8 / 33
唐突な登壇
しおりを挟む
相変わらず先生と不明門くんと魔法の勉強……というより、ほぼ語学の勉強だけれど……をしながら万屋の細々とした仕事をこなす。
ここに到着してから、早十日は過ぎ、私も最初は心配だからとついてきてくれた不明門くんの付き添いなしでも、お使いをこなせるようになってきた。
それでも喜多さんみたいな女の子のあやかしの依頼だったらいざ知らず、男のあやかしの依頼は心配して付き添いたがっていた。
「そりゃ先生の弟子って言えば、大概の奴は黙るけどさ。遊郭に登って神に見つかったりしたらどうなるかわかったもんじゃないし……」
「でも不明門くん。神様は多分私のことなんかどうでもいいと思うけど。火傷跡だって全然消えないし」
「神ってのは気まぐれなんだよ。珍味だって判断したら、老若男女問わず持って帰っちまうから。先生だって魔法が使える珍品ってことで、神でも手に負えない量の徳を稼ぎきってなかったら大変だったんだからさ」
「ええ……先生、そこまで徳を積んでたんですか……?」
私は思わず今日も煙管を吹かせながら店番をしている先生に振り返る。先生は話を聞いていたのか聞いていなかったのか、黙って普段店番している店先に置いてある木の棚の引き戸を開いた。そこに並んでいるものを見て、絶句した。
そこには瓶がびっしりと並び、どの瓶にもしっかりと墨汁のような徳が占められていた。
「……こんなにたくさんあったら、万が一盗まれたら大変なことになりますね」
「そうはいってもね。うちの店のもんは基本的にあたしとあんたたち弟子認定したもん以外は開けられないようにしているから。開けた奴は大概雷に打たれて退散しているから、盗みようもないよ」
「……そんな怖い仕掛け、うちにあったんですか?」
今初めて聞いた、万屋にかかっている魔法に私はガクガクとした。自分が雷に打たれないからいいと言えばいいのか、人が雷に打たれるのを見るかもしれないとおそれればいいのか、今の自分にはわからない。
それに不明門くんはあっさりと言ってのけた。
「そりゃそうだろ。遊郭だって、遊女が逃げ出さないようにって、徳の管理は厳重なんだし。どこでだってそんなことやってるよ」
「……なるほど」
とりあえず、私は今回は男性客のところにお使いに行かなくてはいけなくて、結局は不明門くんについてきてもらうことにした。
普段は派手な大通りに面した場所で働いている人々や、ときどき見世のひとたちからの依頼を受けていたものの、今日通っている道は路地裏で、どことなく煤けて見える場所だった。
「……裏吉原にもこんな場所があったんですね」
「なに、表の吉原にはないの?」
「いえ。私みたいな下働きが出入りしていたのは、基本的にここみたいなところでした。大通りは吉原に来たお客さんや遊女の姐さんたちのもので、裏方は目立たず隠れてひっそりとでしたから」
「なあるほど。そりゃこの辺りも神の花街だからさ。神の目に触れさせたくないもんは、大概端っこに追いやられてるんだよ」
「なるほど……」
そう言いながら、ふたりで到着した長屋を見た。これだけ見ると裏吉原も吉原とあまり変わらないんだなという気持ちになってくるけれど、路地に出て遊んでいる子たちは、大通りに面しているひとたちよりも明らかに人から離れていた。
着物を着たひとつ目の女の子が、角の生えた女の子と一緒に縄跳びをして遊んでいる。あちこちに干してある洗濯物を取り込んでいるひとも、気のせいか少し透けていたり、顔がなかったりする。
「……前に見た遊女さんは首を伸ばしていたように見えますけど」
「ああ、あれ? 神が気に入ったら、割と面白がって遊郭に置きたがるんだよな。あいつら勝手だから」
不明門くんも表立って文句を言っちゃいけないと思っているのか、その声はどこかくぐもっていた。
そうこうしている内に、目的の部屋に辿り着いた。
「すみません、万屋です。お仕事に伺いました」
「はいよ、入っとくれ」
「失礼します」
戸を開けた途端、ツンと独特のにおいがした。なんだろうと思ったら、その長屋の一室は見事なまでに綺麗な塗りの施された簪が並んでいた。まだ木を削って磨いているものから、色を塗って乾かしているもの。乾いたものを磨いて仕上げているものまでが並んでいる。
今日の依頼は長屋で簪職人さんが見世からの依頼で、祭り用の花魁の簪を発注したが、人手が足りなくって取りに行けるひとがいない。だから取りに行けというものだった。
私たちは簪を慎重に入れ物に移し替えると、職人さんから松葉色の徳を注いでもらった。
「今の時期だと、人手が足りなくってなあ。もしやするとお嬢ちゃんも頼まれるかもしれないから気を付けてな」
「大袈裟な……私見世とかには立てませんし」
「遊女ってえのは、なにも酌や芸をするだけじゃねえからなあ」
職人さんにまで不明門くんと同じようなことを言われてしまい、私はげんなりとしながら、大通りを目指しはじめる。半分持ってくれた不明門くんはうんざりとした顔をした。
「だから言っただろ。そんなもんだって」
「でも……ちょっと顔立ちが綺麗だったらそうじゃないかもしれませんけど、私見世にだって出せそうもないじゃないですか」
「さっきの池尾さんだって言ってたじゃねえか。遊女は酌や芸をするだけじゃねえって。顔が関係ない仕事だってあんだからな。というか、なんでオマエこんなに危機感ないんだよ。表でも吉原にいたはずなのにさ」
「だって……私表だったら売り物にならないって怒られてたから……」
父から受けた火傷は、魔法をきちんと覚えれば治るのかはわからない。ただ、私はこの火傷のおかげで見世に立たずに済んだんだから、魔法を覚えたからと言って治したいとも思っていない。
不明門くんは呆れた顔で「師匠になんか言われたら知んねえからな」と悪態をついた。そうこうしている内に、目的の見世が見えてきた。
こうやって見世の裏側に来ると、表でやっていた仕事を思い出し、少しだけ縮こまる思いがする。前に男娼の見世に行ったときは、男性しかいない分だけ少しだけ安堵があったけれど。ここは女の遊女しかいない。
それにしても。普段だったら一階に使用人たちが集まっているんだから大概誰かいるはずなのに、今は誰もいない。不用心過ぎないだろうか。
「すみませーん、万屋でーす。お頼みの簪持って参りましたぁー!!」
声をすると、ドタドタドタッと階段を駆け下りてくる音が響いた。遣り手は幽霊なのかあやかしなのかはわからないものの、しわしわの手に真っ白な髪を伸ばしっぱなしにしているのはわかる。
「ああ! よかった! 万屋さん! 追加で依頼を受けてもらいたかったのだけれど、ちょうどよかった!」
「はあ」
「ちょっとね。幽霊熱にやられてね、幽霊の遊女が全滅しちゃったのよ。皆今は物置で看病中」
ちなみに物置部屋に入れられているのは、乱暴な訳ではない。ここは本当に大量の人が住んでいるから、ひとり病人を放置していたら全員かかってもしょうがない。だから病人は隔離部屋代わりに物置部屋で看病する習慣がある。
でもこの話を聞いている限り、幽霊以外のあやかしは元気そうだけれど。
「そうなんですか……」
「でもね、今晩は宴会があってね、宿屋にひとを派遣しないと駄目なのよ。大変申し訳ないのだけど、行ってくださらない?」
「えっ……!」
私は思わずビクンッと背中を跳ねさせる。不明門くんはこちらを半眼で睨んでいる。「ほれ、だから言っただろ」と言いたげな顔だった。
私は慌てる。
「た、大変申し訳ございませんが。受けるには私、火傷とかありますし……」
「あら、多分大丈夫だわ。どうせあいつら酒と食事以外はなんでもいいし」
それは遠慮してくれているのかしてくれてないのかどっちだ。
私が頭を抱えている中、不明門《あけず》くんは尋ねてきた。
「うちの師匠は許可してくれたんで?」
「そりゃもちろん」
先生まで許可出してるんだったら、もう私が抵抗しても同じじゃない。私は背中で大きく息をした。
ここに到着してから、早十日は過ぎ、私も最初は心配だからとついてきてくれた不明門くんの付き添いなしでも、お使いをこなせるようになってきた。
それでも喜多さんみたいな女の子のあやかしの依頼だったらいざ知らず、男のあやかしの依頼は心配して付き添いたがっていた。
「そりゃ先生の弟子って言えば、大概の奴は黙るけどさ。遊郭に登って神に見つかったりしたらどうなるかわかったもんじゃないし……」
「でも不明門くん。神様は多分私のことなんかどうでもいいと思うけど。火傷跡だって全然消えないし」
「神ってのは気まぐれなんだよ。珍味だって判断したら、老若男女問わず持って帰っちまうから。先生だって魔法が使える珍品ってことで、神でも手に負えない量の徳を稼ぎきってなかったら大変だったんだからさ」
「ええ……先生、そこまで徳を積んでたんですか……?」
私は思わず今日も煙管を吹かせながら店番をしている先生に振り返る。先生は話を聞いていたのか聞いていなかったのか、黙って普段店番している店先に置いてある木の棚の引き戸を開いた。そこに並んでいるものを見て、絶句した。
そこには瓶がびっしりと並び、どの瓶にもしっかりと墨汁のような徳が占められていた。
「……こんなにたくさんあったら、万が一盗まれたら大変なことになりますね」
「そうはいってもね。うちの店のもんは基本的にあたしとあんたたち弟子認定したもん以外は開けられないようにしているから。開けた奴は大概雷に打たれて退散しているから、盗みようもないよ」
「……そんな怖い仕掛け、うちにあったんですか?」
今初めて聞いた、万屋にかかっている魔法に私はガクガクとした。自分が雷に打たれないからいいと言えばいいのか、人が雷に打たれるのを見るかもしれないとおそれればいいのか、今の自分にはわからない。
それに不明門くんはあっさりと言ってのけた。
「そりゃそうだろ。遊郭だって、遊女が逃げ出さないようにって、徳の管理は厳重なんだし。どこでだってそんなことやってるよ」
「……なるほど」
とりあえず、私は今回は男性客のところにお使いに行かなくてはいけなくて、結局は不明門くんについてきてもらうことにした。
普段は派手な大通りに面した場所で働いている人々や、ときどき見世のひとたちからの依頼を受けていたものの、今日通っている道は路地裏で、どことなく煤けて見える場所だった。
「……裏吉原にもこんな場所があったんですね」
「なに、表の吉原にはないの?」
「いえ。私みたいな下働きが出入りしていたのは、基本的にここみたいなところでした。大通りは吉原に来たお客さんや遊女の姐さんたちのもので、裏方は目立たず隠れてひっそりとでしたから」
「なあるほど。そりゃこの辺りも神の花街だからさ。神の目に触れさせたくないもんは、大概端っこに追いやられてるんだよ」
「なるほど……」
そう言いながら、ふたりで到着した長屋を見た。これだけ見ると裏吉原も吉原とあまり変わらないんだなという気持ちになってくるけれど、路地に出て遊んでいる子たちは、大通りに面しているひとたちよりも明らかに人から離れていた。
着物を着たひとつ目の女の子が、角の生えた女の子と一緒に縄跳びをして遊んでいる。あちこちに干してある洗濯物を取り込んでいるひとも、気のせいか少し透けていたり、顔がなかったりする。
「……前に見た遊女さんは首を伸ばしていたように見えますけど」
「ああ、あれ? 神が気に入ったら、割と面白がって遊郭に置きたがるんだよな。あいつら勝手だから」
不明門くんも表立って文句を言っちゃいけないと思っているのか、その声はどこかくぐもっていた。
そうこうしている内に、目的の部屋に辿り着いた。
「すみません、万屋です。お仕事に伺いました」
「はいよ、入っとくれ」
「失礼します」
戸を開けた途端、ツンと独特のにおいがした。なんだろうと思ったら、その長屋の一室は見事なまでに綺麗な塗りの施された簪が並んでいた。まだ木を削って磨いているものから、色を塗って乾かしているもの。乾いたものを磨いて仕上げているものまでが並んでいる。
今日の依頼は長屋で簪職人さんが見世からの依頼で、祭り用の花魁の簪を発注したが、人手が足りなくって取りに行けるひとがいない。だから取りに行けというものだった。
私たちは簪を慎重に入れ物に移し替えると、職人さんから松葉色の徳を注いでもらった。
「今の時期だと、人手が足りなくってなあ。もしやするとお嬢ちゃんも頼まれるかもしれないから気を付けてな」
「大袈裟な……私見世とかには立てませんし」
「遊女ってえのは、なにも酌や芸をするだけじゃねえからなあ」
職人さんにまで不明門くんと同じようなことを言われてしまい、私はげんなりとしながら、大通りを目指しはじめる。半分持ってくれた不明門くんはうんざりとした顔をした。
「だから言っただろ。そんなもんだって」
「でも……ちょっと顔立ちが綺麗だったらそうじゃないかもしれませんけど、私見世にだって出せそうもないじゃないですか」
「さっきの池尾さんだって言ってたじゃねえか。遊女は酌や芸をするだけじゃねえって。顔が関係ない仕事だってあんだからな。というか、なんでオマエこんなに危機感ないんだよ。表でも吉原にいたはずなのにさ」
「だって……私表だったら売り物にならないって怒られてたから……」
父から受けた火傷は、魔法をきちんと覚えれば治るのかはわからない。ただ、私はこの火傷のおかげで見世に立たずに済んだんだから、魔法を覚えたからと言って治したいとも思っていない。
不明門くんは呆れた顔で「師匠になんか言われたら知んねえからな」と悪態をついた。そうこうしている内に、目的の見世が見えてきた。
こうやって見世の裏側に来ると、表でやっていた仕事を思い出し、少しだけ縮こまる思いがする。前に男娼の見世に行ったときは、男性しかいない分だけ少しだけ安堵があったけれど。ここは女の遊女しかいない。
それにしても。普段だったら一階に使用人たちが集まっているんだから大概誰かいるはずなのに、今は誰もいない。不用心過ぎないだろうか。
「すみませーん、万屋でーす。お頼みの簪持って参りましたぁー!!」
声をすると、ドタドタドタッと階段を駆け下りてくる音が響いた。遣り手は幽霊なのかあやかしなのかはわからないものの、しわしわの手に真っ白な髪を伸ばしっぱなしにしているのはわかる。
「ああ! よかった! 万屋さん! 追加で依頼を受けてもらいたかったのだけれど、ちょうどよかった!」
「はあ」
「ちょっとね。幽霊熱にやられてね、幽霊の遊女が全滅しちゃったのよ。皆今は物置で看病中」
ちなみに物置部屋に入れられているのは、乱暴な訳ではない。ここは本当に大量の人が住んでいるから、ひとり病人を放置していたら全員かかってもしょうがない。だから病人は隔離部屋代わりに物置部屋で看病する習慣がある。
でもこの話を聞いている限り、幽霊以外のあやかしは元気そうだけれど。
「そうなんですか……」
「でもね、今晩は宴会があってね、宿屋にひとを派遣しないと駄目なのよ。大変申し訳ないのだけど、行ってくださらない?」
「えっ……!」
私は思わずビクンッと背中を跳ねさせる。不明門くんはこちらを半眼で睨んでいる。「ほれ、だから言っただろ」と言いたげな顔だった。
私は慌てる。
「た、大変申し訳ございませんが。受けるには私、火傷とかありますし……」
「あら、多分大丈夫だわ。どうせあいつら酒と食事以外はなんでもいいし」
それは遠慮してくれているのかしてくれてないのかどっちだ。
私が頭を抱えている中、不明門《あけず》くんは尋ねてきた。
「うちの師匠は許可してくれたんで?」
「そりゃもちろん」
先生まで許可出してるんだったら、もう私が抵抗しても同じじゃない。私は背中で大きく息をした。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
荷車尼僧の回顧録
石田空
大衆娯楽
戦国時代。
密偵と疑われて牢屋に閉じ込められた尼僧を気の毒に思った百合姫。
座敷牢に食事を持っていったら、尼僧に体を入れ替えられた挙句、尼僧になってしまった百合姫は処刑されてしまう。
しかし。
尼僧になった百合姫は何故か生きていた。
生きていることがばれたらまた処刑されてしまうかもしれないと逃げるしかなかった百合姫は、尼寺に辿り着き、僧に泣きつく。
「あなたはおそらく、八百比丘尼に体を奪われてしまったのでしょう。不死の体を持っていては、いずれ心も人からかけ離れていきます。人に戻るには人魚を探しなさい」
僧の連れてきてくれた人形職人に義体をつくってもらい、日頃は人形の姿で人らしく生き、有事の際には八百比丘尼の体で人助けをする。
旅の道連れを伴い、彼女は戦国時代を生きていく。
和風ファンタジー。
カクヨム、エブリスタにて先行掲載中です。
護堂先生と神様のごはん
栗槙ひので
キャラ文芸
亡くなった叔父の家を譲り受ける事になった、中学校教師の護堂夏也は、山間の町の古い日本家屋に引っ越して来た。静かな一人暮らしが始まるはずが、引っ越して来たその日から、食いしん坊でへんてこな神様と一緒に暮らす事になる。
気づけば、他にも風変わりな神様や妖怪まで現れて……。
季節を通して巡り合う、神様や妖怪達と織り成す、ちょっと風変わりな日々。お腹も心もほっこり温まる、ほのぼの田舎暮らし奇譚。
2019.10.8 エブリスタ 現代ファンタジー日別ランキング一位獲得
2019.10.29 エブリスタ 現代ファンタジー月別ランキング一位獲得
これもなにかの縁ですし 〜あやかし縁結びカフェとほっこり焼き物めぐり
枢 呂紅
キャラ文芸
★第5回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました!応援いただきありがとうございます★
大学一年生の春。夢の一人暮らしを始めた鈴だが、毎日謎の不幸が続いていた。
悪運を祓うべく通称:縁結び神社にお参りした鈴は、そこで不思議なイケメンに衝撃の一言を放たれてしまう。
「だって君。悪い縁(えにし)に取り憑かれているもの」
彼に連れて行かれたのは、妖怪だけが集うノスタルジックなカフェ、縁結びカフェ。
そこで鈴は、妖狐と陰陽師を先祖に持つという不思議なイケメン店長・狐月により、自分と縁を結んだ『貧乏神』と対峙するけども……?
人とあやかしの世が別れた時代に、ひとと妖怪、そして店主の趣味のほっこり焼き物が交錯する。
これは、偶然に出会い結ばれたひととあやかしを繋ぐ、優しくあたたかな『縁結び』の物語。
お江戸陰陽師あやし草紙─これはあやかしのしわざですか?─
石田空
キャラ文芸
時は江戸。日々暦をつくって生活している下っ端陰陽師の土御門史郎の元に、押しかけ弟子の椿がやってくる。女だてらに陰陽道を極めたいという椿に振り回されている史郎の元には、日々「もののけのしわざじゃないか」「あやかしのしわざじゃないか」という悩み事が持ち込まれる。
お人よしで直情型な椿にせかされながら、史郎は日々お悩み相談に精を出す。
狼神様と生贄の唄巫女 虐げられた盲目の少女は、獣の神に愛される
茶柱まちこ
キャラ文芸
雪深い農村で育った少女・すずは、赤子のころにかけられた呪いによって盲目となり、姉や村人たちに虐いたげられる日々を送っていた。
ある日、すずは村人たちに騙されて生贄にされ、雪山の神社に閉じ込められてしまう。失意の中、絶命寸前の彼女を救ったのは、狼と人間を掛け合わせたような姿の男──村人たちが崇める守護神・大神だった。
呪いを解く代わりに大神のもとで働くことになったすずは、大神やあやかしたちの優しさに触れ、幸せを知っていく──。
神様と盲目少女が紡ぐ、和風恋愛幻想譚。
(旧題:『大神様のお気に入り』)
ナマズの器
螢宮よう
キャラ文芸
時は、多種多様な文化が溶け合いはじめた時代の赤い髪の少女の物語。
不遇な赤い髪の女の子が過去、神様、因縁に巻き込まれながらも前向きに頑張り大好きな人たちを守ろうと奔走する和風ファンタジー。
式鬼のはくは格下を蹴散らす
森羅秋
キャラ文芸
陰陽師と式鬼がタッグを組んだバトル対決。レベルの差がありすぎて大丈夫じゃないよね挑戦者。バトルを通して絆を深めるタイプのおはなしですが、カテゴリタイプとちょっとズレてるかな!っていう事に気づいたのは投稿後でした。それでも宜しければぜひに。
時は現代日本。生活の中に妖怪やあやかしや妖魔が蔓延り人々を影から脅かしていた。
陰陽師の末裔『鷹尾』は、鬼の末裔『魄』を従え、妖魔を倒す生業をしている。
とある日、鷹尾は分家であり従妹の雪絵から決闘を申し込まれた。
勝者が本家となり式鬼を得るための決闘、すなわち下剋上である。
この度は陰陽師ではなく式鬼の決闘にしようと提案され、鷹尾は承諾した。
分家の下剋上を阻止するため、魄は決闘に挑むことになる。
真夜中の仕出し屋さん~料理上手な狛犬様と暮らすことになりました~
椿蛍
キャラ文芸
「結婚するか、化け物屋敷を管理するか」
仕事を辞めた私に、父は二つの選択肢を迫った。
料亭『吉浪』に働いて六年。
挫折し、料理を作れなくなってしまった――
結婚を断り、私が選んだのは、化け物屋敷と父が呼ぶ、亡くなった祖父の家へ行くことだった。
祖父が亡くなって、店は閉まっているはずだったけれど、なぜか店は開いていて――
初出:2024.5.10~
※他サイト様に投稿したものを大幅改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる