11 / 16
想い出はいつでも優しかった
しおりを挟む
彼女と初めて出会ったのは、父から見合い相手が決まったと話があったときだった。
「柳田家のご令嬢だ。話をしてあげなさい」
正直、当時中等学校に通いはじめた僕からしてみれば、女子としゃべるのはまずは気恥ずかしさのほうが勝り、いったいなにを話せばいいのかわからないと思いながら、父に連れてこられた食事の席に向かったのだ。
「早乙女様……こちらがご令息の?」
「うちの次男となります。幸哉、挨拶を」
「早乙女幸哉と申します」
「いやあ、しっかりとしていますね!」
「口先だけは達者ですので」
和やかな大人のやり取りに、僕は内心辟易していた。
その中で、同じく気まずそうな顔をしている人と目が合った。
長い束髪に赤いリボンを留め、美しい友禅の着物を着ている人だった。
僕が会釈をすると、彼女もまたようやくほっとした顔で会釈をした。家で厳しく「男を立てろ」と育てられた人なのだろうと思う。現に互いの男親が話している間も、僕が挨拶をしている間も、ひと言たりとも口を開いてはいない。
やがて男親ふたりにせかされる形で、ふたりで料亭の庭を散歩することになった。
今は秋。庭では紅葉が見頃であり、歩いていても時折ひらりと舞い落ちた紅葉が見える。
その燃えるような夕焼けのような赤々とした様は、見事なものだった。
「綺麗ですね。そういえば、お名前をお伺いしておりませんね。よろしければ、なんとお呼びしていいか、教えていただいてもよろしいでしょうか?」
僕がそう尋ねると、彼女は心底驚いた顔をした。
「……柳田登紀子と申します」
「登紀子さんですね。申し遅れました。僕は早乙女幸哉と申します。いきなり結婚と言われてしまっても、ぴんと来ませんね」
一応それが当たり前だった。
女学生は無事に卒業するよりも、結婚のために中退するのが誉というのが通例だったけれど。
それに登紀子さんは初めてわかりやすく顔を曇らせた。
「登紀子さん?」
「……婚約者に対して、そういうことを言うのは失礼だと承知ですが。結婚は待ってもらってもよろしいでしょうか?」
「もしかして、結婚はお嫌ですか?」
「私が、卒業するまでは……」
「もしかして、勉学がお好きでしたか?」
華族の場合は、未だに江戸時代からの習わしで、花嫁修業以外だったら、せいぜい英語くらいで、他の勉強は嫌がられるが、今時それも時代錯誤に思える。
僕の問いに、途端に登紀子さんは気まずそうに視線を逸らしてしまった。
「その……図書館に通えなくなりますから」
「図書館……もしかして、登紀子さんは読書がお好きですか?」
途端に登紀子さんは、今までになく明るい表情になった。
小説を読むのは子供じみている。もっといいものを読むようにという風潮が付きまとう一方、小説家があれこれと作品を発表し、それを夢中になって読む女性も大勢いた。
僕も流行小説には手を出しては、父に嫌な顔をされていた。「低俗な趣味を持ち込むんじゃない」とは、父の口癖だった。
登紀子さんははにかみながら、夢中で本の話をする。
「お父様は私が本を買うのをよしとしませんから……私がこっそりと買うと、知らない内に捨ててしまうんで。ですから、学校の図書館でしか本は読めなかったんです」
「そうですか……でしたら、僕と結婚したときも、どうにかして本棚を隠さないといけませんね?」
「え? 幸哉さんは本を……」
「好きですよ。人は低俗だとおっしゃいますが、僕にはそうとは思えません。舞台は公演に行く時間と券を手に入れなければ行けませんし、シネマも同じですね。でも本であったら、本一冊手に入れば、好きなだけ没頭できるじゃないですか。それはすごいことですよ」
「わ、私もそう思います……!」
それからふたりで、夢中で本の話をした。そのときにころころと笑うときに口元に手を当てる仕草、目尻に涙を浮かべたときにそれを指先で弾く様。
それを見て、初めて彼女が美しい人なんだと気が付いた。
先程までの座敷で座っていたとき、彼女はまるで人の都合のいいように精巧につくられた人形のようにしか見えず、不気味にしか思えなかったが、こうやってにこにこと笑う様が、本来の彼女なのだろうと思い至った。
もし登紀子さんが、なんの意思も示さず、人形でいることだけを望まれているのだとしたら、それはあんまりにも哀れだ。
僕と正式に婚姻を結んだ際には、彼女がなるべく不自由に思わないようにしないといけない。
──そう、思っていたのに。
事態は僕の思ってもいない方向に転がって行ってしまったのである。
****
柳田家が没落寸前にまで追い詰められ、借金のかたに登紀子さんが売り飛ばされた。
話としてみればよくある悲劇ながらも、僕はそれを認めることができず、彼女を探すために必死で資金をつくりはじめた。
なにぶん吉原は秘密主義であり、座敷で起こったことは、外聞できないようになっている。当然ながら売られた女性ひとりを探すにしても、人手も必要ならば、資金だって必要だった。
吉原に恩義をつくるにはどうしたらいいかと昼間の吉原を一度散策した際に、ここを歩く芸妓の服の質が落ちていることに気が付いた。
思えば最近の女学生の着ている着物は大量生産の銘仙が多く、物量の前に一点ものをつくっている着物職人たちが窮地にたたされているのではないかと気が付いた。
売れないとなったら、着物の値段を上げるしかないが、そうなったら芸妓がなかなか買うことができない。
このままではどちらもずるずると落ちぶれていくのを思ったら、ここに介入すればいいのではないか。
僕は実家から出た際に持ってきた資金で、職人の工房を買い上げ、資金援助をした途端に、着物の値段が元に戻り、芸妓も職人たちも息を吹き返してきた。
お金が入ってきたら情報も入って来る。そこから僕は少しずつ吉原の様子を探っている中、気がかりな話が出てきた。
「最近、巷でいろいろと羽目を外している鬼龍院商店が、吉原でも商売をはじめたいと、女郎屋に資金援助をはじめたらしいよ」
それに僕は顔をしかめた。
鬼龍院誠一。登紀子さんの実家を借金地獄に叩き落した張本人であり、父が僕から早乙女家に火の粉が飛ばないようにと、さっさと婚約を破談するくらいには力を蓄えつつある成金。
あれが吉原で商売をはじめようとしているということは……あれもおそらくは、登紀子さんを探している。
あれは正直、彼女を人間と思っているかが怪しい。
登紀子さんの父のように、彼女を精巧な人形のように扱っているように思える。
……彼女を早めに探さないと危ない。
「……登紀子さん」
探偵を雇い、彼に吉原中の置屋を探ってもらい、やっと見つけた彼女は、芸妓の仕込みの真っ最中だった。
「別嬪さんですねえ」
雇った服部さんはそう評価したが、僕は首を振った。
「彼女の美しさは、造形じゃないよ」
「綺麗なののどこがそんなに問題があるんですかね?」
「……彼女は、それで苦しんでいたみたいだから」
彼女に金をかけ、身請けの算段を立てる。これで彼女に恨まれはしないか、憎まれはしないか、彼女を見た目だけしか考えてないと誤解されないか。
僕はそればかりを気にした。
……彼女は、自身が知識欲が豊富であり、一筋縄ではいかない人だということを、隠さなければ生きていけなかった。
彼女の見目を褒めるということは、彼女にがっかりされるということと同じだった。
あのころころと笑う彼女の笑顔が恋しい。
ふたりでこっそりと畳の下に本の書庫をつくり、ふたりで持ち寄った本を入れては、互いに好きな作家の新刊について語り合った日々が恋しい。
彼女との温かく優しい思い出だけば、僕を必死に駆り立てていた。
「柳田家のご令嬢だ。話をしてあげなさい」
正直、当時中等学校に通いはじめた僕からしてみれば、女子としゃべるのはまずは気恥ずかしさのほうが勝り、いったいなにを話せばいいのかわからないと思いながら、父に連れてこられた食事の席に向かったのだ。
「早乙女様……こちらがご令息の?」
「うちの次男となります。幸哉、挨拶を」
「早乙女幸哉と申します」
「いやあ、しっかりとしていますね!」
「口先だけは達者ですので」
和やかな大人のやり取りに、僕は内心辟易していた。
その中で、同じく気まずそうな顔をしている人と目が合った。
長い束髪に赤いリボンを留め、美しい友禅の着物を着ている人だった。
僕が会釈をすると、彼女もまたようやくほっとした顔で会釈をした。家で厳しく「男を立てろ」と育てられた人なのだろうと思う。現に互いの男親が話している間も、僕が挨拶をしている間も、ひと言たりとも口を開いてはいない。
やがて男親ふたりにせかされる形で、ふたりで料亭の庭を散歩することになった。
今は秋。庭では紅葉が見頃であり、歩いていても時折ひらりと舞い落ちた紅葉が見える。
その燃えるような夕焼けのような赤々とした様は、見事なものだった。
「綺麗ですね。そういえば、お名前をお伺いしておりませんね。よろしければ、なんとお呼びしていいか、教えていただいてもよろしいでしょうか?」
僕がそう尋ねると、彼女は心底驚いた顔をした。
「……柳田登紀子と申します」
「登紀子さんですね。申し遅れました。僕は早乙女幸哉と申します。いきなり結婚と言われてしまっても、ぴんと来ませんね」
一応それが当たり前だった。
女学生は無事に卒業するよりも、結婚のために中退するのが誉というのが通例だったけれど。
それに登紀子さんは初めてわかりやすく顔を曇らせた。
「登紀子さん?」
「……婚約者に対して、そういうことを言うのは失礼だと承知ですが。結婚は待ってもらってもよろしいでしょうか?」
「もしかして、結婚はお嫌ですか?」
「私が、卒業するまでは……」
「もしかして、勉学がお好きでしたか?」
華族の場合は、未だに江戸時代からの習わしで、花嫁修業以外だったら、せいぜい英語くらいで、他の勉強は嫌がられるが、今時それも時代錯誤に思える。
僕の問いに、途端に登紀子さんは気まずそうに視線を逸らしてしまった。
「その……図書館に通えなくなりますから」
「図書館……もしかして、登紀子さんは読書がお好きですか?」
途端に登紀子さんは、今までになく明るい表情になった。
小説を読むのは子供じみている。もっといいものを読むようにという風潮が付きまとう一方、小説家があれこれと作品を発表し、それを夢中になって読む女性も大勢いた。
僕も流行小説には手を出しては、父に嫌な顔をされていた。「低俗な趣味を持ち込むんじゃない」とは、父の口癖だった。
登紀子さんははにかみながら、夢中で本の話をする。
「お父様は私が本を買うのをよしとしませんから……私がこっそりと買うと、知らない内に捨ててしまうんで。ですから、学校の図書館でしか本は読めなかったんです」
「そうですか……でしたら、僕と結婚したときも、どうにかして本棚を隠さないといけませんね?」
「え? 幸哉さんは本を……」
「好きですよ。人は低俗だとおっしゃいますが、僕にはそうとは思えません。舞台は公演に行く時間と券を手に入れなければ行けませんし、シネマも同じですね。でも本であったら、本一冊手に入れば、好きなだけ没頭できるじゃないですか。それはすごいことですよ」
「わ、私もそう思います……!」
それからふたりで、夢中で本の話をした。そのときにころころと笑うときに口元に手を当てる仕草、目尻に涙を浮かべたときにそれを指先で弾く様。
それを見て、初めて彼女が美しい人なんだと気が付いた。
先程までの座敷で座っていたとき、彼女はまるで人の都合のいいように精巧につくられた人形のようにしか見えず、不気味にしか思えなかったが、こうやってにこにこと笑う様が、本来の彼女なのだろうと思い至った。
もし登紀子さんが、なんの意思も示さず、人形でいることだけを望まれているのだとしたら、それはあんまりにも哀れだ。
僕と正式に婚姻を結んだ際には、彼女がなるべく不自由に思わないようにしないといけない。
──そう、思っていたのに。
事態は僕の思ってもいない方向に転がって行ってしまったのである。
****
柳田家が没落寸前にまで追い詰められ、借金のかたに登紀子さんが売り飛ばされた。
話としてみればよくある悲劇ながらも、僕はそれを認めることができず、彼女を探すために必死で資金をつくりはじめた。
なにぶん吉原は秘密主義であり、座敷で起こったことは、外聞できないようになっている。当然ながら売られた女性ひとりを探すにしても、人手も必要ならば、資金だって必要だった。
吉原に恩義をつくるにはどうしたらいいかと昼間の吉原を一度散策した際に、ここを歩く芸妓の服の質が落ちていることに気が付いた。
思えば最近の女学生の着ている着物は大量生産の銘仙が多く、物量の前に一点ものをつくっている着物職人たちが窮地にたたされているのではないかと気が付いた。
売れないとなったら、着物の値段を上げるしかないが、そうなったら芸妓がなかなか買うことができない。
このままではどちらもずるずると落ちぶれていくのを思ったら、ここに介入すればいいのではないか。
僕は実家から出た際に持ってきた資金で、職人の工房を買い上げ、資金援助をした途端に、着物の値段が元に戻り、芸妓も職人たちも息を吹き返してきた。
お金が入ってきたら情報も入って来る。そこから僕は少しずつ吉原の様子を探っている中、気がかりな話が出てきた。
「最近、巷でいろいろと羽目を外している鬼龍院商店が、吉原でも商売をはじめたいと、女郎屋に資金援助をはじめたらしいよ」
それに僕は顔をしかめた。
鬼龍院誠一。登紀子さんの実家を借金地獄に叩き落した張本人であり、父が僕から早乙女家に火の粉が飛ばないようにと、さっさと婚約を破談するくらいには力を蓄えつつある成金。
あれが吉原で商売をはじめようとしているということは……あれもおそらくは、登紀子さんを探している。
あれは正直、彼女を人間と思っているかが怪しい。
登紀子さんの父のように、彼女を精巧な人形のように扱っているように思える。
……彼女を早めに探さないと危ない。
「……登紀子さん」
探偵を雇い、彼に吉原中の置屋を探ってもらい、やっと見つけた彼女は、芸妓の仕込みの真っ最中だった。
「別嬪さんですねえ」
雇った服部さんはそう評価したが、僕は首を振った。
「彼女の美しさは、造形じゃないよ」
「綺麗なののどこがそんなに問題があるんですかね?」
「……彼女は、それで苦しんでいたみたいだから」
彼女に金をかけ、身請けの算段を立てる。これで彼女に恨まれはしないか、憎まれはしないか、彼女を見た目だけしか考えてないと誤解されないか。
僕はそればかりを気にした。
……彼女は、自身が知識欲が豊富であり、一筋縄ではいかない人だということを、隠さなければ生きていけなかった。
彼女の見目を褒めるということは、彼女にがっかりされるということと同じだった。
あのころころと笑う彼女の笑顔が恋しい。
ふたりでこっそりと畳の下に本の書庫をつくり、ふたりで持ち寄った本を入れては、互いに好きな作家の新刊について語り合った日々が恋しい。
彼女との温かく優しい思い出だけば、僕を必死に駆り立てていた。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
【完結】ヤンデレ設定の義弟を手塩にかけたら、シスコン大魔法士に育ちました!?
三月よる
恋愛
14歳の誕生日、ピフラは自分が乙女ゲーム「LOVE/HEART(ラブハート)」通称「ラブハ」の悪役である事に気がついた。シナリオ通りなら、ピフラは義弟ガルムの心を病ませ、ヤンデレ化した彼に殺されてしまう運命。生き残りのため、ピフラはガルムのヤンデレ化を防止すべく、彼を手塩にかけて育てる事を決意する。その後、メイドに命を狙われる事件がありながらも、良好な関係を築いてきた2人。
そして10年後。シスコンに育ったガルムに、ピフラは婚活を邪魔されていた。姉離れのためにガルムを結婚させようと、ピフラは相手のヒロインを探すことに。そんなある日、ピフラは謎の美丈夫ウォラクに出会った。彼はガルムと同じ赤い瞳をしていた。そこで「赤目」と「悪魔と黒魔法士」の秘密の相関関係を聞かされる。その秘密が過去のメイド事件と重なり、ピフラはガルムに疑心を抱き始めた。一方、ピフラを監視していたガルムは自分以外の赤目と接触したピフラを監禁して──?
恋する狐と文士さん
石田空
恋愛
小さい頃に町に遊びに行って石を投げられているのを助けてくれた文士さんに、一途に恋する化け狐の木葉。
文士さん……馨が女中を募集したのを知り、彼に近付く千載一遇のチャンス! とばかりに女中として働きはじめるが。
彼はすっかりとあやかし嫌いになっていた。
好きになってくれなくてもかまわない。
どうかわたしを嫌いにならないで。
一途な狐と頑な訳あり文士の、ほのぼの切ない恋模様。
他サイトでも公開しております。
寵愛の檻
枳 雨那
恋愛
《R18作品のため、18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。》
――監禁、ヤンデレ、性的支配……バッドエンドは回避できる?
胡蝶(こちょう)、朧(おぼろ)、千里(せんり)の3人は幼い頃から仲の良い3人組。胡蝶は昔から千里に想いを寄せ、大学生になった今、思い切って告白しようとしていた。
しかし、そのことを朧に相談した矢先、突然監禁され、性的支配までされてしまう。優しくシャイだった朧の豹変に、翻弄されながらも彼を理解しようとする胡蝶。だんだんほだされていくようになる。
一方、胡蝶と朧の様子がおかしいと気付いた千里は、胡蝶を救うために動き出す。
*表紙イラストはまっする(仮)様よりお借りしております。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
私の花魁ひざくりげ
タニマリ
恋愛
安政4年、時は江戸時代末期。9歳の私は吉原へと連れてこられた。
そこで見かけた花魁道中……この世のものとは思えない美しさに一瞬で心を奪われた。
この出逢いが私の運命を決定づけた。
遊郭に売られた自分の悲運にくじけている場合ではない。やるならトコトンやってやる。
目指すは最上級遊女、花魁だ!!
それから8年。
願いを成就させるためにいつものように神社で願掛けしていると、正体不明の謎の色男が話しかけてきた。
出逢ってそうそう、失礼なことばかり言ってくる男に嫌悪感を抱く……
だがこの男との出逢いこそが、私の今後の人生を大きく狂わせることとなるのだった─────……
男吉原のJK用心棒
犬神まつり
恋愛
「相良那月、18歳。
男吉原の用心棒になりました!?」
ただの女子高校生がタイムトリップして辿り着いたのは女達が一夜の夢を求め、男を買う島。
そんな島の一大遊郭『天屋』の楼主に気に入られた那月は天屋の用心棒にならないかと誘われる。
元の時代へ帰る方法を探すまでの間、天屋に身を寄せる事を決意した那月だったが、男娼達は一癖も二癖もある強者ばかりだった。
*内容の改変により、新しく書き直しました。
ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる