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第3章 魔術覚醒編
第151話 ドイル先生、腹をくくる。
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ヨシズミは魔視鏡を使った魔力開発方法について、ドイルに語って聞かせた。
そもそも魔視鏡とは被験者の頭に装着するヘルメット状の装置であった。電極を通じて脳に接触し、魔視脳に刺激を与える。
少年少女たちは魔視鏡の助けを借りてイドとイデアを認識し、その利用方法を学ぶのであった。
その過程で「禁術」を含む「外法」には心理的なリミッターが施され、これを解除しない限り使用することができない。
攻撃的な魔法を教える際は、その防御法、無効化方法も同時に教授し、被害の未然防止策がとられていた。
「指導さえ受ければ誰でも魔法は使えるもんだったよ」
だからヨシズミは、貴族の血に偏りを見せるこの世界の「ギフト」と、それに反するように平民に偏って発現する「魔術」のあり様に疑問を禁じえなかった。
2つの勢力を反目させ、正しいイデアの認識から目を背けさせる意図によるものではないのかと。
「僕は種を撒こう。貴族と平民に等しく科学を説こう」
ドイルは言った。
「科学が、知識が、階級を越えて理解者を育てると僕は信じる」
「先生、それならアカデミーで教えるのがふさわしいのではないですか?」
「何だって?」
「アカデミーには貴族も平民も学んでいます。まだ社会に染まり切る前の若者たちです。正しい科学を、世界の現実を偏見なく伝えることができるんじゃないでしょうか?」
「それはそうだが、今更僕など雇ってくれはしないだろう。僕はアカデミーを追放された人間だからね」
ドイルは気弱に言った。
「やってみなくちゃわからないじゃないですか?」
「えっ?」
ステファノは気負いなく言った。
「やってみて、どうしてもだめだったら諦めればいいでしょう? やる前から諦めるのはもったいないと思います」
わずかひと月で何もないところからギフトを身につけ、魔法を習得しつつあるステファノがそう言う。
「その言い方は……。ボクが昔ネルソンを焚きつけた時の言い分じゃないか」
ドイルは頬を歪めた。
「ふふふ。それを言われては、僕が尻尾を巻いて逃げ出すわけにはいかないね」
「先生!」
「大丈夫だ、ステファノ。正しく問題を定義できれば、それは80%解決したのも同じことだ。アカデミーで教鞭を執ることなど、君がアカデミーに入学することに比べれば容易いことじゃないか」
ドイルにいつもの調子が戻って来た。
「そうなると、やはりネルソンさんの態度ひとつに懸かっているな」
ヨシズミは腕を組んで言った。
「反魔術の立場だとわかっているドイル先生を、アカデミーに送り込むことに協力してくれるかどうか。それによって、ネルソンさんの立場がわかる」
「ふむ。確かにそうだな。もしネルソンが『神』に与する者であるなら、僕は学問の世界から身を引いて隠居するよ」
「背水の陣という奴か」
「どうせネルソン商会のバックアップがなければ、僕になど何の力もないんだ。ネルソンが敵対するなら、何をやっても無駄なことさ」
伸るか反るか、そう考えれば単純な話さと、ドイルは気持ちの整理をつけた。
◆◆◆
不安とストレスで胸をもやもやさせたステファノとヨシズミは、許しを得てネルソン邸の前庭に出た。夕刻を前に、体を動かしたくなったのだ。
一度何もかも頭から追い払って、心を空っぽにしたかった。
ヨシズミはジョナサンに頼んで、麻縄の切れ端を譲り受けた。1メートル20センチほどの短い縄であった。
庭に出ると、ヨシズミはその縄の端を右手に握り、だらりと地面に垂らした。
「これはただの麻縄だけども、おめェが道具にしようとしてる縄の代わりにはなる。ただの縄でどんなことができるか、今からやって見せッから」
そう言うと、ヨシズミは右手首をひょいと持ち上げた。それだけで麻縄は棒のように一直線に伸びた。
イドの眼で観れば、イドを纏わせて硬化させていることがわかる。
「見ての通り、イドの鎧を使えば木刀の代わりに使える」
こんこんとヨシズミは縄の先で草履の裏を叩いて見せた。
「したが、このまま振っては軽すぎる」
言葉と共に、木刀というより杖のように振り回した。ひゅんひゅんと風を切る音がするものの、いかにも軽そうで武器としては頼りなかった。
「だが、土魔法で『質量』サちょこッと歪めてやれば、いい塩梅の『重さ』になる」
両手に構えた麻縄が青い光を纏った。ヨシズミの動きに従って、麻縄は中段から上段、そして下段へと位置を変える。その動きはしっかりと身の詰まった木刀と変わらない。
「オレの『本職』は『警棒術』だかンナ。おめェに『刀』の振り方をすこぉし教えてやッペ」
ヨシズミは「棒」の握り方、基本的な構え、振り方、敵の攻撃の受け方、捌き方をゆっくりと実演して見せた。
棒の実演ではあったが、ヨシズミは明らかに「刀」として扱っていた。刃筋を立て、打突の瞬間に力を載せている。
ゆっくりと振られている「棒」が「ぶぅおん」と音を立てる。打突の瞬間に加速していることがわかる。
「おめェは料理人だったな? 肉だの骨だの、切ったことあッペ? 『切る』って瞬間に包丁に体重サ載せて、ぐっとやったッペ?」
それならばわかる。豚も鶏も切って来た。骨を断つにはコツがある。
「振る時は手の内を柔らかく、斬る時にぐっと揺るぎなく。まずは『棒』を体の一部として基本の動きを繰り返せ」
魔法を使えば棒を加速したり、「切る」という因果を与えたりできる。しかし、魔法に頼ってしまえば基本の技が伸びない。一通り満足に棒を振れるようになってから魔法を使う段階に進むのだと言う。
「楽をするのは悪いことではない。しかし、楽だけを考えていては『伸びしろ』がなくなる。最高点からさらに伸ばすからこそ、魔法の価値があるのだ」
それはこの世界の科学に起こったことと同じであった。都合よく魔術に頼り切ってしまった結果、科学はその居場所をなくした。
「オレの流儀では入門者は普通より重い『棒』を振る。ゆっくりで良いから、正しい動きを身につけるためだ。基本を無視しては重い棒を扱うことはできない」
それにはこうするのだと、ヨシズミは土魔法でさらに麻縄の質量を増やし、こん棒のような重さにして型を使って見せた。
ステファノは瞬きも忘れてヨシズミの動きを眼で追った。すべての動きを記憶した頃合いを見て、ヨシズミはイドを納め掌中の麻縄をだらりと垂らした。
「ホレ。おめェもやってみれ」
ぽーんと放って来た麻縄をステファノは受けずに身をかわした。
「ほお。気がついたか?」
「師匠、人が悪いです」
ヨシズミは麻縄に雷気を纏わせて寄越したのだ。それを油断なく観てとったステファノは手で受けず、雷魔法を撃ち返していた。独創の「交流朽ち縄」である。
「今のが交流魔法ケ?」
「はい。師匠の話を聞いてイメージが固まりました」
「朽ち縄」が1匹の蛇であるとするなら、「交流魔法」は絡み合った1対の蛇であった。
「さしずめ『ヘルメス』だナ」
「『ヘルメス』ですか?」
「ああ。オレんところの神様の1人だ。2匹の蛇が絡まった杖を持ってたノ」
「医学を含む学問の神様だかンナ。『不殺の魔法』にふさわしかッペ」
ステファノは地に落ちた麻縄を拾い上げ、自分のイドを纏わせた。
「それじゃあ俺はこの縄を『ヘルメスの杖』として鍛えますよ」
ステファノが掲げるその「縄」に、2匹の蛇が絡みつき、1対の翼が広がる姿をヨシズミは幻視していた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第152話 私が立つ場所は30年前に決まっている。」
「本来科学の進歩が担うべき役割を、ギフトと魔術が果たしているのだ。だからこの国では科学が育たない」
ヨシズミから知らされた事実をドイルが自分の見解としてネルソンに告げた。
ネルソンは重大な告発を聞かされ、沈思黙考した。
「……それが事実だとすると、貴族社会の基盤に関わるな」
絞り出すようにネルソンは声を発した。
……
◆お楽しみに。
そもそも魔視鏡とは被験者の頭に装着するヘルメット状の装置であった。電極を通じて脳に接触し、魔視脳に刺激を与える。
少年少女たちは魔視鏡の助けを借りてイドとイデアを認識し、その利用方法を学ぶのであった。
その過程で「禁術」を含む「外法」には心理的なリミッターが施され、これを解除しない限り使用することができない。
攻撃的な魔法を教える際は、その防御法、無効化方法も同時に教授し、被害の未然防止策がとられていた。
「指導さえ受ければ誰でも魔法は使えるもんだったよ」
だからヨシズミは、貴族の血に偏りを見せるこの世界の「ギフト」と、それに反するように平民に偏って発現する「魔術」のあり様に疑問を禁じえなかった。
2つの勢力を反目させ、正しいイデアの認識から目を背けさせる意図によるものではないのかと。
「僕は種を撒こう。貴族と平民に等しく科学を説こう」
ドイルは言った。
「科学が、知識が、階級を越えて理解者を育てると僕は信じる」
「先生、それならアカデミーで教えるのがふさわしいのではないですか?」
「何だって?」
「アカデミーには貴族も平民も学んでいます。まだ社会に染まり切る前の若者たちです。正しい科学を、世界の現実を偏見なく伝えることができるんじゃないでしょうか?」
「それはそうだが、今更僕など雇ってくれはしないだろう。僕はアカデミーを追放された人間だからね」
ドイルは気弱に言った。
「やってみなくちゃわからないじゃないですか?」
「えっ?」
ステファノは気負いなく言った。
「やってみて、どうしてもだめだったら諦めればいいでしょう? やる前から諦めるのはもったいないと思います」
わずかひと月で何もないところからギフトを身につけ、魔法を習得しつつあるステファノがそう言う。
「その言い方は……。ボクが昔ネルソンを焚きつけた時の言い分じゃないか」
ドイルは頬を歪めた。
「ふふふ。それを言われては、僕が尻尾を巻いて逃げ出すわけにはいかないね」
「先生!」
「大丈夫だ、ステファノ。正しく問題を定義できれば、それは80%解決したのも同じことだ。アカデミーで教鞭を執ることなど、君がアカデミーに入学することに比べれば容易いことじゃないか」
ドイルにいつもの調子が戻って来た。
「そうなると、やはりネルソンさんの態度ひとつに懸かっているな」
ヨシズミは腕を組んで言った。
「反魔術の立場だとわかっているドイル先生を、アカデミーに送り込むことに協力してくれるかどうか。それによって、ネルソンさんの立場がわかる」
「ふむ。確かにそうだな。もしネルソンが『神』に与する者であるなら、僕は学問の世界から身を引いて隠居するよ」
「背水の陣という奴か」
「どうせネルソン商会のバックアップがなければ、僕になど何の力もないんだ。ネルソンが敵対するなら、何をやっても無駄なことさ」
伸るか反るか、そう考えれば単純な話さと、ドイルは気持ちの整理をつけた。
◆◆◆
不安とストレスで胸をもやもやさせたステファノとヨシズミは、許しを得てネルソン邸の前庭に出た。夕刻を前に、体を動かしたくなったのだ。
一度何もかも頭から追い払って、心を空っぽにしたかった。
ヨシズミはジョナサンに頼んで、麻縄の切れ端を譲り受けた。1メートル20センチほどの短い縄であった。
庭に出ると、ヨシズミはその縄の端を右手に握り、だらりと地面に垂らした。
「これはただの麻縄だけども、おめェが道具にしようとしてる縄の代わりにはなる。ただの縄でどんなことができるか、今からやって見せッから」
そう言うと、ヨシズミは右手首をひょいと持ち上げた。それだけで麻縄は棒のように一直線に伸びた。
イドの眼で観れば、イドを纏わせて硬化させていることがわかる。
「見ての通り、イドの鎧を使えば木刀の代わりに使える」
こんこんとヨシズミは縄の先で草履の裏を叩いて見せた。
「したが、このまま振っては軽すぎる」
言葉と共に、木刀というより杖のように振り回した。ひゅんひゅんと風を切る音がするものの、いかにも軽そうで武器としては頼りなかった。
「だが、土魔法で『質量』サちょこッと歪めてやれば、いい塩梅の『重さ』になる」
両手に構えた麻縄が青い光を纏った。ヨシズミの動きに従って、麻縄は中段から上段、そして下段へと位置を変える。その動きはしっかりと身の詰まった木刀と変わらない。
「オレの『本職』は『警棒術』だかンナ。おめェに『刀』の振り方をすこぉし教えてやッペ」
ヨシズミは「棒」の握り方、基本的な構え、振り方、敵の攻撃の受け方、捌き方をゆっくりと実演して見せた。
棒の実演ではあったが、ヨシズミは明らかに「刀」として扱っていた。刃筋を立て、打突の瞬間に力を載せている。
ゆっくりと振られている「棒」が「ぶぅおん」と音を立てる。打突の瞬間に加速していることがわかる。
「おめェは料理人だったな? 肉だの骨だの、切ったことあッペ? 『切る』って瞬間に包丁に体重サ載せて、ぐっとやったッペ?」
それならばわかる。豚も鶏も切って来た。骨を断つにはコツがある。
「振る時は手の内を柔らかく、斬る時にぐっと揺るぎなく。まずは『棒』を体の一部として基本の動きを繰り返せ」
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「ああ。オレんところの神様の1人だ。2匹の蛇が絡まった杖を持ってたノ」
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ステファノは地に落ちた麻縄を拾い上げ、自分のイドを纏わせた。
「それじゃあ俺はこの縄を『ヘルメスの杖』として鍛えますよ」
ステファノが掲げるその「縄」に、2匹の蛇が絡みつき、1対の翼が広がる姿をヨシズミは幻視していた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第152話 私が立つ場所は30年前に決まっている。」
「本来科学の進歩が担うべき役割を、ギフトと魔術が果たしているのだ。だからこの国では科学が育たない」
ヨシズミから知らされた事実をドイルが自分の見解としてネルソンに告げた。
ネルソンは重大な告発を聞かされ、沈思黙考した。
「……それが事実だとすると、貴族社会の基盤に関わるな」
絞り出すようにネルソンは声を発した。
……
◆お楽しみに。
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Amebloにて研究成果報告中。小説情報のほか、「超時空電脳生活」「超時空日常生活」「超時空電影生活」などお題は様々。https://ameblo.jp/hyper-space-lab
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