!」
拍手喝采の嵐の中には彼女へと声を掛ける者も多く見えるが、当の本人のクラークは周りに耳を傾ける仕草すら見せず、冷たい雰囲気を出しながらその場を後にしようとしていた。
「確かに惚れ惚れする動きだったが……いかんいかん! 俺は情報を求めにここに来たのだっ!」
彼女の一連の動きに魅了されれたいたが寸前のところで本来の目的を思い出すと、急いでクラークの元へと近づいて声を掛けることにした。
今ここで彼女を逃がせば、それ即ち情報を逃すことと同じことであるからだ。
するとそこでは大勢の男の傭兵たちが屯していて、敷地の真ん中では先程教えて貰った情報通りの女性が佇んでいた。恐らくあれが例のクラーク=ハイゼンベルクという女性なのだろう。
彼女は銀色に煌く長髪を風に靡かせて、まるで血のように赤い瞳を持ち、容姿は確かに子供のような体格をしていた。
まさに受付のお姉さんが言ってた通りの人物ではあるが左目は眼帯で隠されているようだ。
これが中二病的なものでなければ、恐らく目の病気か怪我をしているかのどちらかであろう。
そして周りに屯する傭兵達はクラークを見守るようにして地面に座り込んでいる状況だ。
「な、なんだ? 一体なにが始まるんだ?」
その光景は今まさに何かが始まろうとしている雰囲気すら感じ取れて、完全にクラークに話し掛けるタイミングを逃してしまっていた。
だが不用意に話し掛けると普通に怪しまれて戦うことになりかねないという予想も出来るが故に、一体どうするべきかと考えるがその場で体が膠着してしまう。
受付のお姉さん曰く『クラークの戦闘技能において右に出る者はいない』と言われるほどで、話し掛ける際には充分に気をつけろと念を押されているのだ。
それはもう物凄く怖くて、やはりここはコミュ力のスキルがカンストしているアリスを連れてくるべきだっただろうか。
「武装召喚ッ! 私の元に顕現せよ、サウエル&コンバット!」
しかしそんな事を考えている間にクラークは武装召喚なる魔法を発動させると、彼女の右手は途端に眩い光を無造作に放出し始めていた。
そして周りに居る傭兵達はこのことが事前に分かっていたのか、全員が一斉に顔を逸らしたり目元を手で覆い隠していた。
けれど俺はその行動を呆然と見ていたが故に判断が遅れると、
「あがっ!? め、目がぁぁあ!」
その光を直視してしまい目の奥がナイフの先端で突かれているような痛みを受けて悶えた。
だけど何度か目元を手で擦るうちに次第に痛みが抜けていくと、急いで視線をクラークの元へと向けたが、なんと彼女の右手には拳銃のような物が具現化していて、左手にはコンバットナイフのような物騒な得物まで握られていた。
「武装召喚使い……そうか。クラークは自在に武器を手元に呼び出せる者、つまりガンマスターの職業か!」
彼女が先ほど詠唱した言葉と手に握られている武器を見て考察をしていくと、それは一つの職業へと繋がりを示していたのだ。そう、ガンマスターと呼ばれる上級職のことだ。
それは数多の銃火器を自在に召喚し、どんな戦況でも対応できる能力を持つ万能型だ。
「おーいクラーク! いくぞー!」
傭兵の一人が奥の方で声を大にして叫ぶと、その隣には奇妙な木製の大箱が三個ほど置かれていた。そしてクラークが傭兵の言葉に静かに頷くと、それを合図としてなのか木箱から飛び出していた紐を傭兵が力の限り引き抜く。
するとその刹那、木箱からは無数の白い皿が放出されて、それらは上空を飛んでクラークのもとへと向かう。それから放出された皿が彼女の元へと近づくと、クラークは静かに拳銃を構えて狙いを定めるような仕草を見せる。
――そして引き金に添えていた人差し指に力を込めると、自分の元へと飛んでくる皿を次々と即座に打ち落としていき、その狙いに寸分の狂いはなく一発も外すことなく打ち落とす。
地面には次々と打ち落とされた皿が転がるが、最後の一枚が飛んでくると弾切れを起こしたのか拳銃から弾が発射されることはなかった。
「ふっ、やはり最後はこれに限るな」
だがそれは想定の範囲内なのかクラークは白い歯を見せつつ笑みを零すと魔法を解除したのか手元から拳銃を消して、最後は左手に握られていたナイフを手元で遊ばせて上空の皿へと視線を向けていた。
「も、もしかしてナイフで皿を落とそうとしているのか……?」
その言葉を呟くと同時に彼女はナイフを握り直して投擲の姿勢を取ると、やはり俺の予想は的を得ていたようでクラークは最後の皿に目掛けてナイフを投げ放っていた。
しかしナイフと拳銃では根本が違うのだ。それは子供でも分かることであり、そんな無謀とも言える投擲で上空を飛んでいる皿に当たる訳がない。
そう思いつつ放たれたナイフを目で追っていたのだが、
「う、嘘だろ!?」
奇妙な事にナイフは引き寄せられるように近づいていくと見後に皿を貫いたのだ。
そして綺麗に真ん中を貫かれた皿は地面へと落ちると、ナイフの魔法も解除されたのか綺麗に消えていた。
「「「うぉぉぉぉ!」」」
そのあと全ての皿を地に落としたクラークを称えるように、周りからは一斉に拍手喝采の嵐が巻き起こる。
「さすがはクラークだ!」
「今日も見事な腕前だったな!」
「惚れ惚れするぜ!」
拍手喝采の嵐の中には彼女へと声を掛ける者も多く見えるが、当の本人のクラークは周りに耳を傾ける仕草すら見せず、冷たい雰囲気を出しながらその場を後にしようとしていた。
「確かに惚れ惚れする動きだったが……いかんいかん! 俺は情報を求めにここに来たのだっ!」
彼女の一連の動きに魅了されれたいたが寸前のところで本来の目的を思い出すと、急いでクラークの元へと近づいて声を掛けることにした。
今ここで彼女を逃がせば、それ即ち情報を逃すことと同じことであるからだ。
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