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第伍章 引き金、弦の章
第七十九節 愛娘、駿府に火を放つ
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「今川氏真は、共有していた武田家の軍事情報を敵方の上杉謙信に漏らしたらしい」
この事実を知った弦は、氏真という人間にただただ呆れ返るしかなかった。
「塩留[塩を売らないこと]に何の効果もないからと……
ここまでやるのですか!
しかも。
あの上杉謙信殿が、こんなモノをもらって喜ぶような御方ではないことくらい、考えればすぐに分かることではないの?
行き当たりばったりに加えて、やることなすことがあまりにも『的外れ』でしょう!」
「恐らく。
塩留も、情報を漏らしたのも氏真本人の『意思』というより……
誰かから勧められたことを、何の疑問も抱かず勧められるままにやっているだけではないだろうか」
「そんなのは、ただの傀儡[操り人形という意味]と何ら変わりがない!
こんな主の下にいる領民たちがあまりにも可哀想……」
「我らと同じく、父である今川義元の仇と同盟を結んだ徳川家康への対応もあまりに杜撰なものであったらしい。
『今川家を裏切って織田信長と結んだ家康を討つ!』
こう申して領民から税を取り立てておきながら、一方的に討伐を中止し、奪い取った銭[お金]を返すこともしなかったと聞く。
領民たちの心はもう、嘘付きの氏真から完全に『離れた』と見るべきだろうな」
「……」
「氏真の過ちは、それだけではないぞ。
奴は、守るべき領民たちを死地へと追い込んだのだ!」
「死地?」
「駿河国と遠江国[合わせて現在の静岡県]を侵略する『大義名分』を与えてしまったのだからな」
「……」
「家康は、税の取り立てで苦しむ『民を救う』という大義名分を掲げて遠江国へ堂々と進軍できる。
そして。
我ら武田家は……
『国を守る』ため、敵方に軍事情報を漏らして国を危険に晒した賊を討つという大義名分を掲げて駿河国へ堂々と進軍できるようになった」
「嗚呼……
わたくしは、武田家と織田家が手を携えて一緒に戦のない世を作りたいと願っただけなのに!
ねえ、あなた!
どうしてこうなるの?
わたくしは、三国同盟を破綻させる引き金を引いてしまったの?」
「それは違う!
違うぞ!
弦。
そなたは何も悪くない。
すべては、氏真の無能が招いたことだ!
『自業自得』ではないか!」
「……」
「己の目先のことしか見えず右往左往し、行き当たりばったりの行動を繰り返した挙句、先人たちが苦労して築いたものをすべてぶち壊しおって!」
「でも。
あなた。
わたくしのせいで、駿河国と遠江国の人々が侵略の餌食になってしまいます」
「まだ、そうなると決まったわけではない。
幸い。
信長殿と志を同じくする家康ならば、配下の兵たちの虐殺や略奪を決して許さないだろう。
だが!
問題は、『我ら』だ」
「我ら?」
「清廉潔白[心が清くて私欲がない人のことを指す]で実力にも秀でた高坂昌信、山県昌景、内藤昌豊、馬場信春の武田四天王ならば問題はないが……
一族の重鎮である穴山信君と武田信豊は別。
この2人は、血統に優れるが実力はないという点で氏真と何ら違いがない。
出入りしている武器商人から勧められるままに、略奪と人の売り買いに手を染めるだろう」
「そ、そんな!
あなた!
何とか止める方法はないのですか?」
「一つだけ、ある」
「どんな方法です?」
「武田四天王に先陣を務めてもらうことだ。
先陣を務める分、犠牲は多いだろうが……
武田軍本隊が着く前に今川家の本拠地である駿府[現在の静岡市]を完全に占拠してしまえば、2人は何の手出しもできまい」
「お願い。
あなた……
何卒、駿府に住む人々を守って」
◇
1568年12月6日。
しんしんと降る雪の中を、風林火山の旗を掲げた軍勢が出撃する。
四郎勝頼の画策で、武田軍先陣は武田四天王が務めることとなった。
武田軍最強と恐れられた赤備えを率いる武田四天王の一人・山県昌景が一番手、不死身の鬼と恐れられた武田四天王のもう一人・馬場信春が二番手である。
そして。
勝頼は、地形で有利な薩埵峠[現在の静岡市清水区]に鉄壁の防御陣を敷いた今川氏真が率いる軍勢にある『噂』を流した。
「薩埵峠という高所に陣取ったからといって、鉄壁などとは片腹痛い!
そちたちは肝心なことを忘れていないか?
三国同盟では、互いを援護しやすいよう軍事情報の共有まで図っていた。
どこに、どんな規模の城や都市があるのか。
どこに、どれだけの兵が駐屯《ちゅうとん》しているのか。
どこに、どれだけの広さの道があり、どこに川の渡し船があるのか、など。
我ら武田軍はすべてを知っているのだ!
薩埵峠への補給路となっている道も。
勿論!
薩埵峠を避けて駿府へとなだれ込む道さえも、な。
今!
武田軍最強の赤備えが、そちたちが妻や子を残した駿府へとまっしぐらに向かっている。
こんな場所を守っている場合ではないぞ!
直ちに駿府へと引き返し、妻や子たちを安全な場所へ避難させよ!」
と。
こうして。
1万人を超す軍勢が、勝頼の策にまんまと嵌まった。
あっという間に霧散した。
武田軍本隊が着く前に駿府を完全に占拠すべく、『無人』となった薩埵峠を山県昌景と馬場信春の部隊が疾風怒涛の勢いで通過していく。
◇
「穴山信君様。
武田信豊様。
一大事ですぞ!
薩埵峠にいる今川軍が霧散し、山県殿と馬場殿の先陣は無傷で通過したとか」
「何っ!?
このままでは、山県と馬場に戦利品を全部取られてしまうではないか!」
付き添っている武器商人から事情を聞いた信君と信豊はにわかに慌て始めた。
「何を慌てる必要がありましょう?
今は戦国乱世。
日ノ本各地で起こる戦に必要な兵糧や武器弾薬の商いのため、我ら武器商人は『常に』日ノ本各地を巡り歩いているのです」
「それは、つまり。
武器商人たちは道という道に精通していると?」
「御意。
多少狭くはなりますが……
峠の登り坂を通らず駿府へ至る道に心当たりがございます。
急ぎましょう!」
◇
駿府へあと一歩と迫った山県昌景と馬場信春は、すぐ後ろに穴山信君と武田信豊の部隊が続いていることを知って驚愕した。
「奴ら、どんな手を使って?
早い!
早すぎる!」
「落ち着かれよ。
昌景殿。
確か……
あの2人には、出入りの武器商人が付き添っていたはず。
道という道に精通しているのでは?」
「あの、薄汚い武器商人めが!
奴から血祭りに上げてやろうか!
それにしても、信春殿。
このままでは占拠する前にあの2人が駿府に着いてしまうぞ」
「そういえば……
昌景殿。
おぬしは、出陣前に弦様から何か頼まれていたのではなかったか?」
「ああ。
弦様は、こう申されていた。
『どうしても駿府の占拠が間に合わなかったら……』」
「間に合わなかったら?」
「『駿府に火を放つのです。
火を放ってしまえば、略奪も人の売り買いもできないでしょう』
と」
「火を放てだと!?
確かに、略奪も人の売り買いもできないだろうが……」
「弦様は、最後にこう申されていた。
『武田軍本隊の略奪行為を決して許してはなりません!』
と」
「……」
「信春殿。
今は戦国乱世。
日ノ本各地で戦が起こり、各地で略奪や人の売り買いが『普通』に行われている。
だから何だ?
普通だから、みんながやってるから、薄汚い行為に手を染めても構わないとでも?」
「……」
「いや違う!
断じて違うぞ!
誰かから勧められるままに、行き当たりばったりの行動を繰り返すなど……
ただの傀儡ではないか!
そこらにいる獣と一緒よ。
人ですらないわ!
わしは、どんな手を使ってでも駿府の住民への略奪行為を止めて見せるっ!」
「昌景殿。
おぬしの申す通りだ。
武田軍の一番手は、おぬしだ。
おぬしがしたいようにすれば良い。
わしはこの道を塞いで、できる限り時間稼ぎをさせてもらおう」
「信春殿、痛み入る。
それでは御免!」
◇
駿府に乱入した山県昌景は、大声で住民に避難を促した。
「略奪を目的とした別の軍勢が『東』から迫っているゆえ……
女子や子供を売り買いされたくないなら直ちに『西』へ逃げよ!」
それでも。
できるだけ多くの家財を持っていこうとする住民たちのせいで、避難は遅々として進まない。
これを見た昌景は配下の兵たちに、こう命じる。
「致し方ない。
東より火を放て!
背後から火が迫れば、住民たちも慌てて避難するだろう」
と。
一方。
道を塞いだ馬場信春は……
やって来た穴山信君と武田信豊が道を空けるよう迫ってきたが、こう言って嫌がらせをしていた。
「今、飯を食ろうておる。
しばし待たれよ」
と。
【次節予告 第八十節 侵略戦争は、愛娘の命を奪う運命へ】
略奪行為を阻止したい武田四天王と、略奪行為を働きたい武田一族は一触即発の事態となります。
これによって足の不自由な氏真の妻が徒歩で逃げ出す羽目に陥り……
ある人物の逆鱗に触れてしまうのです。
この事実を知った弦は、氏真という人間にただただ呆れ返るしかなかった。
「塩留[塩を売らないこと]に何の効果もないからと……
ここまでやるのですか!
しかも。
あの上杉謙信殿が、こんなモノをもらって喜ぶような御方ではないことくらい、考えればすぐに分かることではないの?
行き当たりばったりに加えて、やることなすことがあまりにも『的外れ』でしょう!」
「恐らく。
塩留も、情報を漏らしたのも氏真本人の『意思』というより……
誰かから勧められたことを、何の疑問も抱かず勧められるままにやっているだけではないだろうか」
「そんなのは、ただの傀儡[操り人形という意味]と何ら変わりがない!
こんな主の下にいる領民たちがあまりにも可哀想……」
「我らと同じく、父である今川義元の仇と同盟を結んだ徳川家康への対応もあまりに杜撰なものであったらしい。
『今川家を裏切って織田信長と結んだ家康を討つ!』
こう申して領民から税を取り立てておきながら、一方的に討伐を中止し、奪い取った銭[お金]を返すこともしなかったと聞く。
領民たちの心はもう、嘘付きの氏真から完全に『離れた』と見るべきだろうな」
「……」
「氏真の過ちは、それだけではないぞ。
奴は、守るべき領民たちを死地へと追い込んだのだ!」
「死地?」
「駿河国と遠江国[合わせて現在の静岡県]を侵略する『大義名分』を与えてしまったのだからな」
「……」
「家康は、税の取り立てで苦しむ『民を救う』という大義名分を掲げて遠江国へ堂々と進軍できる。
そして。
我ら武田家は……
『国を守る』ため、敵方に軍事情報を漏らして国を危険に晒した賊を討つという大義名分を掲げて駿河国へ堂々と進軍できるようになった」
「嗚呼……
わたくしは、武田家と織田家が手を携えて一緒に戦のない世を作りたいと願っただけなのに!
ねえ、あなた!
どうしてこうなるの?
わたくしは、三国同盟を破綻させる引き金を引いてしまったの?」
「それは違う!
違うぞ!
弦。
そなたは何も悪くない。
すべては、氏真の無能が招いたことだ!
『自業自得』ではないか!」
「……」
「己の目先のことしか見えず右往左往し、行き当たりばったりの行動を繰り返した挙句、先人たちが苦労して築いたものをすべてぶち壊しおって!」
「でも。
あなた。
わたくしのせいで、駿河国と遠江国の人々が侵略の餌食になってしまいます」
「まだ、そうなると決まったわけではない。
幸い。
信長殿と志を同じくする家康ならば、配下の兵たちの虐殺や略奪を決して許さないだろう。
だが!
問題は、『我ら』だ」
「我ら?」
「清廉潔白[心が清くて私欲がない人のことを指す]で実力にも秀でた高坂昌信、山県昌景、内藤昌豊、馬場信春の武田四天王ならば問題はないが……
一族の重鎮である穴山信君と武田信豊は別。
この2人は、血統に優れるが実力はないという点で氏真と何ら違いがない。
出入りしている武器商人から勧められるままに、略奪と人の売り買いに手を染めるだろう」
「そ、そんな!
あなた!
何とか止める方法はないのですか?」
「一つだけ、ある」
「どんな方法です?」
「武田四天王に先陣を務めてもらうことだ。
先陣を務める分、犠牲は多いだろうが……
武田軍本隊が着く前に今川家の本拠地である駿府[現在の静岡市]を完全に占拠してしまえば、2人は何の手出しもできまい」
「お願い。
あなた……
何卒、駿府に住む人々を守って」
◇
1568年12月6日。
しんしんと降る雪の中を、風林火山の旗を掲げた軍勢が出撃する。
四郎勝頼の画策で、武田軍先陣は武田四天王が務めることとなった。
武田軍最強と恐れられた赤備えを率いる武田四天王の一人・山県昌景が一番手、不死身の鬼と恐れられた武田四天王のもう一人・馬場信春が二番手である。
そして。
勝頼は、地形で有利な薩埵峠[現在の静岡市清水区]に鉄壁の防御陣を敷いた今川氏真が率いる軍勢にある『噂』を流した。
「薩埵峠という高所に陣取ったからといって、鉄壁などとは片腹痛い!
そちたちは肝心なことを忘れていないか?
三国同盟では、互いを援護しやすいよう軍事情報の共有まで図っていた。
どこに、どんな規模の城や都市があるのか。
どこに、どれだけの兵が駐屯《ちゅうとん》しているのか。
どこに、どれだけの広さの道があり、どこに川の渡し船があるのか、など。
我ら武田軍はすべてを知っているのだ!
薩埵峠への補給路となっている道も。
勿論!
薩埵峠を避けて駿府へとなだれ込む道さえも、な。
今!
武田軍最強の赤備えが、そちたちが妻や子を残した駿府へとまっしぐらに向かっている。
こんな場所を守っている場合ではないぞ!
直ちに駿府へと引き返し、妻や子たちを安全な場所へ避難させよ!」
と。
こうして。
1万人を超す軍勢が、勝頼の策にまんまと嵌まった。
あっという間に霧散した。
武田軍本隊が着く前に駿府を完全に占拠すべく、『無人』となった薩埵峠を山県昌景と馬場信春の部隊が疾風怒涛の勢いで通過していく。
◇
「穴山信君様。
武田信豊様。
一大事ですぞ!
薩埵峠にいる今川軍が霧散し、山県殿と馬場殿の先陣は無傷で通過したとか」
「何っ!?
このままでは、山県と馬場に戦利品を全部取られてしまうではないか!」
付き添っている武器商人から事情を聞いた信君と信豊はにわかに慌て始めた。
「何を慌てる必要がありましょう?
今は戦国乱世。
日ノ本各地で起こる戦に必要な兵糧や武器弾薬の商いのため、我ら武器商人は『常に』日ノ本各地を巡り歩いているのです」
「それは、つまり。
武器商人たちは道という道に精通していると?」
「御意。
多少狭くはなりますが……
峠の登り坂を通らず駿府へ至る道に心当たりがございます。
急ぎましょう!」
◇
駿府へあと一歩と迫った山県昌景と馬場信春は、すぐ後ろに穴山信君と武田信豊の部隊が続いていることを知って驚愕した。
「奴ら、どんな手を使って?
早い!
早すぎる!」
「落ち着かれよ。
昌景殿。
確か……
あの2人には、出入りの武器商人が付き添っていたはず。
道という道に精通しているのでは?」
「あの、薄汚い武器商人めが!
奴から血祭りに上げてやろうか!
それにしても、信春殿。
このままでは占拠する前にあの2人が駿府に着いてしまうぞ」
「そういえば……
昌景殿。
おぬしは、出陣前に弦様から何か頼まれていたのではなかったか?」
「ああ。
弦様は、こう申されていた。
『どうしても駿府の占拠が間に合わなかったら……』」
「間に合わなかったら?」
「『駿府に火を放つのです。
火を放ってしまえば、略奪も人の売り買いもできないでしょう』
と」
「火を放てだと!?
確かに、略奪も人の売り買いもできないだろうが……」
「弦様は、最後にこう申されていた。
『武田軍本隊の略奪行為を決して許してはなりません!』
と」
「……」
「信春殿。
今は戦国乱世。
日ノ本各地で戦が起こり、各地で略奪や人の売り買いが『普通』に行われている。
だから何だ?
普通だから、みんながやってるから、薄汚い行為に手を染めても構わないとでも?」
「……」
「いや違う!
断じて違うぞ!
誰かから勧められるままに、行き当たりばったりの行動を繰り返すなど……
ただの傀儡ではないか!
そこらにいる獣と一緒よ。
人ですらないわ!
わしは、どんな手を使ってでも駿府の住民への略奪行為を止めて見せるっ!」
「昌景殿。
おぬしの申す通りだ。
武田軍の一番手は、おぬしだ。
おぬしがしたいようにすれば良い。
わしはこの道を塞いで、できる限り時間稼ぎをさせてもらおう」
「信春殿、痛み入る。
それでは御免!」
◇
駿府に乱入した山県昌景は、大声で住民に避難を促した。
「略奪を目的とした別の軍勢が『東』から迫っているゆえ……
女子や子供を売り買いされたくないなら直ちに『西』へ逃げよ!」
それでも。
できるだけ多くの家財を持っていこうとする住民たちのせいで、避難は遅々として進まない。
これを見た昌景は配下の兵たちに、こう命じる。
「致し方ない。
東より火を放て!
背後から火が迫れば、住民たちも慌てて避難するだろう」
と。
一方。
道を塞いだ馬場信春は……
やって来た穴山信君と武田信豊が道を空けるよう迫ってきたが、こう言って嫌がらせをしていた。
「今、飯を食ろうておる。
しばし待たれよ」
と。
【次節予告 第八十節 侵略戦争は、愛娘の命を奪う運命へ】
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