26 / 26
第陸章 長篠設楽原、決戦の章
第八十一節 織田信長の愛娘、殺害の真相・前
しおりを挟む
有史以来……
この地球上には、大きく2種類の人間が存在してきた。
自分の目先の利益のために、各地で争いや分断を引き起こす強欲な者たち。
そして。
誰かから勧められたことを、何の疑問も抱かず勧められるままにやっている大勢の人々。
一方で。
「普通だから、みんながやっているから、薄汚い行為に手を染めて構わないとでも?
いや違う!
誰かから勧められるままに、行き当たりばったりの行動を繰り返すなど……
ただの傀儡[操り人形のこと]ではないか!
人として生まれた以上、傀儡の側に立つことなど有り得ない!」
こう叫ぶ『清廉潔白[心が清くて私欲がない人のことを指す]』な人々。
両者の違いは決定的であった。
妥協の余地も、歩み寄れる部分すらない。
要するに相容れない存在、不倶戴天の敵である。
先制攻撃を仕掛けたのは、後者に属する織田信長の愛娘・弦であった。
前者が長い時間を掛けて練りに練り上げた計画をぶち壊したのだ。
計画を邪魔されて悔しがる前者が、彼女を激しく憎悪し、『抹殺』を図るのは当然の成り行きだろう。
彼女の手によって火蓋が切られた、この戦いにおいて……
一時的な和平が成立することもない。
両者の間には底なしの憎悪があるだけなのだから。
どちらか一方が生き残り、どちらか一方が完全に滅びるまで戦いは続く。
「わたしは、両者の間に『敵意』を置いた。
前者は後者の踵を砕き……
そして。
後者は、前者の頭を砕くであろう」
世界で最も読まれている本に書かれている通りなのだ。
操り人形として生きるか、人として生きるかは自分次第である。
◇
2人の会話は続く。
「その後。
何の前触れもなく、わしは……
弦が龍勝寺で病死したとの報せを受けた」
「龍勝寺?
信濃国の山奥[現在の長野県伊那市高遠町]にある禅宗の寺のことでしょうか?」
「うむ」
「要するに。
重い病を患った弦様は、龍勝寺にて療養されていたものの……
治療の甲斐なく亡くなられてしまったと?」
「そういう『筋書き』だな」
「筋書き!?
一体、どういうことです?」
「弦の死を聞いて悲しみに暮れた、わしは……
愛娘の形見をもらおうと武田家へ使者を走らせたところ、程なくしてこの遺髪が届いた。
しかし!
甲斐国[現在の山梨県]へ潜入させていた甲賀[現在の滋賀県甲賀市]の忍びが、わしにとんでもない報せを送って来たのじゃ」
「どんな報せを?」
「愛娘の遺髪は、龍勝寺からではなく甲斐国の恵林寺から送られたものだと」
「恵林寺[現在の山梨県甲州市]!?
それは武田家の菩提寺[先祖代々の墓があり、葬儀や法要をお願いする寺のこと]として知られる、龍勝寺と同じ禅宗の寺でしょうか?」
「ああ」
「信長様。
弦様は、四郎勝頼殿の正室であるだけではありません。
武田信玄の『正統な後継者』に指名された信勝[このとき既に信勝が成人するまでは勝頼が武田家当主を代行することに決定している]のお母上でもある御方です」
「ああ……
そうじゃ」
「それほどの御方ならば!
武田家と縁もゆかりも無い龍勝寺よりも、信玄によって再興され、武田家の菩提寺となった恵林寺の方が療養先に『相応しい』のは誰が見ても明らかではありませんか」
「ああ……
そうじゃ」
「それなのに。
なぜ、龍勝寺で亡くなられたと『偽る』必要が?」
「『殺害』の事実を隠すためよ」
「殺害!?
一体、誰がそんなことを?」
「戦で銭[お金]を儲けている武器商人ども」
「弦様は……
武器商人たちの企てによって殺害されたと仰るのですか!?」
「ああ。
そうじゃ」
◇
2人の会話は続く。
「弦の死に不審なものを感じた、わしは……
多数の忍びを雇って徹底的な調査を命じた。
分かったことは2つ。
1つ目は、弦が周到な『罠』に嵌められていたこと。
2つ目は、弦を罠に嵌めた『黒幕』が京の都の武器商人どもであること」
「京の都の武器商人が、弦様を周到な罠に嵌めたと!?
一体……
どんな方法で弦様を?
お教えください。
信長様!」
「仙千代よ。
教えてやろう。
我が愛娘、殺害の『真相』をな」
◇
「事の始まりは……
武田軍が駿府[現在の静岡市]を制圧した際のことであった。
先陣の山県昌景は、今川家で人質となっていた一人の男を保護した。
名を康俊。
母は、あの於大の方[大河ドラマのどうする家康では松嶋菜々子さんが演じている]よ」
「於大の方?
徳川家康殿のお母上ではありませんか」
「ああ。
康俊は、父は違えど家康の弟に当たる」
「加えて。
於大の方と申せば……
我が子への愛情が殊の外強い御方であったようで、離縁された後も息子へ何度も手紙を書き続けていたと聞きます」
「ああ。
我が母とは正反対だな」
「……」
「話を続けるが。
於大の方は最初、康俊がすぐに返されると思っていたらしい。
ところが!
康俊を預かっていたのは三浦某という今川家の家臣であり、その者は武田軍侵略の際に武田信玄へと寝返っていた」
「要するに。
康俊は、三浦某という者の『所有物』であったと?」
「ああ」
「そうならば。
於大の方は、その三浦某という者と交渉して康俊を買い戻すのが筋では?」
「その通りだが……
我が子への異常な愛情を抱く於大の方に、そんな筋道など通用しない。
その美しい顔はたちまち鬼の形相へと変わったのだとか。
『おのれ!
我が子を傷付ける下衆どもがっ!
地獄へ落としてやる!』
とな。
ついには、兄の水野信元[大河ドラマのどうする家康では寺島進さんが演じている]を動かして多数の伊賀者を雇ったのじゃ」
「伊賀者!?
京の都の武器商人の『飼い犬』として各地で潜入工作や破壊活動[スパイ活動のこと]に励む、伊賀国[現在の三重県伊賀市など]出身の忍びのことではありせんか!」
「ああ……
於大の方は、まんまと京の都の武器商人どもに踊らされてしまったのよ」
◇
織田信長と万見仙千代との会話は続く。
「それからしばらくして。
甲斐国の、とある村で……
凄惨な虐殺事件が起こった。
数百人が住んでいた村は、たった一夜にして壊滅した」
「老若男女を問わず、そこにいた人間は全員嬲り殺しにされたと?」
「ああ」
「何と酷い……
それが、人のやることなのでしょうか?」
「いや。
『人でなし』の輩の仕業よ」
「人でなしの輩?
銭[お金]のためなら『何でも』する者が多い伊賀国に住む人々のことを指す言葉では……」
「ああ、そうじゃ」
「もしや!
於大の方が雇った伊賀者は……
康俊を護衛の目を逸らすための『陽動』として、わざと凄惨な虐殺事件を起こしたと!?」
「さすがだな。
仙千代。
良い読みをしている」
「信長様。
数百人もの民を一方的に虐殺されたのを見た武田信玄の方は、尋常ではないほど怒り狂ったと思います。
何をしたのでしょうか?」
「家臣の秋山信友へ向かって、こう申したのだとか。
『わしはな……
人に危害を加えた屑どもが何の裁きも受けず、のうのうと生きていけるような世を絶対に許しはしない!
奴らには、絶対に、犯した罪の代償を支払わせてやる!』
と」
「至極尤もであると思います」
「そして。
伊那谷[現在の伊那市、駒ケ根市、飯田市など]の兵を預かった信友は、康俊を連れ去った伊賀者どもへの猛烈な追撃を開始したのじゃ」
◇
「信長様。
伊賀者たちは、どこへ向かって逃げたのでしょうか?」
「京の都の武器商人の手引きによって……
伊賀者どもは伊那谷の飯田から木曽の山中[現在の長野県木曽福島町]へと入り、美濃国の恵那郡[現在の岐阜県中津川市、恵那市など]へと向かっていた」
「美濃国の恵那郡!?
そこは……
信長様に属し、かつ弦様の出身でもある遠山一族の領地ではありませんか。
まさか!
京の都の武器商人は、『武田軍と織田軍を衝突』させることを狙っていたと?」
「ああ。
遠山一族に嫁いで岩村城[現在の岐阜県恵那市岩村町]の女城主となっていた我が叔母[おつやの方のこと]は、信友の目的が侵略でなく大罪人の『捕縛』であると理解していたが……
京の都の武器商人からの勧めに従った他の一族は、信友の目的が侵略であると一方的に決め付けたのじゃ」
「誰かから勧められたことを、何の疑問も抱かず勧められるままにやるとは……
何たる愚か!」
「こうして。
秋山信友が率いる2,500人と、一族の総力を挙げて迎撃に出た遠山一族の兵3,000人が上村の地で衝突した」
「それこそが……
武田軍と織田軍が衝突したとされる、上村合戦の全容であったと」
【次節予告 第八十二節 織田信長の愛娘、殺害の真相・後】
上村合戦の『原因』を作った遠山友勝。
この男の養父は遠山直廉と言い、織田信長の妹を妻に迎えていました。
つまり直廉の娘として生まれた弦は、上村合戦の原因を作った男の妹でもあったのです!
この地球上には、大きく2種類の人間が存在してきた。
自分の目先の利益のために、各地で争いや分断を引き起こす強欲な者たち。
そして。
誰かから勧められたことを、何の疑問も抱かず勧められるままにやっている大勢の人々。
一方で。
「普通だから、みんながやっているから、薄汚い行為に手を染めて構わないとでも?
いや違う!
誰かから勧められるままに、行き当たりばったりの行動を繰り返すなど……
ただの傀儡[操り人形のこと]ではないか!
人として生まれた以上、傀儡の側に立つことなど有り得ない!」
こう叫ぶ『清廉潔白[心が清くて私欲がない人のことを指す]』な人々。
両者の違いは決定的であった。
妥協の余地も、歩み寄れる部分すらない。
要するに相容れない存在、不倶戴天の敵である。
先制攻撃を仕掛けたのは、後者に属する織田信長の愛娘・弦であった。
前者が長い時間を掛けて練りに練り上げた計画をぶち壊したのだ。
計画を邪魔されて悔しがる前者が、彼女を激しく憎悪し、『抹殺』を図るのは当然の成り行きだろう。
彼女の手によって火蓋が切られた、この戦いにおいて……
一時的な和平が成立することもない。
両者の間には底なしの憎悪があるだけなのだから。
どちらか一方が生き残り、どちらか一方が完全に滅びるまで戦いは続く。
「わたしは、両者の間に『敵意』を置いた。
前者は後者の踵を砕き……
そして。
後者は、前者の頭を砕くであろう」
世界で最も読まれている本に書かれている通りなのだ。
操り人形として生きるか、人として生きるかは自分次第である。
◇
2人の会話は続く。
「その後。
何の前触れもなく、わしは……
弦が龍勝寺で病死したとの報せを受けた」
「龍勝寺?
信濃国の山奥[現在の長野県伊那市高遠町]にある禅宗の寺のことでしょうか?」
「うむ」
「要するに。
重い病を患った弦様は、龍勝寺にて療養されていたものの……
治療の甲斐なく亡くなられてしまったと?」
「そういう『筋書き』だな」
「筋書き!?
一体、どういうことです?」
「弦の死を聞いて悲しみに暮れた、わしは……
愛娘の形見をもらおうと武田家へ使者を走らせたところ、程なくしてこの遺髪が届いた。
しかし!
甲斐国[現在の山梨県]へ潜入させていた甲賀[現在の滋賀県甲賀市]の忍びが、わしにとんでもない報せを送って来たのじゃ」
「どんな報せを?」
「愛娘の遺髪は、龍勝寺からではなく甲斐国の恵林寺から送られたものだと」
「恵林寺[現在の山梨県甲州市]!?
それは武田家の菩提寺[先祖代々の墓があり、葬儀や法要をお願いする寺のこと]として知られる、龍勝寺と同じ禅宗の寺でしょうか?」
「ああ」
「信長様。
弦様は、四郎勝頼殿の正室であるだけではありません。
武田信玄の『正統な後継者』に指名された信勝[このとき既に信勝が成人するまでは勝頼が武田家当主を代行することに決定している]のお母上でもある御方です」
「ああ……
そうじゃ」
「それほどの御方ならば!
武田家と縁もゆかりも無い龍勝寺よりも、信玄によって再興され、武田家の菩提寺となった恵林寺の方が療養先に『相応しい』のは誰が見ても明らかではありませんか」
「ああ……
そうじゃ」
「それなのに。
なぜ、龍勝寺で亡くなられたと『偽る』必要が?」
「『殺害』の事実を隠すためよ」
「殺害!?
一体、誰がそんなことを?」
「戦で銭[お金]を儲けている武器商人ども」
「弦様は……
武器商人たちの企てによって殺害されたと仰るのですか!?」
「ああ。
そうじゃ」
◇
2人の会話は続く。
「弦の死に不審なものを感じた、わしは……
多数の忍びを雇って徹底的な調査を命じた。
分かったことは2つ。
1つ目は、弦が周到な『罠』に嵌められていたこと。
2つ目は、弦を罠に嵌めた『黒幕』が京の都の武器商人どもであること」
「京の都の武器商人が、弦様を周到な罠に嵌めたと!?
一体……
どんな方法で弦様を?
お教えください。
信長様!」
「仙千代よ。
教えてやろう。
我が愛娘、殺害の『真相』をな」
◇
「事の始まりは……
武田軍が駿府[現在の静岡市]を制圧した際のことであった。
先陣の山県昌景は、今川家で人質となっていた一人の男を保護した。
名を康俊。
母は、あの於大の方[大河ドラマのどうする家康では松嶋菜々子さんが演じている]よ」
「於大の方?
徳川家康殿のお母上ではありませんか」
「ああ。
康俊は、父は違えど家康の弟に当たる」
「加えて。
於大の方と申せば……
我が子への愛情が殊の外強い御方であったようで、離縁された後も息子へ何度も手紙を書き続けていたと聞きます」
「ああ。
我が母とは正反対だな」
「……」
「話を続けるが。
於大の方は最初、康俊がすぐに返されると思っていたらしい。
ところが!
康俊を預かっていたのは三浦某という今川家の家臣であり、その者は武田軍侵略の際に武田信玄へと寝返っていた」
「要するに。
康俊は、三浦某という者の『所有物』であったと?」
「ああ」
「そうならば。
於大の方は、その三浦某という者と交渉して康俊を買い戻すのが筋では?」
「その通りだが……
我が子への異常な愛情を抱く於大の方に、そんな筋道など通用しない。
その美しい顔はたちまち鬼の形相へと変わったのだとか。
『おのれ!
我が子を傷付ける下衆どもがっ!
地獄へ落としてやる!』
とな。
ついには、兄の水野信元[大河ドラマのどうする家康では寺島進さんが演じている]を動かして多数の伊賀者を雇ったのじゃ」
「伊賀者!?
京の都の武器商人の『飼い犬』として各地で潜入工作や破壊活動[スパイ活動のこと]に励む、伊賀国[現在の三重県伊賀市など]出身の忍びのことではありせんか!」
「ああ……
於大の方は、まんまと京の都の武器商人どもに踊らされてしまったのよ」
◇
織田信長と万見仙千代との会話は続く。
「それからしばらくして。
甲斐国の、とある村で……
凄惨な虐殺事件が起こった。
数百人が住んでいた村は、たった一夜にして壊滅した」
「老若男女を問わず、そこにいた人間は全員嬲り殺しにされたと?」
「ああ」
「何と酷い……
それが、人のやることなのでしょうか?」
「いや。
『人でなし』の輩の仕業よ」
「人でなしの輩?
銭[お金]のためなら『何でも』する者が多い伊賀国に住む人々のことを指す言葉では……」
「ああ、そうじゃ」
「もしや!
於大の方が雇った伊賀者は……
康俊を護衛の目を逸らすための『陽動』として、わざと凄惨な虐殺事件を起こしたと!?」
「さすがだな。
仙千代。
良い読みをしている」
「信長様。
数百人もの民を一方的に虐殺されたのを見た武田信玄の方は、尋常ではないほど怒り狂ったと思います。
何をしたのでしょうか?」
「家臣の秋山信友へ向かって、こう申したのだとか。
『わしはな……
人に危害を加えた屑どもが何の裁きも受けず、のうのうと生きていけるような世を絶対に許しはしない!
奴らには、絶対に、犯した罪の代償を支払わせてやる!』
と」
「至極尤もであると思います」
「そして。
伊那谷[現在の伊那市、駒ケ根市、飯田市など]の兵を預かった信友は、康俊を連れ去った伊賀者どもへの猛烈な追撃を開始したのじゃ」
◇
「信長様。
伊賀者たちは、どこへ向かって逃げたのでしょうか?」
「京の都の武器商人の手引きによって……
伊賀者どもは伊那谷の飯田から木曽の山中[現在の長野県木曽福島町]へと入り、美濃国の恵那郡[現在の岐阜県中津川市、恵那市など]へと向かっていた」
「美濃国の恵那郡!?
そこは……
信長様に属し、かつ弦様の出身でもある遠山一族の領地ではありませんか。
まさか!
京の都の武器商人は、『武田軍と織田軍を衝突』させることを狙っていたと?」
「ああ。
遠山一族に嫁いで岩村城[現在の岐阜県恵那市岩村町]の女城主となっていた我が叔母[おつやの方のこと]は、信友の目的が侵略でなく大罪人の『捕縛』であると理解していたが……
京の都の武器商人からの勧めに従った他の一族は、信友の目的が侵略であると一方的に決め付けたのじゃ」
「誰かから勧められたことを、何の疑問も抱かず勧められるままにやるとは……
何たる愚か!」
「こうして。
秋山信友が率いる2,500人と、一族の総力を挙げて迎撃に出た遠山一族の兵3,000人が上村の地で衝突した」
「それこそが……
武田軍と織田軍が衝突したとされる、上村合戦の全容であったと」
【次節予告 第八十二節 織田信長の愛娘、殺害の真相・後】
上村合戦の『原因』を作った遠山友勝。
この男の養父は遠山直廉と言い、織田信長の妹を妻に迎えていました。
つまり直廉の娘として生まれた弦は、上村合戦の原因を作った男の妹でもあったのです!
10
お気に入りに追加
4
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
国を、民を守るために、武田信玄は独裁者を目指す。
独裁国家が民主国家を数で上回っている現代だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 純粋に国を、民を憂う思いが、粛清の嵐を巻き起こす
【第弐章 川中島合戦】 甲斐の虎と越後の龍、激突す
【第参章 戦争の黒幕】 京の都が、二人の英雄を不倶戴天の敵と成す
【第四章 織田信長の愛娘】 清廉潔白な人々が、武器商人への憎悪を燃やす
【最終章 西上作戦】 武田家を滅ぼす策略に抗うべく、信長と家康打倒を決断す
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です))
日日晴朗 ―異性装娘お助け日記―
優木悠
歴史・時代
―男装の助け人、江戸を駈ける!―
栗栖小源太が女であることを隠し、兄の消息を追って江戸に出てきたのは慶安二年の暮れのこと。
それから三カ月、助っ人稼業で糊口をしのぎながら兄をさがす小源太であったが、やがて由井正雪一党の陰謀に巻き込まれてゆく。
月の後半のみ、毎日10時頃更新しています。
楽将伝
九情承太郎
歴史・時代
三人の天下人と、最も遊んだ楽将・金森長近(ながちか)のスチャラカ戦国物語
織田信長の親衛隊は
気楽な稼業と
きたもんだ(嘘)
戦国史上、最もブラックな職場
「織田信長の親衛隊」
そこで働きながらも、マイペースを貫く、趣味の人がいた
金森可近(ありちか)、後の長近(ながちか)
天下人さえ遊びに来る、趣味の達人の物語を、ご賞味ください!!
大罪人の娘・前編
いずもカリーシ
歴史・時代
世は戦国末期。織田信長の愛娘と同じ『目』を持つ、一人の女性がいました。
戦国乱世に終止符を打ち、およそ250年続く平和を達成したのは『誰』なのでしょうか?
織田信長?
豊臣秀吉?
徳川家康?
それとも……?
この小説は、良くも悪くも歴史の『裏側』で暗躍していた人々にスポットを当てた歴史小説です。
【前編】
第壱章 前夜、凛の章
第弐章 戦国乱世、お金の章
第参章 武田軍侵攻、策略の章
第肆章 武器商人の都、京都炎上の章
第伍章 引き金、弦の章
第陸章 長篠設楽原、決戦の章
凛を中心とした女たちの闘いが開幕するまでの序章を描いています。
【本編】
第漆章 女たちの闘い、開幕の章
第捌章 毛利軍決起、宿敵の章
第玖章 荒木謀反、離縁の章
第拾章 本能寺の変、黒幕の章
最終章 女帝誕生の章
視点人物に玉(ガラシャ)と福(春日局)が加わります。一人の女帝が江戸幕府を意のままに操り、戦いの黒幕たちとの長き闘いに幕を下ろすのです。
あのパックス・ロマーナにも匹敵した偉業は、どのようにして達成できたのでしょうか?(他、いずもカリーシで掲載しています)
春嵐に黄金の花咲く
ささゆき細雪
歴史・時代
――戦国の世に、聖母マリアの黄金(マリーゴールド)の花が咲く。
永禄十二年、春。
キリスト教の布教と引き換えに、通訳の才能を持つ金髪碧眼の亡国の姫君、大内カレンデュラ帆南(はんな)は養父である豊後国の大友宗麟の企みによってときの覇王、織田信長の元に渡された。
信長はその異相ゆえ宣教師たちに育てられ宗麟が側室にしようか悩んだほど美しく成長した少女の名を帆波(ほなみ)と改めさせ、自分の娘、冬姫の侍女とする。
十一歳の冬姫には元服を迎えたばかりの忠三郎という許婚者がいた。信長の人質でありながら小姓として働く彼は冬姫の侍女となった帆波を間諜だと言いがかりをつけてはなにかと喧嘩をふっかけ、彼女を辟易とさせていた。
が、初夏に当時の同朋、ルイスが帆波を必要だと岐阜城を訪れたことで、ふたりの関係に変化が――?
これは、春の嵐のような戦乱の世で花開いた、黄金(きん)色の花のような少女が織りなす恋の軌跡(ものがたり)。


改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる