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シルバニアダンディー・1
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久しぶりに高校の同級生のアキ子が遊びにやって来た。
「この部屋は変わんないわねぇ」
「でしょー」
アキ子はキョロキョロと私の部屋を見回している。
「あ、ちょっと、これどうしたの?」
「うん、そろそろ捨てようかと思って」
私はこれまで何度も捨てようと思って捨てられなかったそれと、ついにサヨナラする決心をしたばかりだ。
「ええ、どうして?いいじゃん取っておけば」
「いやあ、そうやってずっと捨てられなかったからさ。もういい加減思い切らないといけないかなって」
私が大人になっても捨てられなかったもの、それは小さな人形たちがセットになったドールハウスだ。
「そうなの?じゃあ、捨てる前に一度いっしょに遊ばない?私、小さい頃これ欲しかったけど、買ってもらえなかったんだよねー」
アキ子は私の返事を待たずに、ドールハウスに手をかけた。
「あ、ちょっと、ダメだってば」
私は止めようとしたけれど、もう遅かった。
「あれ、これって、あれれ?」
「だから、言ったのにー」
そう、このドールハウスはアキ子が思っているのとは少し、いやかなり違っているのだ。
「これ、なんで動物じゃないの」
「えっと、それは・・・」
まさかアキ子がこれに食いつくとは思っていなかった。
もし分かっていたら、わざわざ見えるところに置かなかったのに。
「ていうか、おじさん?どういう設定なのこれ?」
「私もよく分かんないよ」
「だって、ゆき子はこれで遊んでたんでしょ?」
「そうだけど」
それについては触れて欲しくない。
こんなもので遊んでいた姿を想像されるだけで屈辱的だ。
それでも私にとってはお気に入りのおもちゃであったことには違いない。
なにしろ、大人になるまで手放すことができなかったのだから。
だからこそ、余計に恥ずかしいとも言えるのだけれど。
私が小さい頃、可愛らしい動物の人形とドールハウスがセットになったおもちゃが大人気だった。
私は誕生日やクリスマスにそれをねだったけれど、アキ子と同じように買ってもらえなかったのだ。
しかし、ある日父が大きな包みを抱えて帰って来た。
その中身がこのドールハウスだったのだ。
私の頭の中にはCMで見たあの可愛らしい動物たちの姿が映し出され、それが自分のものになったという喜びが私を包みこんでいた。
そのドールハウスを開ける瞬間までは。
「この部屋は変わんないわねぇ」
「でしょー」
アキ子はキョロキョロと私の部屋を見回している。
「あ、ちょっと、これどうしたの?」
「うん、そろそろ捨てようかと思って」
私はこれまで何度も捨てようと思って捨てられなかったそれと、ついにサヨナラする決心をしたばかりだ。
「ええ、どうして?いいじゃん取っておけば」
「いやあ、そうやってずっと捨てられなかったからさ。もういい加減思い切らないといけないかなって」
私が大人になっても捨てられなかったもの、それは小さな人形たちがセットになったドールハウスだ。
「そうなの?じゃあ、捨てる前に一度いっしょに遊ばない?私、小さい頃これ欲しかったけど、買ってもらえなかったんだよねー」
アキ子は私の返事を待たずに、ドールハウスに手をかけた。
「あ、ちょっと、ダメだってば」
私は止めようとしたけれど、もう遅かった。
「あれ、これって、あれれ?」
「だから、言ったのにー」
そう、このドールハウスはアキ子が思っているのとは少し、いやかなり違っているのだ。
「これ、なんで動物じゃないの」
「えっと、それは・・・」
まさかアキ子がこれに食いつくとは思っていなかった。
もし分かっていたら、わざわざ見えるところに置かなかったのに。
「ていうか、おじさん?どういう設定なのこれ?」
「私もよく分かんないよ」
「だって、ゆき子はこれで遊んでたんでしょ?」
「そうだけど」
それについては触れて欲しくない。
こんなもので遊んでいた姿を想像されるだけで屈辱的だ。
それでも私にとってはお気に入りのおもちゃであったことには違いない。
なにしろ、大人になるまで手放すことができなかったのだから。
だからこそ、余計に恥ずかしいとも言えるのだけれど。
私が小さい頃、可愛らしい動物の人形とドールハウスがセットになったおもちゃが大人気だった。
私は誕生日やクリスマスにそれをねだったけれど、アキ子と同じように買ってもらえなかったのだ。
しかし、ある日父が大きな包みを抱えて帰って来た。
その中身がこのドールハウスだったのだ。
私の頭の中にはCMで見たあの可愛らしい動物たちの姿が映し出され、それが自分のものになったという喜びが私を包みこんでいた。
そのドールハウスを開ける瞬間までは。
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