507 / 625
第4章 魔術学園奮闘編
第507話 勉強はアカデミーだけでたくさんさ。
しおりを挟む
「そう言うわけで俺の学生生活も9月までだ」
「じゃあ、3人とも9月で卒業だね」
トーマは中退することに未練がない様子だった。それも1つの生き方なのだろうと、ステファノはそれ以上追及することを止めた。
「みんなは卒業後どうするつもりですか?」
「僕とサントスはサポリで活動するつもりだ」
スールーも商会の跡取りを期待されているが、すぐに代がわりというわけではない。時代の流れを捉え、新しい商売の種を生み出したいというスールーの夢に家族は理解を示していた。
加えて、スールーは初等教育を世の中に確立したいという野望を抱いていた。商人の娘が何を考えていると親には呆れられたが、悪いことではない。気が済むまでやってみろと、最後は背中を押してくれるようになっていた。
事情はサントスの家でもほとんど同じだった。もっともサントスに関しては性格上の問題から後継ぎとしての期待は小さかった。
エンジニアとして将来を見込まれていたが、商売の切り盛りには向いていないとあきらめられていた。サントスには弟がいる。店の跡は弟が継げば良いと、サントスは公言していた。
「メシヤ流ウニベルシタスに興味があってね。近くで動向を見守りたいのさ」
「スールーさんは入学しないんですか?」
「勉強はアカデミーだけでたくさんさ」
「楽して得取れ」
サントスの言い方は身も蓋もない。2人はウニベルシタスから派生する新知識、新技術をいち早く取りいれ、事業化しようと目論んでいた。
言うなれば、彼らは「起業家の卵」であった。
「君はどうする気だい、トーマ?」
スールーはトーマに水を向けた。
「俺か? 俺は実家に戻るぜ。ステファノのお陰で、だいぶ商売の種が溜まっているからな」
標的鏡は既に軌道に乗っている。それに対して伝声管や気送管にはまだ改良の余地がある。トーマの発想力が期待される所以であった。
「俺としては印刷機を仕上げたいと思っている」
印刷機にはエンジニアリングの粋が散りばめられている。個々の技術をバランス良く組み合わせる総合技術が必要であった。
「一点物ではなく、世の中に行き渡る量産品に俺の手で仕上げたいんだ」
トーマの声は自信に満ちていた。
「なるほど。君にふさわしい挑戦だね。だったら役割分担と行こうじゃないか」
スールーは心得顔で微笑んだ。
「役割分担と言うと、どうするつもりだ?」
「簡単さ。僕とサントスは『前線担当』、君は『後方担当』ということだよ」
「さっきの話だと、あんたたちが情報を集めて、俺がそれを形にするってことか?」
「ざっくり言えばそういうことだね。もちろん、物作りを君に丸投げするつもりじゃないよ? 開発にしろ、量産にしろ、きちんと協力はさせてもらう」
説明を聞き、一瞬考え込んだトーマだったが、すぐに顔を上げてうなずいた。
「良いだろう。ウチにとって損な話じゃねぇな。1つだけ条件をつけさせてくれ」
「言ってみたまえ」
「頼まれた仕事を受けるかどうかは俺の一存で決める。その代わり、お宅らが仕事をどこに持っていこうと俺は文句を言わねぇ。それで良いか?」
協力するが、迎合はしない。トーマの条件とは、そういう独立性の保証であった。
「キムラーヤは大店だからな。僕たちのわがままにつき合えないこともあるだろう。結構だ。案件毎に協力を取り決めるってことで、どうだろう?」
「異議なし」
「上等だ。それじゃあ、9月以降もよろしく頼むぜ、お2人さん」
こうしてステファノを除く情革研の3人は、卒業後も協力関係を継続することになった。
「そうと決まれば、名前が欲しいね」
「何の名前?」
「決まってるだろう、サントス。卒業後に作る協力体制の名前さ」
「情革研じゃだめなのか?」
勢いに乗るスールーに、サントスとトーマは置いて行かれそうになる。
「今さら『研究会』というのもねえ。社会に出るからには、もうちょっと本腰を入れた感じにしたいじゃないか。『情報革命協議会』ではどうかな?」
「情革協」
「別に良いんじゃねぇか? あまり変わりばえしないが」
三者三様の口ぶりだったが、それがこの会の長所でもあった。
それを見ていたステファノが、口を開いた。
「俺も入って良いですか?」
「うん? ステファノ、君もか?」
「問題ないのか、それは?」
ステファノは新生情革協に入りたいと言う。しかし、それはウニベルシタス内部者が外部団体に同時所属するということになる。
それは、いわゆる「利益相反」になるのではないかと、トーマは懸念した。
「ウニベルシタスは利益を追求する団体ではありません」
「ふむ。外部団体に情報を流しても問題ないと言うわけか」
「こっちとすりゃありがたい話だけどな。お前の立場が悪くなったりしねぇのか?」
「内通者は抹殺するべし」
物騒なことを言ったのはサントスだ。極端な表現ではあるが、内通者が裏切り者扱いされることは当然とも言える。
「情報は誰でも入手できるように公表しますよ」
ステファノはまっすぐな目をして言った。
「それはまた……思い切った話だね」
「ウニベルシタスとはそういう場所なんです。闇を照らす科学の灯になる存在です」
「儲けもなしでか。俺には考えられないぜ」
非営利の教育研究機関。そんなものはこの世界にない。中心にいるネルソンが貴族出身の富豪であるからこそできることであった。
「これは油断できないな」
「どういう意味だ、スールー?」
「だってそうじゃないか。世界全体がライバルになるんだよ? それでも僕たちが一番にならなくちゃ」
「そういうことか。気を抜く暇などねぇな」
サントスもトーマも表情を引き締めた。
「望むところじゃないか。まとめて相手をしてやるさ!」
スールーは小鼻を膨らませて、ぐいっと腕まくりをした。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第508話 何をしても良いと言われたら、何をしたい?」
ステファノは王都にいた。
王国魔術大会への出場を終え、すべてのことから自由の身となった。9月まではどこに行き、何をするのも勝手であった。
旅の路銀にも苦労はない。
(旦那様にもらった給金がたっぷりあるし、キムラーヤから送られてくる標的鏡の発明料も手つかずで残っている)
家でも買わない限りは使い切れないほどの額がステファノの口座にたまっていた。
……
◆お楽しみに。
「じゃあ、3人とも9月で卒業だね」
トーマは中退することに未練がない様子だった。それも1つの生き方なのだろうと、ステファノはそれ以上追及することを止めた。
「みんなは卒業後どうするつもりですか?」
「僕とサントスはサポリで活動するつもりだ」
スールーも商会の跡取りを期待されているが、すぐに代がわりというわけではない。時代の流れを捉え、新しい商売の種を生み出したいというスールーの夢に家族は理解を示していた。
加えて、スールーは初等教育を世の中に確立したいという野望を抱いていた。商人の娘が何を考えていると親には呆れられたが、悪いことではない。気が済むまでやってみろと、最後は背中を押してくれるようになっていた。
事情はサントスの家でもほとんど同じだった。もっともサントスに関しては性格上の問題から後継ぎとしての期待は小さかった。
エンジニアとして将来を見込まれていたが、商売の切り盛りには向いていないとあきらめられていた。サントスには弟がいる。店の跡は弟が継げば良いと、サントスは公言していた。
「メシヤ流ウニベルシタスに興味があってね。近くで動向を見守りたいのさ」
「スールーさんは入学しないんですか?」
「勉強はアカデミーだけでたくさんさ」
「楽して得取れ」
サントスの言い方は身も蓋もない。2人はウニベルシタスから派生する新知識、新技術をいち早く取りいれ、事業化しようと目論んでいた。
言うなれば、彼らは「起業家の卵」であった。
「君はどうする気だい、トーマ?」
スールーはトーマに水を向けた。
「俺か? 俺は実家に戻るぜ。ステファノのお陰で、だいぶ商売の種が溜まっているからな」
標的鏡は既に軌道に乗っている。それに対して伝声管や気送管にはまだ改良の余地がある。トーマの発想力が期待される所以であった。
「俺としては印刷機を仕上げたいと思っている」
印刷機にはエンジニアリングの粋が散りばめられている。個々の技術をバランス良く組み合わせる総合技術が必要であった。
「一点物ではなく、世の中に行き渡る量産品に俺の手で仕上げたいんだ」
トーマの声は自信に満ちていた。
「なるほど。君にふさわしい挑戦だね。だったら役割分担と行こうじゃないか」
スールーは心得顔で微笑んだ。
「役割分担と言うと、どうするつもりだ?」
「簡単さ。僕とサントスは『前線担当』、君は『後方担当』ということだよ」
「さっきの話だと、あんたたちが情報を集めて、俺がそれを形にするってことか?」
「ざっくり言えばそういうことだね。もちろん、物作りを君に丸投げするつもりじゃないよ? 開発にしろ、量産にしろ、きちんと協力はさせてもらう」
説明を聞き、一瞬考え込んだトーマだったが、すぐに顔を上げてうなずいた。
「良いだろう。ウチにとって損な話じゃねぇな。1つだけ条件をつけさせてくれ」
「言ってみたまえ」
「頼まれた仕事を受けるかどうかは俺の一存で決める。その代わり、お宅らが仕事をどこに持っていこうと俺は文句を言わねぇ。それで良いか?」
協力するが、迎合はしない。トーマの条件とは、そういう独立性の保証であった。
「キムラーヤは大店だからな。僕たちのわがままにつき合えないこともあるだろう。結構だ。案件毎に協力を取り決めるってことで、どうだろう?」
「異議なし」
「上等だ。それじゃあ、9月以降もよろしく頼むぜ、お2人さん」
こうしてステファノを除く情革研の3人は、卒業後も協力関係を継続することになった。
「そうと決まれば、名前が欲しいね」
「何の名前?」
「決まってるだろう、サントス。卒業後に作る協力体制の名前さ」
「情革研じゃだめなのか?」
勢いに乗るスールーに、サントスとトーマは置いて行かれそうになる。
「今さら『研究会』というのもねえ。社会に出るからには、もうちょっと本腰を入れた感じにしたいじゃないか。『情報革命協議会』ではどうかな?」
「情革協」
「別に良いんじゃねぇか? あまり変わりばえしないが」
三者三様の口ぶりだったが、それがこの会の長所でもあった。
それを見ていたステファノが、口を開いた。
「俺も入って良いですか?」
「うん? ステファノ、君もか?」
「問題ないのか、それは?」
ステファノは新生情革協に入りたいと言う。しかし、それはウニベルシタス内部者が外部団体に同時所属するということになる。
それは、いわゆる「利益相反」になるのではないかと、トーマは懸念した。
「ウニベルシタスは利益を追求する団体ではありません」
「ふむ。外部団体に情報を流しても問題ないと言うわけか」
「こっちとすりゃありがたい話だけどな。お前の立場が悪くなったりしねぇのか?」
「内通者は抹殺するべし」
物騒なことを言ったのはサントスだ。極端な表現ではあるが、内通者が裏切り者扱いされることは当然とも言える。
「情報は誰でも入手できるように公表しますよ」
ステファノはまっすぐな目をして言った。
「それはまた……思い切った話だね」
「ウニベルシタスとはそういう場所なんです。闇を照らす科学の灯になる存在です」
「儲けもなしでか。俺には考えられないぜ」
非営利の教育研究機関。そんなものはこの世界にない。中心にいるネルソンが貴族出身の富豪であるからこそできることであった。
「これは油断できないな」
「どういう意味だ、スールー?」
「だってそうじゃないか。世界全体がライバルになるんだよ? それでも僕たちが一番にならなくちゃ」
「そういうことか。気を抜く暇などねぇな」
サントスもトーマも表情を引き締めた。
「望むところじゃないか。まとめて相手をしてやるさ!」
スールーは小鼻を膨らませて、ぐいっと腕まくりをした。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第508話 何をしても良いと言われたら、何をしたい?」
ステファノは王都にいた。
王国魔術大会への出場を終え、すべてのことから自由の身となった。9月まではどこに行き、何をするのも勝手であった。
旅の路銀にも苦労はない。
(旦那様にもらった給金がたっぷりあるし、キムラーヤから送られてくる標的鏡の発明料も手つかずで残っている)
家でも買わない限りは使い切れないほどの額がステファノの口座にたまっていた。
……
◆お楽しみに。
0
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。
karashima_s
ファンタジー
地球にダンジョンが出来て10年。
その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。
ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。
ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。
当時は、危険だとして制限されていたダンジョン探索も、今では門戸も広がり、適正があると判断された者は、ある程度の教習を受けた後、試験に合格すると認定を与えられ、探索者(シーカー)として認められるようになっていた。
運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。
新田 蓮(あらた れん)もその一人である。
高校を出て、別にやりたい事もなく、他人との関わりが嫌いだった事で会社勤めもきつそうだと判断、高校在学中からシーカー免許教習所に通い、卒業と同時にシーカーデビューをする。そして、浅い階層で、低級モンスターを狩って、安全第一で日々の糧を細々得ては、その収入で気楽に生きる生活を送っていた。
そんなある日、ダンジョン内でスキルオーブをゲットする。手に入れたオーブは『XXXサバイバルセット』。
ほんの0.00001パーセントの確実でユニークスキルがドロップする事がある。今回、それだったら、数億の価値だ。それを売り払えば、悠々自適に生きて行けるんじゃねぇー?と大喜びした蓮だったが、なんと難儀な連中に見られて絡まれてしまった。
必死で逃げる算段を考えていた時、爆音と共に、大きな揺れが襲ってきて、足元が崩れて。
落ちた。
落ちる!と思ったとたん、思わず、持っていたオーブを強く握ってしまったのだ。
落ちながら、蓮の頭の中に声が響く。
「XXXサバイバルセットが使用されました…。」
そして落ちた所が…。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる