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第伍章 引き金、弦の章
第六十四節 脅威を排除すべき理由
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上京[現在の京都市二条通より北側]を代表する4人の商人たちは、衝撃の事実を目の当たりにしていた。
裏から日本を支配する力の源泉であった莫大なお金が、実力で手に入れたのではなく『与えられた』ものに過ぎないという事実に。
加えて自分たちの先祖が、秩序に逆らっていた反逆者……
『賊』に過ぎないという事実に。
人間は誰しも、不都合な真実には蓋をしたくなるものだ。
吉田屋を除く4人の先祖たちはいつしか、この真実を子孫に伝えなくなったのだろう。
「京の都に君臨する『戦いの黒幕』となれ。
そして、腐り果てた奴らが権力を握ることを絶対に許すな!」
平清盛から課された使命を最後まで全うしようと決めていた吉田屋の先祖だけが真実を隠さず、大切に守るべき言い伝えとして遺していたのである。
◇
続いて加賀屋が、吉田屋に質問を投げかけた。
見た感じは30代くらいだろうか。
「要するに。
源頼朝公は……
2人の弟である義経公と範頼公が圧倒的な銭[お金]の力を持つことで、己の『脅威』になることを恐れたと?」
「そもそも。
源氏は、一つになることができないという致命的な弱点を抱えています」
「それで?」
「平氏を討つために、義経公は水軍、範頼公は陸軍を率いていました。
どちらも兵からの人気は非常に高かったとか。
加えて。
もし、この2人が莫大な銭[お金]を持っていれば……」
「頼朝公に対して大規模な『反乱』を起こすことが可能になってしまうと!」
「莫大な銭[お金]を持っていれば大軍を養うことすら可能となります。
源氏同士で大量の血を流している間に、公家はかつての力を取り戻せるかもしれません」
「まさか!
武家から政権を奪い返したい公家[貴族のこと]どもが、義経公と範頼公が莫大な銭[お金]を隠し持っているとの偽りの噂[デマ]を流したと!?」
「そもそも公家は……
藤原道長[大河ドラマの光る君へでは柄本祐さんが演じている]公のあたりから完全に帝を操り、政のすべてを牛耳るようになっていました。
相手を煽り、唆し、利用し、操り、騙し、欺いて権力を握ることは日常茶飯事であったはず。
彼らにとって、醜い身内争いを起こして政敵の弱体化を企てるなど朝飯前では?」
「そうならば……
公家どもが策略を巡らせている中で、頼朝公の作った鎌倉幕府を100年も保てたのは『なぜ』じゃ?」
「簡単なことです。
醜い身内争いが起こっても、弱体化を『最小限』にすれば良い」
「弱体化を最小限に?
どういう意味ぞ?」
「あらかじめ、脅威になる存在をすべて抹殺しておけば良いのです」
「なっ!
脅威になる存在を『すべて』抹殺するのか?」
「有名な者をすべて抹殺しておき、己の周りをすべて『無名』な者だけにしておけば……
醜い身内争いが起こっても政権を揺るがす大事には至りません」
「無名な者に人は集まらない。
邪魔になっても、少数ならば『簡単』に片付けられると?」
「はい。
公家の罠に嵌まって優れた将でもあった実の弟を討ち、源氏を弱体化させてしまった頼朝公に深く失望した、鎌倉幕府第2代執権の北条義時[大河ドラマの鎌倉殿の13人では小栗旬さんが演じている]公は……
すべての脅威を『徹底』して排除しなければ、幕府の権力を維持できないとの結論に達したようです」
「……」
「こうして梶原景時、和田義盛など名の知られた武将たちに無実の罪を着せ、一族もろとも根絶やしにしました。
最後は盟友の三浦義村[同ドラマでは山本耕史さんが演じている]の一族までも皆殺しに……」
「これで公家どもは、武家から政権を奪い返すことができなくなったのだな?」
「はい」
◇
「加賀屋殿。
そんな話をしている場合か?
明日にでも織田信長が、この上京を焼き討ちにするというときに!」
筆頭格の山城屋である。
大和屋が話をつなぐ。
「今宵のうちに逃げ出す方が良いだろう。
万が一に備え、我らは洛外へ逃げられる隠し通路を用意しているではないか」
「ただし、大和屋殿。
信長に内通した者がいる以上……
隠し通路が塞がっている可能性もあるのでは?」
山城屋に続いて大和屋、丹波屋の視線が吉田屋へと向かう。
「安心なされよ。
山城屋殿。
吉田屋は隠し通路の場所を知らん。
教えていないからな」
加賀屋である。
「それは真か!?
加賀屋殿!」
「丹波屋殿の計らいでござるよ。
いずれこうなることを予期しておられたのだろう」
「……」
加賀屋の発言に対し、吉田屋は何も答えられない。
「ならば良い!
今すぐ逃げ出す準備を致そう。
残念だったな、吉田屋。
いずれ……
我らを裏切った報いを受けさせてやる」
山城屋、大和屋に続いて丹波屋が、吉田屋に対してつばを吐いた。
「我らが賊の子孫に過ぎないなど……
わしは絶対に認めんぞ」
「……」
こうして、会合は解散となった。
◇
慌ただしく逃げ出す準備をし、一族を連れて隠し通路にやってきた大和屋であったが……
他の3人は着いていないようだ。
ただし、山城屋と丹波屋の使いの者だけは来ていた。
「主は準備に時間が掛かっております。
後を追いますゆえ、先に行ってくださいませ」
「そうか。
ならば先に行かせてもらおう」
大和屋とその一族は、やや急いで隠し通路を進んでいく。
周到な『罠』に嵌められているなど気付きもせずに。
◇
一方。
山城屋とその一族は、隠し通路には向かっていなかった。
会合が終わった後……
丹波屋にこう忠告されたからである。
「加賀屋が、我らを『裏切って』いる可能性があります」
と。
これには山城屋も驚きを隠せない。
「何っ!?
それは真か?」
「山城屋殿、ご自身が申されていたことでしょう?
『そんな話をしている場合か?
明日にでも織田信長が、この上京を焼き討ちにするというときに』
と」
「確かに、加賀屋の余裕なそぶりは怪しかった……
吉田屋と一緒に信長に内通しているかもしれん」
「隠し通路には行かない方が良いでしょう。
幸い、まだ信長の軍勢の包囲は『未完成』のようです」
「おお!
ならば、わざわざ隠し通路に行く必要もあるまい。
大和屋にも伝えておこう」
「その必要はないと存じます」
「何っ!?
大和屋が罠に嵌まるのを見過ごせと申すのか?」
「山城屋殿。
以前、大和屋の振る舞いに失望されていたことをお忘れですか?
『奴は欲が深すぎる』
と」
「ああ、そのことか。
屋号の通り、大和屋は大和国[現在の奈良県]でいくつもの商圏を持っている。
大和国は今……
かつて三好長慶の家臣筆頭であった松永久秀と、有力な国衆[独立した領主のこと]の筒井順慶が、国の支配者を巡って熾烈な争いを続けているのじゃ。
ところが!
大和屋は兵糧や武器弾薬の商いの利益を己の一族で独占し、わしらに一切回さなかった」
「大和屋は欲が深すぎますな。
そういえば……
こんな噂が流れていますぞ。
『大和屋は、上京の5人衆筆頭の座を狙っている』
と」
「何っ!?
それは真か?」
「脅威になる存在は、徹底して排除すべきでは?
山城屋殿」
「それは、そうだが……」
「今こそ。
手を汚さずに脅威を排除する、絶好の機会[チャンス]ですぞ」
「……」
「しかも。
加賀屋が我らを裏切っているのは、可能性に過ぎません。
隠し通路が危険と決まったわけではないのです」
「大和屋が無事に通り抜けられるかどうかで、加賀屋が裏切っているかどうかがはっきりするということか」
「はい。
加賀屋の動きを知る上でも、大和屋には黙っていた方が良いかと思われますが?」
「……」
こういう経緯で山城屋は隠し通路を通らず、包囲が未完成のうちに洛外へ逃げ出そうとしていたのである。
◇
隠し通路を進む大和屋とその一族は、とある軍勢の待ち伏せに合った。
軍勢というよりも野盗の群れのような格好をした兵ばかりであったが。
「それがしは上京の5人衆の一人、大和屋でござる。
京の都で最も銭[お金]を持っている商人の一人でもある。
無事にここを通してくれれば……
いくらでも銭をお支払いしよう」
「ほう。
そなたが名高き大和屋殿か。
銭[お金]を支払ってくれるのなら問題はない。
通られよ」
大将らしき男に話が通じたようだ。
「おお!
かたじけない!
足早に通り抜けようとする大和屋が、大将らしき男と目が合う。
「この大将は小男で、猿のような顔をしているな。
どこかで聞いたことがある武将のような気がするが……
もしや、まさか!」
こう独り言を発した瞬間!
突如として、鉄砲の銃口が大和屋とその一族へと向けられた。
【次節予告 第六十五節 百姓の出身ではない秀吉】
大和屋はこう尋ねます。
「『なぜ』、尾張中村の百姓の出身などと蔑まれることに黙っているのですか?
商人の出身であると、はっきり、堂々と宣言すべきでは?」
と。
裏から日本を支配する力の源泉であった莫大なお金が、実力で手に入れたのではなく『与えられた』ものに過ぎないという事実に。
加えて自分たちの先祖が、秩序に逆らっていた反逆者……
『賊』に過ぎないという事実に。
人間は誰しも、不都合な真実には蓋をしたくなるものだ。
吉田屋を除く4人の先祖たちはいつしか、この真実を子孫に伝えなくなったのだろう。
「京の都に君臨する『戦いの黒幕』となれ。
そして、腐り果てた奴らが権力を握ることを絶対に許すな!」
平清盛から課された使命を最後まで全うしようと決めていた吉田屋の先祖だけが真実を隠さず、大切に守るべき言い伝えとして遺していたのである。
◇
続いて加賀屋が、吉田屋に質問を投げかけた。
見た感じは30代くらいだろうか。
「要するに。
源頼朝公は……
2人の弟である義経公と範頼公が圧倒的な銭[お金]の力を持つことで、己の『脅威』になることを恐れたと?」
「そもそも。
源氏は、一つになることができないという致命的な弱点を抱えています」
「それで?」
「平氏を討つために、義経公は水軍、範頼公は陸軍を率いていました。
どちらも兵からの人気は非常に高かったとか。
加えて。
もし、この2人が莫大な銭[お金]を持っていれば……」
「頼朝公に対して大規模な『反乱』を起こすことが可能になってしまうと!」
「莫大な銭[お金]を持っていれば大軍を養うことすら可能となります。
源氏同士で大量の血を流している間に、公家はかつての力を取り戻せるかもしれません」
「まさか!
武家から政権を奪い返したい公家[貴族のこと]どもが、義経公と範頼公が莫大な銭[お金]を隠し持っているとの偽りの噂[デマ]を流したと!?」
「そもそも公家は……
藤原道長[大河ドラマの光る君へでは柄本祐さんが演じている]公のあたりから完全に帝を操り、政のすべてを牛耳るようになっていました。
相手を煽り、唆し、利用し、操り、騙し、欺いて権力を握ることは日常茶飯事であったはず。
彼らにとって、醜い身内争いを起こして政敵の弱体化を企てるなど朝飯前では?」
「そうならば……
公家どもが策略を巡らせている中で、頼朝公の作った鎌倉幕府を100年も保てたのは『なぜ』じゃ?」
「簡単なことです。
醜い身内争いが起こっても、弱体化を『最小限』にすれば良い」
「弱体化を最小限に?
どういう意味ぞ?」
「あらかじめ、脅威になる存在をすべて抹殺しておけば良いのです」
「なっ!
脅威になる存在を『すべて』抹殺するのか?」
「有名な者をすべて抹殺しておき、己の周りをすべて『無名』な者だけにしておけば……
醜い身内争いが起こっても政権を揺るがす大事には至りません」
「無名な者に人は集まらない。
邪魔になっても、少数ならば『簡単』に片付けられると?」
「はい。
公家の罠に嵌まって優れた将でもあった実の弟を討ち、源氏を弱体化させてしまった頼朝公に深く失望した、鎌倉幕府第2代執権の北条義時[大河ドラマの鎌倉殿の13人では小栗旬さんが演じている]公は……
すべての脅威を『徹底』して排除しなければ、幕府の権力を維持できないとの結論に達したようです」
「……」
「こうして梶原景時、和田義盛など名の知られた武将たちに無実の罪を着せ、一族もろとも根絶やしにしました。
最後は盟友の三浦義村[同ドラマでは山本耕史さんが演じている]の一族までも皆殺しに……」
「これで公家どもは、武家から政権を奪い返すことができなくなったのだな?」
「はい」
◇
「加賀屋殿。
そんな話をしている場合か?
明日にでも織田信長が、この上京を焼き討ちにするというときに!」
筆頭格の山城屋である。
大和屋が話をつなぐ。
「今宵のうちに逃げ出す方が良いだろう。
万が一に備え、我らは洛外へ逃げられる隠し通路を用意しているではないか」
「ただし、大和屋殿。
信長に内通した者がいる以上……
隠し通路が塞がっている可能性もあるのでは?」
山城屋に続いて大和屋、丹波屋の視線が吉田屋へと向かう。
「安心なされよ。
山城屋殿。
吉田屋は隠し通路の場所を知らん。
教えていないからな」
加賀屋である。
「それは真か!?
加賀屋殿!」
「丹波屋殿の計らいでござるよ。
いずれこうなることを予期しておられたのだろう」
「……」
加賀屋の発言に対し、吉田屋は何も答えられない。
「ならば良い!
今すぐ逃げ出す準備を致そう。
残念だったな、吉田屋。
いずれ……
我らを裏切った報いを受けさせてやる」
山城屋、大和屋に続いて丹波屋が、吉田屋に対してつばを吐いた。
「我らが賊の子孫に過ぎないなど……
わしは絶対に認めんぞ」
「……」
こうして、会合は解散となった。
◇
慌ただしく逃げ出す準備をし、一族を連れて隠し通路にやってきた大和屋であったが……
他の3人は着いていないようだ。
ただし、山城屋と丹波屋の使いの者だけは来ていた。
「主は準備に時間が掛かっております。
後を追いますゆえ、先に行ってくださいませ」
「そうか。
ならば先に行かせてもらおう」
大和屋とその一族は、やや急いで隠し通路を進んでいく。
周到な『罠』に嵌められているなど気付きもせずに。
◇
一方。
山城屋とその一族は、隠し通路には向かっていなかった。
会合が終わった後……
丹波屋にこう忠告されたからである。
「加賀屋が、我らを『裏切って』いる可能性があります」
と。
これには山城屋も驚きを隠せない。
「何っ!?
それは真か?」
「山城屋殿、ご自身が申されていたことでしょう?
『そんな話をしている場合か?
明日にでも織田信長が、この上京を焼き討ちにするというときに』
と」
「確かに、加賀屋の余裕なそぶりは怪しかった……
吉田屋と一緒に信長に内通しているかもしれん」
「隠し通路には行かない方が良いでしょう。
幸い、まだ信長の軍勢の包囲は『未完成』のようです」
「おお!
ならば、わざわざ隠し通路に行く必要もあるまい。
大和屋にも伝えておこう」
「その必要はないと存じます」
「何っ!?
大和屋が罠に嵌まるのを見過ごせと申すのか?」
「山城屋殿。
以前、大和屋の振る舞いに失望されていたことをお忘れですか?
『奴は欲が深すぎる』
と」
「ああ、そのことか。
屋号の通り、大和屋は大和国[現在の奈良県]でいくつもの商圏を持っている。
大和国は今……
かつて三好長慶の家臣筆頭であった松永久秀と、有力な国衆[独立した領主のこと]の筒井順慶が、国の支配者を巡って熾烈な争いを続けているのじゃ。
ところが!
大和屋は兵糧や武器弾薬の商いの利益を己の一族で独占し、わしらに一切回さなかった」
「大和屋は欲が深すぎますな。
そういえば……
こんな噂が流れていますぞ。
『大和屋は、上京の5人衆筆頭の座を狙っている』
と」
「何っ!?
それは真か?」
「脅威になる存在は、徹底して排除すべきでは?
山城屋殿」
「それは、そうだが……」
「今こそ。
手を汚さずに脅威を排除する、絶好の機会[チャンス]ですぞ」
「……」
「しかも。
加賀屋が我らを裏切っているのは、可能性に過ぎません。
隠し通路が危険と決まったわけではないのです」
「大和屋が無事に通り抜けられるかどうかで、加賀屋が裏切っているかどうかがはっきりするということか」
「はい。
加賀屋の動きを知る上でも、大和屋には黙っていた方が良いかと思われますが?」
「……」
こういう経緯で山城屋は隠し通路を通らず、包囲が未完成のうちに洛外へ逃げ出そうとしていたのである。
◇
隠し通路を進む大和屋とその一族は、とある軍勢の待ち伏せに合った。
軍勢というよりも野盗の群れのような格好をした兵ばかりであったが。
「それがしは上京の5人衆の一人、大和屋でござる。
京の都で最も銭[お金]を持っている商人の一人でもある。
無事にここを通してくれれば……
いくらでも銭をお支払いしよう」
「ほう。
そなたが名高き大和屋殿か。
銭[お金]を支払ってくれるのなら問題はない。
通られよ」
大将らしき男に話が通じたようだ。
「おお!
かたじけない!
足早に通り抜けようとする大和屋が、大将らしき男と目が合う。
「この大将は小男で、猿のような顔をしているな。
どこかで聞いたことがある武将のような気がするが……
もしや、まさか!」
こう独り言を発した瞬間!
突如として、鉄砲の銃口が大和屋とその一族へと向けられた。
【次節予告 第六十五節 百姓の出身ではない秀吉】
大和屋はこう尋ねます。
「『なぜ』、尾張中村の百姓の出身などと蔑まれることに黙っているのですか?
商人の出身であると、はっきり、堂々と宣言すべきでは?」
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