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紅蓮の烈火の章
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私は目を開けると青い水晶や大きなつららや美しい青く透き通る様な虹彩を持つ鉱石などが見えて、現状はひとりぼっちなのだと思い出してきた。
干し肉のかけらを噛みながら、水袋の水を飲みのびのびと身体をほぐして立ち上がる。
身体や魔力などは回復しており、鉱石が美しく思って地面に落ちていた鉱石などを拾っては麻袋に詰める。
水晶も欲しいな思い、目の前にある美しい大きな水晶を破壊するのは勿体無い気がして、転がってないかと、地面を見渡しながら周辺を散策する。
新しい麻袋を取り出して、岩の隙間に落ちていた水晶を見つけて、それを拾い入れた。
ふぅと息を吐き、更に奥がまだ広く暗闇が広がっており、ごぉぉぉと風の音がするのみの空間はとても先知れない。
少し迷ったりしたら怖いなと思った私はそれ以上の探索はしないで、元々どこの辺だろうと外へ向かう。
昨日はホワイトアウトで見えなかった景色を見ようと洞窟から出た。
空を見るとようやく晴れたと、美しい青い空が見えて気分もかなり高揚としてくる。
一面の冬景色で、美しい緑色の湖などやヤドリギがある樹皮が白い木々は美しかった。
しばらくその絶景に眺めていると、銀色の竜が飛翔し私の横の雪原にドスンと舞い降りる。
ジロリと竜の瞳が私の視線と合い、その背に戴く翼はたたみシュルンと姿が縮んでいき、人型へと姿を変えた。
私とそっくりのその姿に驚き、誰なんだと一瞬亡くなったと思っていた母親か?と期待したが、もこもこの服を着たワイルドに切られた銀髪にラベンダー色の瞳をした竜人族の男性だった。
私の瞳よりも薄い紫色の瞳はジッと私を見つめており、瞬きした瞬間かなり近くまで走って近寄ってきて怖くなって、近寄らないでと言おうとした瞬間、彼に押し倒されてクンクンと匂いを嗅がれた。
下が雪だった為に痛くはなかったが知らない男性に押し倒された事で恐怖になり、私は竜化しようとした。
「す、すまない!待ち焦がれていた番だと思ったんだ!」
「へ?」
彼は速攻で離れて、深々と頭を下げて低姿勢で謝った。
いつまにかスカーフが外されていたらしく、婚約者の証を見て気がついたのか。
「申し訳ない。珍しく同じ人が来ていて、銀髪をみて番なんじゃないかと思って気が焦ってしまった……」
「ぇ?」
そういえば、フードは山奥で人と会う事も無いだろうと外してしまっていた。
「俺はシルベスターという。気分悪くさせた代わりにここを案内しよう。」
「ぁ、ありがとう。私はシアというの。」
私は現状起きてしまった事を雪原を降りたがら話した。
ダンジョンで巻き込まれて転移トラップできてしまって、先程まで吹雪が酷く番と合流ができてない。
無理して吹雪の中も飛べるが未透視が悪かった為に晴れるのを待っていたと。
「ここがどこの国なの?」
「アカネート帝国の北部だ。アルブ雪原と言えばわかりやすいと思う。」
そうして、私達は降り歩きながら、教えてもらった。
美しい緑色の水の翡翠湖やまだかなり天高く聳え立つイトー雪山を紹介してくれた。
「なぜシルベスターが帝国にいるの?」
「それは……父親と母親はここで暮らしていたが数えるのやめた頃に二人とも亡くなったが、自分の番がここに来るのを待っていたからだ。」
「帝国の更に奥地のアルブ雪原に来る竜はかなり居ないと思うのだけど……竜王国の方で一巡りした方が見つかる確率上がると思うわよ。」
「前に腕輪を作りに行こうとして、作った後途中で女性達に群がれて気持ち悪かった。」
彼は眉間を寄せてぅぅと軽く唸りながら言った。
「私も一応女性なのだけど。」
「君は臭くないから。」
その答えに私は香水の匂いが苦手なのかと理解した。
「貴族女性の中には着ける人もいるけど、着けない人も多いわ。特に番を持っていたり、いなかったりする人は着けないわ。番の匂いがわからなくなるから。この証がない人は居ないから着けないと思う。前に群がっていた人は竜人族だった?」
「ん?………そういえば違かった気がする。」
「竜人族にとっては番が一番だから。無理はしなくて良いとは思うけど、私達が戻る時に一緒に竜王国へ来る?」
彼は口元に手を置き悩んでいた。
「少し考えさせてくれ。」
「えぇ、無理強いはしないから。私の番と合流して用事を済ませてからもう一度ここに寄るから、その時に話して。」
なんだが彼が赤の他人ではない様な気がする。
少しランドルフお爺ちゃんに少し似ているのだと気がついた。
血の繋がりはあるかはわからない。
私はとりあえず腕輪機能でアルブ雪原にいると送った。
メッセージが直ぐに来て、内容を見る。
ソコデマッテテ、ムカエニイク
私はユリウスが来てくれると期待しながら、彼と話していると、ようやく麓に着いた。
「あそこが俺の家だ。」
シルベスターが指差したのはログハウスだった。
ひとまず今日は泊まらせてもらう事にした。
シルベスターは露天風呂があるとお湯を温めてくれて私はお礼を言って、一人になったのを確認して服を脱ぎ、掛け湯してから湯船に入った。
服を着て、家の中に入ると夕食の美味しいそうな香ばしい香りがした。
「美味しそうね」
「さぁ、たくさん食べてくれ。お詫びも兼ねてるから。」
夕食をいただきながら、両親が寝ていたといった寝室の方に泊まらせてもらう事になった。
雪うさぎのソテーや、翡翠葡萄と万年氷のシャーベットなどここでしか味わえない味を食べて私は食が進んだ。
ふとユリウスにも食べて欲しいと思ってしまい、隣にいない寂しさを感じてしまう。
「美味しかったわ、ありがとうシルベスター。」
「いや、良いんだ。片付けはしとくから、ゆっくり休んで。」
「え、片付けくらいは……」
「ううん、大丈夫さ。」
彼が笑って言われて、寝室への扉を開けて、ほらほらと言われてしまい、私は荷物を持ち、お礼を言って中に入った。
扉をそっとしめて、ベッドの方に行く。
荷物の中にある汚れた服を魔法で綺麗にしたり、少し荷物を整理したりした後、腕輪のメッセージには明日には着きそうだという事がわかり私は期待と心配があった。
最近は心配するレベルがどんどん上がってきていて、今回の事で更に不安になってきた。
ベッドに入り、身体を横たえて目を閉じて考える。
シルベスターと食事中にここから帝都は少し近いと聞いて良かった。
「……はやく会いたいな」
考えてしまうとどんどんとせつなくなるので、考えないようにしていると暗闇に意識は落ちていった。
「ありがとうね、シルベスター」
「あぁ、また来るまでには決断を決める。」
頭をぽりぽりとかきながらシルベスターは言って別れた。
空は晴天で冷たい空気がシンとしており気持ちの良い朝だった。
私は竜化して大きな体躯へと変わり、発達した四肢はクリスタルの様な美しい甲殻はキラリと美しく輝く銀に変わっていく。
背に戴く翼を大きく風を掴む様にゆらりと動かして、風の上昇魔法と合わせて駆け上がる。
「やはり……君は他の竜人族と違っては特別だ。目で追いかけたくなる。」
背後でなにかシルベスターがもごもごと言っているが意味がわからない。
私は空へと舞い上がり、空を駆ける。
シルベスターに教えて貰った方角へ進み、アルブ雪原地帯と外の世界の境界線である森の外縁部に行く。
ようやく見えてきたので、フッとダンジョンから出た様な感覚がして、それから草原に降り立った。
人の姿へと戻り、石の上に座り待っていた。
光の指し示す方向を見ながらのんびり待っていると、天高く頭上から光る何かが見えてユリウスが来たのではとドキドキとしてきた。
どしん
目の前に金竜が降り立ち、人の姿へと戻ったユリウスの袖や服には血しぶきが付着しており、心配して私は石の上から降りて駆け寄った。
「ユリウス!?」
干し肉のかけらを噛みながら、水袋の水を飲みのびのびと身体をほぐして立ち上がる。
身体や魔力などは回復しており、鉱石が美しく思って地面に落ちていた鉱石などを拾っては麻袋に詰める。
水晶も欲しいな思い、目の前にある美しい大きな水晶を破壊するのは勿体無い気がして、転がってないかと、地面を見渡しながら周辺を散策する。
新しい麻袋を取り出して、岩の隙間に落ちていた水晶を見つけて、それを拾い入れた。
ふぅと息を吐き、更に奥がまだ広く暗闇が広がっており、ごぉぉぉと風の音がするのみの空間はとても先知れない。
少し迷ったりしたら怖いなと思った私はそれ以上の探索はしないで、元々どこの辺だろうと外へ向かう。
昨日はホワイトアウトで見えなかった景色を見ようと洞窟から出た。
空を見るとようやく晴れたと、美しい青い空が見えて気分もかなり高揚としてくる。
一面の冬景色で、美しい緑色の湖などやヤドリギがある樹皮が白い木々は美しかった。
しばらくその絶景に眺めていると、銀色の竜が飛翔し私の横の雪原にドスンと舞い降りる。
ジロリと竜の瞳が私の視線と合い、その背に戴く翼はたたみシュルンと姿が縮んでいき、人型へと姿を変えた。
私とそっくりのその姿に驚き、誰なんだと一瞬亡くなったと思っていた母親か?と期待したが、もこもこの服を着たワイルドに切られた銀髪にラベンダー色の瞳をした竜人族の男性だった。
私の瞳よりも薄い紫色の瞳はジッと私を見つめており、瞬きした瞬間かなり近くまで走って近寄ってきて怖くなって、近寄らないでと言おうとした瞬間、彼に押し倒されてクンクンと匂いを嗅がれた。
下が雪だった為に痛くはなかったが知らない男性に押し倒された事で恐怖になり、私は竜化しようとした。
「す、すまない!待ち焦がれていた番だと思ったんだ!」
「へ?」
彼は速攻で離れて、深々と頭を下げて低姿勢で謝った。
いつまにかスカーフが外されていたらしく、婚約者の証を見て気がついたのか。
「申し訳ない。珍しく同じ人が来ていて、銀髪をみて番なんじゃないかと思って気が焦ってしまった……」
「ぇ?」
そういえば、フードは山奥で人と会う事も無いだろうと外してしまっていた。
「俺はシルベスターという。気分悪くさせた代わりにここを案内しよう。」
「ぁ、ありがとう。私はシアというの。」
私は現状起きてしまった事を雪原を降りたがら話した。
ダンジョンで巻き込まれて転移トラップできてしまって、先程まで吹雪が酷く番と合流ができてない。
無理して吹雪の中も飛べるが未透視が悪かった為に晴れるのを待っていたと。
「ここがどこの国なの?」
「アカネート帝国の北部だ。アルブ雪原と言えばわかりやすいと思う。」
そうして、私達は降り歩きながら、教えてもらった。
美しい緑色の水の翡翠湖やまだかなり天高く聳え立つイトー雪山を紹介してくれた。
「なぜシルベスターが帝国にいるの?」
「それは……父親と母親はここで暮らしていたが数えるのやめた頃に二人とも亡くなったが、自分の番がここに来るのを待っていたからだ。」
「帝国の更に奥地のアルブ雪原に来る竜はかなり居ないと思うのだけど……竜王国の方で一巡りした方が見つかる確率上がると思うわよ。」
「前に腕輪を作りに行こうとして、作った後途中で女性達に群がれて気持ち悪かった。」
彼は眉間を寄せてぅぅと軽く唸りながら言った。
「私も一応女性なのだけど。」
「君は臭くないから。」
その答えに私は香水の匂いが苦手なのかと理解した。
「貴族女性の中には着ける人もいるけど、着けない人も多いわ。特に番を持っていたり、いなかったりする人は着けないわ。番の匂いがわからなくなるから。この証がない人は居ないから着けないと思う。前に群がっていた人は竜人族だった?」
「ん?………そういえば違かった気がする。」
「竜人族にとっては番が一番だから。無理はしなくて良いとは思うけど、私達が戻る時に一緒に竜王国へ来る?」
彼は口元に手を置き悩んでいた。
「少し考えさせてくれ。」
「えぇ、無理強いはしないから。私の番と合流して用事を済ませてからもう一度ここに寄るから、その時に話して。」
なんだが彼が赤の他人ではない様な気がする。
少しランドルフお爺ちゃんに少し似ているのだと気がついた。
血の繋がりはあるかはわからない。
私はとりあえず腕輪機能でアルブ雪原にいると送った。
メッセージが直ぐに来て、内容を見る。
ソコデマッテテ、ムカエニイク
私はユリウスが来てくれると期待しながら、彼と話していると、ようやく麓に着いた。
「あそこが俺の家だ。」
シルベスターが指差したのはログハウスだった。
ひとまず今日は泊まらせてもらう事にした。
シルベスターは露天風呂があるとお湯を温めてくれて私はお礼を言って、一人になったのを確認して服を脱ぎ、掛け湯してから湯船に入った。
服を着て、家の中に入ると夕食の美味しいそうな香ばしい香りがした。
「美味しそうね」
「さぁ、たくさん食べてくれ。お詫びも兼ねてるから。」
夕食をいただきながら、両親が寝ていたといった寝室の方に泊まらせてもらう事になった。
雪うさぎのソテーや、翡翠葡萄と万年氷のシャーベットなどここでしか味わえない味を食べて私は食が進んだ。
ふとユリウスにも食べて欲しいと思ってしまい、隣にいない寂しさを感じてしまう。
「美味しかったわ、ありがとうシルベスター。」
「いや、良いんだ。片付けはしとくから、ゆっくり休んで。」
「え、片付けくらいは……」
「ううん、大丈夫さ。」
彼が笑って言われて、寝室への扉を開けて、ほらほらと言われてしまい、私は荷物を持ち、お礼を言って中に入った。
扉をそっとしめて、ベッドの方に行く。
荷物の中にある汚れた服を魔法で綺麗にしたり、少し荷物を整理したりした後、腕輪のメッセージには明日には着きそうだという事がわかり私は期待と心配があった。
最近は心配するレベルがどんどん上がってきていて、今回の事で更に不安になってきた。
ベッドに入り、身体を横たえて目を閉じて考える。
シルベスターと食事中にここから帝都は少し近いと聞いて良かった。
「……はやく会いたいな」
考えてしまうとどんどんとせつなくなるので、考えないようにしていると暗闇に意識は落ちていった。
「ありがとうね、シルベスター」
「あぁ、また来るまでには決断を決める。」
頭をぽりぽりとかきながらシルベスターは言って別れた。
空は晴天で冷たい空気がシンとしており気持ちの良い朝だった。
私は竜化して大きな体躯へと変わり、発達した四肢はクリスタルの様な美しい甲殻はキラリと美しく輝く銀に変わっていく。
背に戴く翼を大きく風を掴む様にゆらりと動かして、風の上昇魔法と合わせて駆け上がる。
「やはり……君は他の竜人族と違っては特別だ。目で追いかけたくなる。」
背後でなにかシルベスターがもごもごと言っているが意味がわからない。
私は空へと舞い上がり、空を駆ける。
シルベスターに教えて貰った方角へ進み、アルブ雪原地帯と外の世界の境界線である森の外縁部に行く。
ようやく見えてきたので、フッとダンジョンから出た様な感覚がして、それから草原に降り立った。
人の姿へと戻り、石の上に座り待っていた。
光の指し示す方向を見ながらのんびり待っていると、天高く頭上から光る何かが見えてユリウスが来たのではとドキドキとしてきた。
どしん
目の前に金竜が降り立ち、人の姿へと戻ったユリウスの袖や服には血しぶきが付着しており、心配して私は石の上から降りて駆け寄った。
「ユリウス!?」
応援ありがとうございます!
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