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【最終章 西上作戦】 武田家を滅ぼす策略に抗うべく、信長と家康打倒を決断す
第五十四話 武田信玄、望まぬ戦いに出撃す
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1572年10月。
独裁者・武田信玄は、武田軍の将兵3万人を前に演説を始めた。
「皆の者!
よく聞け!
京の都におわす足利将軍家より、一つの命が下った。
『将軍を軽んじ……
幕府を牛耳っている奸賊、織田信長を討伐せよ』
と。
ここに、その命令書がある!
正義は我らにこそあるのじゃ!
平氏あがりの平信長[この頃の信長は平氏の末裔を自称している]が何するものぞ!
甲斐源氏の名門たる武田家こそ、幕府軍を率いるに相応しい家柄であろう!」
こう続けた。
「これより幕府軍の一員として織田信長を討伐するが、その前に……
道中に立ち塞がる徳川家康を叩き潰す!
奴はこの3年間、我らをひたすら愚弄してきた。
共に今川家を討とうと手を結んだにも関わらず、勝手に今川家と和睦しただけでなく、陰でこそこそと北条家や上杉家と結んで我らの背後を襲わせようと企んでいたのじゃ!
それだけではないぞ!
我が家臣の所有物であった徳川家康の弟という人質を奪還するために、何と伊賀者を雇って大勢の無垢の民を嬲り殺しにした『大罪人』でもある!」
「我らを裏切って北条や上杉と結んだだけでなく……
あの欲深く、人でなしの伊賀者を雇って大勢の無垢の民を嬲り殺しにしただと……!?
姑息で汚い手を使う卑怯者め!
絶対に許すな!」
武田軍の将兵からこのような声が上がり始めた。
「皆の者!
京の都を目指す前に……
この3年間の鬱憤を晴らそうではないか!
まずは天竜川を越え、家康のいる浜松城へと雪崩れ込もうぞ!
全軍、出陣!」
「応!
おう!
おうっ!」
独裁者・武田信玄の演説は、2つの声を地鳴りの如く響かせた。
「卑怯者の徳川家康を倒せ!」
「奸賊の織田信長を倒せ!」
と。
一つになった武田軍が、今まさに徳川軍へと襲い掛かろうとしている。
◇
演説の後……
父と息子は2人になった。
「父上、お見事にございました。
兵たちも奮い立ったことでしょう」
「息子よ。
そなたには全てを打ち明けたい。
これは……
わしにとって、『望まぬ戦い』であったのじゃ」
「望まぬ戦い!?
どういうことです?」
「要するに。
我が武田軍は、出撃せざるを得ない状況に追い込まれたのよ」
「何と!?」
四郎勝頼の声は、驚きも混じって大きくなった。
◇
少しの間を置いて。
勝頼は、父の言い出した言葉の意味に気付く。
「父上。
これはもしや……
前田屋が鉄砲の弾丸と火薬を大量に積んで堺の港より送り出した船が、遠江国の御厩崎[現在の静岡県御前崎市]近くで徳川水軍に拿捕された報告を受けてのことでしょうか?」
「さすがだな。
その報告を受けたとき……
わしは確信したのじゃ。
『これは、徳川家康が一人で起こした行動ではない。
背後で織田信長が糸を引いている!』
と」
「それがしも同じように考えていました。
徳川水軍は、前田屋の船がいつ堺の港を出たのかを知りません。
いつ御厩崎の近くを通るかなど分かるはずもない……
こう考えれば、出てくる結論は一つだけです。
『堺のある和泉国を直轄地として治めている織田信長が、徳川家康へ船の位置を逐一教えていたに違いない』
と」
「そこまで読んでいたとは見事ぞ。
実はな……
わしが受けた重要な報告は、もう一つある」
「もう一つ?」
「織田信長は突如として、ある男を摂津国の大名に任命したと」
「ある男とは?」
「荒木村重」
「荒木村重!?
信長が摂津国の大名に任命した池田勝正という主を追放し、その城を我が物とした罪人でしょう?
秩序を乱す者を忌み嫌う信長が絶対に用いない類いの男であるはず」
「その通りじゃ。
信長は、それだけ『急いで』いたのであろうな」
「ん!?
和泉国、伊勢国、そして最後の摂津国……
これらの国は、全て南蛮貿易の拠点ではありませんか。
織田信長が摂津国の掌握を急いだということは……
つまり、鉄砲の弾丸と火薬の独占を急いだ!?
戦の勝敗を左右するほど重要なモノを急いで確保しようとする『理由』など一つだけ!」
「うむ」
「ま、まさか!」
「その、まさかじゃ。
織田信長は……
我が武田家と、どちらかが滅びるまで徹底的に戦うことに決めたのだろう」
「要するに信長は、我らを不倶戴天の敵と見なしたと!?
嗚呼……
何ということだ!
我が妻の恐れていた最悪の事態が、『現実』となってしまったのか!」
◇
父は、一息ついてから会話を再開した。
「息子よ。
そなたの妻を恵林寺へ送り出してしまったのは、このわしじゃ。
穴山信君ごときの話を真に受けるとはな……
わしも耄碌したか。
相済まぬことをした」
「お気遣い有り難く存じます。
ただし……
武田一族までが前田屋の企てに利用されていたことは、父上にとっても想定外だったのでは?
父上を責めるつもりはありません」
「弟が生きていれば……
あの信繁が生きていれば、こんなことにはならなかったのだろうか……」
「叔父上の信繁殿は、武田一族で最も実力があり、謙虚で、人望まで兼ね備えておられました。
それほどの人物を上杉謙信と激突した川中島合戦で失った代償は大きかったのでしょう」
「わしは日夜、激しい喪失感に苛まれていた。
『武田一族の中に、信繁ほどの男は他にいない』
とな」
「そして……
一つの結論に至ったのですか?」
「結論?」
「『一族に拘る必要はない』
と」
「その通りよ。
わしは、一族ではなく家臣の中から優れた人物を選び出した。
清廉潔白[心が清くて私欲がない人のことを指す]で実力にも秀でた高坂昌信、山県昌景、内藤昌豊、馬場信春という4人の男を」
「父上は信繁殿が持っていた武田家ナンバー2の地位を……
息子の信豊には与えず、この4人の男、武田四天王に与えられましたな」
「うむ。
人柄と実力で見れば当然の人事であろう?」
「無論、当然の人事であると申せましょうが……
父上に最も近い武田一族の穴山信君、地位を奪われた当人の武田信豊にとっては耐え難い『屈辱』であったはず」
「息子よ。
わしは、ずっとこう思ってきた。
『この世で最も醜悪な行為とは……
実力なく、何の実績も上げない者が、利益を貪り続けること』
だと」
「父上が仰った醜悪な行為とは……
『世襲[親から子へ相続すること]』によって権力や富を手に入れることも同様なのでしょう?」
「良いか。
世襲というものはな、人から物を奪い取ることを『制度』にしたようなものなのじゃ」
「かつては天皇の側近として権力を独占し、民から搾り取った富でこの世の春を謳歌していた『公家』……
その公家から武力に物を言わせて権力や富を奪い取った『武家』。
どちらも世襲を繰り返すうちに腐り果て、挙句の果てに戦国乱世を生み落としてしまいました」
「だからこそ、わしは常々こう思っていた。
『世襲と比べれば……
権力や富を握るのに相応しい実力を持つ者が、実力ない者から力ずくで奪い取ることの方がはるかに正しい!』
と」
「父上。
そのように考えれば……
武田家の後継者には、もっと相応しい御方がおられましょう。
正確には『おられた』と申した方が正しいですが」
「勝頼よ、何を申す!
そなたの実力は十分にわしを凌いでいるではないか。
そなた以上に相応しい男はおらんぞ?」
「いえ、父上。
一人……
忘れていませんか?」
「誰じゃ?」
「父上の正室[本妻のこと]であられる三条の方がお産みになった、れっきとした父上の嫡男でありながら……
謀反の疑いを掛けられて後継者から外された御方」
「何っ!?」
「それがしの兄、太郎義信のことです」
◇
「義信だと!?」
兄弟とはいえ、武田信玄という独裁者に謀反を起こした人間について取り上げることは……
あまりにも『異常』と言わざるを得ない。
驚きのあまり父はしばらく沈黙したものの、勝頼の実力を最も評価しているのも父である。
「息子よ。
『なぜ』、義信の方が後継者に相応しいと考えるのじゃ?」
「真に優れた人物であったからです」
「……」
「叔父上の信繁殿を失った川中島合戦は……
想定外の遭遇戦であったために武田軍本隊8千人も上杉軍1万3千人も陣形を組めず、敵味方が入り混じった『無秩序な乱戦』であったことを覚えておいででしょう?」
「ああ。
覚えている」
「無秩序な乱戦で無駄に兵を消耗させるのを嫌った上杉謙信が、自ら陣頭に立って決着を付けようと乾坤一擲の突撃を仕掛けたとき。
謙信の狙いが『中央突破』にあることを看破した信繁殿の部隊が立ち向かいましたが……
それよりも早く反応して、謙信の中央突破戦法を見事に破綻させた武将がいたことをご存知ですか?」
「何っ!
それが太郎義信であったと!?」
【次話予告 第五十五話 義信事件】
武田勝頼は、父から衝撃の事実を聞かされます。
「義信は……
『自ら』命を絶ったのじゃ」
と。
独裁者・武田信玄は、武田軍の将兵3万人を前に演説を始めた。
「皆の者!
よく聞け!
京の都におわす足利将軍家より、一つの命が下った。
『将軍を軽んじ……
幕府を牛耳っている奸賊、織田信長を討伐せよ』
と。
ここに、その命令書がある!
正義は我らにこそあるのじゃ!
平氏あがりの平信長[この頃の信長は平氏の末裔を自称している]が何するものぞ!
甲斐源氏の名門たる武田家こそ、幕府軍を率いるに相応しい家柄であろう!」
こう続けた。
「これより幕府軍の一員として織田信長を討伐するが、その前に……
道中に立ち塞がる徳川家康を叩き潰す!
奴はこの3年間、我らをひたすら愚弄してきた。
共に今川家を討とうと手を結んだにも関わらず、勝手に今川家と和睦しただけでなく、陰でこそこそと北条家や上杉家と結んで我らの背後を襲わせようと企んでいたのじゃ!
それだけではないぞ!
我が家臣の所有物であった徳川家康の弟という人質を奪還するために、何と伊賀者を雇って大勢の無垢の民を嬲り殺しにした『大罪人』でもある!」
「我らを裏切って北条や上杉と結んだだけでなく……
あの欲深く、人でなしの伊賀者を雇って大勢の無垢の民を嬲り殺しにしただと……!?
姑息で汚い手を使う卑怯者め!
絶対に許すな!」
武田軍の将兵からこのような声が上がり始めた。
「皆の者!
京の都を目指す前に……
この3年間の鬱憤を晴らそうではないか!
まずは天竜川を越え、家康のいる浜松城へと雪崩れ込もうぞ!
全軍、出陣!」
「応!
おう!
おうっ!」
独裁者・武田信玄の演説は、2つの声を地鳴りの如く響かせた。
「卑怯者の徳川家康を倒せ!」
「奸賊の織田信長を倒せ!」
と。
一つになった武田軍が、今まさに徳川軍へと襲い掛かろうとしている。
◇
演説の後……
父と息子は2人になった。
「父上、お見事にございました。
兵たちも奮い立ったことでしょう」
「息子よ。
そなたには全てを打ち明けたい。
これは……
わしにとって、『望まぬ戦い』であったのじゃ」
「望まぬ戦い!?
どういうことです?」
「要するに。
我が武田軍は、出撃せざるを得ない状況に追い込まれたのよ」
「何と!?」
四郎勝頼の声は、驚きも混じって大きくなった。
◇
少しの間を置いて。
勝頼は、父の言い出した言葉の意味に気付く。
「父上。
これはもしや……
前田屋が鉄砲の弾丸と火薬を大量に積んで堺の港より送り出した船が、遠江国の御厩崎[現在の静岡県御前崎市]近くで徳川水軍に拿捕された報告を受けてのことでしょうか?」
「さすがだな。
その報告を受けたとき……
わしは確信したのじゃ。
『これは、徳川家康が一人で起こした行動ではない。
背後で織田信長が糸を引いている!』
と」
「それがしも同じように考えていました。
徳川水軍は、前田屋の船がいつ堺の港を出たのかを知りません。
いつ御厩崎の近くを通るかなど分かるはずもない……
こう考えれば、出てくる結論は一つだけです。
『堺のある和泉国を直轄地として治めている織田信長が、徳川家康へ船の位置を逐一教えていたに違いない』
と」
「そこまで読んでいたとは見事ぞ。
実はな……
わしが受けた重要な報告は、もう一つある」
「もう一つ?」
「織田信長は突如として、ある男を摂津国の大名に任命したと」
「ある男とは?」
「荒木村重」
「荒木村重!?
信長が摂津国の大名に任命した池田勝正という主を追放し、その城を我が物とした罪人でしょう?
秩序を乱す者を忌み嫌う信長が絶対に用いない類いの男であるはず」
「その通りじゃ。
信長は、それだけ『急いで』いたのであろうな」
「ん!?
和泉国、伊勢国、そして最後の摂津国……
これらの国は、全て南蛮貿易の拠点ではありませんか。
織田信長が摂津国の掌握を急いだということは……
つまり、鉄砲の弾丸と火薬の独占を急いだ!?
戦の勝敗を左右するほど重要なモノを急いで確保しようとする『理由』など一つだけ!」
「うむ」
「ま、まさか!」
「その、まさかじゃ。
織田信長は……
我が武田家と、どちらかが滅びるまで徹底的に戦うことに決めたのだろう」
「要するに信長は、我らを不倶戴天の敵と見なしたと!?
嗚呼……
何ということだ!
我が妻の恐れていた最悪の事態が、『現実』となってしまったのか!」
◇
父は、一息ついてから会話を再開した。
「息子よ。
そなたの妻を恵林寺へ送り出してしまったのは、このわしじゃ。
穴山信君ごときの話を真に受けるとはな……
わしも耄碌したか。
相済まぬことをした」
「お気遣い有り難く存じます。
ただし……
武田一族までが前田屋の企てに利用されていたことは、父上にとっても想定外だったのでは?
父上を責めるつもりはありません」
「弟が生きていれば……
あの信繁が生きていれば、こんなことにはならなかったのだろうか……」
「叔父上の信繁殿は、武田一族で最も実力があり、謙虚で、人望まで兼ね備えておられました。
それほどの人物を上杉謙信と激突した川中島合戦で失った代償は大きかったのでしょう」
「わしは日夜、激しい喪失感に苛まれていた。
『武田一族の中に、信繁ほどの男は他にいない』
とな」
「そして……
一つの結論に至ったのですか?」
「結論?」
「『一族に拘る必要はない』
と」
「その通りよ。
わしは、一族ではなく家臣の中から優れた人物を選び出した。
清廉潔白[心が清くて私欲がない人のことを指す]で実力にも秀でた高坂昌信、山県昌景、内藤昌豊、馬場信春という4人の男を」
「父上は信繁殿が持っていた武田家ナンバー2の地位を……
息子の信豊には与えず、この4人の男、武田四天王に与えられましたな」
「うむ。
人柄と実力で見れば当然の人事であろう?」
「無論、当然の人事であると申せましょうが……
父上に最も近い武田一族の穴山信君、地位を奪われた当人の武田信豊にとっては耐え難い『屈辱』であったはず」
「息子よ。
わしは、ずっとこう思ってきた。
『この世で最も醜悪な行為とは……
実力なく、何の実績も上げない者が、利益を貪り続けること』
だと」
「父上が仰った醜悪な行為とは……
『世襲[親から子へ相続すること]』によって権力や富を手に入れることも同様なのでしょう?」
「良いか。
世襲というものはな、人から物を奪い取ることを『制度』にしたようなものなのじゃ」
「かつては天皇の側近として権力を独占し、民から搾り取った富でこの世の春を謳歌していた『公家』……
その公家から武力に物を言わせて権力や富を奪い取った『武家』。
どちらも世襲を繰り返すうちに腐り果て、挙句の果てに戦国乱世を生み落としてしまいました」
「だからこそ、わしは常々こう思っていた。
『世襲と比べれば……
権力や富を握るのに相応しい実力を持つ者が、実力ない者から力ずくで奪い取ることの方がはるかに正しい!』
と」
「父上。
そのように考えれば……
武田家の後継者には、もっと相応しい御方がおられましょう。
正確には『おられた』と申した方が正しいですが」
「勝頼よ、何を申す!
そなたの実力は十分にわしを凌いでいるではないか。
そなた以上に相応しい男はおらんぞ?」
「いえ、父上。
一人……
忘れていませんか?」
「誰じゃ?」
「父上の正室[本妻のこと]であられる三条の方がお産みになった、れっきとした父上の嫡男でありながら……
謀反の疑いを掛けられて後継者から外された御方」
「何っ!?」
「それがしの兄、太郎義信のことです」
◇
「義信だと!?」
兄弟とはいえ、武田信玄という独裁者に謀反を起こした人間について取り上げることは……
あまりにも『異常』と言わざるを得ない。
驚きのあまり父はしばらく沈黙したものの、勝頼の実力を最も評価しているのも父である。
「息子よ。
『なぜ』、義信の方が後継者に相応しいと考えるのじゃ?」
「真に優れた人物であったからです」
「……」
「叔父上の信繁殿を失った川中島合戦は……
想定外の遭遇戦であったために武田軍本隊8千人も上杉軍1万3千人も陣形を組めず、敵味方が入り混じった『無秩序な乱戦』であったことを覚えておいででしょう?」
「ああ。
覚えている」
「無秩序な乱戦で無駄に兵を消耗させるのを嫌った上杉謙信が、自ら陣頭に立って決着を付けようと乾坤一擲の突撃を仕掛けたとき。
謙信の狙いが『中央突破』にあることを看破した信繁殿の部隊が立ち向かいましたが……
それよりも早く反応して、謙信の中央突破戦法を見事に破綻させた武将がいたことをご存知ですか?」
「何っ!
それが太郎義信であったと!?」
【次話予告 第五十五話 義信事件】
武田勝頼は、父から衝撃の事実を聞かされます。
「義信は……
『自ら』命を絶ったのじゃ」
と。
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