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学期末小隊戦

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「よし、許可が取れたぞ。」
「しかし、本当に……」

昼食を食べ終えた時にイザーク君達が戻り、私は好奇心と不安が半々だった。

立ち上がるとユリウスが手を握り、安心させる様にギュッと握ってくれて、私は嬉しさに微笑む。

「シア……口元にソースがついているぞ。」
「ぇ……?」

私の耳元で囁いてくれた彼のほくそ笑みながら、スッと布を差し出してくれて、私は少し顔に熱が集まるのを感じながら、そっと拭った。

嬉しさや彼の笑みに好きな気持ちと自分の至らなさに恥ずかしさや色々と込み上げてきて目を伏せる。

「やだ……こんなじゃ、講師の先生に怒られちゃうわ。」
「……ここはマナーに厳しい店ではないから良いだろ?イザーク達が行った領主の館での昼食会は必要かもしれないが。」
「それはそうだけど。」

私は小声で返した。
本来ならば私達が立場的に向かうべきではあるが、イザーク君が知り合いな様で会いたかった、ちょうど良いと向かってくれた。

ユリウスの手に引き寄せられ、背後を隣のテーブル席に座ろうとした他の客が通ろうしていたのを気がついて私を寄せてくれたらしい。

「……あ、ありがとう。ユリウス気が付かなかったわ。」
「気にするな、シアとこうして居られるのも楽しいからな。」

私はふふと微笑みながら、ユリウスの胸に頭をつけてぐりぐりとしながら、深く息を吸い込む。

お店の美味しい飲食物の匂いとは違い、番の匂いがフッと鼻腔を突き抜ける匂いに安心してきた。

「はやく、二人とも馬車が待っているんだが。」
「そう、せかないでくれよ……」

これから良い所なのにと残念そうに言ったユリウスを私はハッとして見上げながら、ここがレストランであるという事を思い出して、少し顔が赤くなるのは避けられなかった。







「……シア、大丈夫か?震えているな、手伝う。」

銀の竜の彫刻の像を持ち移動させようとしたが、見た目以上に重かった。

私はなんとか持ち上げて移動しようとしたがぷるぷると震えてしまい、彼が隣に現れ、優しく声をかけてくれた。

私は返事をしようとして、見返すと彼の瞳を見つめてきており、読み取れるのは私に向けられた心配しているという表情とたっぷりの愛情だった。

「ありがとう、とても助かるわ。」

私は手に触れた彼の骨ばった男らしい彼の手が重なり、その変哲もなく彼にとってはなんでもないかもしれない事に私どくどくと胸が高鳴りながらも、微笑みながら答えた。

気にかけて貰えるというだけで嬉しいもので、彼に愛されているのが目線一つだけでもわかる。

「運んでおくよ、シアはそこの蒼玉を取ってきてくれるか?」
「これかしら?」
「そう、それだ。この付近で発見されたらしいが、用途不明で領主が持っていたらしい。」

彼がスッと持ち上げて、私の手から離れた事に少し残念に思いながらも、夜には彼とイチャイチャしているのだからと、不純な想いを抱えた私は彼の背後の姿を眺めながら蒼玉を抱える。
手のひらに乗るサイズのそれは不思議な青みが美しい。
光の加減によって、青さが増してみえる。

よく盗まれて売られなかったものだと思う。

「ふん、ふーん」

私は耳に聞こえる曲を口ずさみながら彼の元へ歩いた。

長く聞いているために耳残る気がする。
ざわざわとどこか胸騒ぎがする様な気持ちがしたが、それは未知への挑戦だからなのだと気にしなかった。













「へー、こんなんで釣れるか。」

主人様から頂いた兜の隙間から眺めながら目の前のブローチは、古めかしいが何百年が経っても朽ちないでいる。

つるりとした魔石?の様な物だ。

ブローチの裏側には竜王家の紋章が刻まれており、その下に小さく刻まれた文字を読む。

『愛する貴方へ』

「《そうだ、ソレを持ち、あの小娘を連れて来い、生死問わない。追憶持ちならば、其れの価値に気がつくだろう。竜の逆鱗に触れるかもしれないがな……》」

はははっと主人様が、面白そうに笑う声がして、目の前の人形を眺めるとパキンと人形が壊れて倒れた。

役目を終えたからか、人形は崩れていき、ガラクタになった。

「……主人様は強欲だからな。仕方ないが……集める身にもなって欲しいぜ。」

兜を愛おしく思いながらも、俺はブローチをポケットにしまい、どう接触するか悩んだ。











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