上 下
72 / 137

解放編-30

しおりを挟む
翌朝、朝からジアンは仕事で執務室にいる

お屋敷の執務室よりは小さいらしく、たまに人の出入りもある

お茶とかいいのかな??って思って聞いたら
「こいつらにやらせるから大丈夫」と部下なのか近くにいる人がいつもやっている 

「使わせていただきすみません。お借りします」
お湯をわかしポットに入れ運んでいく

あたしがやってもいいんだけど、行くと仕事に集中できなくなるからいいっていわれちゃったよ


へいへい


「よし!つくるぞ~」

新商品はなんと~!!

ゼリーです!!

ザ・簡単!w

まだまだ天気も暑いしのど越しのいい見た目もきれいなゼリーは絶対人気商品になるだろう

で、三店同時新商品の発売って言っていたけど、商品を別にするんじゃなくて、
味を買えればいんじゃないかとね

ズルですがw今回はこれで行きます!


イチゴのような「フラーグムゼリー」
ブルーベリーのような「ウァッキーニウムゼリー」
パイナップルのような「アナナス」

この三種類を作ってみようかと

三店舗で別々で販売
時期的にも大量に出ているし、金額も抑えられる

何より簡単なので


あとはリッタさんのカフェオリジナルでマシュマロもだしてみようかな

コーヒーに浮かべたらおいしいし
これもゼラチン使うからゼリー作るついでに思いついただけだけどね




カランコロン・・・



玄関のベルの音だ

あれ?だれだろう
でていいのかな?

「はーい」

「こんにちはマキアちゃん」

「ああ!シェイク!いらっしゃい!」
どうぞどうぞ~と中に入れる

「ジアンがこちらにいると聞いたんですが、執務室ですか?」

「うん!呼んでくる?」

「いえ、私が行ってきます。ありがとうございます」

「はーい」見送ってすぐにゼリーの準備に取り掛かる

えーっとなんだっけ

見た目綺麗にしたいから、果物は中に入れよう
フラーグムやアナナスはカットしておいて・・・

あとはゼラチンを溶かして、砂糖にはちみつに、レモン汁もかな・・・
レモンっぽい果物で代用しているけどw

まぁ味さえ似ていればなんでもいいや


分量が微妙だから、一応何種類か量を変えて作ってみて・・・
固さがちょうどいいゼリーを販売用のレシピとしようかな


てか、これ・・めっちゃ簡単じゃない??
ぶっかけて冷やすだけでいいとか・・どうしよう

なんか新商品とかいったけど、詐欺みたいなw



ま、いっかww



じゃぁ、冷やしている間にもう一品~
マシュマロマシュマロ~

これが好きでww

巨大なマシュマロを食べたいと、作ったことあったな~

で、焼いて食べたくて焼いたらドロンドロンして最悪だったわ~ハハハ
マシュマロも意外と簡単だし

メレンゲ作って~ゼラチン入れて~冷やすだけでいいしね


マシュマロがあればいろいろできる

焼いてもおいしいし、クッキーにはさんでスモアにしてもいいし
コーヒーにのせてもいいし
ああ~また広がるおいしい世界!!




「マキアちゃん?」
おお、シェイク

「はーい」

「すみません、ジアンまだかかるようなので、こちらにいてもいいでしょうか?」

「もちろん大丈夫ですよ~」

「何を作っていらしたんですか?」
ふふふ~気になるよね~

「なんと!三店舗同時新商品の試作品です!」
どどんと胸を張る

「それはそれは。気になりますね」
でしょでしょ~
もうすぐ出来上がるから一緒に試食しちゃう?

「腕輪の調子はいかがですか?」

「今のところ問題はないと思いますよ」

「ちょっとまくってもらってもいいですか?」

言われて袖をまくれば、シェイクがびっくりした顔をしている

「ちょ、ちょっと待っていてくださいね」
そういってダッシュで出て行った

家から

・・・どこ行くんだろうか



ああ!そういえば、ジアンナッツ類好きだって言っていたよね
なんか作ってあげようかな

ナッツ・・ナッツ・・
フロランタンとか?

あれすごい好きで、歯にくっついても食べまくったな~

買うと高くて、アルバイト先で切れはしをもらって食べていたなw

洋菓子店のバイトのスキルがめっちゃ役にたっているww



よし、つくるか
アーモンドスライスして~・・・


そんなこんなで3品つくっちゃいました

フロランタン作っている間にゼリーもできたし

「ただいま戻りました」
ってシェイクも戻ってきた

「どうしたの?大丈夫??」
息を切らしていたからお水を渡した

「はい・・ありがとうございます」
ごくごく飲んでいる

「早速なんですが、こちらに魔力を入れてください」
??魔石だ。空のやつ。大量にある

「?いいけど、どうしたの??」


「よう、シェイク。もういいぜ~」
ジアンもやってきた

「ジアン、ちょっと待っていてくださいね。先にマキアちゃんの魔力を・・・」
空の大量の魔石をみてジアンが顔色を変えて走ってきた

「マジで?もう?!」

「はい・・・マキアちゃん、こちらにお願いします。あふれています」

え・・?
マジで・・?

ちょっと意識するとたしかに、うっすら漏れている
よく気付くな

「このままだと腕輪がもたなくなります」
え、それはやばいやつだわ

「いいですか?以前やったように、ゆっくりでいいので、一つ一つ確実に入れていきましょう」
急遽魔力入れがはじまった

前よりは簡単にできるようになったかな

「いい調子です。こちらもお願いします」

持ってきてくれた魔石が全部同じ大きさだから、入れる量さえ覚えれば失敗は少ない
コントロールの練習とは違って、ただ放出させるだけだしね

「うっすら漏れている程度の状態が続いている分にはいいんですが、この量の魔力は多分増えてきています」
ええ・・・それは

「誰かに気づかれるとも限りません。せっかくなので、魔石に移しちゃいましょう」

「ただ何かに向けて放出させるだけじゃダメなの?」

「癒の魔力は治療に用いるが、まだ魔力登録していない者の治療は禁止されている。
あとは過多に人に施すと魔力酔いを起こしてしまう」

ジアンがいうにはあまりそれはいい状態ではないようだ

「誰もいない場所へ出してしまっても、魔力の濃度で生態系が変わることもある」
ええ~不便!

「風や水なんかの魔力は放出しても物質として問題ないが、癒や呪に関しては別だ」
ああ、この上なく面倒だわ

「はい、これで最後ですよ」
30個近くあった大き目の魔石がいっぱいになった

「ふふふ、売れますね」ニヤリとしているシェイク

「確かに~なんかすっきりした感じがするよ」
ここ最近忙しかったからだるいのかと思っていたら、魔力のせいか

「シェイク腕輪は?」

「はい、一応作ってありますが・・・三個目ですね」

「どこまで増えるのか・・・」
ジアンとシェイクが悩ましい顔をしている

イケメン万歳



「ねー、新作作ったの食べてみてくれない??」
え・・・って顔をされたけど、そっちは任せたw

魔力に関してはよくわからないし

「・・・はぁ、そうだな。とりあえず休憩するか」
ジアンが椅子をひいてすわってくれた

「そうですね。一息つきましょうか」
ゼリーを出してあげた

「おお!綺麗だな!」ジアンが持ち上げてみている

「でしょ~」

「果物ですか?どのように閉じ込めているんですか?落ちてこないですね」
固めのぜりーはひっくり返しても落ちない

「はい、これはコフェアにのせて飲んでね」
マシュマロも添えてコフェアをだしてあげた


ふたりともスプーンですくってゼリーを食べているが、目を見開いている

この初めて食べたときの衝撃的な顔は好きだわ~
何回見てもみんなこういう顔するよね

おいしいって幸せよね~


「どう?どう?」

「とてもおいしいです。上品でさっぱりとしていて」
シェイクが喜んでくれている

「すごいなこれ、どうやってるんだ」

ゼラチンがある世界なのに、ゼリーを思いつかないのがすごいわ

「マシュマロってのも・・ナニコレ・・ワタみたいな」

「シュワーってしますね・・・味が変わりますよ」
コフェアにいれて飲んでもらった

「おいしい」「おいしい」
二人ではもっとる

でしょでしょ!

「たくさんあるから、お手伝いに来ている部下の皆さんにもあげてね」
冷蔵庫から大量に出す

「すごい作ったな・・・」

「うん。いろいろと硬さをみるのにね」

「ああ、忘れていました。私は仕事をしに来たんでした」
シェイクが書類をジアンに渡している

「ああ、じゃ執務室で」

「マキアちゃん、ごちそうさまでした。とてもおいしかったです」

にっこり笑ってよろこんでくれた
リンクより先に食べられるのはいいですねって

フフフ~いってるわw



フロランタンも焼きあがったので、帰りにシェイクに持たせてあげた

「いろいろといただいてしまい・・ありがとうございます」

「ううん、こちらこそ魔石ありがとう!全然気づかなかったよ」
気を付けないとね

「定期的に入れられるように、家に魔石を置いておくよ」
見送りがてらジアンと一緒にお礼を言う

「制御ストーンの大き目なものを探してみますね」

腕が腕輪で全部埋まっちゃいそうですしね・・と怖いことをいう
確かに、重くなってきたらこまるわ


「それではこちらも王宮に売ってきますね」笑いながら帰っていった
すごい金額になりそう



「あ、ジアンまだお腹はいるならフロランタン食べる?」
ジアンと中に戻りながら聞いてみる

「ふろ?」

「フロランタンってお菓子だよ。ナッツの」

「お!マジで?食べる食べる」

「ジアン様・・・まだお仕事がございます」
部下の方が苦い顔でいっている

超絶嫌そうな顔をしているジアン

「じゃぁ、執務室で食べながらどうぞ~」と、コフェアとフロランタンをもたせてあげた


キッチンに戻って、販売用のゼリーのレシピを正式に決定して紙に書いておく
明日これを三店舗のシェフに渡して試作してもらおうかな




マシュマロは包んで~リッタさんに試食してもらおう

楽しみになってきたぞ
フフフ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

彼女の幸福

豆狸
恋愛
私の首は体に繋がっています。今は、まだ。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」  何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?  後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!  負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。  やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*) 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2022/06/22……完結 2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位 2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位 2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位

『絶対に許さないわ』 嵌められた公爵令嬢は自らの力を使って陰湿に復讐を遂げる

黒木  鳴
ファンタジー
タイトルそのまんまです。殿下の婚約者だった公爵令嬢がありがち展開で冤罪での断罪を受けたところからお話しスタート。将来王族の一員となる者として清く正しく生きてきたのに悪役令嬢呼ばわりされ、復讐を決意して行動した結果悲劇の令嬢扱いされるお話し。

転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。

黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる

異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)

朝食ダンゴ
ファンタジー
不慮の事故(死神の手違い)で命を落としてしまった日本人・御厨 蓮(みくりや れん)は、間違えて死んでしまったお詫びにチートスキルを与えられ、ロートス・アルバレスとして異世界に転生する。 「目立つとろくなことがない。絶対に目立たず生きていくぞ」 生前、目立っていたことで死神に間違えられ死ぬことになってしまった経験から、異世界では決して目立たないことを決意するロートス。 十三歳の誕生日に行われた「鑑定の儀」で、クソスキルを与えられたロートスは、最弱劣等職「無職」となる。 そうなると、両親に将来を心配され、半ば強制的に魔法学園へ入学させられてしまう。 魔法学園のある王都ブランドンに向かう途中で、捨て売りされていた奴隷少女サラを購入したロートスは、とにかく目立たない平穏な学園生活を願うのだった……。 ※『小説家になろう』でも掲載しています。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。

武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。 人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】 前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。 そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。 そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。 様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。 村を出て冒険者となったその先は…。 ※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。 よろしくお願いいたします。

処理中です...