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第4章 魔術学園奮闘編
第202話 明想三昧、イドの光に至る。
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(目を開けていたら「瞑想」にはならないけどね。この場合は「明想」とでも呼ぶのかな?)
何とはなく、両手を合わせる代わりに両手のひらを上に向けて重ね、親指同士の先をつないだ。4本の指と親指とで円を作った格好だ。
その円を丹田の前に置いて、「太極玉」を練る容れ物にしたつもりであった。
これもイドを呼び覚ますためのイメージである。
下腹を膨らませ、萎ませるイメージで腹式呼吸を長く繰り返し、脳に酸素を送り込む。
続いて「始原の赤」と「終焉の紫」、陽気と陰気の魔力を引き出し手印の上で絡ませ、練る。
「太極玉」が練れたところで丹田の位置から体内に取り込み、想像上の気の流れに乗せて上昇させる。
この間、ステファノの両眼は薄めに開かれていた。いわゆる「半眼」である。
その姿を仏教者が見れば、禅定三昧に至るかと思ったであろう。
座禅瞑想により心の迷いを払った状態のことである。
ステファノに仏を敬う心はない。それを除けば禅定を行っているのに近しいことをステファノは行っていた。
ゆっくりと背骨に沿って上昇した太極玉は脳に至って静止した。
その光と温度を脳裏に感じつつ、ステファノは魔力を練り続ける。
目を半眼に細めているにもかかわらず、ステファノは己の世界が明るい光に満たされるのを感じた。
あらゆるものが光を発している。それは存在そのものが放つ光であった。
命あるものは強く輝き、命なき者はうっすらとほのかに輝いていた。床に光る点を意識で追えば、それは外の植え込みから室内に紛れ込んだ1匹のバッタだった。
遠くに目を移せば、何かの体操をしている生徒たちが見える。かすかな赤の中にぽつぽつと紫の点が見えるのは、疲労している部分であろうか。1人だけ緑に染まった部分がある生徒は魔術科の所属かもしれない。
試みに意識の焦点を移してみればイドの光は徐々に薄れ、消えて行く。そこにあるのはいつもと変わらぬ世界であった。
なぜだろう。いつもと変わらないにもかかわらず、世界は色あせてステファノの目に映るのであった。
(大事なのは陽気、陰気を集めて太極玉を練ることか。これを素早く頭頂部に送ることができればいつでもイドを観ることができる)
(今度は目を瞑ってやってみるか。また、虹の王が見えるのか)
ステファノは両手の指先を上に向け、間に玉を包み込む形にして顔の前に掲げてみた。
(こうすれば頭頂にすぐ太極玉を送れるのではないか?)
陽気と陰気はステファノの意思のまま掌中に生じ、直ちに練り上げられて玉となった。
ステファノのイメージの中、丹田が起こす呼吸に乗って太極玉は鼻から吸い込まれた。
呼気は肺へと気管を下って行くが、太極玉はふわりと体内に浮かび、目の奥を通って脳に運ばれる。
瞑目しているはずのステファノは視野が明るくなったのを感じる。
外界を意識すれば訓練場内部の動きが伝わって来る。床のバッタがのそのそと動く様が脳裏に再現される。
(目を閉じているのだからこれは視覚ではないのか)
そう思えば、「見えない範囲」というものがない。周りを取り巻く物や人が、そこにあるものとして前後左右にかかわらず知覚できる。
(目を開けている時はこの知覚と視覚とが共存しているのか。目を向けているところにだけイドを観ていたが、本当は死角が存在しないんだな)
ステファノは目を閉じたまま両手を合わせ、意識を自身の内側に向ける。
(現実と重なって見えるのは現実界に表層を現わしたイドだけだ。真のイドはイデア界にこそ存在するはず)
現実には存在していない可能性まで含めて、無限のイドが場所なく、時もない世界に存在するはずだった。それは「外」ではなく「内」にある。正確には「内なる窓」がイデア界への通り道なのであった。
(あの窓に至るには……。「あさきゆめみし ゑひもせす ん」)
それは「阿吽」の間に入らんとする念誦であった。
「阿」は外に開き、「吽」は内に閉じる。その間にイデア界と現実界の境目となる「窓」がある。
ステファノは眼を開けた。音もなく、光も見えない、時のない世界がステファノの周りにあった。
次にすべきことは自ら明らかだった。
(虹の王よ、イデア界への道を示せ)
ステファノが浮かぶ時のない宇宙。光さえなかった場所に、星が現れた。
ステファノを取り巻く全天に数限りない星が光り、さざめく。
ステファノは知っている。これは星ではない。大気もない空間でどうして星がさざめこうか。
星が震えるのはそれが生きているからに他ならない。
闇よりも黒い鱗の連なり。うねり、うねって全天を取り巻く。その長大な胴体が星の輝きを放っているのだ。
『求めよ』
(すべての可能性、その揺らぎ、そして時空をまたぐ奥行きに至る道筋を俺に示せ)
『求めよ。求めれば既にあり。探せば見失う。イデアは「阿吽」の間に横たわる』
(阿吽の間にあるのはお前ではないのか? 虹の王こそイデアへの鍵ではないのか?)
『是にして不是。我が眷属は四十八体。悉くを従えれば即ち阿吽の間の道とならん』
『求めよ』
『求めよ』
『求めよ』
そう言って虹の王の思念は遠ざかって行った。
◆◆◆
集中を解いて目を開けば、そこには何も変わらぬ訓練場があった。
(何だろう? 何かが足りないのか?)
瞑想を、いや明想を深めればステファノは現実界にイドの表れを観ることができるようになった。
訓練によってイデアを操れるようになったごとく、イドの感知もその精度を上げることができるだろう。
以前はギフトの使用によって1つ1つの物体のイドを見極めようとしていたが、今では周りに認識できるすべての物を同時に感知することができる。
必要なのは魔視脳の活性化のみであった。
だがそれで観えるイドは氷山の一角であり、そこにはない因果の揺らぎ、可能性に触れることができない。
そこに至るには、イデア界側に視点を持たねばならないのだろう。
(どうすればイデア界に立てるのか。やり方が違うのか? それとも訓練が足りないのか?)
おそらく両方なのだろうとステファノは考えることにした。
ならばやることはわかりやすい。違うやり方を試しつつ、できる訓練を続けて魔視脳を鍛えれば良いのだ。
(やれることがある内は悩む必要はない。まず手を動かさなくっちゃ!)
簡単に答えが見つかるはずがないのだ。大げさに言えば600年閉ざされて来た扉なのである。
手掛かりを得られただけでも立派な成果であった。
(虹の王と対話できたのは良かったが、細かいことは教えてくれないようだ。なぞなぞのような言葉しかくれなかったな)
「求めよ」と言い、「探せば見失う」と言う。
一方で「求めれば既にあり」とも言う。そして……。
(イデアは「阿吽」の間に横たわる、か。それはイデア界のことじゃないのか? 別の意味があるのだろうか……)
(そして「四十八体の眷属」とは何のことだ? それを従えれば阿吽の間の道となると言うが)
「……ファノくん。ステファノ君! 大丈夫? ぼーっとしてたけど」
「あっ、ミョウシンさん! こんにちは。すみません。考え事をしていました」
「別に気にしていないけれど、余程気になることがあったのですね」
「魔力操作のことでちょっと悩んでいて……」
「魔力のことですか。となると、私にはお手伝いできそうもありません」
魔術科ではないミョウシンは、魔術や魔力に関することでは相談に乗ることができなかった。仕方がないことだとはいえ、先輩として残念な気持ちを抑えることができない。
「悩みと言っても何かに困っているわけではないので、心配要りませんよ。訓練を続ければ答えが見つかるはずです」
「そうですか。そうだと良いですね」
ステファノは自分に言い聞かせるように、明るい声を出すのだった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第203話 上が下になり、外が内になる。」
(やっぱり回っているのは俺自身だ)
自ら望んだごとく、ミョウシンを中心にステファノは回った。上にいたステファノが下になる。
ミョウシンとステファノが入れ替わり、ステファノの天地が入れ替わる。
投げられた後、床から見上げたミョウシンの顔は上下が逆になっていた。
(これだ。この入れ替わる感覚だ。上が下になり、外が内になる。そして回るのは自分だ。相手でも世界でもない……)
「そうか! 俺が逆を向いていたのか?」
ステファノは豁然とした想いで目を開いた。
……
◆お楽しみに。
何とはなく、両手を合わせる代わりに両手のひらを上に向けて重ね、親指同士の先をつないだ。4本の指と親指とで円を作った格好だ。
その円を丹田の前に置いて、「太極玉」を練る容れ物にしたつもりであった。
これもイドを呼び覚ますためのイメージである。
下腹を膨らませ、萎ませるイメージで腹式呼吸を長く繰り返し、脳に酸素を送り込む。
続いて「始原の赤」と「終焉の紫」、陽気と陰気の魔力を引き出し手印の上で絡ませ、練る。
「太極玉」が練れたところで丹田の位置から体内に取り込み、想像上の気の流れに乗せて上昇させる。
この間、ステファノの両眼は薄めに開かれていた。いわゆる「半眼」である。
その姿を仏教者が見れば、禅定三昧に至るかと思ったであろう。
座禅瞑想により心の迷いを払った状態のことである。
ステファノに仏を敬う心はない。それを除けば禅定を行っているのに近しいことをステファノは行っていた。
ゆっくりと背骨に沿って上昇した太極玉は脳に至って静止した。
その光と温度を脳裏に感じつつ、ステファノは魔力を練り続ける。
目を半眼に細めているにもかかわらず、ステファノは己の世界が明るい光に満たされるのを感じた。
あらゆるものが光を発している。それは存在そのものが放つ光であった。
命あるものは強く輝き、命なき者はうっすらとほのかに輝いていた。床に光る点を意識で追えば、それは外の植え込みから室内に紛れ込んだ1匹のバッタだった。
遠くに目を移せば、何かの体操をしている生徒たちが見える。かすかな赤の中にぽつぽつと紫の点が見えるのは、疲労している部分であろうか。1人だけ緑に染まった部分がある生徒は魔術科の所属かもしれない。
試みに意識の焦点を移してみればイドの光は徐々に薄れ、消えて行く。そこにあるのはいつもと変わらぬ世界であった。
なぜだろう。いつもと変わらないにもかかわらず、世界は色あせてステファノの目に映るのであった。
(大事なのは陽気、陰気を集めて太極玉を練ることか。これを素早く頭頂部に送ることができればいつでもイドを観ることができる)
(今度は目を瞑ってやってみるか。また、虹の王が見えるのか)
ステファノは両手の指先を上に向け、間に玉を包み込む形にして顔の前に掲げてみた。
(こうすれば頭頂にすぐ太極玉を送れるのではないか?)
陽気と陰気はステファノの意思のまま掌中に生じ、直ちに練り上げられて玉となった。
ステファノのイメージの中、丹田が起こす呼吸に乗って太極玉は鼻から吸い込まれた。
呼気は肺へと気管を下って行くが、太極玉はふわりと体内に浮かび、目の奥を通って脳に運ばれる。
瞑目しているはずのステファノは視野が明るくなったのを感じる。
外界を意識すれば訓練場内部の動きが伝わって来る。床のバッタがのそのそと動く様が脳裏に再現される。
(目を閉じているのだからこれは視覚ではないのか)
そう思えば、「見えない範囲」というものがない。周りを取り巻く物や人が、そこにあるものとして前後左右にかかわらず知覚できる。
(目を開けている時はこの知覚と視覚とが共存しているのか。目を向けているところにだけイドを観ていたが、本当は死角が存在しないんだな)
ステファノは目を閉じたまま両手を合わせ、意識を自身の内側に向ける。
(現実と重なって見えるのは現実界に表層を現わしたイドだけだ。真のイドはイデア界にこそ存在するはず)
現実には存在していない可能性まで含めて、無限のイドが場所なく、時もない世界に存在するはずだった。それは「外」ではなく「内」にある。正確には「内なる窓」がイデア界への通り道なのであった。
(あの窓に至るには……。「あさきゆめみし ゑひもせす ん」)
それは「阿吽」の間に入らんとする念誦であった。
「阿」は外に開き、「吽」は内に閉じる。その間にイデア界と現実界の境目となる「窓」がある。
ステファノは眼を開けた。音もなく、光も見えない、時のない世界がステファノの周りにあった。
次にすべきことは自ら明らかだった。
(虹の王よ、イデア界への道を示せ)
ステファノが浮かぶ時のない宇宙。光さえなかった場所に、星が現れた。
ステファノを取り巻く全天に数限りない星が光り、さざめく。
ステファノは知っている。これは星ではない。大気もない空間でどうして星がさざめこうか。
星が震えるのはそれが生きているからに他ならない。
闇よりも黒い鱗の連なり。うねり、うねって全天を取り巻く。その長大な胴体が星の輝きを放っているのだ。
『求めよ』
(すべての可能性、その揺らぎ、そして時空をまたぐ奥行きに至る道筋を俺に示せ)
『求めよ。求めれば既にあり。探せば見失う。イデアは「阿吽」の間に横たわる』
(阿吽の間にあるのはお前ではないのか? 虹の王こそイデアへの鍵ではないのか?)
『是にして不是。我が眷属は四十八体。悉くを従えれば即ち阿吽の間の道とならん』
『求めよ』
『求めよ』
『求めよ』
そう言って虹の王の思念は遠ざかって行った。
◆◆◆
集中を解いて目を開けば、そこには何も変わらぬ訓練場があった。
(何だろう? 何かが足りないのか?)
瞑想を、いや明想を深めればステファノは現実界にイドの表れを観ることができるようになった。
訓練によってイデアを操れるようになったごとく、イドの感知もその精度を上げることができるだろう。
以前はギフトの使用によって1つ1つの物体のイドを見極めようとしていたが、今では周りに認識できるすべての物を同時に感知することができる。
必要なのは魔視脳の活性化のみであった。
だがそれで観えるイドは氷山の一角であり、そこにはない因果の揺らぎ、可能性に触れることができない。
そこに至るには、イデア界側に視点を持たねばならないのだろう。
(どうすればイデア界に立てるのか。やり方が違うのか? それとも訓練が足りないのか?)
おそらく両方なのだろうとステファノは考えることにした。
ならばやることはわかりやすい。違うやり方を試しつつ、できる訓練を続けて魔視脳を鍛えれば良いのだ。
(やれることがある内は悩む必要はない。まず手を動かさなくっちゃ!)
簡単に答えが見つかるはずがないのだ。大げさに言えば600年閉ざされて来た扉なのである。
手掛かりを得られただけでも立派な成果であった。
(虹の王と対話できたのは良かったが、細かいことは教えてくれないようだ。なぞなぞのような言葉しかくれなかったな)
「求めよ」と言い、「探せば見失う」と言う。
一方で「求めれば既にあり」とも言う。そして……。
(イデアは「阿吽」の間に横たわる、か。それはイデア界のことじゃないのか? 別の意味があるのだろうか……)
(そして「四十八体の眷属」とは何のことだ? それを従えれば阿吽の間の道となると言うが)
「……ファノくん。ステファノ君! 大丈夫? ぼーっとしてたけど」
「あっ、ミョウシンさん! こんにちは。すみません。考え事をしていました」
「別に気にしていないけれど、余程気になることがあったのですね」
「魔力操作のことでちょっと悩んでいて……」
「魔力のことですか。となると、私にはお手伝いできそうもありません」
魔術科ではないミョウシンは、魔術や魔力に関することでは相談に乗ることができなかった。仕方がないことだとはいえ、先輩として残念な気持ちを抑えることができない。
「悩みと言っても何かに困っているわけではないので、心配要りませんよ。訓練を続ければ答えが見つかるはずです」
「そうですか。そうだと良いですね」
ステファノは自分に言い聞かせるように、明るい声を出すのだった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第203話 上が下になり、外が内になる。」
(やっぱり回っているのは俺自身だ)
自ら望んだごとく、ミョウシンを中心にステファノは回った。上にいたステファノが下になる。
ミョウシンとステファノが入れ替わり、ステファノの天地が入れ替わる。
投げられた後、床から見上げたミョウシンの顔は上下が逆になっていた。
(これだ。この入れ替わる感覚だ。上が下になり、外が内になる。そして回るのは自分だ。相手でも世界でもない……)
「そうか! 俺が逆を向いていたのか?」
ステファノは豁然とした想いで目を開いた。
……
◆お楽しみに。
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