12 / 26
第伍章 引き金、弦の章
第六十七節 天下人を激怒させた書き込み
しおりを挟む
何十年か後。
日本全国を統一して天下人となった豊臣秀吉は、とある『書き込み』を見付け……
周囲が凍り付くほどの怒りを顕にした。
「おのれ!
誰じゃ!
この落首[落書きのこと]を書いたのは?
書いた者を、草の根を分けてでも探し出せ!」
普段と全く違う雰囲気に凍り付いたままの周囲に対し、秀吉は怒りに任せて言葉を続ける。
「良いか。
書いた者に加え、その妻、親、子供、親類縁者に至るまで尽く首を刎ね、三条河原[現在の京都市東山区]に晒すのじゃ。
これは命令だぞ」
と。
天下人をここまで怒らせるとは……
そこには一体、何と書き込まれていたのだろうか?
「『太閤という最も高い地位を得た秀吉も、所詮は尾張中村[現在の名古屋市中村区]の百姓の出身に過ぎないではないか』
この書き込みを見た秀吉は周囲が凍り付くほどの怒りを顕にした。
石田三成、前田玄以など豊臣家の優れた家臣たちが血眼になって犯人を探すものの、犯人の手掛かりすら得ることができない。
激怒が収まらない秀吉は、警備を担当していた者たちの首を尽く刎ねる暴挙に出る。
たかが書き込み一つでここまでやるとは、どう考えてもやり過ぎだろう。
自分が天下人であるとの傲慢さがそうさせたに違いない」
上から目線の歴史書には、こう書かれているが……
歴史から貴重な教訓を学ばせてやるとでも言いたいのだろうか?
残念ながら。
内容が薄っぺらいことに加えて、2つも間違いを犯していることに気付いてさえいない。
その1つ目。
たかが書き込みと、『甘く』考えないことだ。
ネットに書き込まれた、たった一文の誹謗中傷によって……
誰かを自殺に追い込むことがある。
あるいはネットに書き込まれた、たった一文のデマによって集団リンチが発生し……
誰かを死に追いやることもしばしばある。
たった一文で、取り返しの付かない災いを招くことなど珍しい話ではない。
続いて2つ目。
秀吉本人が長年に亘って周囲に言っていたから当然であるが……
尾張中村の百姓の出身であることは、当時の誰もが『知って』いたらしい。
誰もが知っていることを書き込まれた程度で、なぜ秀吉はここまで怒り狂ったのだろうか?
◇
一つの事実がある。
秀吉が太閤という最も高い地位を得るに当たり、天皇の落胤であるなど自分の『血統』を高貴なものにしようとしてはいたが……
出身を変えようとしたことは、ただの一度もない。
この事実からすると。
百姓の出身との書き込みに対して秀吉がここまで怒り狂うのは、あまりにも不自然ではないだろうか?
むしろ。
秀吉が人々に決して『知られたくない』内容が書き込まれていたと考える方がずっと自然だろう。
わたしの見立てでは……
こう書かれていたのではないかと考えている。
「太閤秀吉は出身を偽っているぞ。
尾張中村の百姓ではなく、商人の出身であるという事実をな。
要するに。
あの悪名高き斎藤道三や松永久秀と『同族』ということよ」
こう続く。
「道三は主の土岐一族を追い払って美濃国[現在の岐阜県]を盗んだ極悪人、久秀は東大寺の大仏を焼いた極悪人ではないか!
銭[お金]で成功したこやつらは天の裁きを受け、無残な最期を遂げたことは知っていよう?
道三は長良川の戦いでめった刺しに斬り殺され、首まで晒された。
久秀に至っては二度も主に謀反を起こし、最期は茶器で有名な平蜘蛛と共に爆死した。
いずれ……
銭で成り上がり、主の織田家から天下を盗んだ秀吉も、同じ運命に合うに違いない」
と。
人々に決して知られたくない内容が書き込まれていたからこそ……
秀吉は、書いた人間を血眼になって探そうとしたのだ。
最新の研究によると。
商人を最下層に落とした士農工商という身分制度を、江戸幕府が作った『事実はない』らしい。
お上が作った制度ではないとすれば……
士農工商という身分制度は、民自身が作った制度ということになる。
一部の商人たちが薄汚い商売に手を染めたことで、人々が抱く商人への印象は著しく悪化し、結果として商人は社会的な地位まで『最下層』へと叩き落とされた。
自分で自分の地位を貶めた商人たちのせいで……
天下人にまで上り詰めて栄華を極めた秀吉でさえ、必死になって自分の出身を隠す羽目に陥っていたのだ!
余談であるが。
彼は同じ商人出身の千利休を重く用いて自分に次ぐ権力を与えた一方で、後に無実の罪を着せて切腹を命じるという支離滅裂な行動を起こす。
秀吉の持つ『同族嫌悪』がどれだけ凄まじいものであったか、よく分かる一幕だろう。
◇
時を戻そう。
「『嘘』を信じるとは、あやつも凡人に過ぎんようじゃ」
この秀吉の独り言は真実であったようだ。
包囲が未完成な部分へとやってきた山城屋は、衝撃の光景を目にする。
そこには永楽銭の軍旗を掲げた軍勢が待ち構えていたのだ!
勿論、織田信長の軍勢である。
そして。
千年の都から、次々と火の手が上がり始め……
あの比叡山の焼き討ちを超える惨劇、『上京の焼き討ち』が開始された。
◇
しばらくすると……
大勢の上京の商人と、彼らが雇っている兵士たちがやって来る。
包囲が未完成と聞いてやってきたのは、山城屋だけではなかったのだろうか?
「皆の者!
あの軍旗を見よ!」
これを見た山城屋は、咄嗟に大声を張り上げた。
周囲がその大声に反応する。
「織田木瓜[織田家の家紋]に、揚羽蝶[織田家の先祖、平氏の家紋]の軍旗!
あの軍旗がはためいているということは……
あれが、織田信長の本陣なのか!?」
「何っ!?
あそこに、信長本人がいるだと?」
「よく見れば……
それほどの数ではないようだぞ?
百人程度にしか見えん」
何人かの反応を聞いた山城屋は、煽るように言葉を続ける。
「皆の者!
この上京を焼き討ちにせんとする極悪人が、あそこにいる!
数はそれほどではない!
今こそ、極悪人を討つ好機が到来しているのではないか?」
「確かにそうじゃ!
今こそ……
信長を討つ千載一遇の好機!」
何処からか、山城屋を肯定する大声が轟く。
「各個に攻めても意味はない!
ならば、皆で一斉に攻め掛かろうではないか!
ここは武器弾薬の商いの中心、上京ぞ?
武器弾薬ならいくらでもある!
さあ、皆の者!
武器を手に取って立ち上がれ!」
誰かが意図的に息を合わせたのか、山城屋を肯定する大声が続いて轟く。
武器を手に取った千人近い上京の人々が、織田信長の本陣を攻めようと集結した。
◇
「敵はたかが百人!
一斉に攻め掛かれ!」
「敵襲!
敵襲じゃあ!
鉄砲隊、構えっ!」
武器を手に取った千人近いの上京の人々が攻め掛かると……
織田木瓜に、揚羽蝶の軍旗を掲げた敵が反応する。
敵の射撃で数十人ほどが倒されたものの、その命中精度はそれほど高くないようだ。
ほとんどは射程外から撃ってしまったらしい。
慌てているのだろうか。
「奴ら、慌てているぞ!
次の弾込めには時間が掛かる!
一気に攻め掛かれ!」
また誰かが意図的に息を合わせたのか、上京の人々を敵へと煽り立てた。
煽り立てられるまま更に敵へと肉薄した上京の人々は……
再び驚愕の光景を目の当たりにする。
数倍の敵を相手にしても落ち着き払っている指揮官と、銃口をこちらへ向けている新たな精鋭の鉄砲隊、2百人ほどだ。
名を菅屋長頼と言う指揮官は、兵たちにある命令を出す。
「鉄砲の的を変更せよ。
頭ではなく、腹を狙え」
と。
「頭ではなく、腹を?」
「うむ」
「腹は当たりやすいですが、すぐには死に至りません。
敵の足を止めなくてもよろしいので?」
「敵の足を止めるのが目的ではない。
この敵は、兵ですらないのだからな」
「兵ですらない?」
「『素人』よ」
「素人……?」
「今だ!
命令通りにせよ。
撃ち方、始めっ!」
指揮官の命令が響き、先程とは全く違う正確な射撃が上京の人々に襲い掛かって来る。
「わ!
ぎゃあ!」
腹を撃たれた大勢の者が、激痛にのたうち回り始めた。
玄人であれば下手に動かずその場でじっとしているのだが、残念ながら訓練されていない素人がほとんどだ。
激痛を我慢できず、突然の戦況の変化に付いて行けず、パニックを起こして助けを呼んでのたうち回って混乱を拡大させ、かえって鉄砲の餌食となる犠牲者を増やす有様であった。
十数分後。
哀れな骸が千ほど出来上がっていた。
「おのれ信長!
100人程度に見せ掛けて我らを欺くとは卑怯な!
まあ、良い。
役立たずの雑魚どもを千ほど失っただけよ。
まだ次がある」
千ほどの哀れな骸の前で、山城屋はひたすら強がっていた。
【次節予告 第六十八節 正義と悪の境目とは】
「故郷の国の平和を脅かす『悪人』を討て。
どんな犠牲を払おうとな」
主から命令を受けた下山平兵衛は、配下の伊賀者に集結を命じます。。
日本全国を統一して天下人となった豊臣秀吉は、とある『書き込み』を見付け……
周囲が凍り付くほどの怒りを顕にした。
「おのれ!
誰じゃ!
この落首[落書きのこと]を書いたのは?
書いた者を、草の根を分けてでも探し出せ!」
普段と全く違う雰囲気に凍り付いたままの周囲に対し、秀吉は怒りに任せて言葉を続ける。
「良いか。
書いた者に加え、その妻、親、子供、親類縁者に至るまで尽く首を刎ね、三条河原[現在の京都市東山区]に晒すのじゃ。
これは命令だぞ」
と。
天下人をここまで怒らせるとは……
そこには一体、何と書き込まれていたのだろうか?
「『太閤という最も高い地位を得た秀吉も、所詮は尾張中村[現在の名古屋市中村区]の百姓の出身に過ぎないではないか』
この書き込みを見た秀吉は周囲が凍り付くほどの怒りを顕にした。
石田三成、前田玄以など豊臣家の優れた家臣たちが血眼になって犯人を探すものの、犯人の手掛かりすら得ることができない。
激怒が収まらない秀吉は、警備を担当していた者たちの首を尽く刎ねる暴挙に出る。
たかが書き込み一つでここまでやるとは、どう考えてもやり過ぎだろう。
自分が天下人であるとの傲慢さがそうさせたに違いない」
上から目線の歴史書には、こう書かれているが……
歴史から貴重な教訓を学ばせてやるとでも言いたいのだろうか?
残念ながら。
内容が薄っぺらいことに加えて、2つも間違いを犯していることに気付いてさえいない。
その1つ目。
たかが書き込みと、『甘く』考えないことだ。
ネットに書き込まれた、たった一文の誹謗中傷によって……
誰かを自殺に追い込むことがある。
あるいはネットに書き込まれた、たった一文のデマによって集団リンチが発生し……
誰かを死に追いやることもしばしばある。
たった一文で、取り返しの付かない災いを招くことなど珍しい話ではない。
続いて2つ目。
秀吉本人が長年に亘って周囲に言っていたから当然であるが……
尾張中村の百姓の出身であることは、当時の誰もが『知って』いたらしい。
誰もが知っていることを書き込まれた程度で、なぜ秀吉はここまで怒り狂ったのだろうか?
◇
一つの事実がある。
秀吉が太閤という最も高い地位を得るに当たり、天皇の落胤であるなど自分の『血統』を高貴なものにしようとしてはいたが……
出身を変えようとしたことは、ただの一度もない。
この事実からすると。
百姓の出身との書き込みに対して秀吉がここまで怒り狂うのは、あまりにも不自然ではないだろうか?
むしろ。
秀吉が人々に決して『知られたくない』内容が書き込まれていたと考える方がずっと自然だろう。
わたしの見立てでは……
こう書かれていたのではないかと考えている。
「太閤秀吉は出身を偽っているぞ。
尾張中村の百姓ではなく、商人の出身であるという事実をな。
要するに。
あの悪名高き斎藤道三や松永久秀と『同族』ということよ」
こう続く。
「道三は主の土岐一族を追い払って美濃国[現在の岐阜県]を盗んだ極悪人、久秀は東大寺の大仏を焼いた極悪人ではないか!
銭[お金]で成功したこやつらは天の裁きを受け、無残な最期を遂げたことは知っていよう?
道三は長良川の戦いでめった刺しに斬り殺され、首まで晒された。
久秀に至っては二度も主に謀反を起こし、最期は茶器で有名な平蜘蛛と共に爆死した。
いずれ……
銭で成り上がり、主の織田家から天下を盗んだ秀吉も、同じ運命に合うに違いない」
と。
人々に決して知られたくない内容が書き込まれていたからこそ……
秀吉は、書いた人間を血眼になって探そうとしたのだ。
最新の研究によると。
商人を最下層に落とした士農工商という身分制度を、江戸幕府が作った『事実はない』らしい。
お上が作った制度ではないとすれば……
士農工商という身分制度は、民自身が作った制度ということになる。
一部の商人たちが薄汚い商売に手を染めたことで、人々が抱く商人への印象は著しく悪化し、結果として商人は社会的な地位まで『最下層』へと叩き落とされた。
自分で自分の地位を貶めた商人たちのせいで……
天下人にまで上り詰めて栄華を極めた秀吉でさえ、必死になって自分の出身を隠す羽目に陥っていたのだ!
余談であるが。
彼は同じ商人出身の千利休を重く用いて自分に次ぐ権力を与えた一方で、後に無実の罪を着せて切腹を命じるという支離滅裂な行動を起こす。
秀吉の持つ『同族嫌悪』がどれだけ凄まじいものであったか、よく分かる一幕だろう。
◇
時を戻そう。
「『嘘』を信じるとは、あやつも凡人に過ぎんようじゃ」
この秀吉の独り言は真実であったようだ。
包囲が未完成な部分へとやってきた山城屋は、衝撃の光景を目にする。
そこには永楽銭の軍旗を掲げた軍勢が待ち構えていたのだ!
勿論、織田信長の軍勢である。
そして。
千年の都から、次々と火の手が上がり始め……
あの比叡山の焼き討ちを超える惨劇、『上京の焼き討ち』が開始された。
◇
しばらくすると……
大勢の上京の商人と、彼らが雇っている兵士たちがやって来る。
包囲が未完成と聞いてやってきたのは、山城屋だけではなかったのだろうか?
「皆の者!
あの軍旗を見よ!」
これを見た山城屋は、咄嗟に大声を張り上げた。
周囲がその大声に反応する。
「織田木瓜[織田家の家紋]に、揚羽蝶[織田家の先祖、平氏の家紋]の軍旗!
あの軍旗がはためいているということは……
あれが、織田信長の本陣なのか!?」
「何っ!?
あそこに、信長本人がいるだと?」
「よく見れば……
それほどの数ではないようだぞ?
百人程度にしか見えん」
何人かの反応を聞いた山城屋は、煽るように言葉を続ける。
「皆の者!
この上京を焼き討ちにせんとする極悪人が、あそこにいる!
数はそれほどではない!
今こそ、極悪人を討つ好機が到来しているのではないか?」
「確かにそうじゃ!
今こそ……
信長を討つ千載一遇の好機!」
何処からか、山城屋を肯定する大声が轟く。
「各個に攻めても意味はない!
ならば、皆で一斉に攻め掛かろうではないか!
ここは武器弾薬の商いの中心、上京ぞ?
武器弾薬ならいくらでもある!
さあ、皆の者!
武器を手に取って立ち上がれ!」
誰かが意図的に息を合わせたのか、山城屋を肯定する大声が続いて轟く。
武器を手に取った千人近い上京の人々が、織田信長の本陣を攻めようと集結した。
◇
「敵はたかが百人!
一斉に攻め掛かれ!」
「敵襲!
敵襲じゃあ!
鉄砲隊、構えっ!」
武器を手に取った千人近いの上京の人々が攻め掛かると……
織田木瓜に、揚羽蝶の軍旗を掲げた敵が反応する。
敵の射撃で数十人ほどが倒されたものの、その命中精度はそれほど高くないようだ。
ほとんどは射程外から撃ってしまったらしい。
慌てているのだろうか。
「奴ら、慌てているぞ!
次の弾込めには時間が掛かる!
一気に攻め掛かれ!」
また誰かが意図的に息を合わせたのか、上京の人々を敵へと煽り立てた。
煽り立てられるまま更に敵へと肉薄した上京の人々は……
再び驚愕の光景を目の当たりにする。
数倍の敵を相手にしても落ち着き払っている指揮官と、銃口をこちらへ向けている新たな精鋭の鉄砲隊、2百人ほどだ。
名を菅屋長頼と言う指揮官は、兵たちにある命令を出す。
「鉄砲の的を変更せよ。
頭ではなく、腹を狙え」
と。
「頭ではなく、腹を?」
「うむ」
「腹は当たりやすいですが、すぐには死に至りません。
敵の足を止めなくてもよろしいので?」
「敵の足を止めるのが目的ではない。
この敵は、兵ですらないのだからな」
「兵ですらない?」
「『素人』よ」
「素人……?」
「今だ!
命令通りにせよ。
撃ち方、始めっ!」
指揮官の命令が響き、先程とは全く違う正確な射撃が上京の人々に襲い掛かって来る。
「わ!
ぎゃあ!」
腹を撃たれた大勢の者が、激痛にのたうち回り始めた。
玄人であれば下手に動かずその場でじっとしているのだが、残念ながら訓練されていない素人がほとんどだ。
激痛を我慢できず、突然の戦況の変化に付いて行けず、パニックを起こして助けを呼んでのたうち回って混乱を拡大させ、かえって鉄砲の餌食となる犠牲者を増やす有様であった。
十数分後。
哀れな骸が千ほど出来上がっていた。
「おのれ信長!
100人程度に見せ掛けて我らを欺くとは卑怯な!
まあ、良い。
役立たずの雑魚どもを千ほど失っただけよ。
まだ次がある」
千ほどの哀れな骸の前で、山城屋はひたすら強がっていた。
【次節予告 第六十八節 正義と悪の境目とは】
「故郷の国の平和を脅かす『悪人』を討て。
どんな犠牲を払おうとな」
主から命令を受けた下山平兵衛は、配下の伊賀者に集結を命じます。。
10
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
富嶽を駆けよ
有馬桓次郎
歴史・時代
★☆★ 第10回歴史・時代小説大賞〈あの時代の名脇役賞〉受賞作 ★☆★
https://www.alphapolis.co.jp/prize/result/853000200
天保三年。
尾張藩江戸屋敷の奥女中を勤めていた辰は、身長五尺七寸の大女。
嫁入りが決まって奉公も明けていたが、女人禁足の山・富士の山頂に立つという夢のため、養父と衝突しつつもなお深川で一人暮らしを続けている。
許婚の万次郎の口利きで富士講の大先達・小谷三志と面会した辰は、小谷翁の手引きで遂に富士山への登拝を決行する。
しかし人目を避けるために選ばれたその日程は、閉山から一ヶ月が経った長月二十六日。人跡の絶えた富士山は、五合目から上が完全に真冬となっていた。
逆巻く暴風、身を切る寒気、そして高山病……数多の試練を乗り越え、無事に富士山頂へ辿りつくことができた辰であったが──。
江戸後期、史上初の富士山女性登頂者「高山たつ」の挑戦を描く冒険記。
小童、宮本武蔵
雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
兵法家の子供として生まれた弁助は、野山を活発に走る小童だった。ある日、庄屋の家へ客人として旅の武芸者、有馬喜兵衛が逗留している事を知り、見学に行く。庄屋の娘のお通と共に神社へ出向いた弁助は、境内で村人に稽古をつける喜兵衛に反感を覚える。実は、弁助の父の新免無二も武芸者なのだが、人気はさっぱりだった。つまり、弁助は喜兵衛に無意識の内に嫉妬していた。弁助が初仕合する顚末。
備考 井上雄彦氏の「バガボンド」や司馬遼太郎氏の「真説 宮本武蔵」では、武蔵の父を無二斎としていますが、無二の説もあるため、本作では無二としています。また、通説では、武蔵の父は幼少時に他界している事になっていますが、関ヶ原の合戦の時、黒田如水の元で九州での戦に親子で参戦した。との説もあります。また、佐々木小次郎との決闘の時にも記述があるそうです。
その他、諸説あり、作品をフィクションとして楽しんでいただけたら幸いです。物語を鵜呑みにしてはいけません。
宮本武蔵が弁助と呼ばれ、野山を駆け回る小僧だった頃、有馬喜兵衛と言う旅の武芸者を見物する。新当流の達人である喜兵衛は、派手な格好で神社の境内に現れ、門弟や村人に稽古をつけていた。弁助の父、新免無二も武芸者だった為、その盛況ぶりを比較し、弁助は嫉妬していた。とは言え、まだ子供の身、大人の武芸者に太刀打ちできる筈もなく、お通との掛け合いで憂さを晴らす。
だが、運命は弁助を有馬喜兵衛との対決へ導く。とある事情から仕合を受ける事になり、弁助は有馬喜兵衛を観察する。当然だが、心技体、全てに於いて喜兵衛が優っている。圧倒的に不利な中、弁助は幼馴染みのお通や又八に励まされながら仕合の準備を進めていた。果たして、弁助は勝利する事ができるのか? 宮本武蔵の初死闘を描く!
備考
宮本武蔵(幼名 弁助、弁之助)
父 新免無二(斎)、武蔵が幼い頃に他界説、親子で関ヶ原に参戦した説、巌流島の決闘まで存命説、など、諸説あり。
本作は歴史の検証を目的としたものではなく、脚色されたフィクションです。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
鵺の哭く城
崎谷 和泉
歴史・時代
鵺に取り憑かれる竹田城主 赤松広秀は太刀 獅子王を継承し戦国の世に仁政を志していた。しかし時代は冷酷にその運命を翻弄していく。本作は竹田城下400年越しの悲願である赤松広秀公の名誉回復を目的に、その無二の友 儒学者 藤原惺窩の目を通して描く短編小説です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる