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狐の嫁入り
六
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それからしばらくし、史郎は瓦版屋に水鳥屋の公演を聞いてきた。瓦版屋は「珍しいこともあるもんですねえ」と答えた。
「なんだい? その珍しいことってぇのは」
「いやですね、先生は旅芸人には疎いと思って」
「まあ……否定やしねえが。で、まだ出てってないのかい?」
「そりゃもう。今回の演目はなかなか面白いんで、既に人が集まってますぜ」
「その演目ってぇのは?」
「はい。【狐の嫁入り】だそうですよ」
それに史郎は「やっぱり」と内心唸り声を上げた。
舞台の演目は概ねこういうものだった。
嫁入り前の大店の娘が狐の嫁入りに遭遇してしまう。狐の嫁入りを目撃してしまうのは縁起が悪いということで、決まっていた縁談は破談してしまい、それで泣き濡れているところで、寺の住職に拾われる。こうして娘は出家し、寺の住職と仲睦まじく暮らすというものであった。
あの大名屋敷の姫に起ころうとしているそのものであった。
史郎は話を聞いてきたのを、椿は「アワワワワ……」と声を上げた。
「あの……そうなったら、狐の嫁入りを目撃したのは……」
「状況証拠しかなかったが、こうやって証言も出てきたらなあ……概ね、状況はこういうことだろう……まず、おひいさんは脱走癖が原因であの旗本と出会った。しかし大名家の姫と江戸城詰めの旗本なんて身分が違うから、そう簡単に結婚なんてできない。だとしたら、家から追い出されるようになるしかないと、彼女は家から追い出される手段として、自身の持ち物を質屋に流して金に換えようとしたものの、なかなか上手くいかなかったんだろう……」
「そりゃ当たり前ですよ……大名家の品なんて質屋に出されても、普通の質屋ではその一品を換金できるほどのお金をそもそも持ってません」
「そこで、旅芸人一座に目を付けたんだろうな、大名屋敷で公演の宣伝をしないかと」
「その宣伝して欲しいと頼むために、おひいさんは自分の持ち物を渡したと」
「武家のお嬢さんの品だったら売れるだろうと喜んだんだろうが……まあ質屋は困った訳だ。そんなの支払えないと。それでもなんとか換金したんだから、旅芸人一座と質屋、どちらかが相当目利きがよかったか、どちらもかだろうな」
史郎の淡々とした説明を、椿は咀嚼し、ふと口を開く。
「ですけど……これらはあくまで推測ですよね? 肝心の天気雨の日に狐の嫁入りが起きたというのは、どう判断すれば……それにそもそも、狐の嫁入りを目撃したって証言がなかったら、ただのおひいさんの嘘に……あれ?」
椿は首を捻った。
史郎は頷く。
「ああ、俺たちはいいように使われたんだよ。だから腹が立って調べることにした訳で」
****
日頃長屋の住民は、夜になったら糸が門を閉めるために、それまでに帰ってくる。
飲み屋で飲む者も、どこかで羽目を外す者も、皆揃って長屋に入り、夜が明けるまで自分の家に篭もる。
その夜、諭吉が帰ってきた頃に合わせて「よう、諭吉さん」と史郎が声をかけると、諭吉は困った顔をしてみせた。
「どうしました、しろさん。狐の嫁入り、解決しましたか?」
「まあ、あらかたは。ところで、いい酒が手に入ったんだ。それで一緒に飲まないかい? あては……まあ大根でも」
大根の美味い季節になったら、大根を天日干しにして乾かし、糠に漬け込む。こうすることでただ大根を糠に漬け込むよりも早く漬かり、酒のあてにちょうどよくなる。
ふたりは大根を糠床から持ってくると、諭吉の家で酒を湯を沸かして温め、それを飲みながら大根をポリポリ囓りはじめた。
酒をひと口飲むと、米の旨味が広がる。
「……ずいぶんといい酒だねえ。いつも貧乏暮らしのしろさんとは思えないや」
「今回は臨時収入があったからいい酒が飲めたが、こんな贅沢はいつもはできねえわな。椿はまだ酒も飲めねえ年だから、できる限りいいもんは買ってやったが、それだけよ。さて、俺がどうしてこんなに羽振りがいいかというと」
「勘弁しておくれよ。しろさんのことだから、特に危ない橋は渡ってないだろうにそんなにもったいぶるのは」
「まあそう言わずに聞いておくれ……お前さん。大名屋敷で仕事していて、おひいさんと知り合いになっただろう?」
諭吉のパキンという大根を折る音が響いた。史郎は酒を飲む。特に舌がいいとは思ったことはないが、高い酒であればあるほど、悪酔いはせずに酒のすっきりとした味わいが出るのだなとぼんやりと思った。
史郎は続ける。
「狐の嫁入りを目撃したってお前さんが言ったのは、そもそもおひいさんに頼まれたからじゃないかい? 誰か発言力があって、大名屋敷にやってきてもおかしくない人物で、狐の嫁入りを体よく目撃してくれる人を探しているって」
「なんです、そりゃ……自分は」
「まあ、お前さんは真面目だからな。借金のかたで首が回らなくなったから金策に走らないといけなくなったってことじゃなさそうだ。お金に困っていながら、たまたま大名屋敷の仕事依頼で出かけ、そこでおひいさんと知り合った。今度狐の嫁入りが出るから、それを目撃してくれる人が欲しいと」
「そんな……しろさんらしくないですね。こんな滅茶苦茶なの。貸本屋のほうがもっとましな嘘をつくでしょうよ」
「俺だって諭吉さんが嘘つくなんて最初は思ってなかったさ。ただ、あまりにおひいさんに都合のよすぎる展開が続いたんで、こりゃ作為的なもんじゃないかと勘繰りたくもなるさ。金策に困っている植木屋、宣伝に迷っている旅芸人一座、そして火車の件で名を挙げた陰陽師が揃ったからこそ、おひいさんもでっち上げることができたんじゃないか」
「……ええ、そうですね」
ようやっとポロリと諭吉が口を開いた。
「故郷のかかあが病で倒れたんですけど、医者にかかる金なんて当然ありません。仕事先で借金を申し込むか、考えあぐねていたところで、おひいさんに相談を持ちかけられたんです。どうしたら旗本の人間と結婚できるかと」
「あんたのことだ。どうせ最初は断ったんだろう?」
「ええ……自分だとどうすることもできないから、一度父上と話し合ったほうがいいと。そしたらおひいさんは泣き出してね……もうすぐ縁談が決まるから、このままだと二度と会えなくなると。簪をもらい、これを金に換えていいからと言われまして。いっそ自分が呪われていると宣伝し回ったら、そのまま追い出されるんじゃないかと言いました。おひいさんはそれを真に受けたんです……しろさんのことを紹介したのは自分ですよ」
「……なるほどなあ」
「怒らないんですね」
「いや? あのおひいさんにはむかっ腹が立たない訳でもないが、諭吉さんの故郷のかか様がおひいさんからの換金のおかげで無事なら、まあいいかと思っただけで。あのおひいさんは世間知らずかと思っていたが、まあそんなでもなかったな」
むしろ彼女はお金のばらまき方をよくわかっているし、自分の立場も理解している。それら全部を使って旗本のところに嫁ぐのだから、彼女はその頭脳を持って亭主を盛り立てることだろう。
ただのじゃじゃ馬かと思っていたら、とんだ審美眼の持ち主だった。
だが……ひとつだけ腑に落ちないことがある。
「しかし……ただひとつだけわからねえことがある」
「なんです?」
「狐の嫁入りが降ったとき……本当に狐の嫁入り、つまりは天気雨が降ったんだ。そのせいで、椿なんかは本当に狐の嫁入りを信じ込んじまってなあ……これはいったいどんな絡繰りが?」
「ええ? さすがにそんなの知りゃしませんよ」
「うーん……」
天気がいいのに、ぱらりぱらりと降った雨。
まるであの狐面のひとびとに呼ばれたように、たしかに雨は降っていたのだ。史郎は「うーん」と腕を組んだが、結局は酒に手を伸ばす。
「まあ……いつかはわかることもあるだろうさ」
「そうですか」
そう答えておくことにした。
「なんだい? その珍しいことってぇのは」
「いやですね、先生は旅芸人には疎いと思って」
「まあ……否定やしねえが。で、まだ出てってないのかい?」
「そりゃもう。今回の演目はなかなか面白いんで、既に人が集まってますぜ」
「その演目ってぇのは?」
「はい。【狐の嫁入り】だそうですよ」
それに史郎は「やっぱり」と内心唸り声を上げた。
舞台の演目は概ねこういうものだった。
嫁入り前の大店の娘が狐の嫁入りに遭遇してしまう。狐の嫁入りを目撃してしまうのは縁起が悪いということで、決まっていた縁談は破談してしまい、それで泣き濡れているところで、寺の住職に拾われる。こうして娘は出家し、寺の住職と仲睦まじく暮らすというものであった。
あの大名屋敷の姫に起ころうとしているそのものであった。
史郎は話を聞いてきたのを、椿は「アワワワワ……」と声を上げた。
「あの……そうなったら、狐の嫁入りを目撃したのは……」
「状況証拠しかなかったが、こうやって証言も出てきたらなあ……概ね、状況はこういうことだろう……まず、おひいさんは脱走癖が原因であの旗本と出会った。しかし大名家の姫と江戸城詰めの旗本なんて身分が違うから、そう簡単に結婚なんてできない。だとしたら、家から追い出されるようになるしかないと、彼女は家から追い出される手段として、自身の持ち物を質屋に流して金に換えようとしたものの、なかなか上手くいかなかったんだろう……」
「そりゃ当たり前ですよ……大名家の品なんて質屋に出されても、普通の質屋ではその一品を換金できるほどのお金をそもそも持ってません」
「そこで、旅芸人一座に目を付けたんだろうな、大名屋敷で公演の宣伝をしないかと」
「その宣伝して欲しいと頼むために、おひいさんは自分の持ち物を渡したと」
「武家のお嬢さんの品だったら売れるだろうと喜んだんだろうが……まあ質屋は困った訳だ。そんなの支払えないと。それでもなんとか換金したんだから、旅芸人一座と質屋、どちらかが相当目利きがよかったか、どちらもかだろうな」
史郎の淡々とした説明を、椿は咀嚼し、ふと口を開く。
「ですけど……これらはあくまで推測ですよね? 肝心の天気雨の日に狐の嫁入りが起きたというのは、どう判断すれば……それにそもそも、狐の嫁入りを目撃したって証言がなかったら、ただのおひいさんの嘘に……あれ?」
椿は首を捻った。
史郎は頷く。
「ああ、俺たちはいいように使われたんだよ。だから腹が立って調べることにした訳で」
****
日頃長屋の住民は、夜になったら糸が門を閉めるために、それまでに帰ってくる。
飲み屋で飲む者も、どこかで羽目を外す者も、皆揃って長屋に入り、夜が明けるまで自分の家に篭もる。
その夜、諭吉が帰ってきた頃に合わせて「よう、諭吉さん」と史郎が声をかけると、諭吉は困った顔をしてみせた。
「どうしました、しろさん。狐の嫁入り、解決しましたか?」
「まあ、あらかたは。ところで、いい酒が手に入ったんだ。それで一緒に飲まないかい? あては……まあ大根でも」
大根の美味い季節になったら、大根を天日干しにして乾かし、糠に漬け込む。こうすることでただ大根を糠に漬け込むよりも早く漬かり、酒のあてにちょうどよくなる。
ふたりは大根を糠床から持ってくると、諭吉の家で酒を湯を沸かして温め、それを飲みながら大根をポリポリ囓りはじめた。
酒をひと口飲むと、米の旨味が広がる。
「……ずいぶんといい酒だねえ。いつも貧乏暮らしのしろさんとは思えないや」
「今回は臨時収入があったからいい酒が飲めたが、こんな贅沢はいつもはできねえわな。椿はまだ酒も飲めねえ年だから、できる限りいいもんは買ってやったが、それだけよ。さて、俺がどうしてこんなに羽振りがいいかというと」
「勘弁しておくれよ。しろさんのことだから、特に危ない橋は渡ってないだろうにそんなにもったいぶるのは」
「まあそう言わずに聞いておくれ……お前さん。大名屋敷で仕事していて、おひいさんと知り合いになっただろう?」
諭吉のパキンという大根を折る音が響いた。史郎は酒を飲む。特に舌がいいとは思ったことはないが、高い酒であればあるほど、悪酔いはせずに酒のすっきりとした味わいが出るのだなとぼんやりと思った。
史郎は続ける。
「狐の嫁入りを目撃したってお前さんが言ったのは、そもそもおひいさんに頼まれたからじゃないかい? 誰か発言力があって、大名屋敷にやってきてもおかしくない人物で、狐の嫁入りを体よく目撃してくれる人を探しているって」
「なんです、そりゃ……自分は」
「まあ、お前さんは真面目だからな。借金のかたで首が回らなくなったから金策に走らないといけなくなったってことじゃなさそうだ。お金に困っていながら、たまたま大名屋敷の仕事依頼で出かけ、そこでおひいさんと知り合った。今度狐の嫁入りが出るから、それを目撃してくれる人が欲しいと」
「そんな……しろさんらしくないですね。こんな滅茶苦茶なの。貸本屋のほうがもっとましな嘘をつくでしょうよ」
「俺だって諭吉さんが嘘つくなんて最初は思ってなかったさ。ただ、あまりにおひいさんに都合のよすぎる展開が続いたんで、こりゃ作為的なもんじゃないかと勘繰りたくもなるさ。金策に困っている植木屋、宣伝に迷っている旅芸人一座、そして火車の件で名を挙げた陰陽師が揃ったからこそ、おひいさんもでっち上げることができたんじゃないか」
「……ええ、そうですね」
ようやっとポロリと諭吉が口を開いた。
「故郷のかかあが病で倒れたんですけど、医者にかかる金なんて当然ありません。仕事先で借金を申し込むか、考えあぐねていたところで、おひいさんに相談を持ちかけられたんです。どうしたら旗本の人間と結婚できるかと」
「あんたのことだ。どうせ最初は断ったんだろう?」
「ええ……自分だとどうすることもできないから、一度父上と話し合ったほうがいいと。そしたらおひいさんは泣き出してね……もうすぐ縁談が決まるから、このままだと二度と会えなくなると。簪をもらい、これを金に換えていいからと言われまして。いっそ自分が呪われていると宣伝し回ったら、そのまま追い出されるんじゃないかと言いました。おひいさんはそれを真に受けたんです……しろさんのことを紹介したのは自分ですよ」
「……なるほどなあ」
「怒らないんですね」
「いや? あのおひいさんにはむかっ腹が立たない訳でもないが、諭吉さんの故郷のかか様がおひいさんからの換金のおかげで無事なら、まあいいかと思っただけで。あのおひいさんは世間知らずかと思っていたが、まあそんなでもなかったな」
むしろ彼女はお金のばらまき方をよくわかっているし、自分の立場も理解している。それら全部を使って旗本のところに嫁ぐのだから、彼女はその頭脳を持って亭主を盛り立てることだろう。
ただのじゃじゃ馬かと思っていたら、とんだ審美眼の持ち主だった。
だが……ひとつだけ腑に落ちないことがある。
「しかし……ただひとつだけわからねえことがある」
「なんです?」
「狐の嫁入りが降ったとき……本当に狐の嫁入り、つまりは天気雨が降ったんだ。そのせいで、椿なんかは本当に狐の嫁入りを信じ込んじまってなあ……これはいったいどんな絡繰りが?」
「ええ? さすがにそんなの知りゃしませんよ」
「うーん……」
天気がいいのに、ぱらりぱらりと降った雨。
まるであの狐面のひとびとに呼ばれたように、たしかに雨は降っていたのだ。史郎は「うーん」と腕を組んだが、結局は酒に手を伸ばす。
「まあ……いつかはわかることもあるだろうさ」
「そうですか」
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