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もうひとりの怪盗
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(どうしてこうなっちゃったの……)
怪盗トリッカーは仮面の下はべそをかきそうになっていたが、それを必死に堪えていた。泣いたらただでさえ仮面で遮られている視界が、余計に曇ってしまうから。
「いたか!?」
「いない! しかしよりによって、怪盗ふたりが同じものを盗みに来るなんて、いったいどうなっているんだ……!」
(なんで模倣犯と今回の回収物が被るのよ……!)
護衛銃騎士団の会話に、怪盗トリッカーは頭を抱えていた。
アラスターが予告状を送ったとき、同時に模倣犯の予告状も届いてしまったのだ。
【天使の雫いただきます 怪盗コンスタント】
ただでさえ怪盗トリッカーに加えて模倣犯の存在で苛立っていた護衛銃騎士団だが、さらに怪盗コンスタントの予告状でその苛立ちは最高潮に達してしまっていた。
今までの模倣犯たちは、すべからく腕も才能も魔力もない愉快犯だったがために、すぐに確保されてしまって、せいぜい新聞が騒ぎ立てるくらいしかなかったが、その模倣犯たちの中でも怪盗コンスタントは格が違った。
(あの人……今まで盗み出すものが被ったことがないのに、どういうことなのよ……!)
怪盗コンスタント。元々魔道具の回収を行っていた怪盗トリッカーとは違い、完全に美学により怪盗活動を行っているともっぱらの噂であり、模倣犯を捕まえたいと何度イヴリルが主張しても「放っとけ」と言われるほどには、彼とは盗み出すものが違うため、縁がないと思い込んでいた相手だ。
しかし。今回は天使の雫が、怪盗トリッカーの回収物と彼の美学が被ってしまったのだ。
通称:天使の雫。本来貝の中から出てくる真珠はひとつとされているが、これは奇跡的に三つの真珠がひとつに合体したとされる真珠であり、それは三つ分の真珠が癒着し、雫の形をかたどっている。
稀少価値の高い真珠のため、現在は宝石商が厳重に管理していたのだが、それが魔道具の出現により成り代わられてしまった。
宝石の周りにはどうしても金や欲望、愛憎が渦巻く環境が出来上がってしまい、魔道具の魔力に当てられたらいったいどうなってしまうのかが予想が付かない。
(区画ひとつが丸ごと魔力に当てられてしまうって、こういうことだったんだわ……今回も絶対に盗み出さないといけないのに、よりによって怪盗コンスタントと被るだなんて)
怪盗コンスタントは、宝石専門の怪盗なのだ。
怪盗トリッカーと違い、魔道具に成り代わられたか否かというものは焦点にはなく、美しいか否かで、盗みを働く。
彼は美学の怪盗と持ち上げられることもあれば、「所詮は泥棒、外道の極み」と蔑まれることもある。
このふたりが来るということで、宝石商も屋敷の周りに護衛銃騎士団の配置を許可しつつ、雇い入れた護衛も屋敷内にも配置しているようだった。
そして今回は怪盗ふたりからの予告状のせいで、裏門では何度も護衛銃騎士団と宝石商のほうでの問答が行われていた。
「今回ばかりは、どうか我々も屋敷に上げてください! 奴はおかしな技術を使いますので、普通の騎士をどれだけ集めたところで見つけることができません!」
そう主張しているのは、エルマーだった。未だにエルマーはどうして魔道具で姿を隠すことのできる怪盗トリッカーを見つけ出せるのかが謎のままだった。
エルマーの言葉に、クリフォードは同意している様子だ。怪盗トリッカーはそれを窺う。
(……エルマーに見つかる前に、天使の雫を盗み出さないとややこしいことになる。今は私のことが見つかってないみたいだから、急がないと)
そのまま彼女は走りはじめた。
宝石商の庭に入り込むと、案の定宝石商の雇っている騎士……と呼ぶには物々しい護衛が集まっているようだった。
服を剥ぐか剥がないかを迷った末、そのまま彼らを通り抜けて走りはじめる。
天使の雫のある場所は既に確認取っている。宝石商の私室である。
既に使用人たちの人払いをしているのだろう。廊下はもぬけの殻だった。その廊下を通り抜け、私室へと滑り込んでいく。
私室にはベッドに執務机。そして本棚が並んでいる。その本棚を怪盗トリッカーは油断なく上下を見る。本棚には仕掛けが存在している。
(本棚の仕掛けを解かないと開かないとか面倒……でも、この奥にたしかに魔力の気配がするし……魔道具はそこにあるんだ)
本を一冊一冊掴んでみると、その内の三冊があからさまに軽く、中身が入っていないことがわかる。その一冊を引き抜き、中身の入っている本に入れ替える。残り二冊も同じように入れ替えると、本棚がガタンッと音を立てて横にずれた。途端に隠し戸が出てきて、そこが開く。
開いた先には、宝石商にとっての宝の山だろう。まるで商店に並んでいるかのように、棚に宝石が飾られているのが見える。薄い埃避けがかけられている棚を確認している中、ひとつ厳重に保管されている棚を見つける。
(鉱石の場合は、よっぽど力を加えない限りは壊れないけれど、真珠の場合はとにかくいろんなものに弱過ぎるから……人の脂や埃、水分……どう考えてもこの棚よね)
少し目を閉じ、魔力を辿る。たしかにこの棚から気配が感じる。しかし今はまだ、誰にも見つかってないせいなのか、それとも隠し部屋に入る宝石商が存外に神経が太いのか、魔道具が暴走して心身を害なす気配はないようだった。
とにかく、区画ひとつ分の人々が天使の雫に当てられる前に盗み出さないといけない。怪盗トリッカーは鳥籠を手に取る。
「いらっしゃい。あなたはうちに帰って眠りにつくの」
そう言いながら、棚の扉を開き、そこで厳重に保管された箱を引き抜いたとき。
「それは本当に宝石にとっての幸せなのかな?」
唐突に、声をかけられた。それに怪盗トリッカーはビクリと肩を跳ねさせる。
魔道具のせいで、魔力を持っていない人間でない限り、怪盗トリッカーの姿を認識することはできない。エルマーのような例外中の例外はいるものの、彼は代々騎士の家系であり、王宮魔術師の血が入ったことはなかったはずだ。
「やあ、怪盗トリッカー。まさかこんなに可愛らしいお嬢さんだとは思いもしなかったのだけれど」
その声に、怪盗トリッカーはそろそろと後ろに振り返った。
立っていたのは、タキシードで身を固め、顔を完全に仮面で覆った青年だった。髪は存外に長く、物々しい仮面さえなければ、舞踏会で淑女のエスコートもできそうないで立ちである。
怪盗トリッカーはそれにくつりと笑って見せた。
「まあ……あなたが巷を騒がせてらっしゃる怪盗コンスタント? 私の模倣とは典雅ではないのね?」
「これは失礼。贋作だと罵られてしまったら立つ瀬がなかったところを、こんなに優しい言葉をかけてくれるとは思わなかったよ、レディ」
「その呼び方は止めて頂戴」
しゃべり癖を聞きながら、怪盗トリッカーは考える。
(彼の声……まだエルマーやクリフォードと変わらない……声変わりしたばかりのザラザラした声だわ……だとしたら、私とあんまり年は変わらない? 身長は……私よりも高いけれど。でも彼も魔力がある程度あるんでしょうね。私をはっきりと見えている以上は)
そこまで考え、次にどうやって怪盗コンスタントを出し抜いて隠し部屋から逃げおおせるかに思考を移す。
(普通に考えたら、今目の前の天使の雫を魔道具で消してしまって、意気消沈としたところをそのまま置いて逃げるくらいだけれど……)
「それに、これだけ美しい天使の雫を消してしまうのは、もったいないと思わないかな?」
そう声をかけられ、思わず怪盗トリッカーは言葉を詰まらせた。
怪盗トリッカーは仮面の下はべそをかきそうになっていたが、それを必死に堪えていた。泣いたらただでさえ仮面で遮られている視界が、余計に曇ってしまうから。
「いたか!?」
「いない! しかしよりによって、怪盗ふたりが同じものを盗みに来るなんて、いったいどうなっているんだ……!」
(なんで模倣犯と今回の回収物が被るのよ……!)
護衛銃騎士団の会話に、怪盗トリッカーは頭を抱えていた。
アラスターが予告状を送ったとき、同時に模倣犯の予告状も届いてしまったのだ。
【天使の雫いただきます 怪盗コンスタント】
ただでさえ怪盗トリッカーに加えて模倣犯の存在で苛立っていた護衛銃騎士団だが、さらに怪盗コンスタントの予告状でその苛立ちは最高潮に達してしまっていた。
今までの模倣犯たちは、すべからく腕も才能も魔力もない愉快犯だったがために、すぐに確保されてしまって、せいぜい新聞が騒ぎ立てるくらいしかなかったが、その模倣犯たちの中でも怪盗コンスタントは格が違った。
(あの人……今まで盗み出すものが被ったことがないのに、どういうことなのよ……!)
怪盗コンスタント。元々魔道具の回収を行っていた怪盗トリッカーとは違い、完全に美学により怪盗活動を行っているともっぱらの噂であり、模倣犯を捕まえたいと何度イヴリルが主張しても「放っとけ」と言われるほどには、彼とは盗み出すものが違うため、縁がないと思い込んでいた相手だ。
しかし。今回は天使の雫が、怪盗トリッカーの回収物と彼の美学が被ってしまったのだ。
通称:天使の雫。本来貝の中から出てくる真珠はひとつとされているが、これは奇跡的に三つの真珠がひとつに合体したとされる真珠であり、それは三つ分の真珠が癒着し、雫の形をかたどっている。
稀少価値の高い真珠のため、現在は宝石商が厳重に管理していたのだが、それが魔道具の出現により成り代わられてしまった。
宝石の周りにはどうしても金や欲望、愛憎が渦巻く環境が出来上がってしまい、魔道具の魔力に当てられたらいったいどうなってしまうのかが予想が付かない。
(区画ひとつが丸ごと魔力に当てられてしまうって、こういうことだったんだわ……今回も絶対に盗み出さないといけないのに、よりによって怪盗コンスタントと被るだなんて)
怪盗コンスタントは、宝石専門の怪盗なのだ。
怪盗トリッカーと違い、魔道具に成り代わられたか否かというものは焦点にはなく、美しいか否かで、盗みを働く。
彼は美学の怪盗と持ち上げられることもあれば、「所詮は泥棒、外道の極み」と蔑まれることもある。
このふたりが来るということで、宝石商も屋敷の周りに護衛銃騎士団の配置を許可しつつ、雇い入れた護衛も屋敷内にも配置しているようだった。
そして今回は怪盗ふたりからの予告状のせいで、裏門では何度も護衛銃騎士団と宝石商のほうでの問答が行われていた。
「今回ばかりは、どうか我々も屋敷に上げてください! 奴はおかしな技術を使いますので、普通の騎士をどれだけ集めたところで見つけることができません!」
そう主張しているのは、エルマーだった。未だにエルマーはどうして魔道具で姿を隠すことのできる怪盗トリッカーを見つけ出せるのかが謎のままだった。
エルマーの言葉に、クリフォードは同意している様子だ。怪盗トリッカーはそれを窺う。
(……エルマーに見つかる前に、天使の雫を盗み出さないとややこしいことになる。今は私のことが見つかってないみたいだから、急がないと)
そのまま彼女は走りはじめた。
宝石商の庭に入り込むと、案の定宝石商の雇っている騎士……と呼ぶには物々しい護衛が集まっているようだった。
服を剥ぐか剥がないかを迷った末、そのまま彼らを通り抜けて走りはじめる。
天使の雫のある場所は既に確認取っている。宝石商の私室である。
既に使用人たちの人払いをしているのだろう。廊下はもぬけの殻だった。その廊下を通り抜け、私室へと滑り込んでいく。
私室にはベッドに執務机。そして本棚が並んでいる。その本棚を怪盗トリッカーは油断なく上下を見る。本棚には仕掛けが存在している。
(本棚の仕掛けを解かないと開かないとか面倒……でも、この奥にたしかに魔力の気配がするし……魔道具はそこにあるんだ)
本を一冊一冊掴んでみると、その内の三冊があからさまに軽く、中身が入っていないことがわかる。その一冊を引き抜き、中身の入っている本に入れ替える。残り二冊も同じように入れ替えると、本棚がガタンッと音を立てて横にずれた。途端に隠し戸が出てきて、そこが開く。
開いた先には、宝石商にとっての宝の山だろう。まるで商店に並んでいるかのように、棚に宝石が飾られているのが見える。薄い埃避けがかけられている棚を確認している中、ひとつ厳重に保管されている棚を見つける。
(鉱石の場合は、よっぽど力を加えない限りは壊れないけれど、真珠の場合はとにかくいろんなものに弱過ぎるから……人の脂や埃、水分……どう考えてもこの棚よね)
少し目を閉じ、魔力を辿る。たしかにこの棚から気配が感じる。しかし今はまだ、誰にも見つかってないせいなのか、それとも隠し部屋に入る宝石商が存外に神経が太いのか、魔道具が暴走して心身を害なす気配はないようだった。
とにかく、区画ひとつ分の人々が天使の雫に当てられる前に盗み出さないといけない。怪盗トリッカーは鳥籠を手に取る。
「いらっしゃい。あなたはうちに帰って眠りにつくの」
そう言いながら、棚の扉を開き、そこで厳重に保管された箱を引き抜いたとき。
「それは本当に宝石にとっての幸せなのかな?」
唐突に、声をかけられた。それに怪盗トリッカーはビクリと肩を跳ねさせる。
魔道具のせいで、魔力を持っていない人間でない限り、怪盗トリッカーの姿を認識することはできない。エルマーのような例外中の例外はいるものの、彼は代々騎士の家系であり、王宮魔術師の血が入ったことはなかったはずだ。
「やあ、怪盗トリッカー。まさかこんなに可愛らしいお嬢さんだとは思いもしなかったのだけれど」
その声に、怪盗トリッカーはそろそろと後ろに振り返った。
立っていたのは、タキシードで身を固め、顔を完全に仮面で覆った青年だった。髪は存外に長く、物々しい仮面さえなければ、舞踏会で淑女のエスコートもできそうないで立ちである。
怪盗トリッカーはそれにくつりと笑って見せた。
「まあ……あなたが巷を騒がせてらっしゃる怪盗コンスタント? 私の模倣とは典雅ではないのね?」
「これは失礼。贋作だと罵られてしまったら立つ瀬がなかったところを、こんなに優しい言葉をかけてくれるとは思わなかったよ、レディ」
「その呼び方は止めて頂戴」
しゃべり癖を聞きながら、怪盗トリッカーは考える。
(彼の声……まだエルマーやクリフォードと変わらない……声変わりしたばかりのザラザラした声だわ……だとしたら、私とあんまり年は変わらない? 身長は……私よりも高いけれど。でも彼も魔力がある程度あるんでしょうね。私をはっきりと見えている以上は)
そこまで考え、次にどうやって怪盗コンスタントを出し抜いて隠し部屋から逃げおおせるかに思考を移す。
(普通に考えたら、今目の前の天使の雫を魔道具で消してしまって、意気消沈としたところをそのまま置いて逃げるくらいだけれど……)
「それに、これだけ美しい天使の雫を消してしまうのは、もったいないと思わないかな?」
そう声をかけられ、思わず怪盗トリッカーは言葉を詰まらせた。
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