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黄金の夜明け編
誰がために世界は・3
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スカトは相変わらず、カードフォルダーに触れず、拳ひとつで相手にアルカナを行使させる間を与えずに突き進んでいた。
それをルヴィリエは呆れ返った顔で見ている。
スカトはまだ気絶していない【黄金の夜明け団】の面子を引っ掴んでは、自身のアルカナカードに情報を貯蔵しつつ事情聴取をする。
「それで、君たちのリーダーの居場所は?」
「……【世界】を殺すと」
「そうか」
そのあと、思いっきり鳩尾を殴りつけて気絶させ、その場に放置する。さすがに凍死されるのは後味が悪いため、雪の積もっていない屋根の下まで引き摺っていき、上着を脱がせて縛ってから、走り出す。あとは他の生徒会執行部の面々がやってくれる。
ルヴィリエは呆れ返った顔のまま、スカトを見た。
「どうしてアルカナ使わせる前に殴るの……トートアルカナの弱点を見つけ出して、それを会長たちに引き渡せるかもしれないでしょうが……」
「そのほうが早いと思ったんだが……たしかに相手にアルカナを行使させた上で、僕のアルカナで反射させたほうが早かったかもしれないな。すまない」
「別にいいけどさあ……でも、ここまで来てだいぶ減ってきたね、【黄金の夜明け団】の面子と遭遇するのは」
裏通りなんて襲撃されたら、あの辺りに店を構えている人たちは大丈夫だろうか。心配したが、あの辺りは既に革命組織の面々がコテンパンにのしていたため、事情聴取だけしてから出て行った。
表通りはそもそもナブーの管轄だ。あの魔法使いに真っ正面から喧嘩を売れる人間なんてそうそういなく、実際に売ってきた者たちは、彼の手によりさっさと拘束されていた。やはり拘束された彼らからも事情聴取をした。
あとはズベンやシェラタンたち親衛隊面々が次々と拘束していっているから、ふたりが囮に使われた場所に現れたホルス以上にまずい面々にはまだ会っていないと考えていい。
ふたりは走りながら、残りの布陣ポイントを考える。
「もう残りは会長のところだけだよね。あそこを落とされたら……もう学園アルカナは……」
「会長はまだやられてないだろう。それに、まだ僕たちはアレスとスピカに会ってない」
あちこち走り回ったが、ふたりには出会わなかった。ふたりはフリーダ・フォルトゥナの拘束をカウスに任された以上、彼女を探しているのだとしたら。
さすがに彼女の顔はわかるが、倒された面々の中には見当たらなかった。
「……激戦区で、フリーダ・フォルトゥナと会長やスピカたちが戦ってるの? すごく嫌なんだけど」
「それってどういう意味だ?」
「なんというか、全部。スピカが傷付くのも嫌だけど、フリーダ・フォルトゥナが傷付くのも嫌だし……でも会長は学園の秩序以外は二の次だから、多分そういうのかまわないし」
「意外だな」
スカトの素朴な感想に、ルヴィリエは思わず「なにが!?」と返す。
「ルヴィリエのことだから、スピカ第一主義だと思ってたんだが」
「そりゃ一番はスピカだけどさ。でもさあ」
ルヴィリエは鼻を擦った。寒さのせいで、すっかりと鼻が赤くなってしまっている。
「フリーダ・フォルトゥナって、なんとなーくスピカに似てるんだもん」
その言葉に、スカトはパチリと瞬きした。
「スピカ、そこまで美人だったか?」
「はっ倒すわよ!? スピカ可愛いでしょうが!!」
「そ、そうなのか? すまん……」
ルヴィリエの発言に、スカトは訳もわからないまま謝りつつ、走っていた。
目的地はオシリスの布陣している……一階廊下。
そこは次々と各陣営が集結しつつある、最激戦区へと変わろうとしていた。
****
現在進行形で、トートは【死神】によりアルカナの能力の一部を停止されており、そのせいで、残りは全て彼の詠唱魔法で賄わなければいけなかった。
しかし、隣にいるアテュが相手の攻撃魔法を次から次へと返しているおかげで、ジリジリと。本当にジリジリと膠着状態は、【黄金の夜明け団】に傾きつつあった。
「……いい加減、この膠着状態がつらくなってきたな」
オシリスが唸り声を上げる。
「全くじゃ……ここが崩壊しておれば、学園崩壊は目前ぞ」
「そんなことさせられるか」
実際に、アルがトートの力をひとつ停止させていなければ、トートにより周りの魔力を片っ端から搾取された末に、アルカナを剥奪されて戦場は崩壊して終わっていただろう。いくら【運命の輪】がいるとはいえども、魔力の補給なしで全員のアルカナを初期化させられる訳もなく。
一方、隣でユダは冷静になにやらずっと紙に書いている。彼もまた、トートと同じく魔法学者に連なる存在だが、なにをやっているのかがいまいちオシリスにはわからなかった。
「それで、貴様はなにをやっている?」
「……ここで拮抗を保っていても時間も魔力を無駄にしますし、なによりもあちらのほうが魔力に余裕がありますから。そろそろ決着を付けなければいけませんね。アルカナカードの強化です」
「……はあ? そんなこと、できるのか?」
生まれてこの方、教会でもらったアルカナカードを頑張って行使してきたのだ。それを新しくすることで強化するなんて考え、オシリスの中には全くなかった。
ユダは小さく頷く。
「元々、アルカナカードは魔力を無駄なく使うための道具です。その道具を拡張させることは、普通に可能です。魔力量をできる限り少なくしなければ、我々の魔力にも限度がありますから」
理屈はよくわからないが、要は低コストで魔法が使えるようになるらしい。
ユダは書き込みを終えたアルカナを一枚、オシリスに差し出した。
「ひとまずは【皇帝】。相手に魔法を割られない限りは、トートアルカナであったとしても、能力の剥奪はできないはずです」
アルカナカード自体は、オシリスが生まれてからずっと持っているものと同じデザインで、なにがどう違うのかがわからない。しかし持ってみると、そこにすっと馴染む魔力が違う。前までは、魔力を込めると気合いを入れなければ魔力がアルカナ全体に回らなかったが、このアルカナカードは触れた瞬間にもう魔法が行使できる準備が整っているのだ。
この国において、魔法学者のほとんどは隠遁生活を送っているため、アルカナカードの開発に勤しむ人間は減ってしまっている。
もっと魔力量の少ない魔法が行使できる世の中になれば、世界の滅びももう少し先送りにできるというのに。
(魔法学者の保護も、王に提言しないと駄目か……)
近い将来、国のために粉骨砕身する予定の男は、ユダに「ありがとう」と言ってから、トートたち【黄金の夜明け団】にカードフォルダーを向けた。古いカードを抜き、新しいカードを込めると、力を行使する。
王杖を取り出し、そのまま魔法を使いはじめる。
それに怯んで、アテュが魔法をひっくり返してくるが。それより早くオシリスが魔法を重ねがけする。
風に水が乗って嵐になり、それが廊下を轟いた。
「早急に立ち去れ。ここは、貴様たちの来るべき場所ではない……!」
生徒会執務室の向こうには、アイオーン……未来の国王がいる。これ以上進ませる訳にはいかなかったのだから。
生徒会執行部の目に輝きが乗る。
拮抗が崩れ、いよいよ【黄金の夜明け団】を全員確保できる。
そう、思ったのだが。
「……滑稽ね」
今までなにもしゃべらなかったフリーダが、口を開いた。
澄んだ声。なによりも小さな声にもかかわらず、それは廊下によく通った。舞台女優として名を上げているのは、なにも美しいからだけではないのだろう。
フリーダは黙って自身のカードを抜き身で取り出した。
それをトートは横目に眺める。
「おや、君が怒るのは珍しいね」
「……私、自分が正義だと思っている人は嫌いだから」
「君はそういう者たちに憤っているからこそ、最高スポンサーになってくれたのだからね。さあ、君の歌を聴かせてくれたまえよ」
トートは彼女に軽く一礼をすると、フリーダは一歩前に出た。
風が渦巻いているし、雨粒が飛んでいる。そこを躊躇なく立つと、カードを構えた。
「これは、運命よ」
フリーダは謳うように言った。
「私は、運命を行使する」
彼女はカードを構えると、嵐がたちどころに消えてしまった。
雨粒ひとつ残さず、風すら止んで。
彼女はそのまま背筋を伸ばして、トートとアテュを伴って歩きはじめた。
「な、なにをやった……!?」
「決まってるじゃないですかぁ、フリーダさんの力ですよぉ」
アテュは「んべ」と舌を出した。
「トートさんとフリーダさん。ふたりがいたら、あたしたちは負けません。【世界】にだって」
それをルヴィリエは呆れ返った顔で見ている。
スカトはまだ気絶していない【黄金の夜明け団】の面子を引っ掴んでは、自身のアルカナカードに情報を貯蔵しつつ事情聴取をする。
「それで、君たちのリーダーの居場所は?」
「……【世界】を殺すと」
「そうか」
そのあと、思いっきり鳩尾を殴りつけて気絶させ、その場に放置する。さすがに凍死されるのは後味が悪いため、雪の積もっていない屋根の下まで引き摺っていき、上着を脱がせて縛ってから、走り出す。あとは他の生徒会執行部の面々がやってくれる。
ルヴィリエは呆れ返った顔のまま、スカトを見た。
「どうしてアルカナ使わせる前に殴るの……トートアルカナの弱点を見つけ出して、それを会長たちに引き渡せるかもしれないでしょうが……」
「そのほうが早いと思ったんだが……たしかに相手にアルカナを行使させた上で、僕のアルカナで反射させたほうが早かったかもしれないな。すまない」
「別にいいけどさあ……でも、ここまで来てだいぶ減ってきたね、【黄金の夜明け団】の面子と遭遇するのは」
裏通りなんて襲撃されたら、あの辺りに店を構えている人たちは大丈夫だろうか。心配したが、あの辺りは既に革命組織の面々がコテンパンにのしていたため、事情聴取だけしてから出て行った。
表通りはそもそもナブーの管轄だ。あの魔法使いに真っ正面から喧嘩を売れる人間なんてそうそういなく、実際に売ってきた者たちは、彼の手によりさっさと拘束されていた。やはり拘束された彼らからも事情聴取をした。
あとはズベンやシェラタンたち親衛隊面々が次々と拘束していっているから、ふたりが囮に使われた場所に現れたホルス以上にまずい面々にはまだ会っていないと考えていい。
ふたりは走りながら、残りの布陣ポイントを考える。
「もう残りは会長のところだけだよね。あそこを落とされたら……もう学園アルカナは……」
「会長はまだやられてないだろう。それに、まだ僕たちはアレスとスピカに会ってない」
あちこち走り回ったが、ふたりには出会わなかった。ふたりはフリーダ・フォルトゥナの拘束をカウスに任された以上、彼女を探しているのだとしたら。
さすがに彼女の顔はわかるが、倒された面々の中には見当たらなかった。
「……激戦区で、フリーダ・フォルトゥナと会長やスピカたちが戦ってるの? すごく嫌なんだけど」
「それってどういう意味だ?」
「なんというか、全部。スピカが傷付くのも嫌だけど、フリーダ・フォルトゥナが傷付くのも嫌だし……でも会長は学園の秩序以外は二の次だから、多分そういうのかまわないし」
「意外だな」
スカトの素朴な感想に、ルヴィリエは思わず「なにが!?」と返す。
「ルヴィリエのことだから、スピカ第一主義だと思ってたんだが」
「そりゃ一番はスピカだけどさ。でもさあ」
ルヴィリエは鼻を擦った。寒さのせいで、すっかりと鼻が赤くなってしまっている。
「フリーダ・フォルトゥナって、なんとなーくスピカに似てるんだもん」
その言葉に、スカトはパチリと瞬きした。
「スピカ、そこまで美人だったか?」
「はっ倒すわよ!? スピカ可愛いでしょうが!!」
「そ、そうなのか? すまん……」
ルヴィリエの発言に、スカトは訳もわからないまま謝りつつ、走っていた。
目的地はオシリスの布陣している……一階廊下。
そこは次々と各陣営が集結しつつある、最激戦区へと変わろうとしていた。
****
現在進行形で、トートは【死神】によりアルカナの能力の一部を停止されており、そのせいで、残りは全て彼の詠唱魔法で賄わなければいけなかった。
しかし、隣にいるアテュが相手の攻撃魔法を次から次へと返しているおかげで、ジリジリと。本当にジリジリと膠着状態は、【黄金の夜明け団】に傾きつつあった。
「……いい加減、この膠着状態がつらくなってきたな」
オシリスが唸り声を上げる。
「全くじゃ……ここが崩壊しておれば、学園崩壊は目前ぞ」
「そんなことさせられるか」
実際に、アルがトートの力をひとつ停止させていなければ、トートにより周りの魔力を片っ端から搾取された末に、アルカナを剥奪されて戦場は崩壊して終わっていただろう。いくら【運命の輪】がいるとはいえども、魔力の補給なしで全員のアルカナを初期化させられる訳もなく。
一方、隣でユダは冷静になにやらずっと紙に書いている。彼もまた、トートと同じく魔法学者に連なる存在だが、なにをやっているのかがいまいちオシリスにはわからなかった。
「それで、貴様はなにをやっている?」
「……ここで拮抗を保っていても時間も魔力を無駄にしますし、なによりもあちらのほうが魔力に余裕がありますから。そろそろ決着を付けなければいけませんね。アルカナカードの強化です」
「……はあ? そんなこと、できるのか?」
生まれてこの方、教会でもらったアルカナカードを頑張って行使してきたのだ。それを新しくすることで強化するなんて考え、オシリスの中には全くなかった。
ユダは小さく頷く。
「元々、アルカナカードは魔力を無駄なく使うための道具です。その道具を拡張させることは、普通に可能です。魔力量をできる限り少なくしなければ、我々の魔力にも限度がありますから」
理屈はよくわからないが、要は低コストで魔法が使えるようになるらしい。
ユダは書き込みを終えたアルカナを一枚、オシリスに差し出した。
「ひとまずは【皇帝】。相手に魔法を割られない限りは、トートアルカナであったとしても、能力の剥奪はできないはずです」
アルカナカード自体は、オシリスが生まれてからずっと持っているものと同じデザインで、なにがどう違うのかがわからない。しかし持ってみると、そこにすっと馴染む魔力が違う。前までは、魔力を込めると気合いを入れなければ魔力がアルカナ全体に回らなかったが、このアルカナカードは触れた瞬間にもう魔法が行使できる準備が整っているのだ。
この国において、魔法学者のほとんどは隠遁生活を送っているため、アルカナカードの開発に勤しむ人間は減ってしまっている。
もっと魔力量の少ない魔法が行使できる世の中になれば、世界の滅びももう少し先送りにできるというのに。
(魔法学者の保護も、王に提言しないと駄目か……)
近い将来、国のために粉骨砕身する予定の男は、ユダに「ありがとう」と言ってから、トートたち【黄金の夜明け団】にカードフォルダーを向けた。古いカードを抜き、新しいカードを込めると、力を行使する。
王杖を取り出し、そのまま魔法を使いはじめる。
それに怯んで、アテュが魔法をひっくり返してくるが。それより早くオシリスが魔法を重ねがけする。
風に水が乗って嵐になり、それが廊下を轟いた。
「早急に立ち去れ。ここは、貴様たちの来るべき場所ではない……!」
生徒会執務室の向こうには、アイオーン……未来の国王がいる。これ以上進ませる訳にはいかなかったのだから。
生徒会執行部の目に輝きが乗る。
拮抗が崩れ、いよいよ【黄金の夜明け団】を全員確保できる。
そう、思ったのだが。
「……滑稽ね」
今までなにもしゃべらなかったフリーダが、口を開いた。
澄んだ声。なによりも小さな声にもかかわらず、それは廊下によく通った。舞台女優として名を上げているのは、なにも美しいからだけではないのだろう。
フリーダは黙って自身のカードを抜き身で取り出した。
それをトートは横目に眺める。
「おや、君が怒るのは珍しいね」
「……私、自分が正義だと思っている人は嫌いだから」
「君はそういう者たちに憤っているからこそ、最高スポンサーになってくれたのだからね。さあ、君の歌を聴かせてくれたまえよ」
トートは彼女に軽く一礼をすると、フリーダは一歩前に出た。
風が渦巻いているし、雨粒が飛んでいる。そこを躊躇なく立つと、カードを構えた。
「これは、運命よ」
フリーダは謳うように言った。
「私は、運命を行使する」
彼女はカードを構えると、嵐がたちどころに消えてしまった。
雨粒ひとつ残さず、風すら止んで。
彼女はそのまま背筋を伸ばして、トートとアテュを伴って歩きはじめた。
「な、なにをやった……!?」
「決まってるじゃないですかぁ、フリーダさんの力ですよぉ」
アテュは「んべ」と舌を出した。
「トートさんとフリーダさん。ふたりがいたら、あたしたちは負けません。【世界】にだって」
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