213 / 629
第4章 魔術学園奮闘編
第213話 始めに太陽ありき。
しおりを挟む
サントスの部屋を後にし、6時までの自由時間をステファノは魔力操作初級のチャレンジ対策にあてることにした。
やって来たのは魔術訓練場の開放区画である。ここでは魔力錬成と生活魔法の行使が許されている。今日は柔研究会がないため平服でやってきたステファノは特に目立つこともなく、広々としたエリアの一角に腰を下ろした。
ゆったり胡坐をかいて、膝の上に手のひらを置く。上に向けた左右の手のひらは錬成する魔力の受け皿のつもりだ。
人差し指と親指で輪を描き、太極玉に倣った玉のイメージを表してみた。
横から見れば太極図の陰陽を分解した形になっている。
呼び出す魔力は「水」と「火」だ。右手に水を、左手に火を呼び出せば、「緑に橙」は「ら」の型である。
明想さえも省略し、瞬時に魔力を練る。
玉の形に現れたイデアは意思あるように蛇の形を取った。ドリーであればその形まで「蛇の目」に写して感じ取ったであろう。果たしてディオール先生にはどう見えるのか?
火と水の蛇は己の尾を追ってぐるぐると渦巻く。ステファノはあるいは大きく、あるいは小さくその大きさを変えてみた。
水蛇と火蛇を両方同時に大きくし、小さくする。今度は水蛇を大きく、火蛇を小さく。
逆に水蛇を縮め、火蛇を伸ばす。
手指を動かすように魔力を自在に操るところまで、ステファノは練習を繰り返した。
(よし。これならば好きな強さで魔力を呼び出せる)
後は試射場で魔力の大きさと術の威力との関係を細かく確認するだけだ。威力の制御は万全になるはずであった。
満足したステファノは両手の印を胸の前で合わせた。左手を下に、右手を上に。
その形は太極図に重なり、説法印と呼ばれる印相を象った。
水気は火気を追い、火気は水気を飲み込もうとする。
五行相克、2つのイデアは互いを吸収しながら中心の1点に収れんし、消えて行った。
(そうか。陰陽五行、日、月、火、水、木、金、土とは魔力6属性に「始原の赤」を加えたものか)
日月は太陽と太陰を表わしながら、「始原の赤」と「終焉の紫」でもある。
月はまた光の属性でもあった。
(木は風、金は雷。「始原の赤」は、陽気の根本にしてすべての属性を生み出す元。つまり己のイドそのものだ)
(だからヨシズミ師匠の世界では、魔視脳を活性化したものはすべての属性魔力を生み出すことができたんだ)
イドこそイデアの源であり、イデア界への窓であった。
「始めに太陽ありき」
ステファノは、魔力操作とはイドの鍛錬であることを悟った。
それから6時まで、ステファノは太極玉を繰り返し練り続けた。
◆◆◆
「来たか」
「今日もよろしくお願いします」
ステファノはドリーとあいさつを交わすと、さっそく試射場のブースに向かった。
これまで「火」、「水」、「風」、「雷」、「土」を訓練してきた。
順番で行けば、今日は「光」の日だ。
「光魔術をやってみようと思うんですが……」
ステファノの宣言も歯切れが悪くなる。
「ふふ。光で攻撃魔法は難しいぞ。余程光属性に強い術者でなければ、攻撃にはならん」
そうなのだ。強い光を浴びせて「目つぶし」をすることはできる。
しかし、ここでの相手は命のない「標的」である。目つぶしでは効果がない。
「上手く行くか確信がないのですが、一応考えてきた術があります」
「ほう。面白そうだな。見せてもらおうか」
「説明が難しいので、良く見ていてください」
ステファノは胸の前で「説法印」の形に手を重ねた。人差し指と親指で輪を作り、上に向けた左手の上に右手をかざす。
2つの勾玉が互いを追って巡り合う形。
またの名を「転法輪印」と言う。ステファノにとっては2つの魔法が輪を描いて回るイメージを手の形で表したものであった。
ドリーはピクリと眉を動かしたが、何事もないように魔術の発射を許可した。
「5番、光魔術。準備が良ければ、撃て」
(ん~)
紫の光紐が2筋、両手の中に走り出した。お互いを追い掛けながら、渦を巻く。
凝縮された力が集まる渦の中心から眩しい光が漏れたと思うと、音もなく一匹の白蛇が宙を飛んだ。
今まで見たどの術よりも速く、一瞬で距離を詰めた光る蛇は標的にまとわりつくと繭のように標的全体を覆った。
「『ん』の型、白銀」
音も衝撃もなく、光の繭はただ標的を覆っているだけであった。
「ふーん。これは近づいても危険ではないのだな? 良し」
ガラガラと鎖を鳴らして、ドリーは標的を引き寄せた。
「中々の密度で魔力をまとわせていることはわかるのだがな。これはどういう術なのだ?」
ギフト「蛇の目」を持つドリーでも、ステファノが編み出した「白銀」と言う術の正体を判じかねた。光るだけで攻撃力があるのか?
「これは要するに目つぶしです」
「そんなに強い光には見えないが」
「光は内向きに出ています」
ヨシズミは洞窟の壁の反射率を上げて光を逃さぬ工夫をしていた。ステファノはそれを捕縛術として応用したのだった。
白蛇が転じた光の繭は、内部が反射率100%になっている。内向きに発せられた光は減衰することなく繭の中を満たして、虜の目を眩ますのだ。
「雪国では深い吹雪の中に取り込まれると、どこもかしこも真っ白な世界になり方向感覚を失って動けなくなることがあるそうです」
「聞いたことがある。家の庭先でも遭難して帰れなくなることがあるそうだな」
「それを光の繭で再現しました。敵の行動を封じる術です」
ドリーはじわじわと体に迫る恐怖を感じた。
「痛くも痒くもないのだな、相手は?」
「眩しいこと以外は何でもありません」
それでいて動けない。形のない光の繭は、むしり取ることも破ることもできない。
「これは水の縄以上に破りにくい術だな」
「俺の師匠からは土魔術の一種がカウンターだと言われました」
「土魔術だと? どう使うのだ?」
「引力ではなく、『引力に伴う効果』のみを引き出して光を吸い込ませると」
土で光を吸い込むだと? 想像したこともない発想に、ドリーは今度こそ恐怖を覚えた。
「お前の師匠は本当に化け物だな。光と土が混ざって何か起こるところなど、見たこともないが……」
ドリーは土魔術を使うと宣言し、標的を5メートルの距離に下がらせた。
「引力を出さずに結果だけ使えだと? ややこしいことを」
ぶつぶつ言いながらドリーは短杖を構えた。
「流砂の陣、『蟻地獄』」
標的の足元に生まれた漏斗型の蟻地獄は引力効果のイメージ。小型のブラックホールのようなものであった。
光の繭は蟻地獄に引かれてにじむような帯となって下方に動いた。
「まだ力が足りないか? これでどうだ!」
ドリーは短杖を振ってさらに魔力を送り込んだ。
引き延ばされた光の繭が赤い光を帯びて蟻地獄に吸い込まれていく。
音のない戦いは蟻地獄の勝利となり、光は跡形もなく消えた。ドリーが短杖を振ると、役割を終えた蟻地獄が渦を巻きながら地面に消えていった。
「なるほど。土属性で破ることはできるのだな。しかし、しつこいな」
もしドリーと同じようにステファノが魔力を追加すれば、光と土の綱引きが延々と続いたはずであった。
「しかも気を使う。引力を働かせずに光を吸い込む結果だけを持って来るとはな。言わせてもらえば相当な実力者でなければできないことだぞ」
「引力を使ってしまうと、大惨事になるそうです」
「だろうな。そこらじゅうの物を吸い込んでしまうだろう」
もっともそれ程の強さで引力を使おうとしたら、上級魔術師でなければ難しい。
そこらの術師にできることではなかった。
「やっぱりドリーさんの術は切れ味が鋭いですね」
「馬鹿者。子供に褒められても喜ばんぞ。やれやれだ」
「ドリーさんの術がそれだけきめ細かいのは、やはり『蛇の目』で魔力を見極めているからですか?」
「それが大きいな。それと伯父の術を間近で見続けた結果だろう」
ドリーにとって超えることのできない山のような存在、それがガル老師であった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第214話 普通の火球ってどうやるんですか?」
「点数が上振れしたことよりも、術の形態が特殊過ぎるな」
「縛るのはやりすぎですか?」
「前にも言ったが、まるで炎が生きているようなのでな。マリアンヌ女史の研究心を刺激すると思うぞ」
普通の術者なら火球を飛ばすところである。ところがステファノの火球は、実際は隕石であった。
「普通の火球ってどうやるんですか?」
「お前はときどきアホみたいな質問をするな。簡単に言えば水魔術を飛ばすのと同じ理屈だ。燃える気を圧縮して、前方の一カ所だけ開放してやれば前に飛んで行くぞ」
「そういうことですか」
球と言うから「物体」を想像していた。そのために隕石を飛ばしてしまったのだ。
炎の塊を圧縮したものを飛ばせばよいのかと、ステファノは初めて気がついた。
……
◆お楽しみに。
やって来たのは魔術訓練場の開放区画である。ここでは魔力錬成と生活魔法の行使が許されている。今日は柔研究会がないため平服でやってきたステファノは特に目立つこともなく、広々としたエリアの一角に腰を下ろした。
ゆったり胡坐をかいて、膝の上に手のひらを置く。上に向けた左右の手のひらは錬成する魔力の受け皿のつもりだ。
人差し指と親指で輪を描き、太極玉に倣った玉のイメージを表してみた。
横から見れば太極図の陰陽を分解した形になっている。
呼び出す魔力は「水」と「火」だ。右手に水を、左手に火を呼び出せば、「緑に橙」は「ら」の型である。
明想さえも省略し、瞬時に魔力を練る。
玉の形に現れたイデアは意思あるように蛇の形を取った。ドリーであればその形まで「蛇の目」に写して感じ取ったであろう。果たしてディオール先生にはどう見えるのか?
火と水の蛇は己の尾を追ってぐるぐると渦巻く。ステファノはあるいは大きく、あるいは小さくその大きさを変えてみた。
水蛇と火蛇を両方同時に大きくし、小さくする。今度は水蛇を大きく、火蛇を小さく。
逆に水蛇を縮め、火蛇を伸ばす。
手指を動かすように魔力を自在に操るところまで、ステファノは練習を繰り返した。
(よし。これならば好きな強さで魔力を呼び出せる)
後は試射場で魔力の大きさと術の威力との関係を細かく確認するだけだ。威力の制御は万全になるはずであった。
満足したステファノは両手の印を胸の前で合わせた。左手を下に、右手を上に。
その形は太極図に重なり、説法印と呼ばれる印相を象った。
水気は火気を追い、火気は水気を飲み込もうとする。
五行相克、2つのイデアは互いを吸収しながら中心の1点に収れんし、消えて行った。
(そうか。陰陽五行、日、月、火、水、木、金、土とは魔力6属性に「始原の赤」を加えたものか)
日月は太陽と太陰を表わしながら、「始原の赤」と「終焉の紫」でもある。
月はまた光の属性でもあった。
(木は風、金は雷。「始原の赤」は、陽気の根本にしてすべての属性を生み出す元。つまり己のイドそのものだ)
(だからヨシズミ師匠の世界では、魔視脳を活性化したものはすべての属性魔力を生み出すことができたんだ)
イドこそイデアの源であり、イデア界への窓であった。
「始めに太陽ありき」
ステファノは、魔力操作とはイドの鍛錬であることを悟った。
それから6時まで、ステファノは太極玉を繰り返し練り続けた。
◆◆◆
「来たか」
「今日もよろしくお願いします」
ステファノはドリーとあいさつを交わすと、さっそく試射場のブースに向かった。
これまで「火」、「水」、「風」、「雷」、「土」を訓練してきた。
順番で行けば、今日は「光」の日だ。
「光魔術をやってみようと思うんですが……」
ステファノの宣言も歯切れが悪くなる。
「ふふ。光で攻撃魔法は難しいぞ。余程光属性に強い術者でなければ、攻撃にはならん」
そうなのだ。強い光を浴びせて「目つぶし」をすることはできる。
しかし、ここでの相手は命のない「標的」である。目つぶしでは効果がない。
「上手く行くか確信がないのですが、一応考えてきた術があります」
「ほう。面白そうだな。見せてもらおうか」
「説明が難しいので、良く見ていてください」
ステファノは胸の前で「説法印」の形に手を重ねた。人差し指と親指で輪を作り、上に向けた左手の上に右手をかざす。
2つの勾玉が互いを追って巡り合う形。
またの名を「転法輪印」と言う。ステファノにとっては2つの魔法が輪を描いて回るイメージを手の形で表したものであった。
ドリーはピクリと眉を動かしたが、何事もないように魔術の発射を許可した。
「5番、光魔術。準備が良ければ、撃て」
(ん~)
紫の光紐が2筋、両手の中に走り出した。お互いを追い掛けながら、渦を巻く。
凝縮された力が集まる渦の中心から眩しい光が漏れたと思うと、音もなく一匹の白蛇が宙を飛んだ。
今まで見たどの術よりも速く、一瞬で距離を詰めた光る蛇は標的にまとわりつくと繭のように標的全体を覆った。
「『ん』の型、白銀」
音も衝撃もなく、光の繭はただ標的を覆っているだけであった。
「ふーん。これは近づいても危険ではないのだな? 良し」
ガラガラと鎖を鳴らして、ドリーは標的を引き寄せた。
「中々の密度で魔力をまとわせていることはわかるのだがな。これはどういう術なのだ?」
ギフト「蛇の目」を持つドリーでも、ステファノが編み出した「白銀」と言う術の正体を判じかねた。光るだけで攻撃力があるのか?
「これは要するに目つぶしです」
「そんなに強い光には見えないが」
「光は内向きに出ています」
ヨシズミは洞窟の壁の反射率を上げて光を逃さぬ工夫をしていた。ステファノはそれを捕縛術として応用したのだった。
白蛇が転じた光の繭は、内部が反射率100%になっている。内向きに発せられた光は減衰することなく繭の中を満たして、虜の目を眩ますのだ。
「雪国では深い吹雪の中に取り込まれると、どこもかしこも真っ白な世界になり方向感覚を失って動けなくなることがあるそうです」
「聞いたことがある。家の庭先でも遭難して帰れなくなることがあるそうだな」
「それを光の繭で再現しました。敵の行動を封じる術です」
ドリーはじわじわと体に迫る恐怖を感じた。
「痛くも痒くもないのだな、相手は?」
「眩しいこと以外は何でもありません」
それでいて動けない。形のない光の繭は、むしり取ることも破ることもできない。
「これは水の縄以上に破りにくい術だな」
「俺の師匠からは土魔術の一種がカウンターだと言われました」
「土魔術だと? どう使うのだ?」
「引力ではなく、『引力に伴う効果』のみを引き出して光を吸い込ませると」
土で光を吸い込むだと? 想像したこともない発想に、ドリーは今度こそ恐怖を覚えた。
「お前の師匠は本当に化け物だな。光と土が混ざって何か起こるところなど、見たこともないが……」
ドリーは土魔術を使うと宣言し、標的を5メートルの距離に下がらせた。
「引力を出さずに結果だけ使えだと? ややこしいことを」
ぶつぶつ言いながらドリーは短杖を構えた。
「流砂の陣、『蟻地獄』」
標的の足元に生まれた漏斗型の蟻地獄は引力効果のイメージ。小型のブラックホールのようなものであった。
光の繭は蟻地獄に引かれてにじむような帯となって下方に動いた。
「まだ力が足りないか? これでどうだ!」
ドリーは短杖を振ってさらに魔力を送り込んだ。
引き延ばされた光の繭が赤い光を帯びて蟻地獄に吸い込まれていく。
音のない戦いは蟻地獄の勝利となり、光は跡形もなく消えた。ドリーが短杖を振ると、役割を終えた蟻地獄が渦を巻きながら地面に消えていった。
「なるほど。土属性で破ることはできるのだな。しかし、しつこいな」
もしドリーと同じようにステファノが魔力を追加すれば、光と土の綱引きが延々と続いたはずであった。
「しかも気を使う。引力を働かせずに光を吸い込む結果だけを持って来るとはな。言わせてもらえば相当な実力者でなければできないことだぞ」
「引力を使ってしまうと、大惨事になるそうです」
「だろうな。そこらじゅうの物を吸い込んでしまうだろう」
もっともそれ程の強さで引力を使おうとしたら、上級魔術師でなければ難しい。
そこらの術師にできることではなかった。
「やっぱりドリーさんの術は切れ味が鋭いですね」
「馬鹿者。子供に褒められても喜ばんぞ。やれやれだ」
「ドリーさんの術がそれだけきめ細かいのは、やはり『蛇の目』で魔力を見極めているからですか?」
「それが大きいな。それと伯父の術を間近で見続けた結果だろう」
ドリーにとって超えることのできない山のような存在、それがガル老師であった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第214話 普通の火球ってどうやるんですか?」
「点数が上振れしたことよりも、術の形態が特殊過ぎるな」
「縛るのはやりすぎですか?」
「前にも言ったが、まるで炎が生きているようなのでな。マリアンヌ女史の研究心を刺激すると思うぞ」
普通の術者なら火球を飛ばすところである。ところがステファノの火球は、実際は隕石であった。
「普通の火球ってどうやるんですか?」
「お前はときどきアホみたいな質問をするな。簡単に言えば水魔術を飛ばすのと同じ理屈だ。燃える気を圧縮して、前方の一カ所だけ開放してやれば前に飛んで行くぞ」
「そういうことですか」
球と言うから「物体」を想像していた。そのために隕石を飛ばしてしまったのだ。
炎の塊を圧縮したものを飛ばせばよいのかと、ステファノは初めて気がついた。
……
◆お楽しみに。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる