308 / 654
第4章 魔術学園奮闘編
第308話 爆発させれば気流を吹き飛ばせるかもしれませんね。
しおりを挟む
「む。これは……『迅雷の滝』か?」
ドリーは師と仰ぐガル師の秘術を連想した。
「違います。これでは人は死にません」
術を解いたステファノは、杖を納めてそう言った。
「雷気の強さが違います。せいぜい気を失わせる程度でしょう」
「そうか。そのままでは広がらないので、水の助けを借りたのだな」
そもそも大気中を雷が走るのは、とてつもない電位差が生じているせいである。電圧が弱まれば大気中を流すことなどできない。
それに対して水は大気よりはるかに電流を流しやすい。弱めた雷気でも術として成り立つことになる。
「座れ。もう一度検討しよう」
新術披露の後には検討会がつきものである。3人は再び椅子に座って向き合った。
「今のもメシヤ流の秘伝なんだな?」
「そうだ。同じく口外無用だぞ」
「ああ、別に構わんが、水の制御が細かかったな」
デリックが感想を述べた。彼にはドリーが受けるような「生物」のビジョンはないが、それにしても水の動きが生々しかった。
「ステファノのイメージだ。なぜか蛇と相性が良いらしくてな。蛇のイメージで術を使うことが多い」
「ああ。それでしつこいというのか」
古今東西、蛇は生命力の強さから執念深い生き物とみなされている。
「わたしの目には立ち昇った龍が翼を広げたように見えたな」
「雷瀑布を広げる時ですね。なるほど」
「複合魔術にすることで、術の有効範囲を広げたわけだ」
「狙いはそこです。敵の数が多い時に使えないかと」
ドリーとデリックの言葉に、ステファノはそれぞれ答えた。
「実戦で使えそうだな。迅雷の滝同様、細かい狙いは必要ない」
「ああ、確かに。滝で覆ってしまえば、面で制圧できるな」
迅雷の滝は鎧や剣など、敵が持つ武器防具の金気に引かれて着弾する。一方、雷瀑布はそれすら必要としない。範囲内にあるものすべてが感電するだろう。
「ふうむ。対抗手段はどうだ? 五行説なら『火剋金』というところか」
「五行相克か。水を蒸発させることはできそうだが……。雷に効くかな?」
「爆発させれば気流を吹き飛ばせるかもしれませんね」
自然界なら雷雲があってこその雷である。上昇気流を乱し、雷雲を吹き飛ばしてしまえば雷も消える道理だ。
「なるほどな。できそうに思えるが、かなりの魔力が必要だな」
「同じように範囲魔術をぶつけなければ、消えない部分が残るし」
「うむ、面倒くさいな」
「ああ、面倒くさい術だ」
ドリーとデリックは眉を寄せて顔を見合わせた。
「水を吹き飛ばすには、風魔術をぶつけても良いのだな」
「だが、雷自体は残るはずだ。範囲魔術ではなくなるがな」
術の起点である魔術円の中心では雷魔術は有効である。着弾点に立っている敵は打ち倒されるだろう。
「そう考えると、火剋金の相剋の方が効果がありそうだな」
「だが、爆発させるとなると自分たちが危ないぞ」
「爆風の向きを調整しないといけませんね」
地に伏せながら上空に向けて爆発させるような使い方が必要だった。
例のない術だけに、談論風発して大いに盛り上がった。
◆◆◆
その夜、寮に戻ると教務課からメモが入っていた。
商業簿記入門についてのチャレンジを成功と認め、修了単位を認定するという内容であった。
一方、スノーデン王国史初級と万能科学総論についてはチャレンジ失敗とされていた。
(うん。そんな所かな。納得できる)
王国史と万能科学総論については、立場上どうしても掘り下げきれない部分があった。自分が魔力とギフトの両持ちであることを明かさないと、ある所から論が進められないのだ。
どちらの学科も広く役に立つ知識を得られるので、履修を続けるのに異論はない。
それは商業簿記入門についても同じであった。合格はもらったものの、ステファノは将来のためにこの講義を受け続けることにした。
これでチャレンジの結果が出ていない授業は、薬草の基礎のみとなった。
(何にしても、チャレンジ・テーマの提出が全部終わってすっきりしたよ。これで落ちついて研究に集中できる)
その夜は、トーマから渡された鉄粉に魔力を籠める実験に夢中になった。もちろん手拭いで口元を覆うことを忘れない。
小皿に数粒の鉄粉を置き、魔視でイドを探る。
今までは感覚的に、対象物がまとう陽気と自分の陽気を溶け込ませ、練り合わせていた。
しかし、魔核というものの魔術的な意味を知った今は、対象物の陽気に自分が生み出す魔核を埋め込む意識で向かい合った。
無意識に行っていた作業に意味を与え、魔術的なイメージをより濃いものにする。
魔力付与に当たっては、魔核の表面を陽気が覆うように配置し、対象物の陽気に溶け込みやすくしてやる。
これを意識すると、以前よりはるかに容易に魔力を付与できると知った。
(まるで抵抗がないじゃないか。フライパンにバターを置いたように溶けて行く)
鉄粉の大きさは、予想通り何の障害にもならなかった。そもそも物理的に物質を扱っているわけではないのだ。陽気と陰気の間には「宇宙」がある。大きさが足りないことなどあり得ないのだった。
籠めるべき術は魔術円として魔核に格納する。インデックスを記録することにより、即座に術展開を可能としていた。
ステファノ自身の陽気を発動キーとすることで、術の権限者を自身に固定し、誤発動や乗っ取りに対する備えとした。
(魔道具に籠めるのは弱い魔術に限定しよう。強い攻撃魔術を籠めるのはもっと研究が進んでからだ)
ステファノにしては慎重に、当面の用途を限定することにした。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第309話 ステファノ魔道具を身にまとう。」
(灯の術、種火の術、微風の術……。ほんの小さなことで生活が楽になる)
ステファノは鉄粉1粒に1つの術を籠めた。それをあらかじめ切り分けて置いた1センチ四方の布に糊づけする。
糊が乾くのを待って、皮手袋の指先に内側から縫いつけた。
親指に「清水の術」。
人差し指に「種火の術」。
中指に「小雷気の術」。
薬指に「微風の術」。
小指に「灯の術」。
これを両手の手袋に仕込んだ。
(魔術発動は禁止されているが、魔道具使用は自由だ。……持っていればだけど)
……
◆お楽しみに。
ドリーは師と仰ぐガル師の秘術を連想した。
「違います。これでは人は死にません」
術を解いたステファノは、杖を納めてそう言った。
「雷気の強さが違います。せいぜい気を失わせる程度でしょう」
「そうか。そのままでは広がらないので、水の助けを借りたのだな」
そもそも大気中を雷が走るのは、とてつもない電位差が生じているせいである。電圧が弱まれば大気中を流すことなどできない。
それに対して水は大気よりはるかに電流を流しやすい。弱めた雷気でも術として成り立つことになる。
「座れ。もう一度検討しよう」
新術披露の後には検討会がつきものである。3人は再び椅子に座って向き合った。
「今のもメシヤ流の秘伝なんだな?」
「そうだ。同じく口外無用だぞ」
「ああ、別に構わんが、水の制御が細かかったな」
デリックが感想を述べた。彼にはドリーが受けるような「生物」のビジョンはないが、それにしても水の動きが生々しかった。
「ステファノのイメージだ。なぜか蛇と相性が良いらしくてな。蛇のイメージで術を使うことが多い」
「ああ。それでしつこいというのか」
古今東西、蛇は生命力の強さから執念深い生き物とみなされている。
「わたしの目には立ち昇った龍が翼を広げたように見えたな」
「雷瀑布を広げる時ですね。なるほど」
「複合魔術にすることで、術の有効範囲を広げたわけだ」
「狙いはそこです。敵の数が多い時に使えないかと」
ドリーとデリックの言葉に、ステファノはそれぞれ答えた。
「実戦で使えそうだな。迅雷の滝同様、細かい狙いは必要ない」
「ああ、確かに。滝で覆ってしまえば、面で制圧できるな」
迅雷の滝は鎧や剣など、敵が持つ武器防具の金気に引かれて着弾する。一方、雷瀑布はそれすら必要としない。範囲内にあるものすべてが感電するだろう。
「ふうむ。対抗手段はどうだ? 五行説なら『火剋金』というところか」
「五行相克か。水を蒸発させることはできそうだが……。雷に効くかな?」
「爆発させれば気流を吹き飛ばせるかもしれませんね」
自然界なら雷雲があってこその雷である。上昇気流を乱し、雷雲を吹き飛ばしてしまえば雷も消える道理だ。
「なるほどな。できそうに思えるが、かなりの魔力が必要だな」
「同じように範囲魔術をぶつけなければ、消えない部分が残るし」
「うむ、面倒くさいな」
「ああ、面倒くさい術だ」
ドリーとデリックは眉を寄せて顔を見合わせた。
「水を吹き飛ばすには、風魔術をぶつけても良いのだな」
「だが、雷自体は残るはずだ。範囲魔術ではなくなるがな」
術の起点である魔術円の中心では雷魔術は有効である。着弾点に立っている敵は打ち倒されるだろう。
「そう考えると、火剋金の相剋の方が効果がありそうだな」
「だが、爆発させるとなると自分たちが危ないぞ」
「爆風の向きを調整しないといけませんね」
地に伏せながら上空に向けて爆発させるような使い方が必要だった。
例のない術だけに、談論風発して大いに盛り上がった。
◆◆◆
その夜、寮に戻ると教務課からメモが入っていた。
商業簿記入門についてのチャレンジを成功と認め、修了単位を認定するという内容であった。
一方、スノーデン王国史初級と万能科学総論についてはチャレンジ失敗とされていた。
(うん。そんな所かな。納得できる)
王国史と万能科学総論については、立場上どうしても掘り下げきれない部分があった。自分が魔力とギフトの両持ちであることを明かさないと、ある所から論が進められないのだ。
どちらの学科も広く役に立つ知識を得られるので、履修を続けるのに異論はない。
それは商業簿記入門についても同じであった。合格はもらったものの、ステファノは将来のためにこの講義を受け続けることにした。
これでチャレンジの結果が出ていない授業は、薬草の基礎のみとなった。
(何にしても、チャレンジ・テーマの提出が全部終わってすっきりしたよ。これで落ちついて研究に集中できる)
その夜は、トーマから渡された鉄粉に魔力を籠める実験に夢中になった。もちろん手拭いで口元を覆うことを忘れない。
小皿に数粒の鉄粉を置き、魔視でイドを探る。
今までは感覚的に、対象物がまとう陽気と自分の陽気を溶け込ませ、練り合わせていた。
しかし、魔核というものの魔術的な意味を知った今は、対象物の陽気に自分が生み出す魔核を埋め込む意識で向かい合った。
無意識に行っていた作業に意味を与え、魔術的なイメージをより濃いものにする。
魔力付与に当たっては、魔核の表面を陽気が覆うように配置し、対象物の陽気に溶け込みやすくしてやる。
これを意識すると、以前よりはるかに容易に魔力を付与できると知った。
(まるで抵抗がないじゃないか。フライパンにバターを置いたように溶けて行く)
鉄粉の大きさは、予想通り何の障害にもならなかった。そもそも物理的に物質を扱っているわけではないのだ。陽気と陰気の間には「宇宙」がある。大きさが足りないことなどあり得ないのだった。
籠めるべき術は魔術円として魔核に格納する。インデックスを記録することにより、即座に術展開を可能としていた。
ステファノ自身の陽気を発動キーとすることで、術の権限者を自身に固定し、誤発動や乗っ取りに対する備えとした。
(魔道具に籠めるのは弱い魔術に限定しよう。強い攻撃魔術を籠めるのはもっと研究が進んでからだ)
ステファノにしては慎重に、当面の用途を限定することにした。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第309話 ステファノ魔道具を身にまとう。」
(灯の術、種火の術、微風の術……。ほんの小さなことで生活が楽になる)
ステファノは鉄粉1粒に1つの術を籠めた。それをあらかじめ切り分けて置いた1センチ四方の布に糊づけする。
糊が乾くのを待って、皮手袋の指先に内側から縫いつけた。
親指に「清水の術」。
人差し指に「種火の術」。
中指に「小雷気の術」。
薬指に「微風の術」。
小指に「灯の術」。
これを両手の手袋に仕込んだ。
(魔術発動は禁止されているが、魔道具使用は自由だ。……持っていればだけど)
……
◆お楽しみに。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
裏切られ追放という名の処刑宣告を受けた俺が、人族を助けるために勇者になるはずないだろ
井藤 美樹
ファンタジー
初代勇者が建国したエルヴァン聖王国で双子の王子が生まれた。
一人には勇者の証が。
もう片方には証がなかった。
人々は勇者の誕生を心から喜ぶ。人と魔族との争いが漸く終結すると――。
しかし、勇者の証を持つ王子は魔力がなかった。それに比べ、持たない王子は莫大な魔力を有していた。
それが判明したのは五歳の誕生日。
証を奪って生まれてきた大罪人として、王子は右手を斬り落とされ魔獣が棲む森へと捨てられた。
これは、俺と仲間の復讐の物語だ――
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
無能と蔑まれた七男、前世は史上最強の魔法使いだった!?
青空一夏
ファンタジー
ケアニー辺境伯爵家の七男カイルは、生まれつき魔法を使えず、家族から蔑まれて育った。しかし、ある日彼の前世の記憶が蘇る――その正体は、かつて世界を支配した史上最強の大魔法使いアーサー。戸惑いながらも、カイルはアーサーの知識と力を身につけていき、次第に自らの道を切り拓く。
魔法を操れぬはずの少年が最強の魔法を駆使し、自分を信じてくれる商店街の仲間のために立ち上げる。やがてそれは貴族社会すら揺るがす存在へと成長していくのだった。こちらは無自覚モテモテの最強青年になっていく、ケアニー辺境伯爵家の七男カイルの物語。
※こちらは「異世界ファンタジー × ラブコメ」要素を兼ね備えた作品です。メインは「異世界ファンタジー」ですが、恋愛要素やコメディ要素も兼ねた「ラブコメ寄りの異世界ファンタジー」になっています。カイルは複数の女性にもてますが、主人公が最終的には選ぶのは一人の女性です。一夫多妻のようなハーレム系の結末ではありませんので、女性の方にも共感できる内容になっています。異世界ファンタジーで男性主人公なので男性向けとしましたが、男女関係なく楽しめる内容を心がけて書いていきたいです。よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる