170 / 170
6章 足りないのは我慢なのか適性なのか
27 〜この先のために メルヴィン
しおりを挟む
「いやいや、俺なんかメルヴィンさんの足元にも及ばねえって!そもそもヤったことねえ相手のこと聞かれても困るし。
単純に手扱きとか口で可愛がるのじゃダメなのか?それくらい毎回やってるだろ?」
「…………………。」
やったことねえんだよ!
できてたらこんなに悩んでねえし!
さすがに触ったことはある。
だが本格的に扱いた覚えはない。
この間ジェイデンのと3本纏めて扱いたアレだけだ。
だがそのときだってあいつは自分で腰を使ってたし…。
てか、どっちもあいつがオレにしてくれてる。
だからせめて尻であいつを抱いてやりたかった。
それだって体重問題があったから、あいつに何かしてやりたくて焦ってたんだろうか。
「……マジか。あんたらベッドでいつも何してんだ?まさか突っ込むだけで終わりじゃないですよね?」
くっ!
分かってたことだが他人から改めて指摘されるとツラい。
むしろあいつからのエロ下着や、コックリングに射精管理からのプレスでフィニッシュしか出て来ねえ。
あと歯形。
…………冷静に考えたら初っ端から鬼畜じゃねえか、あいつ!
まあ射精した後すぐにキスしてくれるから、愛のある鬼畜だが。
あいつはオレが抱かれてくれるだけでいいと言ってくれるが、その言葉に甘えているだけなのは悔しい。
だから恥を忍んで聞いたのに、さらに心を抉られるとは…。
「いや、まあ、その辺りは黙秘するが、ちょっと焦ってたみたいだ。それに気付けて良かったぜ。ありがとうよ。」
とりあえず、あいつが帰って来たら手コキに再チャレンジだ。
できたら咥えるトコまでな。
なんだかんだ言ってもあいつは優しい。
オレがやりたいとねだればやらせてくれるだろう。
「大したことは言ってないですよ。でもそれであいつとメルヴィンさんたちの仲が深まるなら俺は嬉しいです。あいつも喜ぶだろうし…。」
「なあラース、そんなにあいつに惚れてんのに、いつまで本人に好きだと言わない気だ?お前だってツラいだろ?」
「そうですね…。あんなに美人でエロさもあるのにさっぱりしてて、俺をおちょくるくせに優しくしてくれる…。そんなの惚れるに決まってるじゃないですか。少なくとも俺は惚れずにはいられなかった。」
「じゃあ何でだ?」
そんなに寂しそうにしてるくらいなら当たって砕けろよ。
いや、砕けられても困るんだが。
「あいつに相応しい男になってから言いたいんです。自分でも青いなって思います。独りよがりだとも…。若造のちっぽけな意地ですけど、諦めたくなくて。
それに工房のこともあるんで、今はそっちで手一杯です。」
「だがそんなこと言ってるとあいつはお前の手の届かないところへ行っちまうぞ。」
何せオレらのためにSランクハンターになる男だからな。
あくまでもオレの予想だが、登録してから最速で。
「そうかもしれません。それでも俺は……。」
「お前ら二人とも若いのに頭が固えな。何でそんなトコばっかり似てんだよ。」
「似て……ますかね?」
「お堅いところはな。だよな?ジェイデン。」
「そうね、メルヴィン。あのねラースちゃん、シオンは堂々と恋人宣言できるようになるまで、わたしたちと愛を交わすつもりがなかったのよ。あれは最低でもAランクになるまでは身体を繋げないって感じだったわ。
そうやってシオンなりにわたしたちに誠意を見せようとしてくれていたの。
だけどね、わたしもメルヴィンも我慢できなかったの。二人で説得して次の日に、その…結ばれたわ。
ラースちゃんにはラースちゃんの考えがあるのは分かるわ。でも相手がそれを望んでいるか、そちらも良く考えてみてね。好きな人と支え合って成長することだってできるはずよ。
あなたが行動することで変わる関係もあるって忘れないでくれると嬉しいわ。」
「はい……。でもどうしてアンジェラさんとメルヴィンさんは俺の背中を押すようなことを言ってくれるんですか?俺じゃ役不足だけど、一応恋敵ですよ?」
「そんなの決まってる。碌でもないヤツからあいつを護るためだ。
オレは辞めるはずだったギルドに残ってギルマスを引き受けてやった。ジェイデンにはこの宿がある。それで誰も囲わずにやってきた。
じゃああいつがSランクになったら?
オレとジェイデンだけじゃあ質は良くても囲う人数が少ない。そこに付け込んでろくでなしの息がかかったヤツを押し付けられる前に、ちゃんとあいつと心を通わせられる人間を確保してえんだ。
ラース、お前なら大丈夫だろ?」
「メルヴィンさんに見込んでもらえたのは素直に嬉しい。でもあいつに嫌われてなくても、そういう意味で好かれてるとは思えねえ…です。」
はぁ…。
こいつ、根性あるんだかヘタレなんだかよく分からなくなってきやがった。
まあ、ここまで自信が無えのはオレらのせいでもあるんだろう。
何せラースはこの国のハンターのトップが恋敵なんだからな。
「それなら心配いらないわ。シオンはね、シオンのことが好きなのに、シオンのために自制や我慢ができる人が可愛くて仕方ないのですって。ラースちゃんのこともそう思っていると言っていたわ。
きっと今まで散々自分勝手な感情を押し付けられてきたから、自分を想って我慢している姿に愛情を感じるのね。
それにあなた、シオンから頬にキスしてもらえたのでしょう?彼はとても愛情深いけれど、それを向ける相手は厳しく選ぶわ。それだけシオンが心を許せるものがあなたにはあるのよ。
あなたは素敵なひとよ、ラースちゃん。自信を持って…。」
ちょっと待て、ジェイデン!
ナイスフォローだが頬にキスって何だ?
オレは知らねえぞ!
「ありがとう、アンジェラさん。今は工房が優先だけど、落ち着いたらそのときは…っぐえ!」
「なあ、ラース…。頬にキスしてもらったって?その話、詳しく聞かせてくれるよなあ……?」
「めるゔぃんさ…、くるしっ、…やめ…。」
オレの知らねえところでイイ思いしてたんだ、ヘッドロックくらい喰らいやがれ!
何となく悔しいから「フェイトもしてもらったから!」っていうラースの抗議は無視してやった。
単純に手扱きとか口で可愛がるのじゃダメなのか?それくらい毎回やってるだろ?」
「…………………。」
やったことねえんだよ!
できてたらこんなに悩んでねえし!
さすがに触ったことはある。
だが本格的に扱いた覚えはない。
この間ジェイデンのと3本纏めて扱いたアレだけだ。
だがそのときだってあいつは自分で腰を使ってたし…。
てか、どっちもあいつがオレにしてくれてる。
だからせめて尻であいつを抱いてやりたかった。
それだって体重問題があったから、あいつに何かしてやりたくて焦ってたんだろうか。
「……マジか。あんたらベッドでいつも何してんだ?まさか突っ込むだけで終わりじゃないですよね?」
くっ!
分かってたことだが他人から改めて指摘されるとツラい。
むしろあいつからのエロ下着や、コックリングに射精管理からのプレスでフィニッシュしか出て来ねえ。
あと歯形。
…………冷静に考えたら初っ端から鬼畜じゃねえか、あいつ!
まあ射精した後すぐにキスしてくれるから、愛のある鬼畜だが。
あいつはオレが抱かれてくれるだけでいいと言ってくれるが、その言葉に甘えているだけなのは悔しい。
だから恥を忍んで聞いたのに、さらに心を抉られるとは…。
「いや、まあ、その辺りは黙秘するが、ちょっと焦ってたみたいだ。それに気付けて良かったぜ。ありがとうよ。」
とりあえず、あいつが帰って来たら手コキに再チャレンジだ。
できたら咥えるトコまでな。
なんだかんだ言ってもあいつは優しい。
オレがやりたいとねだればやらせてくれるだろう。
「大したことは言ってないですよ。でもそれであいつとメルヴィンさんたちの仲が深まるなら俺は嬉しいです。あいつも喜ぶだろうし…。」
「なあラース、そんなにあいつに惚れてんのに、いつまで本人に好きだと言わない気だ?お前だってツラいだろ?」
「そうですね…。あんなに美人でエロさもあるのにさっぱりしてて、俺をおちょくるくせに優しくしてくれる…。そんなの惚れるに決まってるじゃないですか。少なくとも俺は惚れずにはいられなかった。」
「じゃあ何でだ?」
そんなに寂しそうにしてるくらいなら当たって砕けろよ。
いや、砕けられても困るんだが。
「あいつに相応しい男になってから言いたいんです。自分でも青いなって思います。独りよがりだとも…。若造のちっぽけな意地ですけど、諦めたくなくて。
それに工房のこともあるんで、今はそっちで手一杯です。」
「だがそんなこと言ってるとあいつはお前の手の届かないところへ行っちまうぞ。」
何せオレらのためにSランクハンターになる男だからな。
あくまでもオレの予想だが、登録してから最速で。
「そうかもしれません。それでも俺は……。」
「お前ら二人とも若いのに頭が固えな。何でそんなトコばっかり似てんだよ。」
「似て……ますかね?」
「お堅いところはな。だよな?ジェイデン。」
「そうね、メルヴィン。あのねラースちゃん、シオンは堂々と恋人宣言できるようになるまで、わたしたちと愛を交わすつもりがなかったのよ。あれは最低でもAランクになるまでは身体を繋げないって感じだったわ。
そうやってシオンなりにわたしたちに誠意を見せようとしてくれていたの。
だけどね、わたしもメルヴィンも我慢できなかったの。二人で説得して次の日に、その…結ばれたわ。
ラースちゃんにはラースちゃんの考えがあるのは分かるわ。でも相手がそれを望んでいるか、そちらも良く考えてみてね。好きな人と支え合って成長することだってできるはずよ。
あなたが行動することで変わる関係もあるって忘れないでくれると嬉しいわ。」
「はい……。でもどうしてアンジェラさんとメルヴィンさんは俺の背中を押すようなことを言ってくれるんですか?俺じゃ役不足だけど、一応恋敵ですよ?」
「そんなの決まってる。碌でもないヤツからあいつを護るためだ。
オレは辞めるはずだったギルドに残ってギルマスを引き受けてやった。ジェイデンにはこの宿がある。それで誰も囲わずにやってきた。
じゃああいつがSランクになったら?
オレとジェイデンだけじゃあ質は良くても囲う人数が少ない。そこに付け込んでろくでなしの息がかかったヤツを押し付けられる前に、ちゃんとあいつと心を通わせられる人間を確保してえんだ。
ラース、お前なら大丈夫だろ?」
「メルヴィンさんに見込んでもらえたのは素直に嬉しい。でもあいつに嫌われてなくても、そういう意味で好かれてるとは思えねえ…です。」
はぁ…。
こいつ、根性あるんだかヘタレなんだかよく分からなくなってきやがった。
まあ、ここまで自信が無えのはオレらのせいでもあるんだろう。
何せラースはこの国のハンターのトップが恋敵なんだからな。
「それなら心配いらないわ。シオンはね、シオンのことが好きなのに、シオンのために自制や我慢ができる人が可愛くて仕方ないのですって。ラースちゃんのこともそう思っていると言っていたわ。
きっと今まで散々自分勝手な感情を押し付けられてきたから、自分を想って我慢している姿に愛情を感じるのね。
それにあなた、シオンから頬にキスしてもらえたのでしょう?彼はとても愛情深いけれど、それを向ける相手は厳しく選ぶわ。それだけシオンが心を許せるものがあなたにはあるのよ。
あなたは素敵なひとよ、ラースちゃん。自信を持って…。」
ちょっと待て、ジェイデン!
ナイスフォローだが頬にキスって何だ?
オレは知らねえぞ!
「ありがとう、アンジェラさん。今は工房が優先だけど、落ち着いたらそのときは…っぐえ!」
「なあ、ラース…。頬にキスしてもらったって?その話、詳しく聞かせてくれるよなあ……?」
「めるゔぃんさ…、くるしっ、…やめ…。」
オレの知らねえところでイイ思いしてたんだ、ヘッドロックくらい喰らいやがれ!
何となく悔しいから「フェイトもしてもらったから!」っていうラースの抗議は無視してやった。
3
お気に入りに追加
546
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…



淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・
相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。
といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。
しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
4話目に誤字が有りますよ😅
すみません、ありがとうございます
久しぶりに思い立って見に来てほっこりしております(*^^*)
また時間のある時に更新してもらえるとすごく嬉しいです*˙︶˙*)ノ"マタネー
長らく更新が滞っていますが、読んでいただきありがとうございます
年始に転職したり、環境が激変したことに伴い寝落ちする日々を送っています
GW中になんとか更新したいとは思っているので、それに向けて頑張ります
ワクチン接種副反応辛いですよね( •̥ࡇ•̥ )
来週はゆっくり休まれて、また再来週お待ちしております🙇♀️
ご自身のことを第1に、もちろん余裕があれば更新してもらえると嬉しいです(*^^*)
再び温かいコメントをいただきまして、ありがとうございます。
副反応のことを考えると心が折れそうになりますが、頑張って接種に行って来ます!