361 / 637
第4章 魔術学園奮闘編
第361話 はずれはオレかもしんねェナ。
しおりを挟む
実は瞑想法の訓練ということになると、ステファノも長い時間行うことができなかった。
アカデミーでは授業や課題、体術と魔術の訓練などで日中は忙殺される。自由になる時間は夜しかなかった。
瞑想は「イドの繭」とは違って、常時行うことができない。別のこととの掛け持ちは無理だった。
「俺もこの休みが良い機会です。昼の半分くらいは瞑想に時間を当てたいと思っています」
ステファノは魔視脳の完全な解放と化身の自立化を、冬休みの目標としていた。
「魔視脳に対する刺激があるレベルを超えると解放に至るように、アバターの学習も『ここを超えると知性として自立する』という限界点があるように思います」
「お前のギフトがそう感じさせているのかもしれん。ありそうな話だな」
同じく知覚系のギフトを持つネルソンは、ステファノの感覚に共感した。
「私のギフトも知覚系だ。その気になれば起きている間は稼働できるな」
ネルソンがそうしなかったのは「そうする必要を感じていなかった」からであった。これまでは判断を必要とする時にだけギフト「テミスの秤」を使用していた。
「瞑想法で魔視脳を完全開放することはできそうもないが、ギフトを育てることはできるかもしれん。やってみる価値はあるな」
ギフトの使用が特段の負担にならないネルソンの場合は、ギフト訓練によるアバターの発現が望めるかもしれない。
「ふむ。わたしの場合は瞑想の方に重点を置いた方が良さそうです」
マルチェルは考えながら言った。
彼のギフト「邯鄲の夢」は主観的時間を引き延ばす特殊知覚系の能力である。脳が処理する情報量が格段に増えるので、常時発動は不可能であった。
一方で、瞑想はマルチェルの得意技と言って良かった。
「ステファノが得た感覚には興味深いものがあります。外面ではなく、自分の内面に世界を発見する思索とは面白い。イドを陽気と陰気の複合と捉える発想も刺激的です」
ドイルのような並行処理、ネルソンのような常時稼働はできない。しかし、マルチェルは瞑想の精度を極限まで研ぎ澄ますことができる。そして、極めつきは――。
「内省が極まる瞬間にギフトを発動すれば、10倍の経験値が得られるでしょう」
須臾の間訪れる「悟り」の瞬間を、マルチェルは10倍に引き延ばすことができる。ある意味誰よりも瞑想向きの体質を持っていると言えた。
「それぞれギフトの特性を利用することができそうですね。1人もはずれがいないとはできすぎています。これも達成者としての能力でしょうか?」
ステファノは感嘆して言った。
「はずれはオレかもしんねェナ」
ヨシズミが頭をかいた。
「オレにはギフトなんてねェからヨ」
ステファノはゆっくり首を振った。
「『千変万化』」
「何だッテ?」
「千変万化」はヨシズミの二つ名であった。かつて戦場を駆けまわっていたころ、彼はそう呼ばれ、多くの敵に恐れられていた。
「魔視脳が覚醒して師匠がやっていることの片鱗が見えてきました。あれは単なる術の行使ではありません。場面に応じてどのようにでも瞬時に変化する。そういう能力だと思います」
「なるほど。自覚していないだけで、潜在的なギフトだというわけか」
ステファノの発想にドイルが反応した。
「何しろギフトとは無意識の発展形ですからね。無自覚の内に発現する場合もあるでしょう」
「だったら、答えは簡単だな。自覚して日の下にさらしてやれば良い」
「自覚することで形を与えるということですね?」
ステファノとドイルの会話を聞きながら、ヨシズミは爪を噛んで考え込んだ。
「その二つ名は捨てたモンダ。オレがギフトに名前をつけてやるなら……『千変万華』だナ」
ヨシズミの口から出たのは、その言葉だった。
「千変万華……。無限に変化し、咲き乱れる花々ですか」
「それは良いですね。花は咲き、散ってやがて実を結びます」
マルチェルも微笑みながら言葉を添えた。
「……『百花繚乱千変万華』。平和の時にふさわしかろう」
ネルソンの一言で、ヨシズミのギフトに形が与えられた。
◆◆◆
「さて、ステファノ。お前が磨いている体術を見せてもらいましょう」
先ずステファノと向き合ったのは、マルチェルであった。
「はい。自由組手をお願いします」
「……良いでしょう。どこまで上達したか、立ち会いを以て確かめましょう」
「俺は体術とイドを使います」
ステファノはあえてマルチェルに宣言した。
「イドを使う」とは、「魔術は使わない」ということである。
ピクリと眉毛を動かしただけで、マルチェルは黙って頷いた。
「では始めましょう」
その言葉と同時に、ステファノはマルチェルに向かってすり足で進んだ。滑るような動きであったが、一見無造作に距離を詰めたように見える。
瞬く間に手の届く距離まで間合いが縮まった。ステファノは右手を伸ばしてマルチェルの左襟を取りに行く。
打撃技で突き放すこともできたはずであるが、マルチェルはあえてステファノの誘いに乗った。ステファノの右手首を内側から左手でつかみ、引き下げながら相手の肘を右手で押さえにかかる。
反時計回りに体を回転させながら、回転力と体重を肩から右手に伝える技。
「隅落とし」であった。
マルチェルの右手がステファノの肘を押さえようとした時、意図した以上に体が回転していた。
(む?)
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第362話 師匠譲りの千変万化か?」
既に投げのタイミングを通り過ぎてしまった。このまま肘を押さえに行っても技は決まらない。
マルチェルは瞬時に投げを捨て、そのまま加速してステファノの眼前に背中を向けた。
一見隙だらけだが、攻める手は意外に少ない。
パンチや蹴りを出すには距離が近すぎる。しかも、ステファノの右手は引き下げられているので、右手ですぐに攻撃できない。同時に反動で左手も振り回されており、体勢を立て直してからでなければ攻撃できない。
後は背中から抱きつくしかないのだが、ステファノの視野にはマルチェルの左肘が見切れていた。
回転のすり抜けざまに後ろ猿臂を打ち抜こうという動きだ。
……
◆お楽しみに。
アカデミーでは授業や課題、体術と魔術の訓練などで日中は忙殺される。自由になる時間は夜しかなかった。
瞑想は「イドの繭」とは違って、常時行うことができない。別のこととの掛け持ちは無理だった。
「俺もこの休みが良い機会です。昼の半分くらいは瞑想に時間を当てたいと思っています」
ステファノは魔視脳の完全な解放と化身の自立化を、冬休みの目標としていた。
「魔視脳に対する刺激があるレベルを超えると解放に至るように、アバターの学習も『ここを超えると知性として自立する』という限界点があるように思います」
「お前のギフトがそう感じさせているのかもしれん。ありそうな話だな」
同じく知覚系のギフトを持つネルソンは、ステファノの感覚に共感した。
「私のギフトも知覚系だ。その気になれば起きている間は稼働できるな」
ネルソンがそうしなかったのは「そうする必要を感じていなかった」からであった。これまでは判断を必要とする時にだけギフト「テミスの秤」を使用していた。
「瞑想法で魔視脳を完全開放することはできそうもないが、ギフトを育てることはできるかもしれん。やってみる価値はあるな」
ギフトの使用が特段の負担にならないネルソンの場合は、ギフト訓練によるアバターの発現が望めるかもしれない。
「ふむ。わたしの場合は瞑想の方に重点を置いた方が良さそうです」
マルチェルは考えながら言った。
彼のギフト「邯鄲の夢」は主観的時間を引き延ばす特殊知覚系の能力である。脳が処理する情報量が格段に増えるので、常時発動は不可能であった。
一方で、瞑想はマルチェルの得意技と言って良かった。
「ステファノが得た感覚には興味深いものがあります。外面ではなく、自分の内面に世界を発見する思索とは面白い。イドを陽気と陰気の複合と捉える発想も刺激的です」
ドイルのような並行処理、ネルソンのような常時稼働はできない。しかし、マルチェルは瞑想の精度を極限まで研ぎ澄ますことができる。そして、極めつきは――。
「内省が極まる瞬間にギフトを発動すれば、10倍の経験値が得られるでしょう」
須臾の間訪れる「悟り」の瞬間を、マルチェルは10倍に引き延ばすことができる。ある意味誰よりも瞑想向きの体質を持っていると言えた。
「それぞれギフトの特性を利用することができそうですね。1人もはずれがいないとはできすぎています。これも達成者としての能力でしょうか?」
ステファノは感嘆して言った。
「はずれはオレかもしんねェナ」
ヨシズミが頭をかいた。
「オレにはギフトなんてねェからヨ」
ステファノはゆっくり首を振った。
「『千変万化』」
「何だッテ?」
「千変万化」はヨシズミの二つ名であった。かつて戦場を駆けまわっていたころ、彼はそう呼ばれ、多くの敵に恐れられていた。
「魔視脳が覚醒して師匠がやっていることの片鱗が見えてきました。あれは単なる術の行使ではありません。場面に応じてどのようにでも瞬時に変化する。そういう能力だと思います」
「なるほど。自覚していないだけで、潜在的なギフトだというわけか」
ステファノの発想にドイルが反応した。
「何しろギフトとは無意識の発展形ですからね。無自覚の内に発現する場合もあるでしょう」
「だったら、答えは簡単だな。自覚して日の下にさらしてやれば良い」
「自覚することで形を与えるということですね?」
ステファノとドイルの会話を聞きながら、ヨシズミは爪を噛んで考え込んだ。
「その二つ名は捨てたモンダ。オレがギフトに名前をつけてやるなら……『千変万華』だナ」
ヨシズミの口から出たのは、その言葉だった。
「千変万華……。無限に変化し、咲き乱れる花々ですか」
「それは良いですね。花は咲き、散ってやがて実を結びます」
マルチェルも微笑みながら言葉を添えた。
「……『百花繚乱千変万華』。平和の時にふさわしかろう」
ネルソンの一言で、ヨシズミのギフトに形が与えられた。
◆◆◆
「さて、ステファノ。お前が磨いている体術を見せてもらいましょう」
先ずステファノと向き合ったのは、マルチェルであった。
「はい。自由組手をお願いします」
「……良いでしょう。どこまで上達したか、立ち会いを以て確かめましょう」
「俺は体術とイドを使います」
ステファノはあえてマルチェルに宣言した。
「イドを使う」とは、「魔術は使わない」ということである。
ピクリと眉毛を動かしただけで、マルチェルは黙って頷いた。
「では始めましょう」
その言葉と同時に、ステファノはマルチェルに向かってすり足で進んだ。滑るような動きであったが、一見無造作に距離を詰めたように見える。
瞬く間に手の届く距離まで間合いが縮まった。ステファノは右手を伸ばしてマルチェルの左襟を取りに行く。
打撃技で突き放すこともできたはずであるが、マルチェルはあえてステファノの誘いに乗った。ステファノの右手首を内側から左手でつかみ、引き下げながら相手の肘を右手で押さえにかかる。
反時計回りに体を回転させながら、回転力と体重を肩から右手に伝える技。
「隅落とし」であった。
マルチェルの右手がステファノの肘を押さえようとした時、意図した以上に体が回転していた。
(む?)
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第362話 師匠譲りの千変万化か?」
既に投げのタイミングを通り過ぎてしまった。このまま肘を押さえに行っても技は決まらない。
マルチェルは瞬時に投げを捨て、そのまま加速してステファノの眼前に背中を向けた。
一見隙だらけだが、攻める手は意外に少ない。
パンチや蹴りを出すには距離が近すぎる。しかも、ステファノの右手は引き下げられているので、右手ですぐに攻撃できない。同時に反動で左手も振り回されており、体勢を立て直してからでなければ攻撃できない。
後は背中から抱きつくしかないのだが、ステファノの視野にはマルチェルの左肘が見切れていた。
回転のすり抜けざまに後ろ猿臂を打ち抜こうという動きだ。
……
◆お楽しみに。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる