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人属編-2
しおりを挟む「人属へ行ったら、会うか?」
この話は何回かジアンとは話してきたけど、いつも答えは「NO」だ
「会わないよ」
家族に、両親に会うかって話を何度もしている
婚約した時も聞かれたし、成人式典の前にも聞かれた
「連絡してもいいぞ」って
でも、もうあたしは会う気はない
マキアの体には入っているけど、いい状態で育ったわけでもなさそうだったし
自分の子供を売ったみたいだし
あたし自信この世界の人間ではないわけで、見たこともない人を両親とは呼べない
あたしの家族はここにいる
「・・・そうか。もし気が変わっ「ジアン、会わないよ」」
わかったと納得してくれた
もうそんなに気にしなくていいのに
「それより!みんな待たせているし!早く戻ろう!」
家でみんなでパーティだ
「おかえり~~!」
リンクがお皿をもって駆け寄ってきた
「リンク!もう食べてたの?」
「ちがうよ~そんなにがめつくないって!並べてたんだよ」
本当なのか・・メイドのカーラの顔が苦笑いですがw
「それでは、マキアの成人を祝って、乾杯!」
「かんぱーい」
庭にたくさんおいしいものを並べて、成人お祝いパーティをしてくれる
こういうのっていいよね~
みんないつも忙しいけど
集まるときにはちゃんと集まって、みんなで楽しめるのがいい
前世ではあこがれていたから、幸せだ
「それでそれで??いくつだった?」
リンクが食べながら聞いてくる
「26000」
ジアンが飲み物を注ぎながら渡してくれる
「26000・・・!っすご!!」
「すばらしい数値ですね・・・」
シェイクもさすがに・・と驚いている
「うわ~記録塗り替えたな!!」
「記録?」
「マキアお前が、歴代獣人属で一番の魔力持ちだ」
ジアンがさらっと言っているが、こっちは驚愕だよ
「えぇ!!!??」
まてまてまて
「え、だってガロは?」
「俺3番目~」
「マジか・・・なんか変なフラグたったな・・・」
ぐったりしちゃうわ
「大丈夫だ。非公式になっている。お前は実は2600だ」
「ウケる!!なんそれ~~」
リンクがけらけら笑っている
「さすがに癒でその数値はやばいからな」
ジアンはいたく冷静だ。多分見越していて、先手をうっていたんだろうな
「確かにそうですね。30000までは腕輪で対処できますが、
それ以上増えそうな気配がしたら早めに行ってくださいね」
「そうだな。まだ若干増えてきているし、要注意だな」
シェイクとジアンがあれこれいっているけど・・・これはすごいことなんだよね
「すんげーな!マジで!もっと喜べって!」
ガロがガハハハ!って笑っているけど・・・そんな気になれない
「え~結構大変だし・・マジでいらない」
げっそりな私を見て「お前のおかげですげーみんな助かっているぞ」とジアンがなでてくれる
そうだけどさ・・・まぁそれくらいだよね救いは
「あ!そうだ!!今度ね~人属行くんだ~」
ウキウキで来月ジアンと行く話をする
「え」
「え」
「え」
みんなびっくりしている
「マジかよ。やめとけって」
「マキアちゃんがいっても楽しい場所ではないですよ?」
「こっちにいなよ~」
みんなで止めるしw
「気になるじゃん!一応元居た場所だし」
「一応ってwまぁそれみんな行くんだけどね~」
リンクがさらっといっているけど本当?
みんなを見ればうんうんってうなずいている
「人属の結婚式には代表と各獣人属領主、また側近と護衛と参加します」
シェイクの説明からここにいるメンバーは全員参加するようだ
「マキア、俺らから離れんなよ。絶対に一人でどっかに行くなよ」
ガロがいつになく真剣だ
「最近人属は荒れてるよね~」
え・・そうなの?ちょっと危険?
「俺が席を外していても、こいつらの誰かとは必ず一緒にいれば大丈夫だ」
ジアンがそう言ってくれるけど
「なんか迷惑かけそうなら行かないけど・・・」
「どっちでも大丈夫だ。まだ時間があるから、お前が決めるんだ」
そういわれると不安になるよね・・
少し考えてみるか
成人式典が終われば、一人前の成人獣人属として扱われるようで、
納税の義務が発生したり、各地区(人属以外)へも通行許可証があれば一人で移動してもいいそうだ
「なんかあまり実感ないね~」
夜にジアンとベットでゴロゴロしながら成人の話をする
「来週結婚式すれば意識するだろ」
・・・まぁそれはね~
結婚か~ついに結婚か
前世では仕事に明け暮れていて好きな人もいなかったからな~
結婚って言われてもピンとこないけど
初の結婚
異世界で犬属と・・・人生何があるかわからないものだな
「ジアン・・・ちょっと大切なお話があります」
「なんだ??」
ベットに正座して、ジアンに向き合う
正直死ぬまで話すことはないかなって思ったんだけど、
成人したし、一応結婚する前に話しておいた方がいいかなって思って
・・・
・・・
・・・
「・・・あたし、この世界の人間じゃないの」
ジアンの顔が見れない
もし気持ち悪いとかいわれたらどうしよう
ドキドキする
ぎゅっと握った手が汗ばむ
「マキア、そんなの関係ない」
ぎゅっと抱きしめられる
涙が出る
ジアンならきっとそういうだろうってわかっていたけど
でもどっかで心に引っかかっていて
もしかしたら、って
「大丈夫だ。俺はお前の番だ。ずっと一緒だ」
「・・・ジアン・・・」
見上げればにっこり笑ってくれる
「俺のところにきてくれてありがとう」
ぎゅーっとされる
それは今までされた中で一番苦しかったけど、一番うれしかった
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