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指切り
五
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ポリポリポリポリ。
奉公人は本当に顔が痒いらしく、腫れあがり引っ掻き傷だらけになってもなお、爪を立てて顔を引っ掻いていた。ときどき立てた爪が皮膚を抉り、新しい傷口をつくっていく。それでも引っ掻くのをやめないあたり、顔がそうとう痒いのだろう。
「大丈夫かい、そこまで痒くて」
「ああ、すみません。陰陽師様に汚いものをお見せして」
「そりゃかまいやしねえが。人形について教えてくれるかい?」
「はあ……人形については旦那様から渡された前後のことしかお話しできませんが」
「それでかまわねえよ。さあ、知っていることを話しておくれ」
史郎に促されるがままに、奉公人は淡々と語ってくれた。
「旦那様は人形の指を処分しようとした頃には、手や顔が腫れ上がって……蜂にも刺されてないし、蚊の季節でもねえしで、周りは大騒ぎでした。それから旦那様はお医者様を呼んでしばらくは奥方様に言われて自室待機です。自分は奥方様から言われて、この指を燃やすように言われたんですけれど……」
「自分もまた、これのせいで腫れ上がってしまったと」
「はい……」
懐紙に包まれた指の匂いを嗅ぎ、史郎は顔をしかめた……ツンと鼻に刺すにおいがするのだ。
「だいたいの事情は飲めた。それじゃあ、医者にかかれない以上は、お前さんの処方は俺がしとくよ」
「陰陽師様が祓ってくださるんですか……?」
「医者も漢方医だったらわかったんじゃないかね。このからくりは」
それだけ言うと、史郎は人形の指を懐紙ごと懐に入れておいた。隔離部屋の前で待っていた椿がぱっと顔を上げる。
「先生、その。呪いの方のお加減は?」
「可哀想に。かゆくてかゆくて仕方がないからと、引っ掻き傷だらけになっていたよ。この部屋担当の奉公人はいるかい?」
「ええっと。そうですね」
椿が呼んできた奉公人に、史郎は説明しはじめた。
「その辺に生えてるだろうから、どくだみの葉を摘んできて、揉んでから腫れている箇所に貼ってあげなさい。それで治まる」
「どくだみですか……」
「漢方医に処方してもらったら大層な名前の生薬になるからな。しかしその辺に生えてるもんだったらただだよ。旦那様は医者に既に処方が受けているだろうが、治りが遅いのだったらそれと同じようにしてあげなさい。それで治まる」
「わかりました」
奉公人は頭を下げ、ふたりで奥方にも挨拶を済ませた。
「それでは、先程呪いの人形の指は、たしかに受け取りました。これはこちらできちんと祓って処分しておきます」
「なにからなにまで本当にありがとうございます。その……」
奥方はなにかを言いたげだったが、史郎はにこやかに笑った。
「うちの弟子の着物、仕立て終わったら教えてください。取りに行きますから」
「はい、それで」
奥方のほっとした顔を確認してから、ふたりは呉服屋を出た。
今までの行いをつぶさに観察していた椿は、やっと口を開いた。
「どくだみって……たしか生薬では十薬と呼ばれるものではございませんでしたっけ」
「椿、お前さんもいちいちよくわからん知恵ばかりあるなあ。そうだよ。漢方医あたりに処方してもらったらたいした金になる話さ。だがなあ……どくだみも花が咲く季節が一番効能があるから。冬だったらどうなるかは、俺も読めない。まさか夏までかゆいかゆいと泣き寝入りしていろなんて言える訳もないし」
「どくだみは初夏の花ですからね……でも初夏まで待てませんわ」
どくだみは茶にする場合は効能がほとんど消える。生薬だと独特の青臭さのせいで嫌がられる。しかしその辺に生えているものだから医者にかかれないような庶民でも手に入れやすく、有事の際には史郎はしょっちゅう「どくだみ摘んでこい」と言っていた。
それはさておいて。
「でも先生。生薬で解決できるってことは、これは呪いじゃありませんの?」
「いや。俺も今日奉公人に会うまでは確証が持てなかったからな。こりゃ呪いでもなんでもねえが、事故が起きてやがる」
「事故……ではこのままだと吉原は」
「ああ。これをさっさと止めねえと、吉原の女郎も花魁も、皆傷物になって働けなくなるぞ」
それに椿は顔を青ざめさせた。
吉原は昼間こそ江戸でも最大の歓楽街だが、そこで働いている女のほとんどは、親兄弟、金のなくなった夫に売り飛ばされた女である。皆借金を背負わされ、借金を完済するか年季が明けるまでは吉原の大門をくぐって外に出ることはかなわないのだ。
その女たちの顔に傷が入ってしまったら最後……質の落ちた女郎屋に売り飛ばされ、死ぬまで扱き使われる。吉原が苦界とも呼ばれるのは大袈裟なことではなく、事実なのだから。
「それはなんとかしないといけないのでは?」
「ああ……だから、また吉原に行かなきゃならねえんだがな」
史郎は家に帰ると、普段はほとんど使わないかまどに薪を入れ、それと一緒に人形の指を放り込んで燃やしはじめた。
「……なんだかこのにおい、臭くありませんか?」
椿は顔をしかめた。
****
翌日、井戸で顔を洗いに行こうとした椿が「キャアアアアア!!」と悲鳴を上げた。
史郎は椿の顔を見て「ああ……」と言った。椿の顔が、奉公人と同じく腫れぼったくなってしまった。彼女は奉公人に会ってもおらず、せいぜい史郎の預かって燃やした人形の指を見ていただけだったというのに。
「椿、お前かぶれたな」
年頃の女の子に、くれぐれもものもらいのことを指摘してはいけない。
大概は泣くか怒るかである。
「かぶれたって! なにがですの!? 先生はなんともなってませんのに、どうして……!」
「ちょっと待てちょっと待て。あと顔は引っ掻くなよ。治りが遅くなる。傷ができても駄目だし、一旦消毒を考えるか」
史郎は一旦部屋から出ると、臭い葉っぱを数枚持ってきて、それを揉みはじめた。
「これ……どくだみの葉ですか?」
「この辺り、雑草だけは馬鹿にならねえほど生えてるからなあ。金のないひもじいときは、そこらの草を食っておけばいいんだから、まあ楽だな。ほら、顔に貼り付けておけ」
「うう……臭い……」
どくだみの葉のにおいはお世辞にもいいとは言えず、それを揉んで貼り付けられた椿は涙目であった。
「これで大丈夫だろ。今日一日大人しくしてりゃ治るさ。俺はまた吉原に行ってくるが……なんか買ってこようか?」
「うううう……っ」
椿は臭い葉っぱに痒い肌で、もうなにもかもやる気がなくなってしまっている。人間、五体満足でなかったらたいがいやる気は出てこない。
「……お菓子」
「菓子なあ。菓子は結構高いんだが」
「高くてもいいのです。これだけ恥ずかしい思いしているんですから、一日だけでいいですから贅沢させてください」
「はいはい。まあなんか探してくる」
お惣菜屋で煮豆と握り飯を買ってくると、ふたりでそれを分け合い、史郎は出かける準備を整えた。
糸は箒を持って長屋の周辺を掃除していた。
「おや、しろさん。また見てきてくれるのかい?」
「そりゃな。ああ、糸さん。椿がちょっと寝込んでてな。大丈夫とは思うがときどき様子を見てくれないかい? 熱は出してないから大丈夫とは思うが」
「大丈夫って……病気かい?」
「いや、ただの顔のかぶれさ。三日くらいで治るとは思うが、年頃の子が顔が腫れると嫌がるからなあ」
「まあ、そりゃそうだね。見ておくよ」
史郎は糸に何度も椿のことを頼んでから、再び吉原の大門目指して歩いて行った。
よくも悪くも今回は椿がいないため、素通りで大門をくぐることができそうだ。
奉公人は本当に顔が痒いらしく、腫れあがり引っ掻き傷だらけになってもなお、爪を立てて顔を引っ掻いていた。ときどき立てた爪が皮膚を抉り、新しい傷口をつくっていく。それでも引っ掻くのをやめないあたり、顔がそうとう痒いのだろう。
「大丈夫かい、そこまで痒くて」
「ああ、すみません。陰陽師様に汚いものをお見せして」
「そりゃかまいやしねえが。人形について教えてくれるかい?」
「はあ……人形については旦那様から渡された前後のことしかお話しできませんが」
「それでかまわねえよ。さあ、知っていることを話しておくれ」
史郎に促されるがままに、奉公人は淡々と語ってくれた。
「旦那様は人形の指を処分しようとした頃には、手や顔が腫れ上がって……蜂にも刺されてないし、蚊の季節でもねえしで、周りは大騒ぎでした。それから旦那様はお医者様を呼んでしばらくは奥方様に言われて自室待機です。自分は奥方様から言われて、この指を燃やすように言われたんですけれど……」
「自分もまた、これのせいで腫れ上がってしまったと」
「はい……」
懐紙に包まれた指の匂いを嗅ぎ、史郎は顔をしかめた……ツンと鼻に刺すにおいがするのだ。
「だいたいの事情は飲めた。それじゃあ、医者にかかれない以上は、お前さんの処方は俺がしとくよ」
「陰陽師様が祓ってくださるんですか……?」
「医者も漢方医だったらわかったんじゃないかね。このからくりは」
それだけ言うと、史郎は人形の指を懐紙ごと懐に入れておいた。隔離部屋の前で待っていた椿がぱっと顔を上げる。
「先生、その。呪いの方のお加減は?」
「可哀想に。かゆくてかゆくて仕方がないからと、引っ掻き傷だらけになっていたよ。この部屋担当の奉公人はいるかい?」
「ええっと。そうですね」
椿が呼んできた奉公人に、史郎は説明しはじめた。
「その辺に生えてるだろうから、どくだみの葉を摘んできて、揉んでから腫れている箇所に貼ってあげなさい。それで治まる」
「どくだみですか……」
「漢方医に処方してもらったら大層な名前の生薬になるからな。しかしその辺に生えてるもんだったらただだよ。旦那様は医者に既に処方が受けているだろうが、治りが遅いのだったらそれと同じようにしてあげなさい。それで治まる」
「わかりました」
奉公人は頭を下げ、ふたりで奥方にも挨拶を済ませた。
「それでは、先程呪いの人形の指は、たしかに受け取りました。これはこちらできちんと祓って処分しておきます」
「なにからなにまで本当にありがとうございます。その……」
奥方はなにかを言いたげだったが、史郎はにこやかに笑った。
「うちの弟子の着物、仕立て終わったら教えてください。取りに行きますから」
「はい、それで」
奥方のほっとした顔を確認してから、ふたりは呉服屋を出た。
今までの行いをつぶさに観察していた椿は、やっと口を開いた。
「どくだみって……たしか生薬では十薬と呼ばれるものではございませんでしたっけ」
「椿、お前さんもいちいちよくわからん知恵ばかりあるなあ。そうだよ。漢方医あたりに処方してもらったらたいした金になる話さ。だがなあ……どくだみも花が咲く季節が一番効能があるから。冬だったらどうなるかは、俺も読めない。まさか夏までかゆいかゆいと泣き寝入りしていろなんて言える訳もないし」
「どくだみは初夏の花ですからね……でも初夏まで待てませんわ」
どくだみは茶にする場合は効能がほとんど消える。生薬だと独特の青臭さのせいで嫌がられる。しかしその辺に生えているものだから医者にかかれないような庶民でも手に入れやすく、有事の際には史郎はしょっちゅう「どくだみ摘んでこい」と言っていた。
それはさておいて。
「でも先生。生薬で解決できるってことは、これは呪いじゃありませんの?」
「いや。俺も今日奉公人に会うまでは確証が持てなかったからな。こりゃ呪いでもなんでもねえが、事故が起きてやがる」
「事故……ではこのままだと吉原は」
「ああ。これをさっさと止めねえと、吉原の女郎も花魁も、皆傷物になって働けなくなるぞ」
それに椿は顔を青ざめさせた。
吉原は昼間こそ江戸でも最大の歓楽街だが、そこで働いている女のほとんどは、親兄弟、金のなくなった夫に売り飛ばされた女である。皆借金を背負わされ、借金を完済するか年季が明けるまでは吉原の大門をくぐって外に出ることはかなわないのだ。
その女たちの顔に傷が入ってしまったら最後……質の落ちた女郎屋に売り飛ばされ、死ぬまで扱き使われる。吉原が苦界とも呼ばれるのは大袈裟なことではなく、事実なのだから。
「それはなんとかしないといけないのでは?」
「ああ……だから、また吉原に行かなきゃならねえんだがな」
史郎は家に帰ると、普段はほとんど使わないかまどに薪を入れ、それと一緒に人形の指を放り込んで燃やしはじめた。
「……なんだかこのにおい、臭くありませんか?」
椿は顔をしかめた。
****
翌日、井戸で顔を洗いに行こうとした椿が「キャアアアアア!!」と悲鳴を上げた。
史郎は椿の顔を見て「ああ……」と言った。椿の顔が、奉公人と同じく腫れぼったくなってしまった。彼女は奉公人に会ってもおらず、せいぜい史郎の預かって燃やした人形の指を見ていただけだったというのに。
「椿、お前かぶれたな」
年頃の女の子に、くれぐれもものもらいのことを指摘してはいけない。
大概は泣くか怒るかである。
「かぶれたって! なにがですの!? 先生はなんともなってませんのに、どうして……!」
「ちょっと待てちょっと待て。あと顔は引っ掻くなよ。治りが遅くなる。傷ができても駄目だし、一旦消毒を考えるか」
史郎は一旦部屋から出ると、臭い葉っぱを数枚持ってきて、それを揉みはじめた。
「これ……どくだみの葉ですか?」
「この辺り、雑草だけは馬鹿にならねえほど生えてるからなあ。金のないひもじいときは、そこらの草を食っておけばいいんだから、まあ楽だな。ほら、顔に貼り付けておけ」
「うう……臭い……」
どくだみの葉のにおいはお世辞にもいいとは言えず、それを揉んで貼り付けられた椿は涙目であった。
「これで大丈夫だろ。今日一日大人しくしてりゃ治るさ。俺はまた吉原に行ってくるが……なんか買ってこようか?」
「うううう……っ」
椿は臭い葉っぱに痒い肌で、もうなにもかもやる気がなくなってしまっている。人間、五体満足でなかったらたいがいやる気は出てこない。
「……お菓子」
「菓子なあ。菓子は結構高いんだが」
「高くてもいいのです。これだけ恥ずかしい思いしているんですから、一日だけでいいですから贅沢させてください」
「はいはい。まあなんか探してくる」
お惣菜屋で煮豆と握り飯を買ってくると、ふたりでそれを分け合い、史郎は出かける準備を整えた。
糸は箒を持って長屋の周辺を掃除していた。
「おや、しろさん。また見てきてくれるのかい?」
「そりゃな。ああ、糸さん。椿がちょっと寝込んでてな。大丈夫とは思うがときどき様子を見てくれないかい? 熱は出してないから大丈夫とは思うが」
「大丈夫って……病気かい?」
「いや、ただの顔のかぶれさ。三日くらいで治るとは思うが、年頃の子が顔が腫れると嫌がるからなあ」
「まあ、そりゃそうだね。見ておくよ」
史郎は糸に何度も椿のことを頼んでから、再び吉原の大門目指して歩いて行った。
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