211 / 661
第4章 魔術学園奮闘編
第211話 動き出した情革研。
しおりを挟む
(さて、商業簿記入門のチャレンジ、どうしようかな?)
週末は工芸入門のチャレンジに時間を割きたいと考えている。何しろ物作りの課題なので、試行錯誤が必要だろう。
魔術発動体のチャレンジはその場で答えられるもので助かった。合格するにしろ、不合格にしろ、課題に割く労力がセーブできた。
魔力操作初級に関しては、「見せ方」だけの問題だ。練習を積めば対応できるだろう。
魔術史の課題は不慣れな論文なだけに、てこずる可能性がある。内容の方向性は決まったので、書き方だけの問題であったが。
(工芸入門の次に、商業簿記のチャレンジが重い内容だな)
1年分の帳簿となると目を通すだけでも時間がかかる。果たして不正個所を見つけることができるだろうか。
(虻蜂取らずになるのが一番良くない。この週末は工芸入門に集中しよう)
来週受ける新授業の内、薬草の基礎と調合の基本はチャレンジで合格できるようなものではないだろう。きちんと知識を積み重ねて行くタイプの学科であるはずだ。
魔術学入門の方は内容次第だ。ドリーによると座学が中心になるらしい。それではチャレンジ合格は難しいだろう。
明日受ける予定のスノーデン王国史、神学入門、万能科学総論もチャレンジは無理だろう。内容の見当もつかない科目である。むしろ授業にしっかり出て、出会ったことのない知識を吸収するべきだろう。
残るは呪文詠唱の基礎だが、無詠唱で魔術発動ができるステファノならチャレンジ合格ができそうだ。
(よし。来週は簿記のチャレンジに集中しよう)
ステファノの長所は、割り切ってしまえばくどくどと悩まないところだ。
すっきりした気分でステファノはサントスの部屋へと向かった。
◆◆◆
「やあ、ステファノ。これで全員揃ったな」
「揃ったと言っても3人だけですけど」
部屋には既にスールーが来ていた。
アカデミーの寮は男女一緒なので、行き来は自由だ。
生徒の中には従者を連れて来ている者もいる。男女を分けるなど今更のことであった。
「ここに座りたまえ」
スールーは自分の横、ベッドのマットを叩いた。
サントスは1つしかない椅子に座っている。
自分で言っていた通り、部屋はよく片づいていた。棚にわけのわからない物が置かれているくらいで、物の少ない部屋であった。
「先ずは僕から報告しようか。人探しについては残念ながら成果なしだ」
魔術に詳しい技術者はそこらにいるものではないらしい。スールーに見つけられないとすると、そもそもいないということだろう。
「その点はこっちも同じ。探したけど皆無」
「今のところはあのトーマが一番有力ってことですね」
本人が名乗り出ているという点が大きい。
「アイツは最後の砦ってことで焦らずにいよう」
スールーは自分に言い聞かせるように言った。
「続いて研究の方だが……」
そう言ってスールーはサントスの顔を見た。
「開発は1日にしてならず」
サントスは憮然とした顔で言う。
「ステファノのために今の状況をおさらいしてくれたまえ」
「情報伝達速度向上について『音』と『光』を検討中」
物理的な運搬に頼る限り馬車の速度が上限となる。
サントスは音と光で情報を伝える手段の開発に取り組んでいた。
「音も光も伝達距離が問題。距離を伸ばすとぼやける」
言葉や文字をそのまま伝えることはできないので、信号に変化して送る。かな文字と数字くらいなら何とか信号でやり取りできそうであった。
しかし、距離に伴う信号の減衰が対策できなかった。
「筒の中で音声を伝えれば減衰を抑えて到達距離を伸ばすことができる」
その事実を発見し、サントスは応用に挑んできた。だが、それも根本的な解決にはならなかった。
十数メートルの到達距離が100メートルになるかもしれないというレベルのものだ。
100メートルの伝声管を作る資金はないので試してみることもできない。
「これは無理を言って鋳造してもらった鉄管だ」
スールーが部屋の隅に立てかけてあった鉄管を持ち出した。赤さびが浮いたパイプは1メートルの長さがあり、ずしりと重い。両端にカップのような物が取りつけてあるのは受話器の役目であろう。
「ステファノそちら側のカップに耳を当ててみろ。僕がこっち側で囁いてみる」
「こうですか?」
サントスが中央を支えている状態で、ステファノは一方の端を持ちカップを耳に被せた。
スールーが反対の端を口元に当てる。
「ふぅー」
「ひぃっ!」
声を送る代わりにスールーはステファノの耳に空気を吹きつけた。
不意を突かれたステファノは思わず、電線管を放り出して飛びのいた。
「な、何するんですか?」
「失礼な奴だな。うら若き乙女の吐息だぞ? ぞくぞくしたろう」
「吐息も何も、耳がぞわぞわしただけですよ」
全身を粟立てたステファノは、耳の穴に指を突っ込んでかき回した。
「ははは。悪い。スールー・ジョークだ。今度は真面目に囁くから聞いてくれ」
「本当ですね。大声を出したりしたら帰りますからね?」
「う、うん。大声を出すのはやめる」
やる気はあったらしい。これだからスールーには油断ができない。
ステファノは何かあったらすぐ耳を離すつもりで、再びカップに耳を当てた。
「……テスト、テスト。わが名はスールー。聞こえるか、ステファノ?」
「聞こえます。囁くだけなのに、本当にはっきり聞こえますね」
「こいつの問題点はだな。まずコストがかかりすぎるところだ。これ1本で鉄を5.5キロ使う」
隣町までの距離が10キロだとすれば、その1万倍の鉄が必要だ。安く見積もっても材料代だけで110万ギルはかかるだろう。運搬費、工事費まで考慮すれば総敷設費用は550万ギル以上になるはずだ。
スールーの実家であれば問題なく出せる金額ではある。だが、隣町まで伝声管をつないだところで何の役にも立たないのだ。
情報ネットワークは広い地域をくまなく結んでこそ、その役割を全うする。
どこか1点で発生した情報を素早くあらゆる地点に伝達するからこその情報革命なのである。
対象となる地点が増えるほどに、必要な費用は級数的に増える。
これを民間企業が行おうとすれば、利益を出す前に破綻するであろう。
「2つめの問題は到達距離。100メートルごとに人が必要」
それでは実用には耐えられないだろう。次の100メートル先に伝えるためには伝達文をもう一度送り出す必要があるのだ。
1分の音声を伝言するためには、聞くのに1分、送るのにまた1分必要だ。
100メートルごとにこれを繰り返して10キロ先に伝えるには200分かかる計算になる。3時間20分だ。
3時間あれば10キロ先の町まで余裕で走れる。
もちろん人件費もかかりすぎることは言うまでもない。
「光の方はもっとひどい。何しろ常時見張っていないと受け取れないからな」
スールーが吐き捨てるように言った。
サントスは傷ついた顔をしているが、言い返せない。それが事実だからだ。
「とにかく、コストと距離が壁になっているんだ。これをぶち破らない限り先には進めないだろう」
スールーは総括するように言った。
ステファノは考えをまとめながら意見を述べた。
「まずコストの方ですが、鉄以外の材料を使ったらどうでしょう?」
「うん。柔らかいものだと音を吸収してしまう。固くないとダメ」
「ある程度ですよね?」
「ステファノ、何か案があるのかね?」
ステファノには思いついたものがあった。
「はい。焼き物です」
「焼き物? というと、食器のような?」
「そうです。焼き物なら材料は土ですからコストは桁違いに安くなります。同時にたくさん焼けますし」
「なるほど。硬さと言う面では鉄に劣るが、量産性とか製品の運搬しやすさでは利点があるかもな」
食堂の営業には食器が必要だ。当然焼き物屋とのつき合いがある。ステファノもバンスに連れられて窯元を見に行ったことがあった。
「水道用や排水用に土管という物を使うことがあります。あれを利用できれば安くできます」
「そうか! 早速実家に連絡してサンプルを入手させよう」
スールーが勢い込んで言った。
「もう1つの課題、距離の壁については魔道具を使えば解決できるかもしれません」
「何だと?」
ステファノの言葉に、サントスが食いついた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第212話 ステファノの魔術具構想。」
「字を写す刷り版を魔道具で作ろうと言うのか?」
「そうです。1文字ずつ手で板を彫り込む代わりに、魔道具で一遍に作れないかと」
サントスは実物を想像しているようだ。しきりに手を動かして、手元を睨んでいる。
「理屈はどうなっている?」
「白黒の下絵を光魔術で読み取り、白い部分を土魔術で圧縮するという仕掛けを考えました」
「魔術で刷り版を作るんだな?」
「魔力がないと使えない?」
「いいえ。普通の人間が使っても魔術が発動する道具、『魔術具』を考えています」
「君、それはアーティファクトだろう?」
……
◆お楽しみに。
週末は工芸入門のチャレンジに時間を割きたいと考えている。何しろ物作りの課題なので、試行錯誤が必要だろう。
魔術発動体のチャレンジはその場で答えられるもので助かった。合格するにしろ、不合格にしろ、課題に割く労力がセーブできた。
魔力操作初級に関しては、「見せ方」だけの問題だ。練習を積めば対応できるだろう。
魔術史の課題は不慣れな論文なだけに、てこずる可能性がある。内容の方向性は決まったので、書き方だけの問題であったが。
(工芸入門の次に、商業簿記のチャレンジが重い内容だな)
1年分の帳簿となると目を通すだけでも時間がかかる。果たして不正個所を見つけることができるだろうか。
(虻蜂取らずになるのが一番良くない。この週末は工芸入門に集中しよう)
来週受ける新授業の内、薬草の基礎と調合の基本はチャレンジで合格できるようなものではないだろう。きちんと知識を積み重ねて行くタイプの学科であるはずだ。
魔術学入門の方は内容次第だ。ドリーによると座学が中心になるらしい。それではチャレンジ合格は難しいだろう。
明日受ける予定のスノーデン王国史、神学入門、万能科学総論もチャレンジは無理だろう。内容の見当もつかない科目である。むしろ授業にしっかり出て、出会ったことのない知識を吸収するべきだろう。
残るは呪文詠唱の基礎だが、無詠唱で魔術発動ができるステファノならチャレンジ合格ができそうだ。
(よし。来週は簿記のチャレンジに集中しよう)
ステファノの長所は、割り切ってしまえばくどくどと悩まないところだ。
すっきりした気分でステファノはサントスの部屋へと向かった。
◆◆◆
「やあ、ステファノ。これで全員揃ったな」
「揃ったと言っても3人だけですけど」
部屋には既にスールーが来ていた。
アカデミーの寮は男女一緒なので、行き来は自由だ。
生徒の中には従者を連れて来ている者もいる。男女を分けるなど今更のことであった。
「ここに座りたまえ」
スールーは自分の横、ベッドのマットを叩いた。
サントスは1つしかない椅子に座っている。
自分で言っていた通り、部屋はよく片づいていた。棚にわけのわからない物が置かれているくらいで、物の少ない部屋であった。
「先ずは僕から報告しようか。人探しについては残念ながら成果なしだ」
魔術に詳しい技術者はそこらにいるものではないらしい。スールーに見つけられないとすると、そもそもいないということだろう。
「その点はこっちも同じ。探したけど皆無」
「今のところはあのトーマが一番有力ってことですね」
本人が名乗り出ているという点が大きい。
「アイツは最後の砦ってことで焦らずにいよう」
スールーは自分に言い聞かせるように言った。
「続いて研究の方だが……」
そう言ってスールーはサントスの顔を見た。
「開発は1日にしてならず」
サントスは憮然とした顔で言う。
「ステファノのために今の状況をおさらいしてくれたまえ」
「情報伝達速度向上について『音』と『光』を検討中」
物理的な運搬に頼る限り馬車の速度が上限となる。
サントスは音と光で情報を伝える手段の開発に取り組んでいた。
「音も光も伝達距離が問題。距離を伸ばすとぼやける」
言葉や文字をそのまま伝えることはできないので、信号に変化して送る。かな文字と数字くらいなら何とか信号でやり取りできそうであった。
しかし、距離に伴う信号の減衰が対策できなかった。
「筒の中で音声を伝えれば減衰を抑えて到達距離を伸ばすことができる」
その事実を発見し、サントスは応用に挑んできた。だが、それも根本的な解決にはならなかった。
十数メートルの到達距離が100メートルになるかもしれないというレベルのものだ。
100メートルの伝声管を作る資金はないので試してみることもできない。
「これは無理を言って鋳造してもらった鉄管だ」
スールーが部屋の隅に立てかけてあった鉄管を持ち出した。赤さびが浮いたパイプは1メートルの長さがあり、ずしりと重い。両端にカップのような物が取りつけてあるのは受話器の役目であろう。
「ステファノそちら側のカップに耳を当ててみろ。僕がこっち側で囁いてみる」
「こうですか?」
サントスが中央を支えている状態で、ステファノは一方の端を持ちカップを耳に被せた。
スールーが反対の端を口元に当てる。
「ふぅー」
「ひぃっ!」
声を送る代わりにスールーはステファノの耳に空気を吹きつけた。
不意を突かれたステファノは思わず、電線管を放り出して飛びのいた。
「な、何するんですか?」
「失礼な奴だな。うら若き乙女の吐息だぞ? ぞくぞくしたろう」
「吐息も何も、耳がぞわぞわしただけですよ」
全身を粟立てたステファノは、耳の穴に指を突っ込んでかき回した。
「ははは。悪い。スールー・ジョークだ。今度は真面目に囁くから聞いてくれ」
「本当ですね。大声を出したりしたら帰りますからね?」
「う、うん。大声を出すのはやめる」
やる気はあったらしい。これだからスールーには油断ができない。
ステファノは何かあったらすぐ耳を離すつもりで、再びカップに耳を当てた。
「……テスト、テスト。わが名はスールー。聞こえるか、ステファノ?」
「聞こえます。囁くだけなのに、本当にはっきり聞こえますね」
「こいつの問題点はだな。まずコストがかかりすぎるところだ。これ1本で鉄を5.5キロ使う」
隣町までの距離が10キロだとすれば、その1万倍の鉄が必要だ。安く見積もっても材料代だけで110万ギルはかかるだろう。運搬費、工事費まで考慮すれば総敷設費用は550万ギル以上になるはずだ。
スールーの実家であれば問題なく出せる金額ではある。だが、隣町まで伝声管をつないだところで何の役にも立たないのだ。
情報ネットワークは広い地域をくまなく結んでこそ、その役割を全うする。
どこか1点で発生した情報を素早くあらゆる地点に伝達するからこその情報革命なのである。
対象となる地点が増えるほどに、必要な費用は級数的に増える。
これを民間企業が行おうとすれば、利益を出す前に破綻するであろう。
「2つめの問題は到達距離。100メートルごとに人が必要」
それでは実用には耐えられないだろう。次の100メートル先に伝えるためには伝達文をもう一度送り出す必要があるのだ。
1分の音声を伝言するためには、聞くのに1分、送るのにまた1分必要だ。
100メートルごとにこれを繰り返して10キロ先に伝えるには200分かかる計算になる。3時間20分だ。
3時間あれば10キロ先の町まで余裕で走れる。
もちろん人件費もかかりすぎることは言うまでもない。
「光の方はもっとひどい。何しろ常時見張っていないと受け取れないからな」
スールーが吐き捨てるように言った。
サントスは傷ついた顔をしているが、言い返せない。それが事実だからだ。
「とにかく、コストと距離が壁になっているんだ。これをぶち破らない限り先には進めないだろう」
スールーは総括するように言った。
ステファノは考えをまとめながら意見を述べた。
「まずコストの方ですが、鉄以外の材料を使ったらどうでしょう?」
「うん。柔らかいものだと音を吸収してしまう。固くないとダメ」
「ある程度ですよね?」
「ステファノ、何か案があるのかね?」
ステファノには思いついたものがあった。
「はい。焼き物です」
「焼き物? というと、食器のような?」
「そうです。焼き物なら材料は土ですからコストは桁違いに安くなります。同時にたくさん焼けますし」
「なるほど。硬さと言う面では鉄に劣るが、量産性とか製品の運搬しやすさでは利点があるかもな」
食堂の営業には食器が必要だ。当然焼き物屋とのつき合いがある。ステファノもバンスに連れられて窯元を見に行ったことがあった。
「水道用や排水用に土管という物を使うことがあります。あれを利用できれば安くできます」
「そうか! 早速実家に連絡してサンプルを入手させよう」
スールーが勢い込んで言った。
「もう1つの課題、距離の壁については魔道具を使えば解決できるかもしれません」
「何だと?」
ステファノの言葉に、サントスが食いついた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第212話 ステファノの魔術具構想。」
「字を写す刷り版を魔道具で作ろうと言うのか?」
「そうです。1文字ずつ手で板を彫り込む代わりに、魔道具で一遍に作れないかと」
サントスは実物を想像しているようだ。しきりに手を動かして、手元を睨んでいる。
「理屈はどうなっている?」
「白黒の下絵を光魔術で読み取り、白い部分を土魔術で圧縮するという仕掛けを考えました」
「魔術で刷り版を作るんだな?」
「魔力がないと使えない?」
「いいえ。普通の人間が使っても魔術が発動する道具、『魔術具』を考えています」
「君、それはアーティファクトだろう?」
……
◆お楽しみに。
0
Amebloにて研究成果報告中。小説情報のほか、「超時空電脳生活」「超時空日常生活」「超時空電影生活」などお題は様々。https://ameblo.jp/hyper-space-lab
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
裏切られ追放という名の処刑宣告を受けた俺が、人族を助けるために勇者になるはずないだろ
井藤 美樹
ファンタジー
初代勇者が建国したエルヴァン聖王国で双子の王子が生まれた。
一人には勇者の証が。
もう片方には証がなかった。
人々は勇者の誕生を心から喜ぶ。人と魔族との争いが漸く終結すると――。
しかし、勇者の証を持つ王子は魔力がなかった。それに比べ、持たない王子は莫大な魔力を有していた。
それが判明したのは五歳の誕生日。
証を奪って生まれてきた大罪人として、王子は右手を斬り落とされ魔獣が棲む森へと捨てられた。
これは、俺と仲間の復讐の物語だ――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる