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神庭の正体
二
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私の声に、ふいに晦がふさふさとした首を寄せてきて、私の頬に擦り寄ってきた。
「あまり苦しまないでください」
「……苦しくもなりますよ。私たち……騙されていたんですから。でも、そうならばどうして桐女王は、あやかしに飼われていないんでしょうか。それに歴代の女王も……」
「……そのことについては、また確認しないことにはわからないでしょうな。ところで、ひとつ姫様に確認します」
「……なんですか?」
「あなたの体に、あなたの魂を戻す算段についてです」
私の今の体が元のものだったら、きっと跳ね上がっていたことだろう。晦は淡々と続けた。
「これから神庭に突入する場合、現状の式神の姿のほうが逃げ切れる算段が高いです。姫様が刀を振るって戦ってはいますが、それは式神姿のほうが重い刀を振るいやすいというのはあるでしょうから。私が現状生き霊の姿のため、防戦一方だからというのもあります。一方、今あなたの体を回収して突入というのも、あなたの体を安全に回収するための最善とは思いますが、戦う際に不備が生じる可能性が高い。どうなさいますか?」
晦の言葉に、私は押し黙った。
あやかしとの戦いは式神のほうが上だろう。生き霊の晦に跨がって神庭に向かったほうが、確実に偵察を終えて、都にとんぼ返りすることができるだろう。でも。
私の体は何物かに襲われている。これをそのまま放置していたら、私は元の体に戻れない可能性が高い。
私は既に晦に対して情があるし、このまま彼の式神のままでもいいかもしれない。そうぐらぐらと思いはじめてはいるものの。式神のままでは、彼とはなにも起こりようがない。だって晦は主であり、私は使役されているまま。その関係がいいものとは思えなかった。
この気持ちをこのまんま晦にぶつけたとしても、彼はいつものように煙に巻いてまともに答えてはくれないだろう。だから、私も今は言うつもりはない。
私は口を開いた。
「……元の体に戻りたいです。私の体を追いかけているものがいる以上、このまま野放しにしていたら、私の体が無事では済まないかもしれませんから。戦えないか戦えるかは、元の体に戻ってから考えます」
「……なるほど、わかりました。本当に姫様は凜々しい」
「それ、茶化していますか?」
私がむっとして尋ねると、晦はからからと笑った。狐姿でからから笑われると、跨がっている体がむずむずとする。
「いえ、褒めているんです。それでは、姫様の体を追いかけましょう」
「はいっ!」
晦は私を乗せて、そのままぴょーんぴょーんと跳びながら私の体を探しはじめた。
****
竹藪を走り続けることしばし。
やがて晦が「あそこです」と言った方角に目を留めた。明らかに煌びやかな十二単を着て、それでも衣を何枚か脱ぎ捨てて袴を持ち上げて走っているのは、私だった。
晦が声を上げた。
「止まりなさい。戻ってきなさい」
途端にビクンと私が振り返った。私の長い髪は出家と同時に肩までの長さに切り下ろされていた。そのまま走ってくる。
「それでは姫様。戻ってください」
「……私、今式神の状態ですけど、どうやって戻ればいいんですか」
「あなたの体ですからね、そのまま抱き着けばすぐ戻れますよ。その体だって元を辿れば、私が用意した人形ですから。人形が人間の体にピタリと貼り付く感覚で」
わかったような。わからないような。
一方私の体を遠隔操作していた蝶の式神は、そのまま晦の鼻の上に止まった。なにやら共有しているようだけれど、今の私にはそれがなんなのかわからない。
私は晦から一旦降りると、私の体を見た。必死で逃げてきた割に、体は綺麗なもので、無下に扱われた様子もない。そもそも神庭は楽の奉納を続ける以外では、優美な生活が約束されているはずなんだ。恋に恋する最近流行りの宮女みたいな生き方をしてない限りは、身の丈に合った生活ができるはずなんだけれど……それでも私の体は逃げ出した。
「……教えて、いったい神庭でなにがあったのか。私たちは、あやかしになにをされたの? なにをされようとしていたの?」
私が抱き着くと、途端に体がしゅーしゅーと吸い込まれる感覚に陥った。
違う。私が人形の体から魂が解き放たれ、元の体に戻ろうとしているんだ。しばし視界がぐるぐると回るけれど、それも一瞬だった。
最初に感じたのは、緑に覆われた森の青臭いにおい……そういえば、式神になってからというもの、特に鼻に関しては鈍感になっていたように思う。
私は自分自身のうなじに触れた。深くあやかしに噛み切られた跡が、今も指で触れればわかる程度に傷跡として残っている。たしかに、私の体だった。
そして私が自分の体に戻ったのを、晦が尋ねた。
「どうですか? 久々に戻った肉体の感想は?」
「そうですね……もっと久々だから違和感があるのかと思いましたけど……意外とないものですね」
「そうですね。姫様の体は元々退魔の素質が高いのですから、式神の体とあまり変わりがないのかもしれません」
「ええ? 退魔の素質ってなんなんですか……」
「そして姫様。現状あなたも私も丸腰です。見に行ったら、速効で離脱しますがよろしいですか?」
「あ……」
私は思わず背中を見た。
そうだ、式神用の刀だったんだから、背中に佩いていた刀が消えているのも道理なんだ……! 今の私は丸腰だし、生き霊状態の晦は戦えないし……でも。
ここまで来た以上は神庭に行くしかない。
私が再び晦に跨がると、晦は私を心配するように見上げた。
「姫様、覚悟はよろしい?」
「あまり言わないでください。私は大丈夫ですから……それに、あなたは先程式神から情報を抜いていましたけど、確認できたんですよね? どうして私が神庭から脱出していたか」
「ええ……一応は。最初に言っておきますが、神庭は既に本来の役割からかけ離れています」
「……あやかしを飼っている、王族の女たちはあやかしに飼われているということですよね?」
「それもですが……」
晦はだんだん走る速さを速めながら言葉を続けた。私は髪が靡くのも、服が重くてずり落ちそうになることも気にせず、晦にしがみついて話しを聞いていた。
「本来、神庭は神に祈りを捧げる場だったのですが、どうしてあやかしを飼う場になってしまったのか。そもそもどうして代々の女王がそれを許していたか、になるんですが。これも私が状況証拠を拾い、式神から抜いた情報による推測だとは言っておきます」
「もったいぶらないでください。あなたはずっと推測だからって教えてくれなかったじゃないですか」
「すみません。確証がないことを言って姫様を傷付けたくなかったんです……それに、私も姫様に嫌われたら傷付きますから」
それに私はドキリとした。
思えば、彼に何度も「愛しています」と言われても、それはその場しのぎの言葉だろうと相手にしていなかった。でも、私は今は彼への気持ちを改めている。それを晦本人には全く伝えていない。
私は彼の耳に頬を寄せながら言った。
「私があなたを嫌うことはありませんよ」
「いきなり魂を引っこ抜いたのに?」
「それは……あなたは私を助けてくれようとしたのでしょう?」
「調査のため、最初は姫様の交友関係やもろもろを利用するためでしたよ……」
「じゃあおんなじじゃないですか。私だって、最初はあなたのこと、胡散臭くて気に食わなかったんですから……でも、今はそうじゃありませんから」
「……女性は口付けを繰り返した相手を好きと錯覚するらしいですか?」
「あなたは私の気持ちを錯覚で終わらせたいんですか?」
晦はしばらく黙った。
「もし、あなたが私のことを知って、本当に嫌わないでいたら、またきちんと告げさせてください」
それだけ晦は言った。どうして耳を伏せているのか、今の私ではわからなかった。
「それで、話を戻しますが。神庭の秘密、あなたの推測でいいから教えてくださいよ」
「あまり苦しまないでください」
「……苦しくもなりますよ。私たち……騙されていたんですから。でも、そうならばどうして桐女王は、あやかしに飼われていないんでしょうか。それに歴代の女王も……」
「……そのことについては、また確認しないことにはわからないでしょうな。ところで、ひとつ姫様に確認します」
「……なんですか?」
「あなたの体に、あなたの魂を戻す算段についてです」
私の今の体が元のものだったら、きっと跳ね上がっていたことだろう。晦は淡々と続けた。
「これから神庭に突入する場合、現状の式神の姿のほうが逃げ切れる算段が高いです。姫様が刀を振るって戦ってはいますが、それは式神姿のほうが重い刀を振るいやすいというのはあるでしょうから。私が現状生き霊の姿のため、防戦一方だからというのもあります。一方、今あなたの体を回収して突入というのも、あなたの体を安全に回収するための最善とは思いますが、戦う際に不備が生じる可能性が高い。どうなさいますか?」
晦の言葉に、私は押し黙った。
あやかしとの戦いは式神のほうが上だろう。生き霊の晦に跨がって神庭に向かったほうが、確実に偵察を終えて、都にとんぼ返りすることができるだろう。でも。
私の体は何物かに襲われている。これをそのまま放置していたら、私は元の体に戻れない可能性が高い。
私は既に晦に対して情があるし、このまま彼の式神のままでもいいかもしれない。そうぐらぐらと思いはじめてはいるものの。式神のままでは、彼とはなにも起こりようがない。だって晦は主であり、私は使役されているまま。その関係がいいものとは思えなかった。
この気持ちをこのまんま晦にぶつけたとしても、彼はいつものように煙に巻いてまともに答えてはくれないだろう。だから、私も今は言うつもりはない。
私は口を開いた。
「……元の体に戻りたいです。私の体を追いかけているものがいる以上、このまま野放しにしていたら、私の体が無事では済まないかもしれませんから。戦えないか戦えるかは、元の体に戻ってから考えます」
「……なるほど、わかりました。本当に姫様は凜々しい」
「それ、茶化していますか?」
私がむっとして尋ねると、晦はからからと笑った。狐姿でからから笑われると、跨がっている体がむずむずとする。
「いえ、褒めているんです。それでは、姫様の体を追いかけましょう」
「はいっ!」
晦は私を乗せて、そのままぴょーんぴょーんと跳びながら私の体を探しはじめた。
****
竹藪を走り続けることしばし。
やがて晦が「あそこです」と言った方角に目を留めた。明らかに煌びやかな十二単を着て、それでも衣を何枚か脱ぎ捨てて袴を持ち上げて走っているのは、私だった。
晦が声を上げた。
「止まりなさい。戻ってきなさい」
途端にビクンと私が振り返った。私の長い髪は出家と同時に肩までの長さに切り下ろされていた。そのまま走ってくる。
「それでは姫様。戻ってください」
「……私、今式神の状態ですけど、どうやって戻ればいいんですか」
「あなたの体ですからね、そのまま抱き着けばすぐ戻れますよ。その体だって元を辿れば、私が用意した人形ですから。人形が人間の体にピタリと貼り付く感覚で」
わかったような。わからないような。
一方私の体を遠隔操作していた蝶の式神は、そのまま晦の鼻の上に止まった。なにやら共有しているようだけれど、今の私にはそれがなんなのかわからない。
私は晦から一旦降りると、私の体を見た。必死で逃げてきた割に、体は綺麗なもので、無下に扱われた様子もない。そもそも神庭は楽の奉納を続ける以外では、優美な生活が約束されているはずなんだ。恋に恋する最近流行りの宮女みたいな生き方をしてない限りは、身の丈に合った生活ができるはずなんだけれど……それでも私の体は逃げ出した。
「……教えて、いったい神庭でなにがあったのか。私たちは、あやかしになにをされたの? なにをされようとしていたの?」
私が抱き着くと、途端に体がしゅーしゅーと吸い込まれる感覚に陥った。
違う。私が人形の体から魂が解き放たれ、元の体に戻ろうとしているんだ。しばし視界がぐるぐると回るけれど、それも一瞬だった。
最初に感じたのは、緑に覆われた森の青臭いにおい……そういえば、式神になってからというもの、特に鼻に関しては鈍感になっていたように思う。
私は自分自身のうなじに触れた。深くあやかしに噛み切られた跡が、今も指で触れればわかる程度に傷跡として残っている。たしかに、私の体だった。
そして私が自分の体に戻ったのを、晦が尋ねた。
「どうですか? 久々に戻った肉体の感想は?」
「そうですね……もっと久々だから違和感があるのかと思いましたけど……意外とないものですね」
「そうですね。姫様の体は元々退魔の素質が高いのですから、式神の体とあまり変わりがないのかもしれません」
「ええ? 退魔の素質ってなんなんですか……」
「そして姫様。現状あなたも私も丸腰です。見に行ったら、速効で離脱しますがよろしいですか?」
「あ……」
私は思わず背中を見た。
そうだ、式神用の刀だったんだから、背中に佩いていた刀が消えているのも道理なんだ……! 今の私は丸腰だし、生き霊状態の晦は戦えないし……でも。
ここまで来た以上は神庭に行くしかない。
私が再び晦に跨がると、晦は私を心配するように見上げた。
「姫様、覚悟はよろしい?」
「あまり言わないでください。私は大丈夫ですから……それに、あなたは先程式神から情報を抜いていましたけど、確認できたんですよね? どうして私が神庭から脱出していたか」
「ええ……一応は。最初に言っておきますが、神庭は既に本来の役割からかけ離れています」
「……あやかしを飼っている、王族の女たちはあやかしに飼われているということですよね?」
「それもですが……」
晦はだんだん走る速さを速めながら言葉を続けた。私は髪が靡くのも、服が重くてずり落ちそうになることも気にせず、晦にしがみついて話しを聞いていた。
「本来、神庭は神に祈りを捧げる場だったのですが、どうしてあやかしを飼う場になってしまったのか。そもそもどうして代々の女王がそれを許していたか、になるんですが。これも私が状況証拠を拾い、式神から抜いた情報による推測だとは言っておきます」
「もったいぶらないでください。あなたはずっと推測だからって教えてくれなかったじゃないですか」
「すみません。確証がないことを言って姫様を傷付けたくなかったんです……それに、私も姫様に嫌われたら傷付きますから」
それに私はドキリとした。
思えば、彼に何度も「愛しています」と言われても、それはその場しのぎの言葉だろうと相手にしていなかった。でも、私は今は彼への気持ちを改めている。それを晦本人には全く伝えていない。
私は彼の耳に頬を寄せながら言った。
「私があなたを嫌うことはありませんよ」
「いきなり魂を引っこ抜いたのに?」
「それは……あなたは私を助けてくれようとしたのでしょう?」
「調査のため、最初は姫様の交友関係やもろもろを利用するためでしたよ……」
「じゃあおんなじじゃないですか。私だって、最初はあなたのこと、胡散臭くて気に食わなかったんですから……でも、今はそうじゃありませんから」
「……女性は口付けを繰り返した相手を好きと錯覚するらしいですか?」
「あなたは私の気持ちを錯覚で終わらせたいんですか?」
晦はしばらく黙った。
「もし、あなたが私のことを知って、本当に嫌わないでいたら、またきちんと告げさせてください」
それだけ晦は言った。どうして耳を伏せているのか、今の私ではわからなかった。
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