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解放編-12

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「いらっしゃいませ~」

週末もゆっくりと過ごした

ピアノを弾き、魔力コントロールの練習をして
いろいろと料理をしてみたり

昨日の夜は本当にリッタさん明日くるのかな??って心配もしたけど全然杞憂だった


朝にカフェへ行けば、いつも通り中でリッタさんがすでに準備に取り掛かっていた

郊外まで旅行に行ったり、旧友に会いに行ったりと充実した毎日を送っていたみたいだ
疲れもすっかりと取れていて元気になっていた



今日もリッタさんのカフェ【CANIS】は大忙しだ



数種類のカップケーキはレジ横の大きなショーケースに入れられている

すぐになくなるので、焼きたてをすぐに補充している
店内はいつもバターのいい匂いがする

ジャムもフラーグムジャムに、ウァッキーニウム、マールムと増えた
作る時間も結構かかるので、品切れになることも多い



「マキアちゃん、明日からお手伝いの子がくるのよ」

休憩の時にリッタさんがミルク入りのコフェアを出しながら言ってきた

「え?お手伝いさんですか?」

「そう、甥っ子なんだけど、ノックスといって19歳よ」

おお~女子なお店に19歳の男子がくるのか
これはこれは・・・

「最近忙しいですし、助かりますね!」

そうなのよ~とリッタさんもうなずいている

「彼の家が領地の外れのほうで、いつもはホフカの生産しているんだけどね、
繁忙時以外は特にやることがないみたいだしね」

そういえばホフカの時期ももうそろそろおわりだものね

一年中食べるに困らないくらいの生産量があるホフカ

八百屋さんへ行けばいつでも売っているので、時期といわれると微妙だったな

「楽しみです!お兄ちゃんみたいですね」

「ああ~・・・ノックスは、ちょっと女の子苦手なのよ・・・」

え・・そんな子がここに手伝いに来るの?

客層は女子だけど

「あぁ大丈夫!メインは裏方をやってもらうし!」

まぁ何にせよお手伝いは助かる!

「・・はは・・仲良くなれるとうれしいです」

大丈夫かな・・・





翌朝、開店の準備をしていたらカランカランとドアが開いた

「リッタさん、おはようございます」

「ノックス!!いらっしゃい!まっていたわ!」

ノックスと呼ばれた犬属の子が入ってきた
短髪で好青年といった見た目だ

「おはようございます。マキアと申します」

「・・・・おはようございます」

上から下までガン見された上に、返事がくるまのでのすごい間が・・・

このよそ者は受け入れない的なオーラがw


「マキアちゃん、こちら昨日話をしていたノックスね」

「ノックス、マキアちゃんは15歳。あのカップケーキを開発してくれた子よ」

いやいや、この店がなければカップケーキも広がらなかったし
どちらかといえばリッタさんのおかげなんだけど

「よろしくお願いいたします」

挨拶をすれば固まって震えている

どしたどした

「!あのカップケーキは・・マキアさんが!?」

・・・急に食いつきがすごいぞ


それから自分がどれだけカップケーキを愛しているかの話が始まった

以前リッタさんがホフカを買い付けに来てくれた時に、カップケーキを持ってきてくれたそうで
で、それを食べてからは、こんなおいしい食べ物が世の中にあるのか!と驚愕したそうだ

たまに両親が街に来た時に買ってくる時以外は食べられなくて、彼曰く至高の食べ物らしいw

リンクと気が合いそうだ


やや引き気味に興奮した話を聞いていたけど

「すごいです!すばらしいです!」

カップケーキってだけで、すごい神をあがめるかのようにみられている

「喜んでもらえてよかったです!」

ははは・・自分用のおやつでつくっただけなんだけどね
よかったわ


あ、そうだそうだ

「あ、せっかくなので、これをどうぞ」

初めてお会いした記念に・・・とラッピングしたクッキーを渡した

プレーンのバタークッキー
昨日夜に焼いてみた

「リッタさんもどうぞ~」

「ええ~~!マキアちゃんのお菓子?!うれしいわ~」とさっそくラッピングをはがしている

「はぅ!!!!」

一枚食べたノックスは固まっている

「やだ~相変わらずおいしいわ!これはなぁに??」

「クッキーって言うんですよ。サクサクしておいしいですよね~」

リッタさんに、バターと小麦粉と~と説明をする

カップケーキと似た材料で作れるのでこれも簡単にできる

小腹がすいた時に食べられるし、これもお店で出せそうな気がするな


「すごいです!こんなものを作れるなんて!!」

「ありがとう!気に入ってもらってよかったです」

感動で涙しそうな顔をしている

「はは・・また焼きますね」

出会いとのギャップがすごいな



一人助っ人がいるとこんなにも違うかというくらい楽になった

お客さんが使ったお皿とか全部ノックスが洗ってくれるし
注文の品の準備も手伝ってくれる

たまに運んでくれたり、片付けもしてくれる

カップケーキを作ったりするのは私かリッタさんだけど、焼き上がりを取り出したりもしてくれるし
お客さんを待たせなくてよくなったのがいいね



カランカラン

「いらっしゃいま~」

ドアのほうを見れば、シェイクがいた

「あ~!シェイク!!いらっしゃい!」

かけよればにこりと微笑んでくれた

「こんにちは、マキアちゃん」

おお・・相変わらず美形だ・・まぶしいぜ

「リッタさんお久しぶりです。疲れはとれましたか?」

カウンターに座って長い足を延ばしている

「ありがとう!長い間お店を閉めててごめんなさいね。おかげでばっちりよ」

「よかったです。安心しました」

「マキアちゃん、コフェアを一つお願いします」

「はい!」

急いで作りに行く

あ!今お礼も渡していいかな?

「シェイク、この間はピアノを直してくれてありがとう!」

「これ、少しだけどお礼です!」とプレゼントの紙袋を渡した

「おや、これは・・ありがとうございます。」

あけていいですか?と紙袋から箱を取り出してカフスを見る

「これは・・マキアちゃん、かなり高額なお礼ですが・・・」

若干目を見張っている

「いや、魔石は買っていの!それ私が魔力を入れたんだ!」

カフスボタンを凝視している

何やら沈黙が・・・

あまり気に入らない?

「・・素晴らしいですね。よくここまで魔力をコントロールできるようになりましたね」

「へへ、ガロやリンクにも手伝ってもらったの」

「ガロにも聞いていたんですが、まだ魔力解放前でここまでコントロールをできるのはすごいことなんですよ」

「形とかデザインは加工ショップで私が選んだんだけど、もし好みじゃないなら交換するね!」

「いえ、こんな素敵なプレゼントをいただいたことがありません。本当にありがとうございます」

にっこりと笑って早速つけてくれた

ああ~もうイケメンは何でもに会うな
推しのようにつぎ込みたい

「おや、もう一つ・・何か」

シェイクが取り出したのは手作りしたマカロン
これもこの世界では新作

綺麗なペール色に焼きあがって可愛いく箱に収まった

「これはこれは・・また素敵なものを。これもお菓子ですか?」

「はい!少し甘いかもしれませんが、日持ちするのゆっくり召し上がってください」

「なにこれ~かわいい~」

リッタさんがシェイクの注文したコフェアを持ってきながら除いている

「今度リッタさんにも作りますね」

うれしいわ~とリッタさん大喜び

今日はシェイクだけ
本当に感謝しかない

「マキアちゃんありがとうございます。
でもこれからはお礼など気にしないでくださいね」

私はピアノが一番に聞けてそれだけでうれしかったんですよ?とイケメンなことを言っている

「ピアノはいつでも弾きます!この間買った楽譜も弾けるようになりましたよ」

休み中はこれでもかと時間があったので練習しまくったしね

「本当ですか、早いですね。では今度ゆっくりと聞かせてください」


そうなのだ・・またカフェが再開したら混雑がすごい

「はい!では、ごゆっくりしていってくださいね」


仕事に戻る


ぱたぱたとずっと動いている

そんなあたしをニコニコとみているシェイクには気づかなかった

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