44 / 64
第参章 武田軍侵攻、策略の章
第四十二節 教団へ挑む、類まれなる武人
しおりを挟む
加賀国・吉崎御坊[現在の石川県あわら市]。
この国の大名・富樫一族の醜い身内争いに兵士として加わった大勢の『民』が、激しい怒りを剥き出しにしている。
「我らは兄を大名に返り咲かせるため、命を危険に晒して戦った。
『もう雇い続ける銭[お金]がない』
だと?
ふざけるなっ!
権力者や富んだ者どもは、また権力や富を独占するつもりなのか!」
ある者がこう叫ぶ。
「皆の者!
教団の教えを思い出すのじゃ!
『念仏さえ唱えれば、誰でも極楽へ行ける。
あとは何でも自由にして良い』
と」
それを聞いた好戦的な者が、こう答えた。
「そうじゃ!
我々には、神仏のご加護がある!
今こそ立ち上がるときぞ!
権力者を倒し、富んだ者たちを殺せ!
何の実力もないくせに……
世襲[親から子へ相続すること]によって権力や富を独占し、我々から搾取し続けている輩を決して許すな!」
「応!
そうじゃ、その通りじゃ!
権力を独占している奴らを倒せ!
富を独占している奴らを殺せ!」
『一向一揆』はこうして勃発し……
瞬く間に広がって加賀国[現在の石川県]を蹂躙する。
権力者や富んだ者は、教団による虐殺と略奪の餌食となった。
◇
加賀国の隣にある越前国[現在の福井県]。
幸いなことに……
この国には、『類まれなる武人』がいた。
名前を朝倉宗滴と言う武人は、隣国の騒ぎを見てこう語り始めた。
「素人どもが何を抜かす。
『命を危険に晒して戦った』
だと?
笑わせるな。
圧倒的な数に物を言わせただけのくせに。
あんなくだらん戦よりは、子供同士の石投げ合戦の方が真剣なだけまだ良いわ。
そのくだらん戦も終わった今、奴らを雇い続ける理由がどこにある?」
こう続けた。
「実際、権力や富を独占する者どもは腐り切っている。
腐り果てて膿が出ている。
権力や富というものは本来……
世のため、人のために何かを『為す[達成するという意味]』ために存在しているのだからな。
要するに権力や富は、世を良くし、人の役に立つための手段に過ぎないのだ」
こう結論付けた。
「この『真理』を忘れ……
権力や富をいかに己の一族で独占するかを最優先に考える醜い輩が増えてしまっている。
多すぎて反吐が出るくらいにな。
ただし!
これよりも、はるかに醜いのが……
隣の加賀国で騒いでいる一向一揆どもよ。
己の実力を磨く努力を怠っているくせに、己の権利ばかりを主張し、他人を非難することに明け暮れている!
世のため、人のためではなく、己のことばかり考えている、あ奴らこそが!
一番醜く、一番腐り果てて膿が出ている存在ではないか!
笑わせるな。
主への忠誠心も、武人たる誇りすらなく……
己の利益のために、都合の良い、存在もしない神を生み出し、政にまで口を出す教団にまんまと操られた『馬鹿』な連中に、一体何の使い道があると?」
朝倉家の当主からおよそ1万人の軍勢を預けられた宗滴は、九頭竜川を挟んで一向一揆勢30万人と対峙する。
圧倒的に不利な状況で怯む兵士たちへ向けて演説を始めた。
「皆の者!
よく聞け!
加賀国[現在の石川県]の一向一揆勢は、圧倒的な大軍でこの越前国[現在の福井県]を蹂躙しようとしている。
対岸にいる敵は……
我ら朝倉軍の30倍はいるぞ!
だが!
恐れることはない!
奴らは武人ではなく、戦の素人に過ぎないのだからな。
真の武人とは……
己の都合を優先し、数に物を言わせて弱き者と戦うような卑怯者ではない!
秩序を重んじ、強き者へ挑む者のことなのだ!
戦の素人どもに、真の武人がどれだけ強いのか……
その身をもって味わわせてやろう。
そして!
奴らに、秩序を乱した愚かな振る舞いの『代償』を払わせてやろう!」
「応!
応!
おおっ!」
たちまち兵士たちから歓声が上がる。
「皆の者!
よく見て、よく聞いて、よく考えよ。
奴ら以上に罪が重いのは、誰だ?」
ある兵士がこう叫ぶ。
「民を扇動した『教団』そのものだ!」
別の兵士が続いた。
「そうだ!
この国の秩序を乱す教団を、徹底的に潰せ!」
狙い通りの展開になったことを確信した宗滴から、思わず笑みが溢れる。
「者ども!
この国の秩序を乱す教団を、徹底的に潰せ!
己の利益のために民を操り、政にまで口を出す連中を八つ裂きにしろ!
もう一つ。
これをよく覚えておけ。
奴らが崇め奉っていると囀る神仏は、人の手によって生み出されたものだ。
言うまでもないが……
人を『造った』御方ではない。
奴らの崇め奉っている神仏など、存在しない!」
こう締めくくった。
「教団を恐れる理由など、一つもないのだ!
皆の命、わしに預けてくれ!」
「応!
応!
おおっ!
わしらは勝てるぞ!
存在もしない神仏を崇め奉っている戦の素人など、我らの敵ではない!」
宗滴が率いる朝倉軍の『士気』は、30倍の敵を前にしながら最高潮に達した。
対岸にいる一向一揆勢はこれを見て唖然とするしかない。
「な……
何なのじゃ!
30倍もの敵に正面から挑むなど、朝倉軍は気でも狂っているのか?
非常識にも程があるぞ!
同じ大名でも、富樫一族とは大違いではないか!」
「富樫一族は、わしらの圧倒的な数を見て完全に戦意[戦う気力のこと]を失っていた。
だからこそ簡単に勝てたのじゃ」
「対岸の朝倉軍は、それとは全く違う!
戦意を失うどころか……
士気は最高潮に達している!
わしらには、神仏のご加護があるのではなかったのか!?」
「おいおい……
そんなものを本気で信じていたとは目出度い奴だな。
わしは、楽で、簡単で、銭[お金]がもらえて、女子を抱いて帰れるから『乗った』だけよ」
「こういう馬鹿のせいで、この軍勢は無秩序なのか」
それにしても。
秩序を重んじる真の武人とは、『まとも』に戦うべきではないな」
ある兵たちが勝手に移動を始める。
「おい!
待て!
勝手に持ち場を離れるなっ!」
特に前列の兵士たちは、士気が最高潮に達した敵軍を見ただけで怯み始めた。
欲深い愚かな人間の集団であることに加え……
戦争の素人を寄せ集めた軍勢など、どれだけ集まろうが烏合の衆に過ぎないのだろうか。
前列の兵士たちは後列へ行こうと無秩序に『後退』まで始めたようだ。
これを見た宗滴は声の限り叫ぶ。
「奴らは動揺し、後退しているぞ!
今こそ天が与えた千載一遇の好機!
わしに続けぇっ!
全軍突撃!」
朝倉軍は、疾風怒濤の勢いで九頭竜川を渡河し始めた。
◇
「お……
おい!
奴ら、突っ込んでくるぞ!」
「30倍の敵に突っ込むなど、非常識にも程がある!
奴ら正気なのか!?」
「下がれ!
下がったもん勝ちじゃ!」
「おい、押すな!
後ろが詰まっているのが分からんのか」
「どけ!
どかんと斬るぞ!」
「おぬしらは前列の兵であろう?
命令もなく勝手に下がりおって……」
「は?
わしらは、あんなのと戦うなど聞いていないが?」
「おいおい……
おぬしらは一体、何しにここへ?
ここは戦場だぞ?」
「気に入らない奴を殺し、女子を抱いて、銭[お金]をもらって帰れると聞いたから来ただけじゃ。
さっさとどけ。
どかねば、おぬしらから先に斬るぞ」
「何だと?
黙って聞いてやっていれば……
雑魚どもが!
おぬしらのような雑魚な兵が混ざっているから、圧倒的に少ない敵軍に怯むのじゃ。
さっさと敵の突撃を食らって死ね」
「おのれ!
こうなったら強引にでも後退してやるぞ!
え?
あ……
あ!
も、もう敵が目の前に!?
そんな馬鹿な!
早い!
早すぎる!
ぎゃあっ!
う、腕があっ!
痛い!
痛いっ!
か、母ちゃん!
誰か助けて!
待て!
わしは、戦をするために来たわけではない!
ただ教団に命令されてここへ……
あ、今から朝倉軍に『寝返る』から許してくれ!」
「は?
この下衆が。
反吐が出るわ。
せめて、死んで役に立て」
こう応えた朝倉軍の容赦ない斬撃で腕を失い、足を失い、激痛でのたうち回る者たちは哀れでしかない。
のたうち回ったことで更に混乱を増幅させ、一帯を朝倉軍の『狩場』としてしまった。
こうして一向一揆勢を完膚なきまでに叩き潰した朝倉軍であったが、不幸が訪れる。
総大将・朝倉宗滴の病死だ。
類まれなる武人を失った軍勢は、その勢いすら失った。
両者の戦いは膠着状態へと陥った。
◇
さて。
この出来事は、独裁者を目指す人間に一つの手本を与えた。
「奴らは人数こそ桁外れに多いが……
所詮は戦の素人であり、結束力のない烏合の衆に過ぎん。
要するに『雑魚』ということか。
ある意味で、教団は最も都合の良い敵かもしれないぞ」
と。
【次節予告 第四十三節 最も都合の良い敵は誰か】
自分以外の『的』へ人々の憎悪を集めること。
これは独裁者に限らず……
影響力を持つ者すべてが、相手を思考停止に陥らせ、さらに多くの人々を操るために使う常套手段なのです。常套手段なのです。
この国の大名・富樫一族の醜い身内争いに兵士として加わった大勢の『民』が、激しい怒りを剥き出しにしている。
「我らは兄を大名に返り咲かせるため、命を危険に晒して戦った。
『もう雇い続ける銭[お金]がない』
だと?
ふざけるなっ!
権力者や富んだ者どもは、また権力や富を独占するつもりなのか!」
ある者がこう叫ぶ。
「皆の者!
教団の教えを思い出すのじゃ!
『念仏さえ唱えれば、誰でも極楽へ行ける。
あとは何でも自由にして良い』
と」
それを聞いた好戦的な者が、こう答えた。
「そうじゃ!
我々には、神仏のご加護がある!
今こそ立ち上がるときぞ!
権力者を倒し、富んだ者たちを殺せ!
何の実力もないくせに……
世襲[親から子へ相続すること]によって権力や富を独占し、我々から搾取し続けている輩を決して許すな!」
「応!
そうじゃ、その通りじゃ!
権力を独占している奴らを倒せ!
富を独占している奴らを殺せ!」
『一向一揆』はこうして勃発し……
瞬く間に広がって加賀国[現在の石川県]を蹂躙する。
権力者や富んだ者は、教団による虐殺と略奪の餌食となった。
◇
加賀国の隣にある越前国[現在の福井県]。
幸いなことに……
この国には、『類まれなる武人』がいた。
名前を朝倉宗滴と言う武人は、隣国の騒ぎを見てこう語り始めた。
「素人どもが何を抜かす。
『命を危険に晒して戦った』
だと?
笑わせるな。
圧倒的な数に物を言わせただけのくせに。
あんなくだらん戦よりは、子供同士の石投げ合戦の方が真剣なだけまだ良いわ。
そのくだらん戦も終わった今、奴らを雇い続ける理由がどこにある?」
こう続けた。
「実際、権力や富を独占する者どもは腐り切っている。
腐り果てて膿が出ている。
権力や富というものは本来……
世のため、人のために何かを『為す[達成するという意味]』ために存在しているのだからな。
要するに権力や富は、世を良くし、人の役に立つための手段に過ぎないのだ」
こう結論付けた。
「この『真理』を忘れ……
権力や富をいかに己の一族で独占するかを最優先に考える醜い輩が増えてしまっている。
多すぎて反吐が出るくらいにな。
ただし!
これよりも、はるかに醜いのが……
隣の加賀国で騒いでいる一向一揆どもよ。
己の実力を磨く努力を怠っているくせに、己の権利ばかりを主張し、他人を非難することに明け暮れている!
世のため、人のためではなく、己のことばかり考えている、あ奴らこそが!
一番醜く、一番腐り果てて膿が出ている存在ではないか!
笑わせるな。
主への忠誠心も、武人たる誇りすらなく……
己の利益のために、都合の良い、存在もしない神を生み出し、政にまで口を出す教団にまんまと操られた『馬鹿』な連中に、一体何の使い道があると?」
朝倉家の当主からおよそ1万人の軍勢を預けられた宗滴は、九頭竜川を挟んで一向一揆勢30万人と対峙する。
圧倒的に不利な状況で怯む兵士たちへ向けて演説を始めた。
「皆の者!
よく聞け!
加賀国[現在の石川県]の一向一揆勢は、圧倒的な大軍でこの越前国[現在の福井県]を蹂躙しようとしている。
対岸にいる敵は……
我ら朝倉軍の30倍はいるぞ!
だが!
恐れることはない!
奴らは武人ではなく、戦の素人に過ぎないのだからな。
真の武人とは……
己の都合を優先し、数に物を言わせて弱き者と戦うような卑怯者ではない!
秩序を重んじ、強き者へ挑む者のことなのだ!
戦の素人どもに、真の武人がどれだけ強いのか……
その身をもって味わわせてやろう。
そして!
奴らに、秩序を乱した愚かな振る舞いの『代償』を払わせてやろう!」
「応!
応!
おおっ!」
たちまち兵士たちから歓声が上がる。
「皆の者!
よく見て、よく聞いて、よく考えよ。
奴ら以上に罪が重いのは、誰だ?」
ある兵士がこう叫ぶ。
「民を扇動した『教団』そのものだ!」
別の兵士が続いた。
「そうだ!
この国の秩序を乱す教団を、徹底的に潰せ!」
狙い通りの展開になったことを確信した宗滴から、思わず笑みが溢れる。
「者ども!
この国の秩序を乱す教団を、徹底的に潰せ!
己の利益のために民を操り、政にまで口を出す連中を八つ裂きにしろ!
もう一つ。
これをよく覚えておけ。
奴らが崇め奉っていると囀る神仏は、人の手によって生み出されたものだ。
言うまでもないが……
人を『造った』御方ではない。
奴らの崇め奉っている神仏など、存在しない!」
こう締めくくった。
「教団を恐れる理由など、一つもないのだ!
皆の命、わしに預けてくれ!」
「応!
応!
おおっ!
わしらは勝てるぞ!
存在もしない神仏を崇め奉っている戦の素人など、我らの敵ではない!」
宗滴が率いる朝倉軍の『士気』は、30倍の敵を前にしながら最高潮に達した。
対岸にいる一向一揆勢はこれを見て唖然とするしかない。
「な……
何なのじゃ!
30倍もの敵に正面から挑むなど、朝倉軍は気でも狂っているのか?
非常識にも程があるぞ!
同じ大名でも、富樫一族とは大違いではないか!」
「富樫一族は、わしらの圧倒的な数を見て完全に戦意[戦う気力のこと]を失っていた。
だからこそ簡単に勝てたのじゃ」
「対岸の朝倉軍は、それとは全く違う!
戦意を失うどころか……
士気は最高潮に達している!
わしらには、神仏のご加護があるのではなかったのか!?」
「おいおい……
そんなものを本気で信じていたとは目出度い奴だな。
わしは、楽で、簡単で、銭[お金]がもらえて、女子を抱いて帰れるから『乗った』だけよ」
「こういう馬鹿のせいで、この軍勢は無秩序なのか」
それにしても。
秩序を重んじる真の武人とは、『まとも』に戦うべきではないな」
ある兵たちが勝手に移動を始める。
「おい!
待て!
勝手に持ち場を離れるなっ!」
特に前列の兵士たちは、士気が最高潮に達した敵軍を見ただけで怯み始めた。
欲深い愚かな人間の集団であることに加え……
戦争の素人を寄せ集めた軍勢など、どれだけ集まろうが烏合の衆に過ぎないのだろうか。
前列の兵士たちは後列へ行こうと無秩序に『後退』まで始めたようだ。
これを見た宗滴は声の限り叫ぶ。
「奴らは動揺し、後退しているぞ!
今こそ天が与えた千載一遇の好機!
わしに続けぇっ!
全軍突撃!」
朝倉軍は、疾風怒濤の勢いで九頭竜川を渡河し始めた。
◇
「お……
おい!
奴ら、突っ込んでくるぞ!」
「30倍の敵に突っ込むなど、非常識にも程がある!
奴ら正気なのか!?」
「下がれ!
下がったもん勝ちじゃ!」
「おい、押すな!
後ろが詰まっているのが分からんのか」
「どけ!
どかんと斬るぞ!」
「おぬしらは前列の兵であろう?
命令もなく勝手に下がりおって……」
「は?
わしらは、あんなのと戦うなど聞いていないが?」
「おいおい……
おぬしらは一体、何しにここへ?
ここは戦場だぞ?」
「気に入らない奴を殺し、女子を抱いて、銭[お金]をもらって帰れると聞いたから来ただけじゃ。
さっさとどけ。
どかねば、おぬしらから先に斬るぞ」
「何だと?
黙って聞いてやっていれば……
雑魚どもが!
おぬしらのような雑魚な兵が混ざっているから、圧倒的に少ない敵軍に怯むのじゃ。
さっさと敵の突撃を食らって死ね」
「おのれ!
こうなったら強引にでも後退してやるぞ!
え?
あ……
あ!
も、もう敵が目の前に!?
そんな馬鹿な!
早い!
早すぎる!
ぎゃあっ!
う、腕があっ!
痛い!
痛いっ!
か、母ちゃん!
誰か助けて!
待て!
わしは、戦をするために来たわけではない!
ただ教団に命令されてここへ……
あ、今から朝倉軍に『寝返る』から許してくれ!」
「は?
この下衆が。
反吐が出るわ。
せめて、死んで役に立て」
こう応えた朝倉軍の容赦ない斬撃で腕を失い、足を失い、激痛でのたうち回る者たちは哀れでしかない。
のたうち回ったことで更に混乱を増幅させ、一帯を朝倉軍の『狩場』としてしまった。
こうして一向一揆勢を完膚なきまでに叩き潰した朝倉軍であったが、不幸が訪れる。
総大将・朝倉宗滴の病死だ。
類まれなる武人を失った軍勢は、その勢いすら失った。
両者の戦いは膠着状態へと陥った。
◇
さて。
この出来事は、独裁者を目指す人間に一つの手本を与えた。
「奴らは人数こそ桁外れに多いが……
所詮は戦の素人であり、結束力のない烏合の衆に過ぎん。
要するに『雑魚』ということか。
ある意味で、教団は最も都合の良い敵かもしれないぞ」
と。
【次節予告 第四十三節 最も都合の良い敵は誰か】
自分以外の『的』へ人々の憎悪を集めること。
これは独裁者に限らず……
影響力を持つ者すべてが、相手を思考停止に陥らせ、さらに多くの人々を操るために使う常套手段なのです。常套手段なのです。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
大罪人の娘・前編 最終章 乱世の弦(いと)、宿命の長篠決戦
いずもカリーシ
歴史・時代
織田信長と武田勝頼、友となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つ!
「戦国乱世に終止符を打ち、平和な世を達成したい」
この志を貫こうとする織田信長。
一方。
信長の愛娘を妻に迎え、その志を一緒に貫きたいと願った武田勝頼。
ところが。
武器商人たちの企てによって一人の女性が毒殺され、全てが狂い出しました。
これは不運なのか、あるいは宿命なのか……
同じ志を持つ『友』となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つのです!
(他、いずもカリーシで掲載しています)
信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~
佐倉伸哉
歴史・時代
その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。
父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。
稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。
明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。
◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093085367901420)』でも同時掲載しています◇
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
叛雨に濡れる朝(あした)に
海善紙葉
歴史・時代
敵は信長か?それとも父・家康なのか! 乱世の不条理に敢然と立ち向かえ!夫も子もかえりみず、ひたすらにわが道を突き進むのみ!!!💬
(あらすじ)
○わたし(亀)は、政略結婚で、17歳のとき奥平家に嫁いだ。
その城では、親信長派・反信長派の得体の知れない連中が、ウヨウヨ。そこで出会った正体不明の青年武者を、やがてわたしは愛するように……
○同い年で、幼なじみの大久保彦左衛門が、大陸の明国の前皇帝の二人の皇女が日本へ逃れてきて、この姫を手に入れようと、信長はじめ各地の大名が画策していると告げる。その陰謀の渦の中にわたしは巻き込まれていく……
○ついに信長が、兄・信康(のぶやす)に切腹を命じた……兄を救出すべく、わたしは、ある大胆で奇想天外な計画を思いついて実行した。
そうして、安土城で、単身、織田信長と対決する……
💬魔界転生系ではありません。
✳️どちらかといえば、文芸路線、ジャンルを問わない読書好きの方に、ぜひ、お読みいただけると、作者冥利につきます(⌒0⌒)/~~🤗
(主な登場人物・登場順)
□印は、要チェックです(´∀`*)
□わたし︰家康長女・亀
□徳川信康︰岡崎三郎信康とも。亀の兄。
□奥平信昌(おくだいらのぶまさ)︰亀の夫。
□笹︰亀の侍女頭
□芦名小太郎(あしなこたろう)︰謎の居候。
本多正信(ほんだまさのぶ)︰家康の謀臣
□奥山休賀斎(おくやまきゅうがさい)︰剣客。家康の剣の師。
□大久保忠教(おおくぼただたか)︰通称、彦左衛門。亀と同い年。
服部半蔵(はっとりはんぞう)︰家康配下の伊賀者の棟梁。
□今川氏真(いまがわうじざね)︰今川義元の嫡男。
□詞葉(しよう)︰謎の異国人。父は日本人。芦名水軍で育てられる。
□熊蔵(くまぞう)︰年齢不詳。小柄な岡崎からの密偵。
□芦名兵太郎(あしなへいたろう)︰芦名水軍の首魁。織田信長と敵対してはいるものの、なぜか亀の味方に。別の顔も?
□弥右衛門(やえもん)︰茶屋衆の傭兵。
□茶屋四郎次郎(ちゃやしろうじろう)︰各地に商店を持ち、徳川の諜報活動を担う。
□佐助︰大人だがこどものような体躯。鞭の名人。
□嘉兵衛(かへい)︰天満屋の番頭。
松永弾正久秀︰稀代の梟雄。
□武藤喜兵衛︰武田信玄の家臣。でも、実は?
足利義昭︰最後の将軍
高山ジュスト右近︰キリシタン武将。
近衛前久(このえさきひさ)︰前の関白
筒井順慶︰大和の武将。
□巣鴨(すがも)︰順慶の密偵。
□あかし︰明国皇女・秀華の侍女
平岩親吉︰家康の盟友。
真田昌幸(さなだまさゆき)︰真田幸村の父。
亀屋栄任︰京都の豪商
五郎兵衛︰茶屋衆の傭兵頭
九州のイチモツ 立花宗茂
三井 寿
歴史・時代
豊臣秀吉が愛し、徳川家康が怖れた猛将“立花宗茂”。
義父“立花道雪”、父“高橋紹運”の凄まじい合戦と最期を目の当たりにし、男としての仁義を貫いた”立花宗茂“と“誾千代姫”との哀しい別れの物語です。
下剋上の戦国時代、九州では“大友・龍造寺・島津”三つ巴の戦いが続いている。
大友家を支えるのが、足が不自由にもかかわらず、輿に乗って戦い、37戦常勝無敗を誇った“九州一の勇将”立花道雪と高橋紹運である。立花道雪は1人娘の誾千代姫に家督を譲るが、勢力争いで凋落する大友宗麟を支える為に高橋紹運の跡継ぎ統虎(立花宗茂)を婿に迎えた。
女城主として育てられた誾千代姫と統虎は激しく反目しあうが、父立花道雪の死で2人は強く結ばれた。
だが、立花道雪の死を好機と捉えた島津家は、九州制覇を目指して出陣する。大友宗麟は豊臣秀吉に出陣を願ったが、島津軍は5万の大軍で筑前へ向かった。
その島津軍5万に挑んだのが、高橋紹運率いる岩屋城736名である。岩屋城に籠る高橋軍は14日間も島津軍を翻弄し、最期は全員が壮絶な討ち死にを遂げた。命を賭けた時間稼ぎにより、秀吉軍は筑前に到着し、立花宗茂と立花城を救った。
島津軍は撤退したが、立花宗茂は5万の島津軍を追撃し、筑前国領主としての意地を果たした。豊臣秀吉は立花宗茂の武勇を讃え、“九州之一物”と呼び、多くの大名の前で激賞した。その後、豊臣秀吉は九州征伐・天下統一へと突き進んでいく。
その後の朝鮮征伐、関ヶ原の合戦で“立花宗茂”は己の仁義と意地の為に戦うこととなる。
深説 桶狭間の戦い
日野照歩
歴史・時代
「桶狭間の戦い」 それは、織田信長、今川義元ともに、高度な戦術と情報操作を駆使した名勝負だった。史実に忠実に沿いつつも、歴史書の行間を深読みし、独自の新説でその謎に迫る...全30話 完結
混血の守護神
篠崎流
歴史・時代
まだ歴史の記録すら曖昧な時代の日本に生まれた少女「円(まどか)」事故から偶然、大陸へ流される。
皇帝の不死の秘薬の実験体にされ、猛毒を飲まされ死にかけた彼女を救ったのは神様を自称する子供だった、交換条件で半不死者と成った彼女の、決して人の記録に残らない永久の物語。 一応世界史ベースですが完全に史実ではないです
狐侍こんこんちき
月芝
歴史・時代
母は出戻り幽霊。居候はしゃべる猫。
父は何の因果か輪廻の輪からはずされて、地獄の官吏についている。
そんな九坂家は由緒正しいおんぼろ道場を営んでいるが、
門弟なんぞはひとりもいやしない。
寄りつくのはもっぱら妙ちきりんな連中ばかり。
かような家を継いでしまった藤士郎は、狐面にていつも背を丸めている青瓢箪。
のんびりした性格にて、覇気に乏しく、およそ武士らしくない。
おかげでせっかくの剣の腕も宝の持ち腐れ。
もっぱら魚をさばいたり、薪を割るのに役立っているが、そんな暮らしも案外悪くない。
けれどもある日のこと。
自宅兼道場の前にて倒れている子どもを拾ったことから、奇妙な縁が動きだす。
脇差しの付喪神を助けたことから、世にも奇妙な仇討ち騒動に関わることになった藤士郎。
こんこんちきちき、こんちきちん。
家内安全、無病息災、心願成就にて妖縁奇縁が来来。
巻き起こる騒動の数々。
これを解決するために奔走する狐侍の奇々怪々なお江戸物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる