7 / 15
王立学園の探偵貴族
4
しおりを挟む 怪盗トリッカーの提案を、しばらくエルマーは口を引き結んで考えていたが、短く言い切った。
「……駄目だ」
「ならどうやって彼を止めると言うの?」
「……俺が囮になるから、お前がクリフォードを止めろ」
「……あなた、馬鹿じゃないの?」
思わず怪盗トリッカーは普段のイヴリルの口調に崩れてしまったが、エルマーは「ああ、もう。うるさいなっ!?」と言い返す。
「怪盗だろうが捕縛対象だろうが、女を囮に身内の暴走止める奴がどこにいるんだよ!? そもそも身内がおかしくなったのに、どうしてお前を囮に使うんだよ! お前だって、盗みたいものさっさと盗まず、なんで付き合ってくれるんだよ」
普段の子供なのか熱血漢なのかよくわからない幼馴染に正論を叩きつけられ、思わず怪盗トリッカーも言い返す。ほとんどイヴリルがまろび出ているが、格好のせいなのか魔道具のせいなのか、見えても勘付かれることはなかった。
「なによ……あの人が手柄欲しさに焦っているのが見てられなかったし、臭いものに蓋をしたくなかったのよ……いけない?」
「いや。あいつ、モテるからなあ」
(それ今関係あるのかしら)
そう思ったことは、口にはしなかった。結局はエルマーが「俺が囮」と言って聞かず、そろそろこちらの銃声で援軍が来てもおかしくないのだから、決着をつけたほうがいいと判断し、エルマーが揉み合っている間に、怪盗トリッカーがどうにかクリフォードを気絶させる方向で話は落ち着いた。
「じゃあ……銃は危ないからな? そしてクリフォードを抑え込めたら……お前を捕縛する」
「できたらね、騎士さん」
こうしてふたりは、遮蔽からクリフォードに向かって駆け出した。クリフォードは錯乱したままエルマーに銃を向ける。
「やっぱり……君は僕を馬鹿にして……!」
「お前頭いい癖して、ほんっとうに馬鹿だな!?」
これ以上引き金を引かせまいと、エルマーはクリフォードの手首を強く握って固定する。ふたりはギリギリと、手首を外す外さないで組み合いがはじまる。
「年なんて、誰もどうしようもないだろ!? 上から比べられる、下だと見向きもされない! そんなの、貴族も騎士も平民も、なんにも変わりゃしないよ! でもお前は、王立学園だと成績だって上位で、養子縁組先だってよりどりみどりだ! どれだけお前の兄上たちが立派だとしても、家に迎え入れる以上は優秀な人間が欲しいに決まってんだろ! その優秀な兄上たちばっかり見るの辞めろよ! ちょっとは同い年のほうも向けよ!」
「で、も……君は……!」
「うちは別に稼業だから継ぐだけで、そこに選ばれたとか恵まれたとか、そんなんはないよ! だからクリフォードは羨ましいし、妬ましいけど。そんなの、お前を追いやったところで俺が偉くも強くもなる訳ないだろ!」
だんだん、エルマーの手を振り解こうとするクリフォードの力が弱まってきた。それを見計らって、怪盗トリッカーは駆けて行った。彼女は魔道具の力を切った。
「……!? 怪盗、トリッカー……?」
「ごきげんよう、騎士さん。あなたの妬みや嫉み、よく聞かせてもらったわ。それを抱えて生きるのは大変ね。でも」
怪盗トリッカーはできる限り言葉を選んだ。
クリフォードの悩みは、おそらくエルマーよりもイヴリルのほうがよくわかっているという自負はあるが。彼が欲しいものは、きっと同情や同調ではない。
「それを見せずに抱えて、誇り高く真っ直ぐに生きるあなたは、とても素敵だと思うわ。いつか私を捕まえてね、待っているから」
優秀であることが当たり前である中、称賛ひとつなく生きることなんて、不可能に近いだろう。
怪盗トリッカーはひとつお辞儀をすると、鳥籠を開いた。
女神像の形が、吹き抜ける風に当たって崩れ落ちた砂上の城のように、どんどんと擦り減って、鳥籠の中へと入って行ってしまった。それに彼女は戸を閉めると、そのまま駆け抜けて行ってしまった。
揉み合っていたはずのエルマーとクリフォードは、呆気に取られてそれを見守っていたが、それも一瞬だった。
「ま、待て! 怪盗トリッカー! 俺たちを騙したのか!?」
「騎士さん、私まだ捕まる訳にはいかないの。全部終わったら捕まえに来てね」
そう言い残して、怪盗トリッカーは開け放った窓から飛び立ってしまった。
(明日、きっとエルマーは怒っているわね。でも……クリフォードとちゃんと仲直りできてたらいいんだけれど)
彼女は心底ふたりの仲を心配していたのだが、それを伝える術はなかった。
****
次の日、イヴリルが王立学園に向かうと、背筋を伸ばして歩いているエルマーが見えた。
「おはよう」
「ああ、おはよう……また怪盗トリッカーに逃げられた……新聞なんていい気なもんさ。王立美術館の遺産を盗まれたってさ!」
「そう……」
実際問題、女神像が盗まれたことで美術館関係者が相当混乱していることが新聞記事に書かれていたが、さすがに王のお膝元で盗まれたせいなのか国も気まずいと思ったのか、取り扱い方が普段の怪盗トリッカーの記事に比べたらだいぶ小さなものだった。
しかし新聞で護衛銃騎士団をあげつらわれたことがご立腹なエルマーからしてみれば、取り扱いの大きい小さいはあまり関係ないらしく、いつものように怒っていた。
「全く! 国の芸術をなんだと思ってるんだ! でも……今回ばかりはあんまり怒りたくないというか」
「あら? なにかあったの?」
イヴリルは自分が脱出してからのいきさつが気になり、思わずエルマーの顔を覗き込んでみるが、職務の話だからなのか、女子に話すには恥ずかしいと思っているのか、なかなか口を割ってはくれない。
「やあやあ、相変わらず君たちは仲がいいね!」
ふたりで見つめ合い……というより、イヴリルがどうにかエルマーの真意を覗き込もうとしたが、エルマーがなにかを察したのか頑なに目を合わせなかった……をしているのに、突然声をかけられた。
颯爽と歩く様は、先日会ったときと同じく自信たっぷりな風情のクリフォードであった。それにエルマーは「おはよう」と挨拶をする。
「おはようクリフォード。今朝も元気ね?」
「おはようイヴリル。そしてエルマー。僕は元気だよ」
「そりゃ元気でなによりだよ」
「うん……せっかく探偵が乗り込んでいったというのに、怪盗の罠にはまってしまって醜態をさらしてしまった。次はそうはいかないよ」
そうきっぱりと言うクリフォードの姿に、イヴリルはほっとする半分、複雑さ半分という心地であった。
(お兄さんたちに対するコンプレックスをどう解消したかはわからないけど、矛先を治めることはできたみたいね。エルマーに続いて追いかけてくる人が増えたのは困るけど……彼の感情をただ、臭いものに蓋をしなくって済んだみたい)
イヴリルはほっとひと息ついた中、エルマーは彼の態度に鼻息を噴いた。
「怪盗トリッカーを捕まえるのは俺だからな。絶対に負けないから」
「そういうのって、ふたりで仲良く捕まえるものじゃないの?」
騎士の競争心がいまいちわからないイヴリルがそう尋ねると、なぜかクリフォードとエルマー、ほぼ同時に言ってのけた。
「そういうのじゃないから」
イヴリルからしてみれば、そういうのが一番、よくわからないのだった。
「……駄目だ」
「ならどうやって彼を止めると言うの?」
「……俺が囮になるから、お前がクリフォードを止めろ」
「……あなた、馬鹿じゃないの?」
思わず怪盗トリッカーは普段のイヴリルの口調に崩れてしまったが、エルマーは「ああ、もう。うるさいなっ!?」と言い返す。
「怪盗だろうが捕縛対象だろうが、女を囮に身内の暴走止める奴がどこにいるんだよ!? そもそも身内がおかしくなったのに、どうしてお前を囮に使うんだよ! お前だって、盗みたいものさっさと盗まず、なんで付き合ってくれるんだよ」
普段の子供なのか熱血漢なのかよくわからない幼馴染に正論を叩きつけられ、思わず怪盗トリッカーも言い返す。ほとんどイヴリルがまろび出ているが、格好のせいなのか魔道具のせいなのか、見えても勘付かれることはなかった。
「なによ……あの人が手柄欲しさに焦っているのが見てられなかったし、臭いものに蓋をしたくなかったのよ……いけない?」
「いや。あいつ、モテるからなあ」
(それ今関係あるのかしら)
そう思ったことは、口にはしなかった。結局はエルマーが「俺が囮」と言って聞かず、そろそろこちらの銃声で援軍が来てもおかしくないのだから、決着をつけたほうがいいと判断し、エルマーが揉み合っている間に、怪盗トリッカーがどうにかクリフォードを気絶させる方向で話は落ち着いた。
「じゃあ……銃は危ないからな? そしてクリフォードを抑え込めたら……お前を捕縛する」
「できたらね、騎士さん」
こうしてふたりは、遮蔽からクリフォードに向かって駆け出した。クリフォードは錯乱したままエルマーに銃を向ける。
「やっぱり……君は僕を馬鹿にして……!」
「お前頭いい癖して、ほんっとうに馬鹿だな!?」
これ以上引き金を引かせまいと、エルマーはクリフォードの手首を強く握って固定する。ふたりはギリギリと、手首を外す外さないで組み合いがはじまる。
「年なんて、誰もどうしようもないだろ!? 上から比べられる、下だと見向きもされない! そんなの、貴族も騎士も平民も、なんにも変わりゃしないよ! でもお前は、王立学園だと成績だって上位で、養子縁組先だってよりどりみどりだ! どれだけお前の兄上たちが立派だとしても、家に迎え入れる以上は優秀な人間が欲しいに決まってんだろ! その優秀な兄上たちばっかり見るの辞めろよ! ちょっとは同い年のほうも向けよ!」
「で、も……君は……!」
「うちは別に稼業だから継ぐだけで、そこに選ばれたとか恵まれたとか、そんなんはないよ! だからクリフォードは羨ましいし、妬ましいけど。そんなの、お前を追いやったところで俺が偉くも強くもなる訳ないだろ!」
だんだん、エルマーの手を振り解こうとするクリフォードの力が弱まってきた。それを見計らって、怪盗トリッカーは駆けて行った。彼女は魔道具の力を切った。
「……!? 怪盗、トリッカー……?」
「ごきげんよう、騎士さん。あなたの妬みや嫉み、よく聞かせてもらったわ。それを抱えて生きるのは大変ね。でも」
怪盗トリッカーはできる限り言葉を選んだ。
クリフォードの悩みは、おそらくエルマーよりもイヴリルのほうがよくわかっているという自負はあるが。彼が欲しいものは、きっと同情や同調ではない。
「それを見せずに抱えて、誇り高く真っ直ぐに生きるあなたは、とても素敵だと思うわ。いつか私を捕まえてね、待っているから」
優秀であることが当たり前である中、称賛ひとつなく生きることなんて、不可能に近いだろう。
怪盗トリッカーはひとつお辞儀をすると、鳥籠を開いた。
女神像の形が、吹き抜ける風に当たって崩れ落ちた砂上の城のように、どんどんと擦り減って、鳥籠の中へと入って行ってしまった。それに彼女は戸を閉めると、そのまま駆け抜けて行ってしまった。
揉み合っていたはずのエルマーとクリフォードは、呆気に取られてそれを見守っていたが、それも一瞬だった。
「ま、待て! 怪盗トリッカー! 俺たちを騙したのか!?」
「騎士さん、私まだ捕まる訳にはいかないの。全部終わったら捕まえに来てね」
そう言い残して、怪盗トリッカーは開け放った窓から飛び立ってしまった。
(明日、きっとエルマーは怒っているわね。でも……クリフォードとちゃんと仲直りできてたらいいんだけれど)
彼女は心底ふたりの仲を心配していたのだが、それを伝える術はなかった。
****
次の日、イヴリルが王立学園に向かうと、背筋を伸ばして歩いているエルマーが見えた。
「おはよう」
「ああ、おはよう……また怪盗トリッカーに逃げられた……新聞なんていい気なもんさ。王立美術館の遺産を盗まれたってさ!」
「そう……」
実際問題、女神像が盗まれたことで美術館関係者が相当混乱していることが新聞記事に書かれていたが、さすがに王のお膝元で盗まれたせいなのか国も気まずいと思ったのか、取り扱い方が普段の怪盗トリッカーの記事に比べたらだいぶ小さなものだった。
しかし新聞で護衛銃騎士団をあげつらわれたことがご立腹なエルマーからしてみれば、取り扱いの大きい小さいはあまり関係ないらしく、いつものように怒っていた。
「全く! 国の芸術をなんだと思ってるんだ! でも……今回ばかりはあんまり怒りたくないというか」
「あら? なにかあったの?」
イヴリルは自分が脱出してからのいきさつが気になり、思わずエルマーの顔を覗き込んでみるが、職務の話だからなのか、女子に話すには恥ずかしいと思っているのか、なかなか口を割ってはくれない。
「やあやあ、相変わらず君たちは仲がいいね!」
ふたりで見つめ合い……というより、イヴリルがどうにかエルマーの真意を覗き込もうとしたが、エルマーがなにかを察したのか頑なに目を合わせなかった……をしているのに、突然声をかけられた。
颯爽と歩く様は、先日会ったときと同じく自信たっぷりな風情のクリフォードであった。それにエルマーは「おはよう」と挨拶をする。
「おはようクリフォード。今朝も元気ね?」
「おはようイヴリル。そしてエルマー。僕は元気だよ」
「そりゃ元気でなによりだよ」
「うん……せっかく探偵が乗り込んでいったというのに、怪盗の罠にはまってしまって醜態をさらしてしまった。次はそうはいかないよ」
そうきっぱりと言うクリフォードの姿に、イヴリルはほっとする半分、複雑さ半分という心地であった。
(お兄さんたちに対するコンプレックスをどう解消したかはわからないけど、矛先を治めることはできたみたいね。エルマーに続いて追いかけてくる人が増えたのは困るけど……彼の感情をただ、臭いものに蓋をしなくって済んだみたい)
イヴリルはほっとひと息ついた中、エルマーは彼の態度に鼻息を噴いた。
「怪盗トリッカーを捕まえるのは俺だからな。絶対に負けないから」
「そういうのって、ふたりで仲良く捕まえるものじゃないの?」
騎士の競争心がいまいちわからないイヴリルがそう尋ねると、なぜかクリフォードとエルマー、ほぼ同時に言ってのけた。
「そういうのじゃないから」
イヴリルからしてみれば、そういうのが一番、よくわからないのだった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。
⚠️不倫等を推奨する作品ではないです。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる