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火車
二
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こうして、史郎と椿の師匠と弟子の関係は築かれた訳だが。史郎は試しに椿といろいろと問答してみたが、特に教えることがなかった。
陰陽術の上での基礎中の基礎の神の名前も祝詞も普通にそらんじることができたし、風水にまつわる機微もきちんと学んでいた。いざなぎ流陰陽術は派生も派生のはずだが、基礎の部分は史郎の習っていた陰陽術と大差がなかったらしい。
「……俺がお前さんに教えることなんて、あるのかね」
「あら、ありますわ! だって先生の妖怪調伏を私はまだ見てませんもの!」
「何度も言うとおり、夢を壊すようで悪いけど。本来の陰陽術は鬼や妖怪の調伏を行えるようにはなってないんだよ。たしかに病やらなにやらと戦うようにはできているけれど、そんな書物に書かれているような面白いこともねえやな」
そもそも京で陰陽師が退治したとされている妖怪やら鬼やら。その大半は病の隠喩だったり、まつろわぬ者たちを鬼と示して戦で屠ったりしていたようなもので、天下の安倍晴明がやったような術者対決やら妖怪退治やら実はものすごく当たる占いやらとは縁遠いものだった。
そう何度も何度も史郎は根気よく説明したものだったが、椿はいまいち納得してない。
「それでしたら、書物ではどうしてそこまで大きく書きますの! おかしいですわ」
「へいへい。たしかにおかしいな。そりゃ後世まで時の権力者は絶対正義で、安倍晴明万歳、陰陽寮天下一と唱えたかったんだろうさ……まっ、あまり目立ちまくったせいで、時には時の権力者に塵芥のごとくの扱いを受けたようなもんだが」
「うーうーうー……」
椿はなおも納得できないように声を上げるが、史郎は「それじゃあ、俺はこれから出かけなくちゃならねえから」と立ち上がる。
それに椿は首を傾げた。
「先生、どちらへ?」
「瓦版屋に行くんだよ。しばらくの暦が完成したから、これを載せてもらうのさ」
「暦は未だに陰陽師の仕事ですのね……」
「うちが滅びなかった理由もまた、時の権力者のおかげさ」
陰陽師の今の仕事は、もっぱら場所ごとの暦をつくること。あと占いやらお札やら護符やらの販売。大店の立て替え工事の際に、風水を見て鑑定したりもするが、それはごく稀な仕事だ。
史郎は椿に「ついてくるかい?」と尋ねる。
これで「思ってたのと違う」と思って退散すればいいものの、椿は大人しく付いてきたのだった。
(陰陽師にやたらめったら憧れてるのに、こんなもん見せてもなあ……)
実際問題、史郎は下級とはいえども役人という立場ではあるが、今は民間の陰陽師だっていくらでもいるのである。その暦に関するもろもろだけ見せられても、浪漫のかけらもないのだろうから。
しかしそんなこと言っても、史郎だって妖怪やもののけを調伏する術などない。せいぜい祝詞を唱えてなかったことにするのが関の山だ。あとせいぜい地鎮祭くらいしかしたことがない。
史郎がなんとも言えない顔で、瓦版屋に出かけたら、既に職人たちが一生懸命刷っているのが目に入った。
「ああ、しろさん。こんにちは」
「はいよ。この数日分の暦だ」
「ああ、ありがたいね」
それを見て、瓦版屋は史郎に金を支払う。それらを椿は不思議な顔で眺めていた。
「瓦版屋さんに暦を渡しますの?」
「おうとも。人に広めてもらわにゃならねえからな」
「暦を……ですか?」
「雨が降りゃあ、大工仕事はできねえし、行商だって外に出られねえからな。逆に晴れ過ぎてたら水不足になっちまうし、朝顔だって萎びちまう。ほどほどってえもんを誰だって知りたいのさ」
「……一括でまとめられませんの?」
「そうは言ってもなあ。暦っつうのを一応こちらも測ってはいるが、一年分をまとめるのは骨が折れる。おまけにまとめた暦を売るのは、おかみが許しちゃくれねえからなあ」
当時、暦の販売は陰陽寮が独占していた。しかし細かい暦となったら日ノ本でも東と西では大違いなんてこともよくあるため、現地にいる陰陽師が作成して売り、上納金を陰陽寮に支払わなければならなかった。
史郎のつくったものもまた、浅草でつくられるものとは少しずれているため、わざわざ測った上でつくって、その都度瓦版屋から支払ってもらっていたのだった。
それを椿は「ふうん」と間延びしている中。
「かーじだあああああああああああ!!」
大きな声が聞こえて、ざわついた。それに椿はぎょっとする。
「まあ、火事!」
「なんともまあ。うちの辺りは大丈夫かね」
「先生、この場合は雨を降らせるとかできませんの!?」
「無茶言わんでおくれ、今日から三日間は晴れ。お天道様から雨粒一滴搾り取れる天気じゃあるめえよ」
そうこう言っている間に、町火消しが走りはじめた。
この町で火事が起こった場合、とにかく燃えている家を壊し、その家だけ燃えるようにする。あとは火の粉が飛ばぬよう、周りを固める。井戸の水をかけて消すなんてことが無理だってことくらい、誰だって知っていた。
町火消しが次々と家を取り壊していき、周りは悲鳴を上げる。そして火事場見物に、人がガヤガヤと集まりはじめていた。
椿に促され、史郎は渋々連れて行くと、町火消したちが纏を振っているのが目に入った。
「家……ずいぶん潰れてしまいましたね」
「仕方あるめえよ。他の家まで燃えたら目も当てられねえや」
「先生、いくらなんでも冷たくありません?」
「そんなこたねえさ……まあ、気の毒ではあるけどよぉ。火事と喧嘩は江戸の華とは言うが、巻き込まれたほうはたまったもんじゃねえのはたしかさ」
実際に、長屋の大家らしき男が、おいおいと泣いているのが目に見えている。
住んでいた長屋が潰れてしまったら、住んでいる人間たちは当然ながら引っ越すしかない。大家だって立て替えが終わるまでは退散するしかなく、それまでは家賃を取り立てなどの生活ができない。
大家に対しては、今までの人脈を頼りに助けてもらえるよう祈ることしかできない。
それを椿は眺めつつ、史郎を見上げた。
「どうにかなりませんの?」
「ならねえよ。俺ぁただの小役人さ。暦をつくるくらいしか、なんの能もねえ」
これでがっかりして椿は去ってくれやしないか。
そう史郎は思ったが、結局は惣菜屋で惣菜を買って一緒に食べ、布団を並べて敷いて寝る、史郎の日常の中に椿が混ざっただけだった。
しかし、燃えた長屋から移り住んできた店子のせいで、史郎がひどい目に遭うまで、そこまで時間はかからなかったのである。
****
長屋には平屋が並び、その中には井戸がある。
早朝はそこで顔を洗い歯を磨き、米や稗を炊く家だったらそこで研いでいる。史郎は椿と顔を洗いに出て、しばらくしたら惣菜屋で食事を買いに行こうとしていた。
残念ながら史郎の家のかまどは狭く、料理らしい料理ができない以上は買ってくるしかできなかった。
そこでいつものように糸が出てきた。
「皆、聞いておくれ。昨日の火事でね、家が無くなった店子を数人ばかり引き取ることになったから。不便に思ってたら相談に乗ってあげとくれ」
「ああ、すまんね大家さん……おや、ここは陰陽師さんもいるのかい?」
史郎の格好はわかりやすい。狩衣であった。本来ならば烏帽子でも被ればそれらしくは見えるが、さすがに出仕以外で被る気にもなれなかった。
「どうも。ここで暦を書いとります土御門史郎という」
「土御門……それは大層ご立派な」
「いやいや。うちは名字だけ何故か派手なだけな、下級役人さ」
さっぱりとした筒袖の男であった。体はひょろりと長く、老木のよう。左官職人あたりだろうと史郎はあたりをつけた。
それに彼は目を細めて笑った。目を細めるとくしゃりと皺が入り、ますます老木のような風情が出る。
陰陽術の上での基礎中の基礎の神の名前も祝詞も普通にそらんじることができたし、風水にまつわる機微もきちんと学んでいた。いざなぎ流陰陽術は派生も派生のはずだが、基礎の部分は史郎の習っていた陰陽術と大差がなかったらしい。
「……俺がお前さんに教えることなんて、あるのかね」
「あら、ありますわ! だって先生の妖怪調伏を私はまだ見てませんもの!」
「何度も言うとおり、夢を壊すようで悪いけど。本来の陰陽術は鬼や妖怪の調伏を行えるようにはなってないんだよ。たしかに病やらなにやらと戦うようにはできているけれど、そんな書物に書かれているような面白いこともねえやな」
そもそも京で陰陽師が退治したとされている妖怪やら鬼やら。その大半は病の隠喩だったり、まつろわぬ者たちを鬼と示して戦で屠ったりしていたようなもので、天下の安倍晴明がやったような術者対決やら妖怪退治やら実はものすごく当たる占いやらとは縁遠いものだった。
そう何度も何度も史郎は根気よく説明したものだったが、椿はいまいち納得してない。
「それでしたら、書物ではどうしてそこまで大きく書きますの! おかしいですわ」
「へいへい。たしかにおかしいな。そりゃ後世まで時の権力者は絶対正義で、安倍晴明万歳、陰陽寮天下一と唱えたかったんだろうさ……まっ、あまり目立ちまくったせいで、時には時の権力者に塵芥のごとくの扱いを受けたようなもんだが」
「うーうーうー……」
椿はなおも納得できないように声を上げるが、史郎は「それじゃあ、俺はこれから出かけなくちゃならねえから」と立ち上がる。
それに椿は首を傾げた。
「先生、どちらへ?」
「瓦版屋に行くんだよ。しばらくの暦が完成したから、これを載せてもらうのさ」
「暦は未だに陰陽師の仕事ですのね……」
「うちが滅びなかった理由もまた、時の権力者のおかげさ」
陰陽師の今の仕事は、もっぱら場所ごとの暦をつくること。あと占いやらお札やら護符やらの販売。大店の立て替え工事の際に、風水を見て鑑定したりもするが、それはごく稀な仕事だ。
史郎は椿に「ついてくるかい?」と尋ねる。
これで「思ってたのと違う」と思って退散すればいいものの、椿は大人しく付いてきたのだった。
(陰陽師にやたらめったら憧れてるのに、こんなもん見せてもなあ……)
実際問題、史郎は下級とはいえども役人という立場ではあるが、今は民間の陰陽師だっていくらでもいるのである。その暦に関するもろもろだけ見せられても、浪漫のかけらもないのだろうから。
しかしそんなこと言っても、史郎だって妖怪やもののけを調伏する術などない。せいぜい祝詞を唱えてなかったことにするのが関の山だ。あとせいぜい地鎮祭くらいしかしたことがない。
史郎がなんとも言えない顔で、瓦版屋に出かけたら、既に職人たちが一生懸命刷っているのが目に入った。
「ああ、しろさん。こんにちは」
「はいよ。この数日分の暦だ」
「ああ、ありがたいね」
それを見て、瓦版屋は史郎に金を支払う。それらを椿は不思議な顔で眺めていた。
「瓦版屋さんに暦を渡しますの?」
「おうとも。人に広めてもらわにゃならねえからな」
「暦を……ですか?」
「雨が降りゃあ、大工仕事はできねえし、行商だって外に出られねえからな。逆に晴れ過ぎてたら水不足になっちまうし、朝顔だって萎びちまう。ほどほどってえもんを誰だって知りたいのさ」
「……一括でまとめられませんの?」
「そうは言ってもなあ。暦っつうのを一応こちらも測ってはいるが、一年分をまとめるのは骨が折れる。おまけにまとめた暦を売るのは、おかみが許しちゃくれねえからなあ」
当時、暦の販売は陰陽寮が独占していた。しかし細かい暦となったら日ノ本でも東と西では大違いなんてこともよくあるため、現地にいる陰陽師が作成して売り、上納金を陰陽寮に支払わなければならなかった。
史郎のつくったものもまた、浅草でつくられるものとは少しずれているため、わざわざ測った上でつくって、その都度瓦版屋から支払ってもらっていたのだった。
それを椿は「ふうん」と間延びしている中。
「かーじだあああああああああああ!!」
大きな声が聞こえて、ざわついた。それに椿はぎょっとする。
「まあ、火事!」
「なんともまあ。うちの辺りは大丈夫かね」
「先生、この場合は雨を降らせるとかできませんの!?」
「無茶言わんでおくれ、今日から三日間は晴れ。お天道様から雨粒一滴搾り取れる天気じゃあるめえよ」
そうこう言っている間に、町火消しが走りはじめた。
この町で火事が起こった場合、とにかく燃えている家を壊し、その家だけ燃えるようにする。あとは火の粉が飛ばぬよう、周りを固める。井戸の水をかけて消すなんてことが無理だってことくらい、誰だって知っていた。
町火消しが次々と家を取り壊していき、周りは悲鳴を上げる。そして火事場見物に、人がガヤガヤと集まりはじめていた。
椿に促され、史郎は渋々連れて行くと、町火消したちが纏を振っているのが目に入った。
「家……ずいぶん潰れてしまいましたね」
「仕方あるめえよ。他の家まで燃えたら目も当てられねえや」
「先生、いくらなんでも冷たくありません?」
「そんなこたねえさ……まあ、気の毒ではあるけどよぉ。火事と喧嘩は江戸の華とは言うが、巻き込まれたほうはたまったもんじゃねえのはたしかさ」
実際に、長屋の大家らしき男が、おいおいと泣いているのが目に見えている。
住んでいた長屋が潰れてしまったら、住んでいる人間たちは当然ながら引っ越すしかない。大家だって立て替えが終わるまでは退散するしかなく、それまでは家賃を取り立てなどの生活ができない。
大家に対しては、今までの人脈を頼りに助けてもらえるよう祈ることしかできない。
それを椿は眺めつつ、史郎を見上げた。
「どうにかなりませんの?」
「ならねえよ。俺ぁただの小役人さ。暦をつくるくらいしか、なんの能もねえ」
これでがっかりして椿は去ってくれやしないか。
そう史郎は思ったが、結局は惣菜屋で惣菜を買って一緒に食べ、布団を並べて敷いて寝る、史郎の日常の中に椿が混ざっただけだった。
しかし、燃えた長屋から移り住んできた店子のせいで、史郎がひどい目に遭うまで、そこまで時間はかからなかったのである。
****
長屋には平屋が並び、その中には井戸がある。
早朝はそこで顔を洗い歯を磨き、米や稗を炊く家だったらそこで研いでいる。史郎は椿と顔を洗いに出て、しばらくしたら惣菜屋で食事を買いに行こうとしていた。
残念ながら史郎の家のかまどは狭く、料理らしい料理ができない以上は買ってくるしかできなかった。
そこでいつものように糸が出てきた。
「皆、聞いておくれ。昨日の火事でね、家が無くなった店子を数人ばかり引き取ることになったから。不便に思ってたら相談に乗ってあげとくれ」
「ああ、すまんね大家さん……おや、ここは陰陽師さんもいるのかい?」
史郎の格好はわかりやすい。狩衣であった。本来ならば烏帽子でも被ればそれらしくは見えるが、さすがに出仕以外で被る気にもなれなかった。
「どうも。ここで暦を書いとります土御門史郎という」
「土御門……それは大層ご立派な」
「いやいや。うちは名字だけ何故か派手なだけな、下級役人さ」
さっぱりとした筒袖の男であった。体はひょろりと長く、老木のよう。左官職人あたりだろうと史郎はあたりをつけた。
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