184 / 624
第4章 魔術学園奮闘編
第184話 その絵は見る者の感情を映し出す。
しおりを挟む
6時からの魔術訓練(ステファノはドリーによる指導を自分の中でこう呼んでいた)を控えているため、ヴィオネッタ先生の用事は早めに片づけておきたい。ミョウシンにもそのことを説明して、この日の稽古は早めに終わった。
上級生のミョウシンは研究棟に行ったことがあるそうで、その場所を教えてくれた。キャンパスの隅の方にあり、学生寮とは対角線上に当たる。
5時を告げる鐘がキャンパスに響き渡った。1日の授業はこれで終了となる時間だ。
研究棟に入ったステファノはヴィオネッタの研究室の前に立ち、ドアをノックした。
「どうぞ、入りなさい」
中からドアを開けたヴィオネッタに促され、ステファノは狭い研究室に足を踏み入れた。
書棚が1つある以外本はなく、壁を埋めているのは何枚もの絵画であった。
小ぶりなデスクの傍らにはイーゼルが置かれ、描き掛けの絵が載せられている。
「座りなさい」
促され、ステファノは机の前に置かれた小さめの椅子に腰かける。
自分は机の後ろに腰を下ろすと、ヴィオネッタは早速本題に入った。
「あなたが描いたのはこの絵です。間違いありませんね?」
「はい」
見間違いようもなくステファノの絵であったし、右下にはステファノの名前が入っている。
「俺が描いたものに間違いありません」
芸術性と技巧を評価すれば、よくて10点中の5点というのがこの絵に対するヴィオネッタの偽らざる評価であった。
今後練習を重ねればステファノは「美術入門」の単位を認めるに足りる力を身につけるだろう。
教師としての経験がヴィオネッタにそう告げていた。
しかし、「問題」はそこではない。
「あなたにはこの絵はどう見えますか?」
どうと問われると、ステファノは何と答えて良いかわからなかった。期待されるものに対して、未熟であることはわかっている。
「あまり上手いとは言えないと思っています。木炭の使い方に不慣れだし、いつもは線画しか書いていなかったので」
言葉を選びながらもステファノは正直に思うところを伝えた。
ヴィオネッタはそれを聞いて頷く。
「そうですね。『芸術』としてこの絵を評価すればそういうことになるでしょう。表現方法も凡庸と言わざるを得ません」
それは納得できることであった。自分に絵の才能があるなどとはステファノは思ってもいなかった。似顔絵程度の小手先技に過ぎない。
「ですが……。そうですか、あなたにはこれが『普通の絵』に見えるのですね」
溜息をつくようにヴィオネッタは言った。
コンコン。
その時、研究室のドアを叩く音がした。
「はい。どうぞお入り下さい」
ヴィオネッタが戸口から迎え入れたのは魔術学科長のマリアンヌであった。
描きかけの絵が架かったイーゼルを脇にどけ、ヴィオネッタはマリアンヌをデスクの後ろに座らせて自分はイーゼルの後ろにあったスツールに腰掛けた。
「お前は……訓練でもしていたのか?」
開口一番マリアンヌの口から出たのはその言葉であった。
「稽古着というのか、それは? 講師の研究室を稽古着で訪れる奴はおらんぞ普通」
「いけませんでしたか?」
「いや、悪いことではない。普通でないというだけだ」
やれやれというようにマリアンヌは首を振った。言葉通り呆れているだけで、怒っているわけではなさそうである。
「で? それが例の『絵』か?」
「はい。ご覧下さい」
マリアンヌがステファノのデッサン画を検分している間に、ヴィオネッタは彼女を呼んだ理由をステファノに説明した。
「あなたが今日描いた絵には魔術的現象が発現しています。いえ、魔術を使ったと責めているわけではありません。恐らくは極度の集中と緊張により、あなたの魔力が活性化していたのだと思います」
「そういうことですか」
確かに初めて尽くしの学園生活でステファノは緊張していた。その中で多少なりとも経験のある「絵」という題材にステファノは没入した。イドの繭が濃さを増していたであろうことは十分に想像できることであった。
「ふうむ。私には平凡な絵にしか見えんな。この絵には感情が乏しく、訴え掛けて来るものがないようだ」
「そうですか……。それは先生に芸術を見るセンスがないからかもしれませんね?」
「何だと!」
思いも寄らぬ無礼な言葉を返したヴィオネッタを、マリアンヌは怒気もあらわに睨みつけた。
「もう一度『絵』をご覧下さい」
「むっ?」
手元の絵に目を向け直したマリアンヌは、驚愕に目を見張った。
「何だ、これは?」
絵の中の横顔は「怒り」を発していた。その顔がみるみるうちに当惑と、驚愕に変わっていく。
「馬鹿な! 絵の表情が変わるだと?」
「先生にもそう見えるんですね?」
ぽつりとヴィオネッタが呟いた。
「良かった。自分の目がおかしくなってしまったのかと、いえ、精神が失調してしまったのかと心配していました」
張り詰めていた肩の力が抜けた。
「あのう、どういうことでしょうか?」
未だに事情が呑み込めずステファノはヴィオネッタに説明を求めた。自分は何かしでかしたのだろうかと。
「その絵はいわゆる『魔道具』ではないかと思われます」
「『魔道具』ですか?」
ステファノが初めて聞く言葉であった。魔術に関わるものであろうが、ステファノは術を使った覚えがない。
「魔道具とは魔力を封じ込めた道具や装飾品などを指します。魔術的効果を発揮するものですが、魔術師が魔力を加えることで発動するものと魔力を持たぬ者でも使えるものとがあると言われています」
ヴィオネッタが説明を続けたが、魔術学に関する内容だけに歯切れが悪かった。
「概ねヴィオネッタ女史の言う通りだ。たとえば教室の黒板だな。あれは魔力に反応して言葉を文字に変換する道具だ。魔力がなくては使えぬ」
やはりあれは魔術的な道具であったのか。ステファノは疑問の1つが解消できて、すっきりした気持ちになった。いずれどうやって動くのか、そしてどうやって作るのか、その仕組みを知りたいと思った。
「お前が書いたこの絵だがな。魔力を持たぬ者が見ても効果を発揮する。そういう種類の魔道具に違いない」
「え? 普通に描いた絵が魔道具に変わったということですか?」
「馬鹿か、お前は? 普通に絵を描いて、魔道具になるわけないだろう!」
時折顔を出すステファノの鈍感さに当たって、マリアンヌは苛立った。
「良いか? 魔道具とは貴重なものだ。そもそも魔力を物に籠めるとは誰にでもできる技ではない。数少ない特殊な才を持つ魔術師が行うものなのだ」
「でも、俺は……」
「良いから聞け! その特殊な魔術師、『魔道具師』と呼ばれる人間でも作り出せるのは『魔力に反応する魔道具』だけなのだ。魔力を持たない一般人が使える魔道具となると、王室か上位貴族の家宝として伝わる古代の遺物しか存在しないのだ!」
「魔道具ってそんなにすごいものなんですか?」
ステファノの惚けた反応にマリアンヌは歯ぎしりした。
「お前と話をしていると無性にイラつくことがあるな。言われたことがあるだろう?」
「はい。ときどき言われます。すみません」
マリアンヌはきっとステファノを睨みつけると、息を吐き出して肩から力を抜いた。
「まあ良い。問題はこの絵だ。この絵には見る者の感情が映る。ヴィオネッタ、それで良いか?」
「はい。私にはそう見えました」
「私も同じだ。私が怒れば絵の中の人物も怒る。私が驚けば絵の男も驚いた表情に見える。こちらの感情次第で絵の表情が変わって見える」
ステファノは驚きに言葉を失った。想像もしていないことであった。意図せずに魔道具が生まれることなどあるのだろうか。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第185話 イデア界では概念こそが永遠である。」
「それはそうと、ステファノ。ここで同じような絵を描けるか?」
「それは、その、感情を映す絵ということですか?」
意図して作った魔道具ではない。果たして狙って再現できるものなのか?
「わかりませんが、やってみます。画材を使わせていただければ……」
「このイーゼルを使いなさい。紙は、板に留めたこれを」
ヴィオネッタがしつらえてくれたイーゼルに、ステファノは木炭を持って向き合った。
何を描くべきか。
目の前にいるマリアンヌやヴィオネッタをモデルにしては失礼だろう。
そうかといってジュリアーノ王子を描くわけにはいかない。
(人ではなく物を描いてはどうだろう?)
……
◆お楽しみに。
上級生のミョウシンは研究棟に行ったことがあるそうで、その場所を教えてくれた。キャンパスの隅の方にあり、学生寮とは対角線上に当たる。
5時を告げる鐘がキャンパスに響き渡った。1日の授業はこれで終了となる時間だ。
研究棟に入ったステファノはヴィオネッタの研究室の前に立ち、ドアをノックした。
「どうぞ、入りなさい」
中からドアを開けたヴィオネッタに促され、ステファノは狭い研究室に足を踏み入れた。
書棚が1つある以外本はなく、壁を埋めているのは何枚もの絵画であった。
小ぶりなデスクの傍らにはイーゼルが置かれ、描き掛けの絵が載せられている。
「座りなさい」
促され、ステファノは机の前に置かれた小さめの椅子に腰かける。
自分は机の後ろに腰を下ろすと、ヴィオネッタは早速本題に入った。
「あなたが描いたのはこの絵です。間違いありませんね?」
「はい」
見間違いようもなくステファノの絵であったし、右下にはステファノの名前が入っている。
「俺が描いたものに間違いありません」
芸術性と技巧を評価すれば、よくて10点中の5点というのがこの絵に対するヴィオネッタの偽らざる評価であった。
今後練習を重ねればステファノは「美術入門」の単位を認めるに足りる力を身につけるだろう。
教師としての経験がヴィオネッタにそう告げていた。
しかし、「問題」はそこではない。
「あなたにはこの絵はどう見えますか?」
どうと問われると、ステファノは何と答えて良いかわからなかった。期待されるものに対して、未熟であることはわかっている。
「あまり上手いとは言えないと思っています。木炭の使い方に不慣れだし、いつもは線画しか書いていなかったので」
言葉を選びながらもステファノは正直に思うところを伝えた。
ヴィオネッタはそれを聞いて頷く。
「そうですね。『芸術』としてこの絵を評価すればそういうことになるでしょう。表現方法も凡庸と言わざるを得ません」
それは納得できることであった。自分に絵の才能があるなどとはステファノは思ってもいなかった。似顔絵程度の小手先技に過ぎない。
「ですが……。そうですか、あなたにはこれが『普通の絵』に見えるのですね」
溜息をつくようにヴィオネッタは言った。
コンコン。
その時、研究室のドアを叩く音がした。
「はい。どうぞお入り下さい」
ヴィオネッタが戸口から迎え入れたのは魔術学科長のマリアンヌであった。
描きかけの絵が架かったイーゼルを脇にどけ、ヴィオネッタはマリアンヌをデスクの後ろに座らせて自分はイーゼルの後ろにあったスツールに腰掛けた。
「お前は……訓練でもしていたのか?」
開口一番マリアンヌの口から出たのはその言葉であった。
「稽古着というのか、それは? 講師の研究室を稽古着で訪れる奴はおらんぞ普通」
「いけませんでしたか?」
「いや、悪いことではない。普通でないというだけだ」
やれやれというようにマリアンヌは首を振った。言葉通り呆れているだけで、怒っているわけではなさそうである。
「で? それが例の『絵』か?」
「はい。ご覧下さい」
マリアンヌがステファノのデッサン画を検分している間に、ヴィオネッタは彼女を呼んだ理由をステファノに説明した。
「あなたが今日描いた絵には魔術的現象が発現しています。いえ、魔術を使ったと責めているわけではありません。恐らくは極度の集中と緊張により、あなたの魔力が活性化していたのだと思います」
「そういうことですか」
確かに初めて尽くしの学園生活でステファノは緊張していた。その中で多少なりとも経験のある「絵」という題材にステファノは没入した。イドの繭が濃さを増していたであろうことは十分に想像できることであった。
「ふうむ。私には平凡な絵にしか見えんな。この絵には感情が乏しく、訴え掛けて来るものがないようだ」
「そうですか……。それは先生に芸術を見るセンスがないからかもしれませんね?」
「何だと!」
思いも寄らぬ無礼な言葉を返したヴィオネッタを、マリアンヌは怒気もあらわに睨みつけた。
「もう一度『絵』をご覧下さい」
「むっ?」
手元の絵に目を向け直したマリアンヌは、驚愕に目を見張った。
「何だ、これは?」
絵の中の横顔は「怒り」を発していた。その顔がみるみるうちに当惑と、驚愕に変わっていく。
「馬鹿な! 絵の表情が変わるだと?」
「先生にもそう見えるんですね?」
ぽつりとヴィオネッタが呟いた。
「良かった。自分の目がおかしくなってしまったのかと、いえ、精神が失調してしまったのかと心配していました」
張り詰めていた肩の力が抜けた。
「あのう、どういうことでしょうか?」
未だに事情が呑み込めずステファノはヴィオネッタに説明を求めた。自分は何かしでかしたのだろうかと。
「その絵はいわゆる『魔道具』ではないかと思われます」
「『魔道具』ですか?」
ステファノが初めて聞く言葉であった。魔術に関わるものであろうが、ステファノは術を使った覚えがない。
「魔道具とは魔力を封じ込めた道具や装飾品などを指します。魔術的効果を発揮するものですが、魔術師が魔力を加えることで発動するものと魔力を持たぬ者でも使えるものとがあると言われています」
ヴィオネッタが説明を続けたが、魔術学に関する内容だけに歯切れが悪かった。
「概ねヴィオネッタ女史の言う通りだ。たとえば教室の黒板だな。あれは魔力に反応して言葉を文字に変換する道具だ。魔力がなくては使えぬ」
やはりあれは魔術的な道具であったのか。ステファノは疑問の1つが解消できて、すっきりした気持ちになった。いずれどうやって動くのか、そしてどうやって作るのか、その仕組みを知りたいと思った。
「お前が書いたこの絵だがな。魔力を持たぬ者が見ても効果を発揮する。そういう種類の魔道具に違いない」
「え? 普通に描いた絵が魔道具に変わったということですか?」
「馬鹿か、お前は? 普通に絵を描いて、魔道具になるわけないだろう!」
時折顔を出すステファノの鈍感さに当たって、マリアンヌは苛立った。
「良いか? 魔道具とは貴重なものだ。そもそも魔力を物に籠めるとは誰にでもできる技ではない。数少ない特殊な才を持つ魔術師が行うものなのだ」
「でも、俺は……」
「良いから聞け! その特殊な魔術師、『魔道具師』と呼ばれる人間でも作り出せるのは『魔力に反応する魔道具』だけなのだ。魔力を持たない一般人が使える魔道具となると、王室か上位貴族の家宝として伝わる古代の遺物しか存在しないのだ!」
「魔道具ってそんなにすごいものなんですか?」
ステファノの惚けた反応にマリアンヌは歯ぎしりした。
「お前と話をしていると無性にイラつくことがあるな。言われたことがあるだろう?」
「はい。ときどき言われます。すみません」
マリアンヌはきっとステファノを睨みつけると、息を吐き出して肩から力を抜いた。
「まあ良い。問題はこの絵だ。この絵には見る者の感情が映る。ヴィオネッタ、それで良いか?」
「はい。私にはそう見えました」
「私も同じだ。私が怒れば絵の中の人物も怒る。私が驚けば絵の男も驚いた表情に見える。こちらの感情次第で絵の表情が変わって見える」
ステファノは驚きに言葉を失った。想像もしていないことであった。意図せずに魔道具が生まれることなどあるのだろうか。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第185話 イデア界では概念こそが永遠である。」
「それはそうと、ステファノ。ここで同じような絵を描けるか?」
「それは、その、感情を映す絵ということですか?」
意図して作った魔道具ではない。果たして狙って再現できるものなのか?
「わかりませんが、やってみます。画材を使わせていただければ……」
「このイーゼルを使いなさい。紙は、板に留めたこれを」
ヴィオネッタがしつらえてくれたイーゼルに、ステファノは木炭を持って向き合った。
何を描くべきか。
目の前にいるマリアンヌやヴィオネッタをモデルにしては失礼だろう。
そうかといってジュリアーノ王子を描くわけにはいかない。
(人ではなく物を描いてはどうだろう?)
……
◆お楽しみに。
1
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる