77 / 112
世界革命編
そして世界へ至る道・1
しおりを挟む
パイプオルガンの荘厳な音が響く。
普段であったらルーナが歌を歌い、その周りでソニアやソール、ヨハネがお茶を飲んでいるが、今は誰もいない。
先程まで温かく優しい羽根が舞う空間がつくられていたものの、それは唐突に途切れてしまった。
「……ヨハネがやられちゃったんだ。だとしたら、もう僕ひとりか」
ポツリと漏らす。
この国の王族にして、次期国王。【世界】のアルカナを持つ者として生まれた以上、孤高であることは当たり前のことだったが。
体の弱い彼は、ヨハネのゾーンに助けられなければ、一日の半分をベッドで寝て過ごすしかなかった。果たして成人してもどれだけ生きられるのかすら、わからない。
どれだけ国民に恨まれていても、憎まれていても、既に魔力の枯渇で詰んでいる世界でやれることは限られている。
この世界の延命のために、時間稼ぎをする。
【運命の輪】を処刑し、反逆しようとする人々全ての心を折る。
だが。
【世界】は自身のゾーンたるこの学園アルカナで起こっていたこと全てを見ていた。
彼女は弱い。彼女は魔力が乏しい。彼女は平民。
特に体力が優れている訳でも、取り立てて美しい訳でもないが、なぜか異様に諦めが悪かった。
何度も殺されかけても、生きることを諦めない。友達の少女が壊されていた事実を知ってもなお、彼女を取り戻すことを諦めない。必要とあらば、敵対していた相手とだって組む。
小さな頃から、ヨハネが魔力を込めてつくってくれたゾーンがないと、まともに動くことができなかったため、【世界】は常に死と隣り合わせの生活をしていた。
同じく生まれながらに処刑される運命を持つ【運命の輪】が、あそこまでその運命に抗うのが、彼には理解ができず、彼女の情報をマジマジと眺めていた。
取るに足らない存在。【運命の輪】たる彼女は戦う力も、全ての力を行使するための魔力も、全てを物言わせる財力も後ろ盾も、なにもない少女。
なのに革命組織と通じ、誰も口説き落とせなかった【吊された男】を落とし、愉快犯で中立を貫くはずの【魔法使い】すら味方に付けた。
気付けば【世界】は、自然と彼女を畏怖していた。
【運命の輪】でなくても。
スピカ・ヴァルゴは間違いなく、自分にとっての天敵だと。
****
どこもかしこも真っ白な廊下を、皆で歩いている。
「あ、あのう……もう大丈夫なんですか? カウス先輩とデネボラ先輩は……」
一応既にアセルスとアルにより治療は施されているものの、先程の戦いのせいで、デネボラの服は裂けてしまってカウスのジャケットを着ている状態。カウス自身もボロボロになってしまっている。
「まあ、十中八九【世界】のアルカナを抜かれておしまいだろうな」
その言葉に、全員引きつる。それにデネボラが「あんたもむやみに怖がらせるんじゃないよ」とペチンとカウスの頬を叩く。
「あたしたちは多分取られておしまいだろうさ。でもね、あんたたちはそうじゃない」
「……どういうことっすか?」
「はっきり言って、あんたたちのアルカナは汎用性が高いけど、そこそこ普及されている分だけ内容も割れている。舐められているんだよ。でもね、カウスとあたしは真っ先に抜かれるだろうさ」
片や火を出す戦車で突撃してくる。片や最終的にライオンに姿を変えて暴走してくる。体の弱いとされている【世界】が真っ先に警戒して、彼らの大アルカナを抜くのは道理である。
「それ以前に【世界】の魔力も万能ではないんですよ」
そうボソボソと言ってきたのはアルだった。
「【世界】がどうして日頃から【審判】のゾーンに篭もりっきりかというと、体力の温存は元より、彼が常日頃発動させているアルカナの力は、どれもこれも魔力を食らい過ぎるんです」
「たしかに……」
普通学園ひとつをゾーンになんてできないし、人にコピーしたり一度使ったりしたらすぐに使えなくなる【愚者】のコピー能力と違って、【世界】のアルカナの剥奪、譲渡能力は永久なのだ。
常人であれば、魔力枯渇が原因で死に至ってもおかしくはない。
元々の魔力量のおかげで死なないだけだ。
「今は【審判】がいないですから、彼に魔力回復能力の手立てはありません。そして元々強力なアルカナを剥奪する場合は、それらのコストを伴います」
「強いアルカナには、強い魔力量……ってことですか?」
スカトの言葉に、アルは頷いた。
「だからガキ共は、俺たちのことは気にするな。魔力がなくなった【世界】だったら、なんとでもなるだろ」
「自分まで捨て石にするんですか……?」
ルヴィリエがおずおずと尋ねると、スカト含めて革命組織の面々は軽く頷いた。
「他の奴らに、生徒会執行部を五貴人の居住区に潜入しないように動かしてんだ。あいつらに死ねと言っている奴らが、死ななくってどうする?」
「アルカナを抜かれても……死にませんよね?」
「さてね」
そこら辺を耳にして、スピカはグルングルンと考える。
(カウス先輩たち、平気でそんなこと言うけど……でも。私が最後の力を使ったら、皆助かる……?)
スピカは自身の魔力量を考える。
今回ははっきり言って、まともに自分の魔力を使っていない。せいぜいソールのゾーンに閉じ込められたときに喉が渇き過ぎて体力が削られたのを、エリクシールを飲んで抑えたくらいだ。
入学当初よりも増えた。
使うとしたら、【世界】が先輩たちのアルカナを剥奪した、そのときを狙うしか。
そう意を決してスピカがぎゅっと手を握ったとき。不意に手を掴まれた。振り返るとアレスだった。アレスがまたも呆れた顔をして見ていた。
「お前またなんかやる気か?」
「やるって……私、そこまでなにも考えずに行動してないけど?」
「嘘つけ! ついでにあそこ!」
「えっ……ええ?」
そこには空を飛んでいる、ズベンの姿が見えた。
「ズベン先輩……無事だったんですね」
「ばーか、どう考えたって、あの人たち敵だろ!?」
相変わらずなにか言いたげなものの、言いそびれているシェラタンをよそに、ズベンが人差し指を突き出して言い放つ。
「そこまーで! もう帰ったらいいのに、なんで一年ズまだいる訳!?」
「というより、先輩がどうしてここにまだ残ってんですか……」
「決まってるでしょ、【世界】ちゃん助けるためだって! 革命組織の奴らはもう捨て鉢だから、どうにかなるかなあと思ってたのに……なんで変人のナブーちゃんとぶら下がり男のユダちゃんまでいるの!? ズベンちゃん聞いてませんけど!?」
……要は、革命組織だけだったら放置していたところを、学園の有名人たるナブーとユダまで着いてきたために、心配して【世界】の味方になったらしい。シェラタンの意見は無視して。
「ズベン、止めようよ。いくらなんでも分が悪いよ……」
「もーう、シェラタンってばいっつもそうじゃないのよっ! だって、【審判】までやられちゃったら、いよいよ【世界】ちゃん、ひとりぼっちになっちゃうじゃない……」
全く相手にされてないとは言えど。ズベンはあくまで【世界】の味方だった。
弱い。問題児。生徒会執行部には風紀を乱すと目を付けられている。それでも。
その気持ちだけは尊いものだった。
カウスは心底嫌そうな顔して「お前ら、あいつと遊んでやるか?」とスピカたちに尋ねた。スピカは正直、【世界】のために温存しておきたいため、もう魔力は使いたくない。
アレスは「俺パース。もうこの人たちと戦い飽きた」と真っ向から放棄した。
それに対して、スカトとルヴィリエは、ふたり揃ってカードフォルダーに手を当てた。
「……ズベン先輩、ここまで助けてくださり、感謝しています」
「そこ、どかせます……私のためにさんざん皆を振り回したんだから、これくらい
させて」
無意味な戦い。
【世界】を目の前にして、全く意味がないが、ズベンにとっては意味が有り余るため、ズベンの気持ちを無下にはしたくなかった。
床が、大きく蹴られた。
普段であったらルーナが歌を歌い、その周りでソニアやソール、ヨハネがお茶を飲んでいるが、今は誰もいない。
先程まで温かく優しい羽根が舞う空間がつくられていたものの、それは唐突に途切れてしまった。
「……ヨハネがやられちゃったんだ。だとしたら、もう僕ひとりか」
ポツリと漏らす。
この国の王族にして、次期国王。【世界】のアルカナを持つ者として生まれた以上、孤高であることは当たり前のことだったが。
体の弱い彼は、ヨハネのゾーンに助けられなければ、一日の半分をベッドで寝て過ごすしかなかった。果たして成人してもどれだけ生きられるのかすら、わからない。
どれだけ国民に恨まれていても、憎まれていても、既に魔力の枯渇で詰んでいる世界でやれることは限られている。
この世界の延命のために、時間稼ぎをする。
【運命の輪】を処刑し、反逆しようとする人々全ての心を折る。
だが。
【世界】は自身のゾーンたるこの学園アルカナで起こっていたこと全てを見ていた。
彼女は弱い。彼女は魔力が乏しい。彼女は平民。
特に体力が優れている訳でも、取り立てて美しい訳でもないが、なぜか異様に諦めが悪かった。
何度も殺されかけても、生きることを諦めない。友達の少女が壊されていた事実を知ってもなお、彼女を取り戻すことを諦めない。必要とあらば、敵対していた相手とだって組む。
小さな頃から、ヨハネが魔力を込めてつくってくれたゾーンがないと、まともに動くことができなかったため、【世界】は常に死と隣り合わせの生活をしていた。
同じく生まれながらに処刑される運命を持つ【運命の輪】が、あそこまでその運命に抗うのが、彼には理解ができず、彼女の情報をマジマジと眺めていた。
取るに足らない存在。【運命の輪】たる彼女は戦う力も、全ての力を行使するための魔力も、全てを物言わせる財力も後ろ盾も、なにもない少女。
なのに革命組織と通じ、誰も口説き落とせなかった【吊された男】を落とし、愉快犯で中立を貫くはずの【魔法使い】すら味方に付けた。
気付けば【世界】は、自然と彼女を畏怖していた。
【運命の輪】でなくても。
スピカ・ヴァルゴは間違いなく、自分にとっての天敵だと。
****
どこもかしこも真っ白な廊下を、皆で歩いている。
「あ、あのう……もう大丈夫なんですか? カウス先輩とデネボラ先輩は……」
一応既にアセルスとアルにより治療は施されているものの、先程の戦いのせいで、デネボラの服は裂けてしまってカウスのジャケットを着ている状態。カウス自身もボロボロになってしまっている。
「まあ、十中八九【世界】のアルカナを抜かれておしまいだろうな」
その言葉に、全員引きつる。それにデネボラが「あんたもむやみに怖がらせるんじゃないよ」とペチンとカウスの頬を叩く。
「あたしたちは多分取られておしまいだろうさ。でもね、あんたたちはそうじゃない」
「……どういうことっすか?」
「はっきり言って、あんたたちのアルカナは汎用性が高いけど、そこそこ普及されている分だけ内容も割れている。舐められているんだよ。でもね、カウスとあたしは真っ先に抜かれるだろうさ」
片や火を出す戦車で突撃してくる。片や最終的にライオンに姿を変えて暴走してくる。体の弱いとされている【世界】が真っ先に警戒して、彼らの大アルカナを抜くのは道理である。
「それ以前に【世界】の魔力も万能ではないんですよ」
そうボソボソと言ってきたのはアルだった。
「【世界】がどうして日頃から【審判】のゾーンに篭もりっきりかというと、体力の温存は元より、彼が常日頃発動させているアルカナの力は、どれもこれも魔力を食らい過ぎるんです」
「たしかに……」
普通学園ひとつをゾーンになんてできないし、人にコピーしたり一度使ったりしたらすぐに使えなくなる【愚者】のコピー能力と違って、【世界】のアルカナの剥奪、譲渡能力は永久なのだ。
常人であれば、魔力枯渇が原因で死に至ってもおかしくはない。
元々の魔力量のおかげで死なないだけだ。
「今は【審判】がいないですから、彼に魔力回復能力の手立てはありません。そして元々強力なアルカナを剥奪する場合は、それらのコストを伴います」
「強いアルカナには、強い魔力量……ってことですか?」
スカトの言葉に、アルは頷いた。
「だからガキ共は、俺たちのことは気にするな。魔力がなくなった【世界】だったら、なんとでもなるだろ」
「自分まで捨て石にするんですか……?」
ルヴィリエがおずおずと尋ねると、スカト含めて革命組織の面々は軽く頷いた。
「他の奴らに、生徒会執行部を五貴人の居住区に潜入しないように動かしてんだ。あいつらに死ねと言っている奴らが、死ななくってどうする?」
「アルカナを抜かれても……死にませんよね?」
「さてね」
そこら辺を耳にして、スピカはグルングルンと考える。
(カウス先輩たち、平気でそんなこと言うけど……でも。私が最後の力を使ったら、皆助かる……?)
スピカは自身の魔力量を考える。
今回ははっきり言って、まともに自分の魔力を使っていない。せいぜいソールのゾーンに閉じ込められたときに喉が渇き過ぎて体力が削られたのを、エリクシールを飲んで抑えたくらいだ。
入学当初よりも増えた。
使うとしたら、【世界】が先輩たちのアルカナを剥奪した、そのときを狙うしか。
そう意を決してスピカがぎゅっと手を握ったとき。不意に手を掴まれた。振り返るとアレスだった。アレスがまたも呆れた顔をして見ていた。
「お前またなんかやる気か?」
「やるって……私、そこまでなにも考えずに行動してないけど?」
「嘘つけ! ついでにあそこ!」
「えっ……ええ?」
そこには空を飛んでいる、ズベンの姿が見えた。
「ズベン先輩……無事だったんですね」
「ばーか、どう考えたって、あの人たち敵だろ!?」
相変わらずなにか言いたげなものの、言いそびれているシェラタンをよそに、ズベンが人差し指を突き出して言い放つ。
「そこまーで! もう帰ったらいいのに、なんで一年ズまだいる訳!?」
「というより、先輩がどうしてここにまだ残ってんですか……」
「決まってるでしょ、【世界】ちゃん助けるためだって! 革命組織の奴らはもう捨て鉢だから、どうにかなるかなあと思ってたのに……なんで変人のナブーちゃんとぶら下がり男のユダちゃんまでいるの!? ズベンちゃん聞いてませんけど!?」
……要は、革命組織だけだったら放置していたところを、学園の有名人たるナブーとユダまで着いてきたために、心配して【世界】の味方になったらしい。シェラタンの意見は無視して。
「ズベン、止めようよ。いくらなんでも分が悪いよ……」
「もーう、シェラタンってばいっつもそうじゃないのよっ! だって、【審判】までやられちゃったら、いよいよ【世界】ちゃん、ひとりぼっちになっちゃうじゃない……」
全く相手にされてないとは言えど。ズベンはあくまで【世界】の味方だった。
弱い。問題児。生徒会執行部には風紀を乱すと目を付けられている。それでも。
その気持ちだけは尊いものだった。
カウスは心底嫌そうな顔して「お前ら、あいつと遊んでやるか?」とスピカたちに尋ねた。スピカは正直、【世界】のために温存しておきたいため、もう魔力は使いたくない。
アレスは「俺パース。もうこの人たちと戦い飽きた」と真っ向から放棄した。
それに対して、スカトとルヴィリエは、ふたり揃ってカードフォルダーに手を当てた。
「……ズベン先輩、ここまで助けてくださり、感謝しています」
「そこ、どかせます……私のためにさんざん皆を振り回したんだから、これくらい
させて」
無意味な戦い。
【世界】を目の前にして、全く意味がないが、ズベンにとっては意味が有り余るため、ズベンの気持ちを無下にはしたくなかった。
床が、大きく蹴られた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる