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記憶の檻
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空はうっすらとラベンダー色に染まりつつあるものの、まだ外灯は点いていない。
長い影が伸びているものの、スキュラの下には影が落ちない。だから幻獣と言うのだろう。
私が箸を持っている中、茜は竹刀袋から竹刀を抜き取り、スキュラと対峙する。
先に茜が地面を蹴る。
「東雲さん、援護を!」
「わかってる!」
そうは言っても、私もせいぜいスキュラの目潰しくらいしかできない。
本来、スキュラは海辺にいる幻獣にもかかわらず、こうやって下校路に出てきているのがまずおかしいんだ。私は箸に魔力を込めるとそれを投擲する。
箸は鋭利な刃とになり、そのままスキュラの目に突き刺さろうとするものの。
「アアアアアアアアアアアアアアア…………!!」
超音波。
スキュラの女性の胴体が大声を放ち、私の投げた箸を落としてしまったんだ。箸はアスファルトを割って突き刺さる。
「ちっ!」
でもスキュラの隙はつくれたらしく、茜は竹刀を一閃させる。胴を薙ぎ払えば終わる……はずだったものの。
スキュラの犬の下半身が、茜の竹刀を加えたのが。
「ガルルルルルルルルルルルルッ…………っ!!」
本当に嫌。
女の上半身は超音波、犬の下半身は牙を剥き出しにしてこちらを睨んでくるし……走ってくるのがそのまんま大型犬のスピードなのだから。
スキュラはそのまんま茜に突進してこようとするのを、なんとか竹刀で受け止めるものの、大型犬と女の体重をそのまんま受け止めるのは、いくら茜が剣道部員とはいえども分が悪い。
私は慌ててもう一本箸を出すと、それをスキュラにぶつけようとして、躊躇う。
今、茜が超音波を浴びたら……間違いなく犬の下半身に噛み殺される。でも、これ以上持つとは思えない。どうしよう。どうしよう。
「ああんっ、もう! せめてあとひとり……!」
「あれ、困ってる?」
軽いノリで声をかけられ、私は驚いて振り返った。
既に採集下校時刻は過ぎていたというのに、羅馬大学付属高校の制服を着た、ちょっと小柄な男の子がこちらを見ていたのだ。
「あんたは……」
「アハハハハ、わかりやすいね。ウエスタ」
「……っ! あんたも、まさか前世を」
「幻獣も久々に見たなあ。まさか、また見るなんて思わなかったけど」
たしか、この子は。みはるが私の突飛な相談で紹介してくれた後輩の……。
「日盛くん……?」
「うん。前世だったら、グラディウスって名乗ってたかな」
「……っっ!!」
思わず喉を詰まらせた。
『逆行のフォルトゥナ』攻略対象の中での最強戦力。戦神の寵愛を一身に受けているってされているこの子がいるんだったら、スキュラだって挽回できる!
「茜! 日盛が……グラディウスが加勢してくれるって! ……加勢ってことでいいんだよね?」
「いいよー。だってさ、現世で戦えるなんて思わなかったもん」
彼はまるでストリートダンスでも踊り出すような軽い足取りでスキュラの元に踊り出ると、本当にダンスでの跳躍のように小柄な脚を踏み出して、スキュラの下半身の犬を蹴り上げた。途端にスキュラの体のバランスを崩す。
あまりにもあっさりとした様子で、一瞬茜はギョッとしたものの、超音波が来る前にとどめを刺さないと、こっちだって全滅だ。
茜は起き上がろうとするスキュラが胴を起こそうとする前に、聖剣を振るったのだ。途端に血がアスファルトを染め上げたものの、それは一瞬。すぐにスキュラもろとも、血もにおいも風に流されて消えてしまった。
「……驚いた。助かった」
「別にー? ああ、キミはムルキベルか。相変わらず生真面目ー。それでウエスタを振り回してたの?」
「そんなことはない……彼女は東雲まりなさん。普通の女の子だ」
「アハハハハハハ……ウエスタを普通って思ったことは一度もないのに、普通だって言っちゃうんだあ」
なんだと、ヤンノカコラァ。
よくよく思い返せば、グラディウスはすぐに空気を読まない神経逆撫でするようなことをすぐ言う奴だった。顔がよければ許されるってレベルではない。
思わずガウガウしていたものの、グラディウス……日盛は特に気にする様子もなかった。
「でも、だとしたらどうしてオレたち、ここにいるの?」
「……それ、どういう意味?」
「んー……だってオレ、フォルトゥナからしたら価値ある人間だし、転生なんかさせるよりも飼い殺しにされてると思ったからさ。なんで死んでここにいるんだろうなあと思っただけで」
「……一応聞くけど、日盛は前世のこと、どこまで覚えてるの?」
「フォルトゥナが世界を滅ぼそうとしたから、それを阻止しようとしたところまではうっすらと覚えてるんだけど、死因は曖昧。そもそもいつ死んだんだろうなって感じかなあ」
「……そっか」
「そういうウエスタはあ? ああ、そっか。今は東雲センパイだっけ?」
「その言い方すっごく嫌」
「アハハハハハハ……前世ではもっとか弱い感じだったと思うけど、あれ演技だったんだ?」
だから、なんでそこまでグイグイ来るんだよ、この子は。前世では特にグラディウスとどうこうなった覚えないんだけどなあ。
それに茜も困ってるし。
結局私たちは、連絡先を交換して一旦解散することにした。茜は私を家まで送ってから去って行くのを見送りつつ、私も家に帰る。
さすがに戦闘して、前世の攻略対象たちとコンタクト取って、呪われてるらしいから前世のことについて調査しようって話……。
「……なんだか出来過ぎてる」
前世が乙女ゲームの世界だったんだから、出来過ぎなことはいくらでもあった。でも同時にブラックサレナの癖が強過ぎるシナリオとゲームシステムも相まって、やけに生々しいプレイ体験だったし、前世の私は恋愛する暇がなく終わっている。
でも……。記憶の欠落。それがあるって断定されているのに、それって取り戻せるもんなんだろうか。『逆行のフォルトゥナ』の周回プレイ中でバッドエンドを獲得した場合、必ずひとつ前のエンドは消失するからやり直さないとトゥルーエンドにまで到達できなかった。それが今回は全てのバッドエンドを回収してここにいる。
「……ゲームのシステムを覚えているのは、多分これが前世の記憶じゃなくって、前々世の記憶に依存しているからだと思う」
ゲームのシナリオ自体は忘れてなくても、肝心の前世でどうやって死んだのか、敵の目的は、私はそもそも前世でなにをそこまで必死になっていたのか。その辺りの忘れてたら駄目なことがことごとく抜け落ちている。
その癖質が悪く、私は負の成功体験を積み上げてしまって、自信が消失している自覚がある。
「……乙女ゲーム体験を思い出したのに、全然ご褒美にならないのはなんでだ」
げんなりとしながらも、明日からどうすればいいのか考えないといけないし。
幻獣との戦いに備えて、鞄の中に食器を詰め込まないといけない。あんまり重い物なんて持ち歩けないし、お箸いっぱい百均で買わないとなあ。げんなりしながら、親に呼ばれて食事に向かっていったのだ。
長い影が伸びているものの、スキュラの下には影が落ちない。だから幻獣と言うのだろう。
私が箸を持っている中、茜は竹刀袋から竹刀を抜き取り、スキュラと対峙する。
先に茜が地面を蹴る。
「東雲さん、援護を!」
「わかってる!」
そうは言っても、私もせいぜいスキュラの目潰しくらいしかできない。
本来、スキュラは海辺にいる幻獣にもかかわらず、こうやって下校路に出てきているのがまずおかしいんだ。私は箸に魔力を込めるとそれを投擲する。
箸は鋭利な刃とになり、そのままスキュラの目に突き刺さろうとするものの。
「アアアアアアアアアアアアアアア…………!!」
超音波。
スキュラの女性の胴体が大声を放ち、私の投げた箸を落としてしまったんだ。箸はアスファルトを割って突き刺さる。
「ちっ!」
でもスキュラの隙はつくれたらしく、茜は竹刀を一閃させる。胴を薙ぎ払えば終わる……はずだったものの。
スキュラの犬の下半身が、茜の竹刀を加えたのが。
「ガルルルルルルルルルルルルッ…………っ!!」
本当に嫌。
女の上半身は超音波、犬の下半身は牙を剥き出しにしてこちらを睨んでくるし……走ってくるのがそのまんま大型犬のスピードなのだから。
スキュラはそのまんま茜に突進してこようとするのを、なんとか竹刀で受け止めるものの、大型犬と女の体重をそのまんま受け止めるのは、いくら茜が剣道部員とはいえども分が悪い。
私は慌ててもう一本箸を出すと、それをスキュラにぶつけようとして、躊躇う。
今、茜が超音波を浴びたら……間違いなく犬の下半身に噛み殺される。でも、これ以上持つとは思えない。どうしよう。どうしよう。
「ああんっ、もう! せめてあとひとり……!」
「あれ、困ってる?」
軽いノリで声をかけられ、私は驚いて振り返った。
既に採集下校時刻は過ぎていたというのに、羅馬大学付属高校の制服を着た、ちょっと小柄な男の子がこちらを見ていたのだ。
「あんたは……」
「アハハハハ、わかりやすいね。ウエスタ」
「……っ! あんたも、まさか前世を」
「幻獣も久々に見たなあ。まさか、また見るなんて思わなかったけど」
たしか、この子は。みはるが私の突飛な相談で紹介してくれた後輩の……。
「日盛くん……?」
「うん。前世だったら、グラディウスって名乗ってたかな」
「……っっ!!」
思わず喉を詰まらせた。
『逆行のフォルトゥナ』攻略対象の中での最強戦力。戦神の寵愛を一身に受けているってされているこの子がいるんだったら、スキュラだって挽回できる!
「茜! 日盛が……グラディウスが加勢してくれるって! ……加勢ってことでいいんだよね?」
「いいよー。だってさ、現世で戦えるなんて思わなかったもん」
彼はまるでストリートダンスでも踊り出すような軽い足取りでスキュラの元に踊り出ると、本当にダンスでの跳躍のように小柄な脚を踏み出して、スキュラの下半身の犬を蹴り上げた。途端にスキュラの体のバランスを崩す。
あまりにもあっさりとした様子で、一瞬茜はギョッとしたものの、超音波が来る前にとどめを刺さないと、こっちだって全滅だ。
茜は起き上がろうとするスキュラが胴を起こそうとする前に、聖剣を振るったのだ。途端に血がアスファルトを染め上げたものの、それは一瞬。すぐにスキュラもろとも、血もにおいも風に流されて消えてしまった。
「……驚いた。助かった」
「別にー? ああ、キミはムルキベルか。相変わらず生真面目ー。それでウエスタを振り回してたの?」
「そんなことはない……彼女は東雲まりなさん。普通の女の子だ」
「アハハハハハハ……ウエスタを普通って思ったことは一度もないのに、普通だって言っちゃうんだあ」
なんだと、ヤンノカコラァ。
よくよく思い返せば、グラディウスはすぐに空気を読まない神経逆撫でするようなことをすぐ言う奴だった。顔がよければ許されるってレベルではない。
思わずガウガウしていたものの、グラディウス……日盛は特に気にする様子もなかった。
「でも、だとしたらどうしてオレたち、ここにいるの?」
「……それ、どういう意味?」
「んー……だってオレ、フォルトゥナからしたら価値ある人間だし、転生なんかさせるよりも飼い殺しにされてると思ったからさ。なんで死んでここにいるんだろうなあと思っただけで」
「……一応聞くけど、日盛は前世のこと、どこまで覚えてるの?」
「フォルトゥナが世界を滅ぼそうとしたから、それを阻止しようとしたところまではうっすらと覚えてるんだけど、死因は曖昧。そもそもいつ死んだんだろうなって感じかなあ」
「……そっか」
「そういうウエスタはあ? ああ、そっか。今は東雲センパイだっけ?」
「その言い方すっごく嫌」
「アハハハハハハ……前世ではもっとか弱い感じだったと思うけど、あれ演技だったんだ?」
だから、なんでそこまでグイグイ来るんだよ、この子は。前世では特にグラディウスとどうこうなった覚えないんだけどなあ。
それに茜も困ってるし。
結局私たちは、連絡先を交換して一旦解散することにした。茜は私を家まで送ってから去って行くのを見送りつつ、私も家に帰る。
さすがに戦闘して、前世の攻略対象たちとコンタクト取って、呪われてるらしいから前世のことについて調査しようって話……。
「……なんだか出来過ぎてる」
前世が乙女ゲームの世界だったんだから、出来過ぎなことはいくらでもあった。でも同時にブラックサレナの癖が強過ぎるシナリオとゲームシステムも相まって、やけに生々しいプレイ体験だったし、前世の私は恋愛する暇がなく終わっている。
でも……。記憶の欠落。それがあるって断定されているのに、それって取り戻せるもんなんだろうか。『逆行のフォルトゥナ』の周回プレイ中でバッドエンドを獲得した場合、必ずひとつ前のエンドは消失するからやり直さないとトゥルーエンドにまで到達できなかった。それが今回は全てのバッドエンドを回収してここにいる。
「……ゲームのシステムを覚えているのは、多分これが前世の記憶じゃなくって、前々世の記憶に依存しているからだと思う」
ゲームのシナリオ自体は忘れてなくても、肝心の前世でどうやって死んだのか、敵の目的は、私はそもそも前世でなにをそこまで必死になっていたのか。その辺りの忘れてたら駄目なことがことごとく抜け落ちている。
その癖質が悪く、私は負の成功体験を積み上げてしまって、自信が消失している自覚がある。
「……乙女ゲーム体験を思い出したのに、全然ご褒美にならないのはなんでだ」
げんなりとしながらも、明日からどうすればいいのか考えないといけないし。
幻獣との戦いに備えて、鞄の中に食器を詰め込まないといけない。あんまり重い物なんて持ち歩けないし、お箸いっぱい百均で買わないとなあ。げんなりしながら、親に呼ばれて食事に向かっていったのだ。
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