197 / 625
第4章 魔術学園奮闘編
第197話 戦乱の世を作り出した物は「木綿」であった。
しおりを挟む
群雄割拠の時代であった。
鉄器文化が広まり、農耕面積が飛躍的に広がった結果、人口爆発が起きていた。そこら中に開拓村が生まれ、新農地が開墾された。
農地が増えれば人口が増える。増えた人口がまた農地を開拓するという循環が数世代に渡って続いた。
だが、農耕に適した土地には限りがある。畑に必要な水利も無限ではない。
農地開拓から生産量増大へという社会経済的な拡大モデルはあるところで限界を迎えた。
増えてしまった人口はどうしたら良いか。適齢の男女がいる限り、人口は増え続ける。
生産と消費のバランスが決定的に崩れ、飽食の時代が一転して飢餓の時代に変わった。
社会のバランスが崩壊する時、必ず現れるものがある。
戦争だ。
限られた土地、限られた水、限られた作物をめぐって人々の間に争いが生じた。
争いはやがて戦いとなり、殺し合いに発展した。
力の強い者がすべてを得る。武力が社会を制する時代となった。
強い者が武器を集め、馬を集め、人を集めた。
より多くの武力を集めた者がより多くの富を支配する。
地方豪族同士の争いの中から、周りから一頭地を抜く有力豪族が生まれた。
弱小豪族を配下に飲み込み、有力豪族はさらに富と武力の集積を進めて行った。
彼らはなぜ争い続けたのか? なぜ、分け合うことをしなかったのか?
強欲のせいでも、権力欲のせいでもなかった。
それは「安定」を求めたためであった。
農業生産には当たりはずれがある。農業だけではない、漁業でも狩猟業でもそれは同じであった。
豊作に当たれば誰もが豊かになったが、凶作となれば等しく飢饉に見舞われた。
蓄えがなければ凶作に、飢饉に耐えられない。
必要な蓄えをするためにはより多くの土地が必要であり、より強い支配力を必要としたのである。
一方で戦争の技術は未熟であった。鉄器の生産量は限られ、兵士全員には行き渡らない。
雑兵は木製のこん棒を振り回して参戦していた。
鉄はまず農耕具に回さなければ、人口を養えないのだ。
兵員も限られていた。兵の大半は農民兵であり、農繁期に駆り出すことはできない。それをすれば作物は育たない。あっという間に飢饉が起きる。
戦とは冬の農閑期にするものであった。
冬の寒さの中、凍えながら腹を減らした農民兵同士が小競り合いを繰り返す。それが古い時代の戦であった。
勝ち負けがあっても決定的な状態にはなりにくく、春になれば兵を納めなければならない。
戦は終わる見込みもなく、何度も、何年も続いた。
それを変えたものがあった。どのような新兵器が戦の歴史を変えたのであったか?
それは兵器ではなかった。人を傷つけるものですらなかった。
戦を変えたのは「綿織物」であった。
木綿の登場が社会を変えた。
木綿は温かい。「綿入れ」となればなおさらだ。
それまで人々は麻や葛の繊維から糸を紡ぎ布を織って衣服としていた。麻や葛の布は目が粗く通気性が良い。
夏には快適だが、冬の寒さにはまったく耐えられない。
人々は冬場に凍えて死んで行く。
世界中に春を祝う祭りが多いのは、冬を越えて生き残ったことを喜ぶためであった。
その有用性を理解するや、木綿の栽培はあっという間に広がる。人が生きるために木綿は必要な植物であった。
綿織物が社会に普及した結果、「生産力人口」が増大した。
冬場の死亡率が下がったので、成人男子がより多く働けるようになった。
木綿を利用するには繊維を糸に紡ぎ、糸から布を織らねばならない。この作業には力を必要としないので、老人、女性、子供など、畑仕事には不向きな人口層が「生産力」として富の産出に寄与できるようになった。
社会的に生産力の爆発的増加が発生したのだ。
それは「商品作物」の発生を意味し、富は局所的に蓄積され、必然的に流通手段の発達を促す。
交易が可能になるためには「余剰生産力」を持たねばならない。消費を生産が追い越さない限り、交易に回す余剰財が生まれないのだ。
こうしてまたしても生産力は増大し、その権益を奪い合う争いが活発になった。
しかも今度は木綿がある。冬場の行動力が格段に上がった。
木綿にはさらに、軍事的な有用性もあった。
「兵衣」として優秀な性能を有していたのである。
動きやすく、温かいばかりではない。木綿は斬られにくい。綿入れにすれば矢止めになる。
麻布と綿布の丈夫さを比較してみれば容易にわかることである。
木綿の登場は、「冬にも思う存分戦をしろ」と神に囁かれているかのような出来事であった。
それは現実となった。
生産力の増大は、ついに農民と職業兵士の分離を可能にした。それだけではなく、職業の分化を促し、鉄器の大量生産時代が訪れた。
流通の発達からは商業が生まれ、商人が富を蓄積した。
これにより、農民が食糧を供給し、職人が兵器を供給し、商人が富を供給し、職業兵士が戦をするという戦争のための社会構造が完成することになる。
戦はその激しさを増し、殺戮戦の様相を呈するようになった。当然、職業兵士は損耗した。
しかし、人口増加が続く農村から土地を継げない次男以下の男手が職業兵士化して減員を補充するのだった。
寿命の短い時代において、先行きの見えないみじめな暮らしをするよりは、命の危険があろうとも刹那的な快楽を求める生き方を若者は求めた。
時代は覇者を求めていた。
次に社会的なイノベーション、ブレークスルーが発生すれば、微妙な均衡がひっくり返り、圧倒的な強者が全体を超越する状況が起きるはずであった。
その緊張に社会全体が包まれている時に、聖スノーデンが現れた。
当時戦の場で大きな威力を示し始めていた「火薬」という武器を物ともせず、聖スノーデンは戦の趨勢を一方的に変えてしまったのだった。
「スノーデンの前に英雄なく、スノーデンの後に勇者なし」
そう謳われるほどの働きだった。一軍を圧倒し、戦って破れることがなかったと言う。
瞬く間に現在のスノーデン王国全土を制覇し、王位就任を宣言した。ここにおいてスノーデン王国領土内での戦役は終わりを遂げたのだった。
聖スノーデンは国土統一の偉業を為すと同時に、隣国に宣戦を布告した。国の中での争いは終わり、他国を相手にした戦いが幕を開けたのである。
◆◆◆
(何だか戦を続けるために、兵士は駆り出され、平民は働かせられているみたいだな)
ここ20年ほどは比較的平穏だと言っても、聖スノーデンの登場から600年以上たっても相変わらずこの国は戦争状態にあるのだ。
そんなに長い間戦力のバランスが保たれることがあるのだろうかと、戦争をまるで知らぬステファノは不思議で仕方がなかった。
「魔術とは常に『戦争の道具』であった」
ドリーさんはそう言った。
魔術師を志すステファノにとって耳の痛い話であったが、ステファノは「兵器の歴史」を紐解くことで「原始魔術」の存在を探ってみようと考えた。
魔術師もまた「兵器の1つ」として数えられていたのではないかと。
スノーデン王国史に関する文献は、建国前、初代国王統治下、2代国王以降、現国王統治下の4つに分類されていた。初代国王時代に関する文献が最も多く、次が現41代国王時代、2代から40代国王時代、そして建国前という順番であった。
数少ない建国前時代(この国では戦国時代と呼ばれる)の書籍の中で、兵器に関する著述はさらに少なかった。
結局2冊しか見つからず、内1冊は美術工芸品としての鎧兜を記録したものであった。
もう1冊は初代国王時代誌に比べると装丁も貧弱なものであり、「戦国兵器総覧」という武骨なタイトルを背表紙に掲げていた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第198話 世に1つ落とせぬ城はセイナッドの城」
自然現象か、妖怪のような伝説を語っているかのように見えるが、見方を変えれば魔術を語っているように見える。
(「天狗高跳び」なんて、土属性のジャンプ魔法にそっくりだ)
ヨシズミと同行した街道で、ステファノ自身が使役した魔法に実によく似ている。
他の項目も、魔術的現象であるかもしれない。
ステファノは、「呪い、まじない、魔訶不思議」の項目をノートに書き写した。これらの現象を踏まえた上で、戦国時代の戦記を読んでみようと考えたのだ。
戦記のつながりや戦いの流れなど、本来重要な内容を無視して「不思議な出来事」の出現だけを探していった。
すると、不思議な豪族の存在が目についた。
……
◆お楽しみに。
鉄器文化が広まり、農耕面積が飛躍的に広がった結果、人口爆発が起きていた。そこら中に開拓村が生まれ、新農地が開墾された。
農地が増えれば人口が増える。増えた人口がまた農地を開拓するという循環が数世代に渡って続いた。
だが、農耕に適した土地には限りがある。畑に必要な水利も無限ではない。
農地開拓から生産量増大へという社会経済的な拡大モデルはあるところで限界を迎えた。
増えてしまった人口はどうしたら良いか。適齢の男女がいる限り、人口は増え続ける。
生産と消費のバランスが決定的に崩れ、飽食の時代が一転して飢餓の時代に変わった。
社会のバランスが崩壊する時、必ず現れるものがある。
戦争だ。
限られた土地、限られた水、限られた作物をめぐって人々の間に争いが生じた。
争いはやがて戦いとなり、殺し合いに発展した。
力の強い者がすべてを得る。武力が社会を制する時代となった。
強い者が武器を集め、馬を集め、人を集めた。
より多くの武力を集めた者がより多くの富を支配する。
地方豪族同士の争いの中から、周りから一頭地を抜く有力豪族が生まれた。
弱小豪族を配下に飲み込み、有力豪族はさらに富と武力の集積を進めて行った。
彼らはなぜ争い続けたのか? なぜ、分け合うことをしなかったのか?
強欲のせいでも、権力欲のせいでもなかった。
それは「安定」を求めたためであった。
農業生産には当たりはずれがある。農業だけではない、漁業でも狩猟業でもそれは同じであった。
豊作に当たれば誰もが豊かになったが、凶作となれば等しく飢饉に見舞われた。
蓄えがなければ凶作に、飢饉に耐えられない。
必要な蓄えをするためにはより多くの土地が必要であり、より強い支配力を必要としたのである。
一方で戦争の技術は未熟であった。鉄器の生産量は限られ、兵士全員には行き渡らない。
雑兵は木製のこん棒を振り回して参戦していた。
鉄はまず農耕具に回さなければ、人口を養えないのだ。
兵員も限られていた。兵の大半は農民兵であり、農繁期に駆り出すことはできない。それをすれば作物は育たない。あっという間に飢饉が起きる。
戦とは冬の農閑期にするものであった。
冬の寒さの中、凍えながら腹を減らした農民兵同士が小競り合いを繰り返す。それが古い時代の戦であった。
勝ち負けがあっても決定的な状態にはなりにくく、春になれば兵を納めなければならない。
戦は終わる見込みもなく、何度も、何年も続いた。
それを変えたものがあった。どのような新兵器が戦の歴史を変えたのであったか?
それは兵器ではなかった。人を傷つけるものですらなかった。
戦を変えたのは「綿織物」であった。
木綿の登場が社会を変えた。
木綿は温かい。「綿入れ」となればなおさらだ。
それまで人々は麻や葛の繊維から糸を紡ぎ布を織って衣服としていた。麻や葛の布は目が粗く通気性が良い。
夏には快適だが、冬の寒さにはまったく耐えられない。
人々は冬場に凍えて死んで行く。
世界中に春を祝う祭りが多いのは、冬を越えて生き残ったことを喜ぶためであった。
その有用性を理解するや、木綿の栽培はあっという間に広がる。人が生きるために木綿は必要な植物であった。
綿織物が社会に普及した結果、「生産力人口」が増大した。
冬場の死亡率が下がったので、成人男子がより多く働けるようになった。
木綿を利用するには繊維を糸に紡ぎ、糸から布を織らねばならない。この作業には力を必要としないので、老人、女性、子供など、畑仕事には不向きな人口層が「生産力」として富の産出に寄与できるようになった。
社会的に生産力の爆発的増加が発生したのだ。
それは「商品作物」の発生を意味し、富は局所的に蓄積され、必然的に流通手段の発達を促す。
交易が可能になるためには「余剰生産力」を持たねばならない。消費を生産が追い越さない限り、交易に回す余剰財が生まれないのだ。
こうしてまたしても生産力は増大し、その権益を奪い合う争いが活発になった。
しかも今度は木綿がある。冬場の行動力が格段に上がった。
木綿にはさらに、軍事的な有用性もあった。
「兵衣」として優秀な性能を有していたのである。
動きやすく、温かいばかりではない。木綿は斬られにくい。綿入れにすれば矢止めになる。
麻布と綿布の丈夫さを比較してみれば容易にわかることである。
木綿の登場は、「冬にも思う存分戦をしろ」と神に囁かれているかのような出来事であった。
それは現実となった。
生産力の増大は、ついに農民と職業兵士の分離を可能にした。それだけではなく、職業の分化を促し、鉄器の大量生産時代が訪れた。
流通の発達からは商業が生まれ、商人が富を蓄積した。
これにより、農民が食糧を供給し、職人が兵器を供給し、商人が富を供給し、職業兵士が戦をするという戦争のための社会構造が完成することになる。
戦はその激しさを増し、殺戮戦の様相を呈するようになった。当然、職業兵士は損耗した。
しかし、人口増加が続く農村から土地を継げない次男以下の男手が職業兵士化して減員を補充するのだった。
寿命の短い時代において、先行きの見えないみじめな暮らしをするよりは、命の危険があろうとも刹那的な快楽を求める生き方を若者は求めた。
時代は覇者を求めていた。
次に社会的なイノベーション、ブレークスルーが発生すれば、微妙な均衡がひっくり返り、圧倒的な強者が全体を超越する状況が起きるはずであった。
その緊張に社会全体が包まれている時に、聖スノーデンが現れた。
当時戦の場で大きな威力を示し始めていた「火薬」という武器を物ともせず、聖スノーデンは戦の趨勢を一方的に変えてしまったのだった。
「スノーデンの前に英雄なく、スノーデンの後に勇者なし」
そう謳われるほどの働きだった。一軍を圧倒し、戦って破れることがなかったと言う。
瞬く間に現在のスノーデン王国全土を制覇し、王位就任を宣言した。ここにおいてスノーデン王国領土内での戦役は終わりを遂げたのだった。
聖スノーデンは国土統一の偉業を為すと同時に、隣国に宣戦を布告した。国の中での争いは終わり、他国を相手にした戦いが幕を開けたのである。
◆◆◆
(何だか戦を続けるために、兵士は駆り出され、平民は働かせられているみたいだな)
ここ20年ほどは比較的平穏だと言っても、聖スノーデンの登場から600年以上たっても相変わらずこの国は戦争状態にあるのだ。
そんなに長い間戦力のバランスが保たれることがあるのだろうかと、戦争をまるで知らぬステファノは不思議で仕方がなかった。
「魔術とは常に『戦争の道具』であった」
ドリーさんはそう言った。
魔術師を志すステファノにとって耳の痛い話であったが、ステファノは「兵器の歴史」を紐解くことで「原始魔術」の存在を探ってみようと考えた。
魔術師もまた「兵器の1つ」として数えられていたのではないかと。
スノーデン王国史に関する文献は、建国前、初代国王統治下、2代国王以降、現国王統治下の4つに分類されていた。初代国王時代に関する文献が最も多く、次が現41代国王時代、2代から40代国王時代、そして建国前という順番であった。
数少ない建国前時代(この国では戦国時代と呼ばれる)の書籍の中で、兵器に関する著述はさらに少なかった。
結局2冊しか見つからず、内1冊は美術工芸品としての鎧兜を記録したものであった。
もう1冊は初代国王時代誌に比べると装丁も貧弱なものであり、「戦国兵器総覧」という武骨なタイトルを背表紙に掲げていた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第198話 世に1つ落とせぬ城はセイナッドの城」
自然現象か、妖怪のような伝説を語っているかのように見えるが、見方を変えれば魔術を語っているように見える。
(「天狗高跳び」なんて、土属性のジャンプ魔法にそっくりだ)
ヨシズミと同行した街道で、ステファノ自身が使役した魔法に実によく似ている。
他の項目も、魔術的現象であるかもしれない。
ステファノは、「呪い、まじない、魔訶不思議」の項目をノートに書き写した。これらの現象を踏まえた上で、戦国時代の戦記を読んでみようと考えたのだ。
戦記のつながりや戦いの流れなど、本来重要な内容を無視して「不思議な出来事」の出現だけを探していった。
すると、不思議な豪族の存在が目についた。
……
◆お楽しみに。
0
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる