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第4章 魔術学園奮闘編
第171話 『万能科学総論』とは何だ?
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「えーと、まあ……」
「だろうな。あいつが風魔術を撃ち出す前に、お前も気がついていたもんな」
ジローが規則違反を犯す前、うごめく魔力は風魔術のものであった。それを見て思わず、「違う」と叫んだステファノの言葉をドリーは聞き逃さなかった。
「今はそのことを問いただすつもりはない。しかし、魔力が見えるギフト持ちとなればそれだけで価値がある。この私が言うのだから間違いない」
正確に言えばステファノには他人が持つ「属性としての魔力」は見えない。術の発動に際して魔力が練られた時、初めてそれを「色のある光」として視ることができるのだ。
それを言えば、ドリーのギフトもこれに近い性質であった。「イド」を見るわけではなく、あくまでも「イデア」の動きを感知する能力であった。
「どうやらお前は『戦争の英雄』になる気がないようだ。それは私も同じだがな。だったら、それなりの身の処し方というものを覚えねばならん」
「そのためにここへ通えというわけですね?」
「そういうことだ。お前にちゃんと常識を教えておかなければ、危なっかしくて仕方がない」
随分な言われようであったが、身に覚えがあるだけにステファノは素直に聞くしかなかった。
行く先々で自分を指導してくれる人が現れるのは、むしろ幸運と考えるべきであろう。
「ガル師には弟子入りを断られましたが、そのお弟子さんとご縁ができるとは思いませんでした」
「まあ、正確に言うと弟子とは言えんのかもしれんのだが……」
「何か事情があるんですか?」
「いや、別に変な話ではない。私はガルの姪だ」
大分年が離れているが、それは事実であった。15歳下のガルの妹。それがドリーの母親であった。
「魔力を見るギフトを授かったお陰で、伯父の魔術を『見て育った』というわけだ」
「ああ、それで。ガル師は弟子を取らない。教え方がわからないと言ってましたが、そういうご関係ですか」
「そういうことだ。魔術の基礎は、アカデミーで初めて学び直したよ。出だしがおかしかったので、随分と失敗をやらかしたもんだ」
早熟だった点はステファノと異なるが、「非常識」だったところは共通していた。それだけにステファノが出会うであろう苦労と障害が予想できるのであった。
「自分が通った道でもあるからな。私が教えてやれることは伝えてやる。他人を傷つけたくないと思うならば、怠けずに通って来い」
そういうドリーの眉宇に一抹の悲しみが漂っているのをステファノは感じた。
◆◆◆
訓練場で思わぬ時を費やすことになり、寮に戻ったのは午後3時半を回っていた。夕方にはスールーとサントスの2人組と会話を交わさねばならない。
ステファノはそれまでに履修計画を立てようと考えた。
ドリーの言葉は意識の中心にある。自分に足りないのは魔術に関する「常識」だ。難しい術理よりも、基礎をきちんと学び、常識を身につけるべきであろう。
魔術学科については「魔術の基礎」に関する講座をしつこいくらいに組み込むことにした。
「ええと、『基礎』とか『基本』、『入門』、『初歩』と書いてある講座を選ぼう。『応用』とか『発展』、『上級』、『中級』は後回しだ」
そうやって条件を決めると、該当する講座はそれほど多くなかった。結局、ステファノは「魔術学入門」、「呪文詠唱の基礎」、「魔力操作初級」、「魔術の歴史(基礎編)」、「魔術発動媒体の基礎知識」という5つの講座を履修することにした。
それらは月曜から金曜まで曜日がばらばらで、予習復習の必要性を考えると都合がよさそうであった。
魔術学科の履修科目を決めたステファノは、次に1学期での取得単位枠を決めることにした。
ドリーのところで6時から魔力の制御を学ぶとすると、夜の時間に学科の勉強は難しい。それを考えると、あまり多くの講座をカリキュラムに組むのは危険であった。
何しろステファノは学校という場所で勉強をしたことがないのだ。すべてが新しく学ぶ内容なので、多くを詰め込むのは難しかった。
「単位の数を抑えよう。1日2単位で週6日、計12単位で良しとしよう。ドリーさんの言葉を信じれば、魔術科の単位は後からでも取り返せるはずだ」
研究報告会というチャンスもある。先のことは1学期が終わってから、もう一度考えることにした。
「さて、そうなると毎日1つずつ一般学科の講座を取れば良いということだね」
土曜日だけは、一般学科のみの組み合わせとなる。
「当然これも『基礎』と名がつく講座にしなくちゃ。そうすると数が限られてくるか」
軍事学は丸ごと対象から外した。薬学と技術学で枠を埋めようとしたが……。
「うーん。金曜と土曜に良い講座がないなあ」
週末には応用レベルの講座が集中していた。これには理由があった。
薬学、技術学では「物を作る」課題がある。応用レベルともなると講義時間内では終わらず、土日を使った追加作業を必要とすることが多い。そのために、応用講座が週末に集中しているのだ。
そうなると、「政治学」から講義を選ぶしかない。
「ええー、庶民に政治学なんて無理だよー。どうしよう?」
ステファノは仕方なく政治学科の科目に関する講義要領を読んで行った。
「あれっ? 『商業簿記入門』? 簿記って帳簿をつけることだよね。政治学なのに何で商業?」
ステファノには不思議に思えたが、簿記は経営学の基本であり、経営とは国家であろうと商店であろうとその考え方、方法論は共通しているのであった。
「帳簿なら読めるぞ。店の帳簿のつけ方をドイルさんに教えてもらったからね。これならついて行けるかも!」
これで金曜日の枠が埋まった。残るは土曜日のみだ。
「う~ん。これとこれかなあ?」
政治学科から基礎的な講座を選ぼうとすると、該当するのは「スノーデン王国史初級」と「神学入門」しかなかった。
「歴史は難しそうだし、神学って神様のことでしょう? 何にも知らないんだけど……」
この国では宗教とは貴族のものであり、庶民は教会に行くこともないのだった。
「仕方ない。落第覚悟でこの2つを取ってみよう。あれ? これは何だ?」
土曜日の午後に変わった科目が設定されていた。
「『万能科学総論』って何だこれ? すごいタイトルだなあ」
講師の名前を見て納得した。「ドイル」と書いてあった。
「ドイル先生、アカデミーで講座を持てたんだ! さすが旦那様だ。しかし、言うに事欠いて『万能科学総論』て……」
ドイルらしいと言えばドイルらしい、破天荒さであった。
「しかし、何だって政治学科の科目になっているんだろう? 『科学』だったら技術学科じゃないのか?」
これには裏があった。ドイルの過去が邪魔をしたのだ。
確執のある魔術学科とは今も険悪な関係だが、もとより魔術学科の講義はドイルにはできない。
しからば薬学科か技術学科でと考えたのだが、こちらにも魔術協会の手が回った。この国の薬学、そして技術学は魔術の助けなしでは成り立たない。その弱みを突かれて、ドイル排斥の片棒を担がされたのだ。
残るは政治学科か軍事学科となるが、ドイルの方で軍事学は願い下げだった。
そうなると政治学科一択である。
魔術協会の力が及ばぬこの学科に、ギルモア家とネルソン商会の影響力を行使してドイルを押し込んだというわけであった。
せめてもの「抵抗」が「万能科学総論」という大風呂敷を広げた講座名なのであった。
「何にしてもドイル先生が講義をするなら、受けない訳にはいかないな」
土曜の午後にポツンと置かれた異端の教科を、ステファノは1学期の取得講座リストに書き加えた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第172話 スールーを待ちながら、ステファノは魔法を編む。」
「何もしなくても良い」休憩時間は、「虹の王」の型を練習するのに持って来いであった。
橙+橙の「り」の型で強力な「火球」を生み出せることがわかった。明日からはドーリーの指導を受けながら、「威力」を制御する訓練を行おう。
その他の「同色揃え」についても型の研究を優先的に行おうと、ステファノは考えていた。
(同じ色を揃えると術の威力は強まるだろう。それを制御できるようになれば、「2色混合」の型も自然と使いこなせるようになるだろう)
そうステファノは期待していた。
……
◆お楽しみに。
「だろうな。あいつが風魔術を撃ち出す前に、お前も気がついていたもんな」
ジローが規則違反を犯す前、うごめく魔力は風魔術のものであった。それを見て思わず、「違う」と叫んだステファノの言葉をドリーは聞き逃さなかった。
「今はそのことを問いただすつもりはない。しかし、魔力が見えるギフト持ちとなればそれだけで価値がある。この私が言うのだから間違いない」
正確に言えばステファノには他人が持つ「属性としての魔力」は見えない。術の発動に際して魔力が練られた時、初めてそれを「色のある光」として視ることができるのだ。
それを言えば、ドリーのギフトもこれに近い性質であった。「イド」を見るわけではなく、あくまでも「イデア」の動きを感知する能力であった。
「どうやらお前は『戦争の英雄』になる気がないようだ。それは私も同じだがな。だったら、それなりの身の処し方というものを覚えねばならん」
「そのためにここへ通えというわけですね?」
「そういうことだ。お前にちゃんと常識を教えておかなければ、危なっかしくて仕方がない」
随分な言われようであったが、身に覚えがあるだけにステファノは素直に聞くしかなかった。
行く先々で自分を指導してくれる人が現れるのは、むしろ幸運と考えるべきであろう。
「ガル師には弟子入りを断られましたが、そのお弟子さんとご縁ができるとは思いませんでした」
「まあ、正確に言うと弟子とは言えんのかもしれんのだが……」
「何か事情があるんですか?」
「いや、別に変な話ではない。私はガルの姪だ」
大分年が離れているが、それは事実であった。15歳下のガルの妹。それがドリーの母親であった。
「魔力を見るギフトを授かったお陰で、伯父の魔術を『見て育った』というわけだ」
「ああ、それで。ガル師は弟子を取らない。教え方がわからないと言ってましたが、そういうご関係ですか」
「そういうことだ。魔術の基礎は、アカデミーで初めて学び直したよ。出だしがおかしかったので、随分と失敗をやらかしたもんだ」
早熟だった点はステファノと異なるが、「非常識」だったところは共通していた。それだけにステファノが出会うであろう苦労と障害が予想できるのであった。
「自分が通った道でもあるからな。私が教えてやれることは伝えてやる。他人を傷つけたくないと思うならば、怠けずに通って来い」
そういうドリーの眉宇に一抹の悲しみが漂っているのをステファノは感じた。
◆◆◆
訓練場で思わぬ時を費やすことになり、寮に戻ったのは午後3時半を回っていた。夕方にはスールーとサントスの2人組と会話を交わさねばならない。
ステファノはそれまでに履修計画を立てようと考えた。
ドリーの言葉は意識の中心にある。自分に足りないのは魔術に関する「常識」だ。難しい術理よりも、基礎をきちんと学び、常識を身につけるべきであろう。
魔術学科については「魔術の基礎」に関する講座をしつこいくらいに組み込むことにした。
「ええと、『基礎』とか『基本』、『入門』、『初歩』と書いてある講座を選ぼう。『応用』とか『発展』、『上級』、『中級』は後回しだ」
そうやって条件を決めると、該当する講座はそれほど多くなかった。結局、ステファノは「魔術学入門」、「呪文詠唱の基礎」、「魔力操作初級」、「魔術の歴史(基礎編)」、「魔術発動媒体の基礎知識」という5つの講座を履修することにした。
それらは月曜から金曜まで曜日がばらばらで、予習復習の必要性を考えると都合がよさそうであった。
魔術学科の履修科目を決めたステファノは、次に1学期での取得単位枠を決めることにした。
ドリーのところで6時から魔力の制御を学ぶとすると、夜の時間に学科の勉強は難しい。それを考えると、あまり多くの講座をカリキュラムに組むのは危険であった。
何しろステファノは学校という場所で勉強をしたことがないのだ。すべてが新しく学ぶ内容なので、多くを詰め込むのは難しかった。
「単位の数を抑えよう。1日2単位で週6日、計12単位で良しとしよう。ドリーさんの言葉を信じれば、魔術科の単位は後からでも取り返せるはずだ」
研究報告会というチャンスもある。先のことは1学期が終わってから、もう一度考えることにした。
「さて、そうなると毎日1つずつ一般学科の講座を取れば良いということだね」
土曜日だけは、一般学科のみの組み合わせとなる。
「当然これも『基礎』と名がつく講座にしなくちゃ。そうすると数が限られてくるか」
軍事学は丸ごと対象から外した。薬学と技術学で枠を埋めようとしたが……。
「うーん。金曜と土曜に良い講座がないなあ」
週末には応用レベルの講座が集中していた。これには理由があった。
薬学、技術学では「物を作る」課題がある。応用レベルともなると講義時間内では終わらず、土日を使った追加作業を必要とすることが多い。そのために、応用講座が週末に集中しているのだ。
そうなると、「政治学」から講義を選ぶしかない。
「ええー、庶民に政治学なんて無理だよー。どうしよう?」
ステファノは仕方なく政治学科の科目に関する講義要領を読んで行った。
「あれっ? 『商業簿記入門』? 簿記って帳簿をつけることだよね。政治学なのに何で商業?」
ステファノには不思議に思えたが、簿記は経営学の基本であり、経営とは国家であろうと商店であろうとその考え方、方法論は共通しているのであった。
「帳簿なら読めるぞ。店の帳簿のつけ方をドイルさんに教えてもらったからね。これならついて行けるかも!」
これで金曜日の枠が埋まった。残るは土曜日のみだ。
「う~ん。これとこれかなあ?」
政治学科から基礎的な講座を選ぼうとすると、該当するのは「スノーデン王国史初級」と「神学入門」しかなかった。
「歴史は難しそうだし、神学って神様のことでしょう? 何にも知らないんだけど……」
この国では宗教とは貴族のものであり、庶民は教会に行くこともないのだった。
「仕方ない。落第覚悟でこの2つを取ってみよう。あれ? これは何だ?」
土曜日の午後に変わった科目が設定されていた。
「『万能科学総論』って何だこれ? すごいタイトルだなあ」
講師の名前を見て納得した。「ドイル」と書いてあった。
「ドイル先生、アカデミーで講座を持てたんだ! さすが旦那様だ。しかし、言うに事欠いて『万能科学総論』て……」
ドイルらしいと言えばドイルらしい、破天荒さであった。
「しかし、何だって政治学科の科目になっているんだろう? 『科学』だったら技術学科じゃないのか?」
これには裏があった。ドイルの過去が邪魔をしたのだ。
確執のある魔術学科とは今も険悪な関係だが、もとより魔術学科の講義はドイルにはできない。
しからば薬学科か技術学科でと考えたのだが、こちらにも魔術協会の手が回った。この国の薬学、そして技術学は魔術の助けなしでは成り立たない。その弱みを突かれて、ドイル排斥の片棒を担がされたのだ。
残るは政治学科か軍事学科となるが、ドイルの方で軍事学は願い下げだった。
そうなると政治学科一択である。
魔術協会の力が及ばぬこの学科に、ギルモア家とネルソン商会の影響力を行使してドイルを押し込んだというわけであった。
せめてもの「抵抗」が「万能科学総論」という大風呂敷を広げた講座名なのであった。
「何にしてもドイル先生が講義をするなら、受けない訳にはいかないな」
土曜の午後にポツンと置かれた異端の教科を、ステファノは1学期の取得講座リストに書き加えた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第172話 スールーを待ちながら、ステファノは魔法を編む。」
「何もしなくても良い」休憩時間は、「虹の王」の型を練習するのに持って来いであった。
橙+橙の「り」の型で強力な「火球」を生み出せることがわかった。明日からはドーリーの指導を受けながら、「威力」を制御する訓練を行おう。
その他の「同色揃え」についても型の研究を優先的に行おうと、ステファノは考えていた。
(同じ色を揃えると術の威力は強まるだろう。それを制御できるようになれば、「2色混合」の型も自然と使いこなせるようになるだろう)
そうステファノは期待していた。
……
◆お楽しみに。
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Amebloにて研究成果報告中。小説情報のほか、「超時空電脳生活」「超時空日常生活」「超時空電影生活」などお題は様々。https://ameblo.jp/hyper-space-lab
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