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薄氷上のダンス

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今日は赤月が来る。


だから、それに備えて窓を閉めてカーテンも閉めた。


外は吹雪であり、月は見えないだろう。

地下に誘われたが、今回は寒いだろうし、ユリウスもここにいるので暖かい寝室の方が良いかなと、彼にお願いしたのだ。

「シア……角が出てるぞ。」
「ぇ、ほんと?」

私は鏡を見ると、いつの間にか小さな角が生えていた。
尻尾もひょろりと夜着から現れており、恥ずかしい。

「シアのその格好は可愛いな。」
「ちょっと……」

まるで枕の様に軽々と、彼に抱っこされて運ばれてしまった。
向かうのはやはり寝室であり、私はこれからすると明白に示している事に恥ずかしさを感じた。

「なんだ?まだしたい事あったか?その格好だが。」
「そうじゃないけど、このくらいの距離歩けるから……」

ベッドの上に優しく置かれて、私はユリウスが少し離れて扉を閉めた後、ゆっくりと近づき、ベッドの上に上がった途端に彼がなぜか笑いながら、私の尻尾を指差した。

「シアの尻尾は雄弁なんだがな。」
「うそ、なんで」

まるで私のだと言わんばかりに彼の足に巻きついてしまっていた。

……少し余裕そうなユリウスがずるいなと思っていたし、離れていく彼の背中をを追いかけたくなった気持ちもあった。
口よりも雄弁な尻尾に、私は顔に熱さを感じた。

「少し……今回は止められないかもしれない。シア、覚悟しておけよ。」
「ぇ……」

シーツの上へ押し倒されながら、青い瞳は仄暗い熱を帯びており、私はそれにぞわりとしながら、彼が顔を近づけてきた事に目を閉じた。











もう何時間経ったかわからない。


アレから何度も彼に攻められ、何度も互いに高みに昇り、二人の体液が混ざり合いそれに塗れて、愛し合い満ち足りたが、疲れでぐったりと倒れ込む。

意識を失って少し経ったと思ったら、彼に起こされては、また愛し合うのを繰り返して、お茶を飲んで、彼が用意してくれた料理をぼーっとしながら食べ……なんたが彼が口移しで食べた記憶も少しある。

アレは忘れておこう。
なんだが、思い出してはいけない気がする。




次の日だろうか?

起きた事で、ユリウスと目が合い、コップを渡される。

「シア……飲んで。」
「ありがとう……ぁっ……」

コップを口につけて飲んでいると彼の手が下腹部へと滑り、臍の下へと向かい、恥丘をゆっくり撫でた事でジト目で彼を見る。

「……俺はまだ足りないな。」
「ユリウス……やめっ」

コップを取られてしまい、静止する私の声を無視して、彼に担がれてしまいお風呂に連れられていく。


床に足を付けずに、移動してそのまま仕方ないなと、息を吐く。

髪を洗い終わり、彼に顎を取られ、唇を重ねる。

「ぅ……んんっ、ぁっ」

唇を開けて彼を向い入れ、舌を絡めた後、もっとしたいと思う度に彼は離れていく。

「物欲しそうなシアも良いな……」
「ユリウス、なんで……」
「やめて欲しいと言っただろう?」
「そうだけど……」

少し物足りなさはあるが、髪についた洗剤を流してさっぱりしたので、身体を洗い終えると、再び彼が私の胸の乳首を摘む。

「んんっ………」
「約束を破った罰だからな?なにかする度に俺が愛するから、それで許すよ。」

横目で彼を見ると、トロッと溶けてしまう様な熱さのある眼差しに、ひくんと私はまるで逆鱗を撫でられた時の様な強く惹き寄せられる。

そして、彼が膝から太ももを撫で上げながりながら伝えられる狂気に近い程の執着を見せてきたユリウスに、私は抗議をしたくなったが、約束を破ったのは私であるから仕方なく頷いた。

彼の手が花芯へと触り、撫でてきて、私は彼が押し潰す様に触る事で快楽に震えながら耐えていた。

後少しで達する所でやめてしまい、私はして欲しいと彼の青い瞳を見た。

「そんなに俺を見てもなにも変わらないよ……でもジッと見てくるシアは可愛いから別に良いけどな。」

なにかをする度に、彼に愛されてしまい、私はすっかり快楽に屈していた。

「……はぁっ………ぁあっ、やだ」

ようやく洗い終えたのに、彼の指がぐちゃりと中をゆっくりと押し上げながらイキそうになると途端にスローテンポになり、そして止まるのだ。

「もっと……して欲しいのっ……たすけてっ」
「……ほらここがこんなに濡れて俺を欲しがっている。」
「ユリウス、お願い……だから……挿れて……下さいッ」

彼に抱えられて、彼の逸物をあてがわれて私は入り込んできたそれに震えながら歓喜の吐息を吐いた。
ぐっぷりと入ってきたそれだけで私は達して、がぐっと揺れて彼の背中を抱きしめてもう一度達した。

「して……ありっ……がと…………ユリウスっぁぁっぁ」
「良い子だ、シアいっぱい中に出すからっ」

肉欲に溺れて、私はユリウスに反論さえもわかない。

私が悪かったのはわかっているから、彼のしたい様に愛された。

肉欲のまま私達は繋がり、場所を寝室に移して、身体を互いに貪り合った。


抱き締められて、身体中を舐められたり、触られ時折達してしまい舐められるのを繰り返した。

そんな事を考えていたからか、耳の穴にユリウスの舌先が入り込み、ぬちゅぬちゅと責められながら、奥深くに中出しされながらイッた。

魔力が注がれてビクビクと震えながらも、気持ち良さに大きく足を開き、足先まで伸ばしてがぐがぐと揺れて、私は何度も達した。

ぬぷっと抜け落ちたペニスの感覚に震え、彼に恥ずかしい下半身の秘所をじっくりと見られて、ヒクヒクとしているそこにユリウスの指が入り込みぐちゅぐちゅと塗りたくる様に動いた。

「ぁ……でちゃ」
「シアそんな切ない顔をしないでくれ。今すぐにまたしたくなる。」
「ユリウス……私もう……疲れが……」
「あぁ、沢山したからな。ゆっくり寝てて良い。」

ようやく彼の気が済んだのか、ぬぷっと指が抜けて、私はそれにんっと声を漏らして、ユリウスを抱き締めていた手を肩に手をしがみついた。

「ねぇ……キスして良い?」
「喜んで。キスが好きだな?」
「それは、したかったからよ……それともこんな私は端ないから嫌?」
「そんな事はない。どんなシアも好きになる。それに、積極的なシアは嬉しい。」

ユリウスの顔が近づき、私は反射的に目を閉じる。

これから唇の……

幾ら待っても接触が来ず、私はんっ?と思い目を開けるとフッと彼が笑い唇を舌先で舐められる。

「目を閉じているシアも可愛いな。」
「んっ、恥ずかしいから。焦らさないでよ。」

ユリウスの手が下乳を撫でてきて、私は困惑した。

「……なぁ、シア。俺は寂しかったよ、君の居ないこの家は冷たくて……君の残り香が薄なっていく事に、クラウディアの事を思い出して……」
「ユリウス、それはっ」

彼が言いたかった事がわかった。
番の死の瞬間は耐え難いものだ。

私は彼が微かに震えて、私の耳元で囁く彼の声は心細く震えていた。

「シアだから、二度と俺の前から去らないで。"約束"を破らないでくれ。」
「ええ、わかったわ。」
「俺は狂ってしまいそうだ。君を苦しめたくない。君を自由にしたいのに、一生閉じ込めておきたくなる。」

下乳をゆるく触っていた彼の手は言葉と共に、谷間を撫でてその後心臓のある上へ手を触れた。

「……俺が怖いか?こんなにも心臓が早い。」
「ちがうの……好きな人がこんな目の前にいて、早くならないって事はないでしょ?」
「そうか?なら良い。俺も同じだ。ずっと、バクバクうるさいくらいに早い……」

好きな人がこんなにも近くにいる事は、嬉しさと色々な辛さの苦さがある。

死は簡単に私達を誘う。

この辛さを味わいたくないのなら……


「シア……どうした?」

青い瞳が目の前にあり、心配そうに見てくるので、私は不穏な考えを捨てた。

彼との約束は重いものだ。


「忘れないで……シア、この痛みを。俺も君を傷つけているのは辛いから……忘れない。」
「……ッ……ユリウス」


彼が私の心臓の上へ手を置いたのに、私はそれをただ見つめて、いつのまにか尻尾が揺れていたが、彼の尻尾と鎖の様に絡まり、安心感と満ち足りた満足感を得て約束を交わした。

《己の心臓にかけて》と言う事だ。

嘘偽りは許されない。
彼が軽く爪を立てて、私の皮膚へ軽く傷つき、私の皮膚から浅くだが小さく血を垂らした。

「シア愛している。俺が君を手離そうとしたら、その時は俺を殺していいよ。シアになら……ね」
「……っそれはいやっ」

背後へ下がろうとしたが、ユリウスに腰を持たれてしまい逆に密着した。

私は彼を殺すなんてしたくない。
それなら、離れた方が良いのに。

「シア、本当に君は……」
「ユリウスを死なせたくないわ。」

クラウディアの時も番となってしまった彼を救う為に、あんなにも足掻いたというのに。

「……俺が手離すなんて絶対にしないが。」
「ユリウスにいらないと言われたら……」
「もしかして去ろうと考えているのか?」
「それしか無いでしょ……なるべく追い縋るけど、それでも無理なら……」

ぎゅっと彼の手が肩や腰を支えて引き寄せられ、抱き締められる。

「シア……」

寂しそうな声で呼ばれて、彼を反射的に抱きしめ返す。
彼の鍛えられた筋肉質な身体は自分とは違い、硬い身体を触る。

「でも……ユリウスを不安にさせてしまった事は申し訳ないわ。」
「その事は良いんだ、君が戻ってきてくれれば。」
「これからもずっと一緒よ。ユリウスの不安も、約束も全てを受け入れるから、ユリウスはそんな殺害しろと辛い事は言わないで。」
「わかった……君がそういうなら。だから、一緒にこの先の未来も共に歩んでくれ……海で君を見た時に惚れ直した。精霊の様に美しくて、次の瞬間には消えてしまいそうで怖かった。」

硬いモノが下半身に当たり、私は顔に熱が上がり、恥ずかしい。
何度も慣れているはずなのに、彼が勃起している事は見なくてもわかる。

「ええ、あなたと一緒にいたいから。」

彼に髪や耳の端や首、フェイスラインを撫でられて、ようやく少し身体を離しながら不穏な事を言った彼をなんとか止められて良かった。
















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