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戦火迫る帝国

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私達はボックス席に向かう。

「ボックス席に移動できて良かった。」
「そうね……ローブを脱がないといけないから。」

差額を払って移動できた渡された番号のボックス席の扉を開けて入る。
閉めた後、厚手のカーテンがかかっており、薄暗い。

「前に近いと見えるからこの辺にしとこうか。」

厚手のカーテンを少しだけ開けて、長椅子に彼が座り、ホールの中は温かく、ローブを脱いで外套を掛けるフックにユリウスと同じ様にローブを吊るす。

ユリウスの隣には腰掛けて背もたれに寄りかかる。

「今日の演目は……願望の物語か。」

渡された簡単なあらすじを書かれた物を薄暗い室内の光で読む。

主人公は女性の公爵の一人娘のローリエ。
彼女は美しい乙女で、彼女を狙った公爵の妹アンナの入婿の夫フレックは公爵を冤罪で追い落とし、ローリエを手元に置く。
ローリエを可愛がるフレックに、アンナは嫉妬して酒で酔っ払っている間にローリエを追い出した。
ローリエは手を出されない様、逃げ回っていたので、これ幸いに逃げ出した。
幼馴染で庭師の息子オーランドと偶然遠く離れた村で出会い、二人は昔の様に仲良くなる。
しかしながら、オーランドを狙っていた村娘のヘレミンと言い争うことになった。

「ふふっ……少し私達に似ているわね。」
「え、そうか?あっ遠く離れた場所で会うって事か。」
「私がもしあの村が今も平和だったら……ユリウスとは会っていなかったかも」

がだんと押し倒され、ユリウスの焦った表情をしていて、口に彼の唇が触れる。

口を開けてと言っている様に唇を舐められ、条件反射で開けてしまい、彼の舌が入り込んできて私の舌と彼の舌が絡み合う。

ステージの方は、ぱちぱちと拍手の音となにかを言う声が聞こえたけど、それよりも官能が勝り、気持ち良いとしか思えなかった。

離してと胸を押しても、彼は動かず、少ししてから、ようやく離してくれた。

「それ以上はだめだ……もし君があの時出会わなかったら、どの道他の国も探していたから。君を手に入れていたよ。他の男の物になっていたら……ね……」

小声で彼は昏い表情を浮かべ、私は荒い息を整えながら睨んだ。

「ユリウス……そこは幸せを祈って身を引くとかないの?」
「……シアは酷い事を言うね……俺はこんなに君の事を求めているのに。」

傷ついた表情をしているユリウスの顔を見て、また私は彼を傷つけたくないのに、言ってしまった。

「シアは……俺達は何度でも失敗しただろ?目の前で他人と愛し合っているのを見たら、俺は今度こそ障害はないのに、止まれないし、止まりたくない。どんな手を使っても君を手に入れるから。」

ユリウスの昏い瞳を見て、それから溢れてこぼれ落ちる程の愛を受けて私はどんどんと顔に熱が集まり、彼の手が頬を優しく撫でていき、スカーフの下へと入り込み逆鱗に触らない縁を撫でる。

「ユリウス……もうだめだからっ離して」
「ん、どうした?気持ち良くなったか?」

彼はわざとわかっているが薄く笑いひっそりとわかってない様にして小声で話した。

「ここでしても見られないからするか?」
「……しないからっ」

私は妄想してしまい、更に顔が熱い。
そんな事をしたら、恥ずかし過ぎるし、せっかく楽しみにしていた劇が見えない。

「ユリウス……私まだ許してないからつ」
「だったら、許してくれるまでイかせようか?」
「もう……ユリウス……お願いだから」
「仕方ないな……」

そう言って私を押し倒していた手を解放してくれて、手を差し出してくれた。
その手を取り、椅子に座る。
座るとぴったりと彼が横に座り肩に手をかけた。
私は彼の肩に頭を寄せてみる。
劇はちょうどローリエ役の女性が緑のドレスをたなびかせて、ここから逃げたいと歌っていた。

場面が変わり、アンナ役の女性に追い出されて、ステージの背景が変わり、野原を歩きながらオーランド役の男性が現れて歌う。

二人は仲良く喋り上から魔法で虹がかかり、花びらが舞い落ちる。

左肩上にあったユリウスの手が服の中に入り込み、胸の中へと入っていく。

「ユリウス……ちょっと……劇見たいのだけど?」
「シアは俺だけを見てくれればいいんだ。」

薄暗い室内の光でミッドナイトブルーサファイアの様な青い瞳がしっとりと請い願う様に私を見ていて、まさか俳優さんに嫉妬?しているのかと私は思って、ユリウスの方を向いて、金髪を触る。

「私にはユリウスしか居ないから……ッん」
「快楽と羞恥に耐えるシアは可愛いな……食べてしまいたい」

入り込んだ手は下着を押し除けて乳房を優しく揉み上げて、乳首を摘み私は荒い息を吐いた。

「ダメって……言ったでしょ?」
「わかった……では、許してくれる?」
「それは……ッんん……」

さすがに見えにくくても見える可能性はあるからと手をどかそうとしても動かない。
するりと手はようやく離して離れてくれたので、私は荒い息を整えながら、睨んだ。

尻込みして少し離れて座った。

劇は村娘のヘレミンと言い争い、過熱している場面となり、オーランド役の男性はオドオドとした態度を取り、情け無いと野次が飛ぶ。

私はようやく普通に見えると安堵しているとユリウスがいつのまにか足元に近寄ってきて、スカートの中に頭を突っ込んできた。

「ユリウス!?ちょっとそんな所」

確かにこのボックス席には他に誰もいないけど。

「ここの光景は素晴らしいね、あれ?こここんなに湿っているのはどうして?まさか、俳優を見て感じてしまったか?ダメなシアだな。」
「ユリウス、劇は見なくていいの?それに違うからっ」
「あれは同じ男としては情け無いくてな。それに君を愛している方が何倍も楽しいからな……あの男はキッパリと断ればいい。好きな人の手を取ればいいのに。シアは劇を見たいなら見てて良いから。」
「もしかして……劇は苦手だった?」
「いや、違うよ。劇を見るのは好きだ。あぁ、でも情け無い男は少しな……自身を見ている気がしてむずむずする。だけど、劇を見るなら俺だけ誘ってくれよ?他の奴を誘ったらダメだから。」

ユリウスの手は私の足元から、ストッキングの足を撫でていき、ガーターベルトの紐を撫でる。

「それに君を愛する方が、劇よりも何倍も楽しいのはあるな。」
「ねぇ……私は普通に劇見たいからやめっ」
「シアが俺を見てくれる方が何倍も嬉しいから。でもシアが劇を見たいなら優先して良いよ。君の意思を尊重したいからね。」

ぱちんと片方を止めていたガーターストッキングを外してしまい、するりと下される。
現れた太ももをユリウスは舐めて吸い上げる。

「んっ………それは……尊重っていうのかしら」

それは天秤にかけられてるじゃない。
ユリウスを取るか、劇をとるか。

「シアは劇見てて、扇を持ってきたから。それは俺からのプレゼントだ。顔が気になるならそれで隠して。」

右にあるからとふとユリウスが座っていた場所には、絹やレースの扇が置いてあり、私はそれを取った。 
開いて見ると美しく、貴婦人が持っていると映えるだろうと思う。

顔の前に持って顔を隠し、私はなんでこんな事になってしまったんだとため息をついた。
ユリウスは手を下着の紐を解いてしまい、するりと下着を外されてしまった。

「腰を少しあげて?」
「そしたら外しちゃうでしょ?嫌よ。」
「こっちを元に戻してあげるから。」

スッとガーターストッキングを上げてくれて、元通りにぱちんと止めてくれてくれた。

「ほら、あげて。」
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