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6章 足りないのは我慢なのか適性なのか
27 〜この先のために メルヴィン
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「いやいや、俺なんかメルヴィンさんの足元にも及ばねえって!そもそもヤったことねえ相手のこと聞かれても困るし。
単純に手扱きとか口で可愛がるのじゃダメなのか?それくらい毎回やってるだろ?」
「…………………。」
やったことねえんだよ!
できてたらこんなに悩んでねえし!
さすがに触ったことはある。
だが本格的に扱いた覚えはない。
この間ジェイデンのと3本纏めて扱いたアレだけだ。
だがそのときだってあいつは自分で腰を使ってたし…。
てか、どっちもあいつがオレにしてくれてる。
だからせめて尻であいつを抱いてやりたかった。
それだって体重問題があったから、あいつに何かしてやりたくて焦ってたんだろうか。
「……マジか。あんたらベッドでいつも何してんだ?まさか突っ込むだけで終わりじゃないですよね?」
くっ!
分かってたことだが他人から改めて指摘されるとツラい。
むしろあいつからのエロ下着や、コックリングに射精管理からのプレスでフィニッシュしか出て来ねえ。
あと歯形。
…………冷静に考えたら初っ端から鬼畜じゃねえか、あいつ!
まあ射精した後すぐにキスしてくれるから、愛のある鬼畜だが。
あいつはオレが抱かれてくれるだけでいいと言ってくれるが、その言葉に甘えているだけなのは悔しい。
だから恥を忍んで聞いたのに、さらに心を抉られるとは…。
「いや、まあ、その辺りは黙秘するが、ちょっと焦ってたみたいだ。それに気付けて良かったぜ。ありがとうよ。」
とりあえず、あいつが帰って来たら手コキに再チャレンジだ。
できたら咥えるトコまでな。
なんだかんだ言ってもあいつは優しい。
オレがやりたいとねだればやらせてくれるだろう。
「大したことは言ってないですよ。でもそれであいつとメルヴィンさんたちの仲が深まるなら俺は嬉しいです。あいつも喜ぶだろうし…。」
「なあラース、そんなにあいつに惚れてんのに、いつまで本人に好きだと言わない気だ?お前だってツラいだろ?」
「そうですね…。あんなに美人でエロさもあるのにさっぱりしてて、俺をおちょくるくせに優しくしてくれる…。そんなの惚れるに決まってるじゃないですか。少なくとも俺は惚れずにはいられなかった。」
「じゃあ何でだ?」
そんなに寂しそうにしてるくらいなら当たって砕けろよ。
いや、砕けられても困るんだが。
「あいつに相応しい男になってから言いたいんです。自分でも青いなって思います。独りよがりだとも…。若造のちっぽけな意地ですけど、諦めたくなくて。
それに工房のこともあるんで、今はそっちで手一杯です。」
「だがそんなこと言ってるとあいつはお前の手の届かないところへ行っちまうぞ。」
何せオレらのためにSランクハンターになる男だからな。
あくまでもオレの予想だが、登録してから最速で。
「そうかもしれません。それでも俺は……。」
「お前ら二人とも若いのに頭が固えな。何でそんなトコばっかり似てんだよ。」
「似て……ますかね?」
「お堅いところはな。だよな?ジェイデン。」
「そうね、メルヴィン。あのねラースちゃん、シオンは堂々と恋人宣言できるようになるまで、わたしたちと愛を交わすつもりがなかったのよ。あれは最低でもAランクになるまでは身体を繋げないって感じだったわ。
そうやってシオンなりにわたしたちに誠意を見せようとしてくれていたの。
だけどね、わたしもメルヴィンも我慢できなかったの。二人で説得して次の日に、その…結ばれたわ。
ラースちゃんにはラースちゃんの考えがあるのは分かるわ。でも相手がそれを望んでいるか、そちらも良く考えてみてね。好きな人と支え合って成長することだってできるはずよ。
あなたが行動することで変わる関係もあるって忘れないでくれると嬉しいわ。」
「はい……。でもどうしてアンジェラさんとメルヴィンさんは俺の背中を押すようなことを言ってくれるんですか?俺じゃ役不足だけど、一応恋敵ですよ?」
「そんなの決まってる。碌でもないヤツからあいつを護るためだ。
オレは辞めるはずだったギルドに残ってギルマスを引き受けてやった。ジェイデンにはこの宿がある。それで誰も囲わずにやってきた。
じゃああいつがSランクになったら?
オレとジェイデンだけじゃあ質は良くても囲う人数が少ない。そこに付け込んでろくでなしの息がかかったヤツを押し付けられる前に、ちゃんとあいつと心を通わせられる人間を確保してえんだ。
ラース、お前なら大丈夫だろ?」
「メルヴィンさんに見込んでもらえたのは素直に嬉しい。でもあいつに嫌われてなくても、そういう意味で好かれてるとは思えねえ…です。」
はぁ…。
こいつ、根性あるんだかヘタレなんだかよく分からなくなってきやがった。
まあ、ここまで自信が無えのはオレらのせいでもあるんだろう。
何せラースはこの国のハンターのトップが恋敵なんだからな。
「それなら心配いらないわ。シオンはね、シオンのことが好きなのに、シオンのために自制や我慢ができる人が可愛くて仕方ないのですって。ラースちゃんのこともそう思っていると言っていたわ。
きっと今まで散々自分勝手な感情を押し付けられてきたから、自分を想って我慢している姿に愛情を感じるのね。
それにあなた、シオンから頬にキスしてもらえたのでしょう?彼はとても愛情深いけれど、それを向ける相手は厳しく選ぶわ。それだけシオンが心を許せるものがあなたにはあるのよ。
あなたは素敵なひとよ、ラースちゃん。自信を持って…。」
ちょっと待て、ジェイデン!
ナイスフォローだが頬にキスって何だ?
オレは知らねえぞ!
「ありがとう、アンジェラさん。今は工房が優先だけど、落ち着いたらそのときは…っぐえ!」
「なあ、ラース…。頬にキスしてもらったって?その話、詳しく聞かせてくれるよなあ……?」
「めるゔぃんさ…、くるしっ、…やめ…。」
オレの知らねえところでイイ思いしてたんだ、ヘッドロックくらい喰らいやがれ!
何となく悔しいから「フェイトもしてもらったから!」っていうラースの抗議は無視してやった。
単純に手扱きとか口で可愛がるのじゃダメなのか?それくらい毎回やってるだろ?」
「…………………。」
やったことねえんだよ!
できてたらこんなに悩んでねえし!
さすがに触ったことはある。
だが本格的に扱いた覚えはない。
この間ジェイデンのと3本纏めて扱いたアレだけだ。
だがそのときだってあいつは自分で腰を使ってたし…。
てか、どっちもあいつがオレにしてくれてる。
だからせめて尻であいつを抱いてやりたかった。
それだって体重問題があったから、あいつに何かしてやりたくて焦ってたんだろうか。
「……マジか。あんたらベッドでいつも何してんだ?まさか突っ込むだけで終わりじゃないですよね?」
くっ!
分かってたことだが他人から改めて指摘されるとツラい。
むしろあいつからのエロ下着や、コックリングに射精管理からのプレスでフィニッシュしか出て来ねえ。
あと歯形。
…………冷静に考えたら初っ端から鬼畜じゃねえか、あいつ!
まあ射精した後すぐにキスしてくれるから、愛のある鬼畜だが。
あいつはオレが抱かれてくれるだけでいいと言ってくれるが、その言葉に甘えているだけなのは悔しい。
だから恥を忍んで聞いたのに、さらに心を抉られるとは…。
「いや、まあ、その辺りは黙秘するが、ちょっと焦ってたみたいだ。それに気付けて良かったぜ。ありがとうよ。」
とりあえず、あいつが帰って来たら手コキに再チャレンジだ。
できたら咥えるトコまでな。
なんだかんだ言ってもあいつは優しい。
オレがやりたいとねだればやらせてくれるだろう。
「大したことは言ってないですよ。でもそれであいつとメルヴィンさんたちの仲が深まるなら俺は嬉しいです。あいつも喜ぶだろうし…。」
「なあラース、そんなにあいつに惚れてんのに、いつまで本人に好きだと言わない気だ?お前だってツラいだろ?」
「そうですね…。あんなに美人でエロさもあるのにさっぱりしてて、俺をおちょくるくせに優しくしてくれる…。そんなの惚れるに決まってるじゃないですか。少なくとも俺は惚れずにはいられなかった。」
「じゃあ何でだ?」
そんなに寂しそうにしてるくらいなら当たって砕けろよ。
いや、砕けられても困るんだが。
「あいつに相応しい男になってから言いたいんです。自分でも青いなって思います。独りよがりだとも…。若造のちっぽけな意地ですけど、諦めたくなくて。
それに工房のこともあるんで、今はそっちで手一杯です。」
「だがそんなこと言ってるとあいつはお前の手の届かないところへ行っちまうぞ。」
何せオレらのためにSランクハンターになる男だからな。
あくまでもオレの予想だが、登録してから最速で。
「そうかもしれません。それでも俺は……。」
「お前ら二人とも若いのに頭が固えな。何でそんなトコばっかり似てんだよ。」
「似て……ますかね?」
「お堅いところはな。だよな?ジェイデン。」
「そうね、メルヴィン。あのねラースちゃん、シオンは堂々と恋人宣言できるようになるまで、わたしたちと愛を交わすつもりがなかったのよ。あれは最低でもAランクになるまでは身体を繋げないって感じだったわ。
そうやってシオンなりにわたしたちに誠意を見せようとしてくれていたの。
だけどね、わたしもメルヴィンも我慢できなかったの。二人で説得して次の日に、その…結ばれたわ。
ラースちゃんにはラースちゃんの考えがあるのは分かるわ。でも相手がそれを望んでいるか、そちらも良く考えてみてね。好きな人と支え合って成長することだってできるはずよ。
あなたが行動することで変わる関係もあるって忘れないでくれると嬉しいわ。」
「はい……。でもどうしてアンジェラさんとメルヴィンさんは俺の背中を押すようなことを言ってくれるんですか?俺じゃ役不足だけど、一応恋敵ですよ?」
「そんなの決まってる。碌でもないヤツからあいつを護るためだ。
オレは辞めるはずだったギルドに残ってギルマスを引き受けてやった。ジェイデンにはこの宿がある。それで誰も囲わずにやってきた。
じゃああいつがSランクになったら?
オレとジェイデンだけじゃあ質は良くても囲う人数が少ない。そこに付け込んでろくでなしの息がかかったヤツを押し付けられる前に、ちゃんとあいつと心を通わせられる人間を確保してえんだ。
ラース、お前なら大丈夫だろ?」
「メルヴィンさんに見込んでもらえたのは素直に嬉しい。でもあいつに嫌われてなくても、そういう意味で好かれてるとは思えねえ…です。」
はぁ…。
こいつ、根性あるんだかヘタレなんだかよく分からなくなってきやがった。
まあ、ここまで自信が無えのはオレらのせいでもあるんだろう。
何せラースはこの国のハンターのトップが恋敵なんだからな。
「それなら心配いらないわ。シオンはね、シオンのことが好きなのに、シオンのために自制や我慢ができる人が可愛くて仕方ないのですって。ラースちゃんのこともそう思っていると言っていたわ。
きっと今まで散々自分勝手な感情を押し付けられてきたから、自分を想って我慢している姿に愛情を感じるのね。
それにあなた、シオンから頬にキスしてもらえたのでしょう?彼はとても愛情深いけれど、それを向ける相手は厳しく選ぶわ。それだけシオンが心を許せるものがあなたにはあるのよ。
あなたは素敵なひとよ、ラースちゃん。自信を持って…。」
ちょっと待て、ジェイデン!
ナイスフォローだが頬にキスって何だ?
オレは知らねえぞ!
「ありがとう、アンジェラさん。今は工房が優先だけど、落ち着いたらそのときは…っぐえ!」
「なあ、ラース…。頬にキスしてもらったって?その話、詳しく聞かせてくれるよなあ……?」
「めるゔぃんさ…、くるしっ、…やめ…。」
オレの知らねえところでイイ思いしてたんだ、ヘッドロックくらい喰らいやがれ!
何となく悔しいから「フェイトもしてもらったから!」っていうラースの抗議は無視してやった。
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ワクチン接種副反応辛いですよね( •̥ࡇ•̥ )
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ご自身のことを第1に、もちろん余裕があれば更新してもらえると嬉しいです(*^^*)
再び温かいコメントをいただきまして、ありがとうございます。
副反応のことを考えると心が折れそうになりますが、頑張って接種に行って来ます!