129 / 640
第3章 魔術覚醒編
第129話 ステファノ弟子になる。
しおりを挟む
「ギフトってもんはフツーは、1つっことしかできねぇだろ?」
「そのようです」
「それも人によって中身が違うってことで。誰かに教わることも、教えることもできねェ。せっかく工夫さしてもてめェ1人の物として墓に持ってくことンなる」
確かにそういう部分はあった。普通の技能であれば「集合知」で高めていくことができるのに、ギフトはあくまでも個人技であった。ギフトを鍛える「流派」という物は存在しない。
「そう言われると、厄介な物に聞こえますね」
「厄介だってェ。なまじっか素質が遺伝するってこと知ッちまったばっかりに、貴族だなんて面倒くさいもンを拵えちまッテ……」
情報は力なり。ギフトの遺伝特質と共に知識を独占した貴族階級は、平民との間に覆しようがない上下関係を構築してしまった。
限られた少数による知識の独占は、社会の進歩を阻害し、文明の停滞を招いた。
「知識ッてのは広めてこそ進歩するもんだァ。それを止めるってことは、池の水を腐らせッちまうようなもんだッペ」
「ヨシズミさん、あなたは一体どういう人なんですか?」
粗末な住居に粗末な衣服。ステファノはヨシズミをただの変わり者かと思っていたが、どうやらとんでもない勘違いだったらしい。
「俺か? 俺はただの世捨て人だッペ。何者でもねェ」
ヨシズミは茶を飲み干した茶碗を片づけた。
「俺のことより、おめェのことのが心配ダ」
「俺のことですか?」
「そうだ。おめェ、因果が観えるようになったッペ?」
「はい。わかりますか?」
ステファノはヨシズミに隠し立てをしようとは思わなかった。逆だ。自分よりはるかに真理の近くにいる人に、すべてをさらけ出して教えを受ける気持ちになっていた。
「そりゃァな。あんな魔力の使い方してたらわかッペヨ」
「相手も自分も死ぬような術を呼んでしまったのはまずかったと思いますが、魔力の使い方そのものがおかしいのでしょうか?」
「何しろ力づくだァ。おめェのやり方はとにかく強い因果を持って来て、その場の因果を塗り込めッちまう。滅茶苦茶乱暴だッペ」
ステファノ自身が意識してそうしたわけではないが、結果的に力で現実を押しつぶすような術になっていたと言う。
「俺の術は普通の魔術とは違うのでしょうか?」
「普通の魔術なァ。アレも良くはねェけど、やってることの高が知れてッから」
「どういうことでしょう?」
「初級だ中級だって、あッペ? あんなのは大したことねェんだ。元々からそこにある因果とさして違わねェの」
術の規模のことを言っているのであろうか?
「俺の術はそれとどう違うんでしょうか?」
「おめェのはよ、『絶対に起きねェこと』を持って来てンだ。だからコワいの」
「それは危険なことなんですか?」
「さあな。何が起きッかもわかんねェノ。それがおっかねェンダ。『バタフライ効果』って知ってッカ?」
「聞いたことがありません」
「そうだろな。世界のどこかでチョウチョがヨ、羽ばたいたとすンダ。そのちょっとの風が1万キロも離れたところで台風になるって信じられッケ?」
納屋を巻き上げる竜巻のイメージがステファノの脳裏に閃いた。
「この世のことはヨ、1つだけで存在するわけでねェのヨ。すべての因果は絡み合い、互いに影響し合ってンダ」
「月」を遠眼鏡越しに眺めた時、ステファノは観たではないか。「この世界全体」が赤い光を発して揺れているのを。
「確定した未来は存在しない。因果を変えるということは、時の流れという無限に重なる積み木の一片を抜き差しするようなものだ」
ヨシズミは静かに言った。
「崩れたら元には戻せないよ」
ステファノは衝撃を受け、あえいだ。
「俺は、俺はどうしたら良いのでしょう?」
「道はいつでも2つある」
ヨシズミの声は優しかった。
「前に進むか、戻るかだ」
「はい」
「戻る道はある。魔術のことを忘れ、ギフトも使わずに静かに暮らす道だ。普通の人生だ」
「はい」
「進む道は険しい。因果の法を学び、術を究めねばならない。そしてお前は戦うことになるだろう」
ヨシズミは憐れむような眼をしていた。
「戦うとは、何と戦うのでしょうか?」
「世界の因果を乱す者とだ。世間では彼らを『上級魔術師』と言う」
「そんな……」
「白熱」のサレルモ、「土竜」ハンニバル、そして「雷神」ガル。
魔術の道を究めた3人と戦うだと?
「すぐには答えは出ないだろう。良く考えるが良い。ここにいる間は、俺が術の制御を教えてやろう」
その体が初めてイドの光をまとった。赤いほのかな光であった。しかし薄くても揺るぎなく、固めたように硬質な光であった。
「戻る道があると言ったが、おそらくお前が戻ろうとすると邪魔をする者が現れるだろう。ギフト持ちはギフト持ちを引きつける。お前のイドは、別のイドを引きつけるのだ」
ジロー・コリント。ステファノはあの赤毛の少年を思い出していた。人気のない海岸に現れ、ステファノを攻撃した少年。
「正しく身を守る術を持っていないと、今日のようなことがこれからも起こるだろう」
ステファノは膝に置いた手を握り締めながら頭を下げた。
「俺にイデアの使い方を教えて下さい」
そこに覚悟があることを見たのであろう。ヨシズミは頬を緩めて頷いた。
「これも縁だッペ。教えても良いけどヨォ、おめェ時間はあンのか?」
ステファノは頭の中で計算した。
「えーと、あと7日の間に呪タウンに帰らなきゃなりません」
「全然足りねェな!」
ヨシズミは頭を掻きむしった。
「とりあえず! ここで3日ばかし稽古サしてけ。そんで3日掛けて呪タウンサ戻れ。そんなら何かあっても間に合うッペ」
「3日で覚えられますかね?」
「できるわけあンメェ、コノごじゃらっぺがァ!」
ヨシズミの声は大きかったが、もうステファノには怒られているようには聞こえなかった。
「しゃァねェから俺もついてッて、帰る道々教えッから。しみじみ覚えねば、かっくらすからヨ」
「えっ? わざわざついて来てくれるんですか?」
ステファノは驚いて聞き直した。
「しゃあんめェ。今からかっぽるわけにもいかねェベ。どうせ俺なんかどこサ歩ったッテ変わンねンダ」
「申し訳ありません。食事代と宿代くらいは出しますから」
「おお、そッケ? そしたら掛かりのことはおめェに任すかラ」
「はい、よろしくお願いします」
妙な師弟が生まれたのであった。
◆◆◆
「師匠は普段どういう暮らしをしてるんですか?」
そう聞いたところ、だったらついて来いという話になった。
「朝はヨ、大体さっきみてぇに海辺でワカメ拾って来ンダ。貝だのウニだのは漁師に悪いンで獲ンねェけど、ここらの人はワカメ食わねェから、ゴミと一緒なンダ」
「うちでは乾燥ワカメを使うことがありましたけどね。生だと食感が違うんでびっくりしました」
「うん? 何だ、おめェンとこは飯屋でもやってンのケ?」
「はい、親父が飯屋をやってます」
そういうとヨシズミは顔を赤くした。
「いやあ、商売人に恥ずかしい料理サ出しちまったナ。も少しちゃんとしたもン出せれば良かったのニ」
「いえ、十分美味しかったです。あのスープは魚介のスープですか?」
「おお、わかッカ? 煮干しサ自分で作って、出汁取ったンだァ」
「煮干しですか?」
「うん。小魚を茹でて干したもんダ。良い出汁が取れンノ」
今2人は海ではなく、森を歩いていた。
「森でも食材採取ですか?」
「大体ナ。キノコとか山菜とかナ」
「山菜ですか?」
「わかんねェケ? ワラビとかゼンマイ、蕗だのタラの芽だの、いろいろあんダ」
「森に生えている物なんですね?」
ヨシズミは背負子に麻袋を載せている。ステファノはいつもの背嚢だ。
ある意味似合いの師弟であった。
「おめェはヨ、ちょコっと変わってンナ」
拾った棒切れで茂みをかき分けながらヨシズミは言った。
「そうですか?」
自分は山芋を探しながら、ステファノはうわの空で答えた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第130話 ステファノは瞑想によりイドの制御に至らんとす。」
マルチェルに手ほどきを受けた瞑想をしてみようと、ステファノは落ち葉の上に胡坐をかいて座った。
(色は匂えど~)
目を閉じると自動的に念誦が始まり、イドの火が灯る。
(師匠が纏って見せたイドの火は、俺のとは違って硬くて均一な質感に見えた。まるでガラスのような)
あれならば魔力の気配を内に留めることができるのではないか。イメージは「結晶化」か。
(いつだったか、ドイル先生が雪の結晶をスケッチしていたことがあったなあ。いろんな形があって驚いたっけ)
……
◆お楽しみに。
「そのようです」
「それも人によって中身が違うってことで。誰かに教わることも、教えることもできねェ。せっかく工夫さしてもてめェ1人の物として墓に持ってくことンなる」
確かにそういう部分はあった。普通の技能であれば「集合知」で高めていくことができるのに、ギフトはあくまでも個人技であった。ギフトを鍛える「流派」という物は存在しない。
「そう言われると、厄介な物に聞こえますね」
「厄介だってェ。なまじっか素質が遺伝するってこと知ッちまったばっかりに、貴族だなんて面倒くさいもンを拵えちまッテ……」
情報は力なり。ギフトの遺伝特質と共に知識を独占した貴族階級は、平民との間に覆しようがない上下関係を構築してしまった。
限られた少数による知識の独占は、社会の進歩を阻害し、文明の停滞を招いた。
「知識ッてのは広めてこそ進歩するもんだァ。それを止めるってことは、池の水を腐らせッちまうようなもんだッペ」
「ヨシズミさん、あなたは一体どういう人なんですか?」
粗末な住居に粗末な衣服。ステファノはヨシズミをただの変わり者かと思っていたが、どうやらとんでもない勘違いだったらしい。
「俺か? 俺はただの世捨て人だッペ。何者でもねェ」
ヨシズミは茶を飲み干した茶碗を片づけた。
「俺のことより、おめェのことのが心配ダ」
「俺のことですか?」
「そうだ。おめェ、因果が観えるようになったッペ?」
「はい。わかりますか?」
ステファノはヨシズミに隠し立てをしようとは思わなかった。逆だ。自分よりはるかに真理の近くにいる人に、すべてをさらけ出して教えを受ける気持ちになっていた。
「そりゃァな。あんな魔力の使い方してたらわかッペヨ」
「相手も自分も死ぬような術を呼んでしまったのはまずかったと思いますが、魔力の使い方そのものがおかしいのでしょうか?」
「何しろ力づくだァ。おめェのやり方はとにかく強い因果を持って来て、その場の因果を塗り込めッちまう。滅茶苦茶乱暴だッペ」
ステファノ自身が意識してそうしたわけではないが、結果的に力で現実を押しつぶすような術になっていたと言う。
「俺の術は普通の魔術とは違うのでしょうか?」
「普通の魔術なァ。アレも良くはねェけど、やってることの高が知れてッから」
「どういうことでしょう?」
「初級だ中級だって、あッペ? あんなのは大したことねェんだ。元々からそこにある因果とさして違わねェの」
術の規模のことを言っているのであろうか?
「俺の術はそれとどう違うんでしょうか?」
「おめェのはよ、『絶対に起きねェこと』を持って来てンだ。だからコワいの」
「それは危険なことなんですか?」
「さあな。何が起きッかもわかんねェノ。それがおっかねェンダ。『バタフライ効果』って知ってッカ?」
「聞いたことがありません」
「そうだろな。世界のどこかでチョウチョがヨ、羽ばたいたとすンダ。そのちょっとの風が1万キロも離れたところで台風になるって信じられッケ?」
納屋を巻き上げる竜巻のイメージがステファノの脳裏に閃いた。
「この世のことはヨ、1つだけで存在するわけでねェのヨ。すべての因果は絡み合い、互いに影響し合ってンダ」
「月」を遠眼鏡越しに眺めた時、ステファノは観たではないか。「この世界全体」が赤い光を発して揺れているのを。
「確定した未来は存在しない。因果を変えるということは、時の流れという無限に重なる積み木の一片を抜き差しするようなものだ」
ヨシズミは静かに言った。
「崩れたら元には戻せないよ」
ステファノは衝撃を受け、あえいだ。
「俺は、俺はどうしたら良いのでしょう?」
「道はいつでも2つある」
ヨシズミの声は優しかった。
「前に進むか、戻るかだ」
「はい」
「戻る道はある。魔術のことを忘れ、ギフトも使わずに静かに暮らす道だ。普通の人生だ」
「はい」
「進む道は険しい。因果の法を学び、術を究めねばならない。そしてお前は戦うことになるだろう」
ヨシズミは憐れむような眼をしていた。
「戦うとは、何と戦うのでしょうか?」
「世界の因果を乱す者とだ。世間では彼らを『上級魔術師』と言う」
「そんな……」
「白熱」のサレルモ、「土竜」ハンニバル、そして「雷神」ガル。
魔術の道を究めた3人と戦うだと?
「すぐには答えは出ないだろう。良く考えるが良い。ここにいる間は、俺が術の制御を教えてやろう」
その体が初めてイドの光をまとった。赤いほのかな光であった。しかし薄くても揺るぎなく、固めたように硬質な光であった。
「戻る道があると言ったが、おそらくお前が戻ろうとすると邪魔をする者が現れるだろう。ギフト持ちはギフト持ちを引きつける。お前のイドは、別のイドを引きつけるのだ」
ジロー・コリント。ステファノはあの赤毛の少年を思い出していた。人気のない海岸に現れ、ステファノを攻撃した少年。
「正しく身を守る術を持っていないと、今日のようなことがこれからも起こるだろう」
ステファノは膝に置いた手を握り締めながら頭を下げた。
「俺にイデアの使い方を教えて下さい」
そこに覚悟があることを見たのであろう。ヨシズミは頬を緩めて頷いた。
「これも縁だッペ。教えても良いけどヨォ、おめェ時間はあンのか?」
ステファノは頭の中で計算した。
「えーと、あと7日の間に呪タウンに帰らなきゃなりません」
「全然足りねェな!」
ヨシズミは頭を掻きむしった。
「とりあえず! ここで3日ばかし稽古サしてけ。そんで3日掛けて呪タウンサ戻れ。そんなら何かあっても間に合うッペ」
「3日で覚えられますかね?」
「できるわけあンメェ、コノごじゃらっぺがァ!」
ヨシズミの声は大きかったが、もうステファノには怒られているようには聞こえなかった。
「しゃァねェから俺もついてッて、帰る道々教えッから。しみじみ覚えねば、かっくらすからヨ」
「えっ? わざわざついて来てくれるんですか?」
ステファノは驚いて聞き直した。
「しゃあんめェ。今からかっぽるわけにもいかねェベ。どうせ俺なんかどこサ歩ったッテ変わンねンダ」
「申し訳ありません。食事代と宿代くらいは出しますから」
「おお、そッケ? そしたら掛かりのことはおめェに任すかラ」
「はい、よろしくお願いします」
妙な師弟が生まれたのであった。
◆◆◆
「師匠は普段どういう暮らしをしてるんですか?」
そう聞いたところ、だったらついて来いという話になった。
「朝はヨ、大体さっきみてぇに海辺でワカメ拾って来ンダ。貝だのウニだのは漁師に悪いンで獲ンねェけど、ここらの人はワカメ食わねェから、ゴミと一緒なンダ」
「うちでは乾燥ワカメを使うことがありましたけどね。生だと食感が違うんでびっくりしました」
「うん? 何だ、おめェンとこは飯屋でもやってンのケ?」
「はい、親父が飯屋をやってます」
そういうとヨシズミは顔を赤くした。
「いやあ、商売人に恥ずかしい料理サ出しちまったナ。も少しちゃんとしたもン出せれば良かったのニ」
「いえ、十分美味しかったです。あのスープは魚介のスープですか?」
「おお、わかッカ? 煮干しサ自分で作って、出汁取ったンだァ」
「煮干しですか?」
「うん。小魚を茹でて干したもんダ。良い出汁が取れンノ」
今2人は海ではなく、森を歩いていた。
「森でも食材採取ですか?」
「大体ナ。キノコとか山菜とかナ」
「山菜ですか?」
「わかんねェケ? ワラビとかゼンマイ、蕗だのタラの芽だの、いろいろあんダ」
「森に生えている物なんですね?」
ヨシズミは背負子に麻袋を載せている。ステファノはいつもの背嚢だ。
ある意味似合いの師弟であった。
「おめェはヨ、ちょコっと変わってンナ」
拾った棒切れで茂みをかき分けながらヨシズミは言った。
「そうですか?」
自分は山芋を探しながら、ステファノはうわの空で答えた。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第130話 ステファノは瞑想によりイドの制御に至らんとす。」
マルチェルに手ほどきを受けた瞑想をしてみようと、ステファノは落ち葉の上に胡坐をかいて座った。
(色は匂えど~)
目を閉じると自動的に念誦が始まり、イドの火が灯る。
(師匠が纏って見せたイドの火は、俺のとは違って硬くて均一な質感に見えた。まるでガラスのような)
あれならば魔力の気配を内に留めることができるのではないか。イメージは「結晶化」か。
(いつだったか、ドイル先生が雪の結晶をスケッチしていたことがあったなあ。いろんな形があって驚いたっけ)
……
◆お楽しみに。
1
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
裏切られ追放という名の処刑宣告を受けた俺が、人族を助けるために勇者になるはずないだろ
井藤 美樹
ファンタジー
初代勇者が建国したエルヴァン聖王国で双子の王子が生まれた。
一人には勇者の証が。
もう片方には証がなかった。
人々は勇者の誕生を心から喜ぶ。人と魔族との争いが漸く終結すると――。
しかし、勇者の証を持つ王子は魔力がなかった。それに比べ、持たない王子は莫大な魔力を有していた。
それが判明したのは五歳の誕生日。
証を奪って生まれてきた大罪人として、王子は右手を斬り落とされ魔獣が棲む森へと捨てられた。
これは、俺と仲間の復讐の物語だ――
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる