ダメな方の異世界召喚された俺は、それでも風呂と伴侶を愛してる

おりく

文字の大きさ
上 下
167 / 170
6章 足りないのは我慢なのか適性なのか

24 〜胃袋を掴みたい! ジェイデン

しおりを挟む
愛するひとに手料理を褒めてもらえた。
それだけでなく、また食べたいと言ってもらえた。

料理長と厨房に立ち、自らの胸に飾られた紫のグラジオラスに触れながら幸せを噛みしめます。

今日は旦那様に持って行ってもらうお弁当の相談です。
リクエストしてもらった、わたしの手料理のレパートリーも増やしたいと思って、料理長に時間を作ってもらいました。
それと、お弁当の中の1品といわず、全て手作りできるようになるために頑張ります。

「小分けとか串に刺したおかずか…。オーナー、シオンの好きな味付け知ってるか?」

「好き嫌いは無いって言っていたわね。この国はパンを食べることが多いけれどお米や麺類も好きで、お醤油とお味噌がソウルフードなんですって。」

「ふーむ…。じゃあカナッペとかピンチョスよりも、焼き鳥とか照り焼き味のつくねを串に刺したような物の方が良さそうだな。味噌は……甘辛くして肉味噌か?
麺類はのびるから除外するとして、冷めても美味い物か……。
ああ、単純にあいつの好きなメニューを小盛にしたり、小さく作ったらどうだ?手間はかかるが可愛いぞ。」

「そうね、いっそのことお弁当箱を特注しちゃおうかしら…。」

いくつもお弁当箱を持ち歩くのは嵩張るし、お手入れも面倒だ…と、愛用しているハンターは少ない。
でも旦那様には空間収納もマジックバッグもあるし、お手入れはわたしがすればいい。

嬉しそうにお弁当箱を受け取ってくれる旦那様…。
わくわくした表情で蓋を開ける旦那様…。
美味しそうにわたしが作った愛妻弁当を頬張る旦那様…。
ただいまのキスの後で「今日も美味かったよ」と言って完食したお弁当箱を返してくれる旦那様…。

……………いいです、素晴らしいです、尊いです。

いろいろな旦那様を想像しただけで頬が緩んでしまいます。
誰よりも麗しいかんばせをお持ちの旦那様ですが、その表情は豊かです。
鍛錬中の凛々しいお顔も、可愛らしく嫉妬してくれたときのお顔も、わたしの雄っぱいに夢中になっているときのお顔も愛おしい。
もちろん、愛を交わすときのお顔も…。

「良いんじゃねえか。身体強化すると腹が減るし、デカい弁当箱とか、二段に重ねるのとかな。
じゃあ今日は鶏つくねのレパートリーを増やすか。王道の軟骨入りに、照り焼き味だけじゃなくて大葉や蓮根、チーズのも。
時間に余裕あるし肉味噌も作ろう。他の挽き肉メニューは……彩りも良いしスコッチエッグとかどうだ?」

「分かったわ。よろしくね、料理長。」

料理長の言葉にはっとして、意識を戻してから調理に取りかかります。

「オーナーは料理の下拵えなんかもしてくれるし、今のままでも大丈夫だと思うんだが…。」

「料理長の言葉は嬉しいけれど、もっと美味しい物を食べてもらいたいの。もちろん、プロの料理に敵わないのは分かっているわ。それでもね…。分かるでしょ?」

「まあな…。でも俺たち平民の料理人が目指すのは万民ウケする味だ。オーナーはあいつの好きな味を追求したら良いんじゃないか?」

「そのとおりね、頑張るわ。シオンの胃袋をがっちり掴んで、もっともっと愛してもらえるように。」

「お熱いことで!じゃあこうした方が良いとか、やめた方が良いってことがあったら教えるから。」

料理長に促されて挽き肉を捏ねます。
この宿は挽き肉の配合も料理に合わせて変えているけれど、そこは料理長にお任せ。
それでもわたしが作ればわたしの手料理といって良いはずです。

料理長は自分の仕事をしながら近くでわたしの作業を見てくれています。
自分がお願いしたことなのに申し訳ないですが、隣に居るのが旦那様だったら…と思わずにはいられません。
初恋が成就したばかりで、寝ても覚めても旦那様と一緒にいたい盛りなのです。

自宅のキッチンで料理をするわたし、出来上がりを待つ旦那様…。
ああ、一緒に料理をするのも良いですね。

メルヴィンに「こんな立派なの要るか?」と言われても、大きなキッチンにしておいて良かったです。

そこで「料理よりもあなたが食べたい。ジェイデン、いいか?」なんて言われたりしたら…。

ゴクリ、と喉が鳴ってしまいます。

後ろから雄っぱいを揉みしだかれ、剥き出しの雄尻に旦那様の熱い昂りを擦り付けられたら逆らえません。

「いけません、旦那様。汚れてしまいます!」

「うん、だからジェイデンは何もしなくて良いよ。全部俺がやるから…。」

直後に旦那様の旦那様が入ってきて、品のない音がするほど激しく犯されたり…。
以前のように執拗なほど優しく奥をノックされたり…。

ああ、なんてはしたない。
それでも旦那様に抱かれる想像が止まりません。
でも現実では後ろからはまだ少し怖いです。

それならば…と、わたしの頭の中の旦那様はわたしを作業台に座らせて、優しくキスをしてくれました。
雄っぱいを可愛がりつつ、お互いの昂りを擦り合わせて快感を送り込んできます。

いつの間にかズボンが脱がされ、旦那様を受け入れる場所が曝されると、そこに旦那様の旦那様が…。

「濡れているね、ジェイデン。これならこのまま…。ふふっ、入った。たくさん愛してあげる。」

…いけません、現実でも濡れてきました。
今までが張り詰めることはあっても後ろが濡れることはなかったのに、旦那様と結ばれてからはすぐに濡うようになりました。

本で場面になっても変化が無かったので、こんなところまで抱かれるのに向いていない…と落ち込んでいたのが嘘みたいです。

はぁ…旦那様……早く会いたい…。
予め今日は帰りが遅くなるか明日になると聞いていますが、寂しいです。

「オーナー!それ以上はやり過ぎだぞっ!!」

「ごめんなさい!まだ大丈夫かしら?」

手元を見ると、挽き肉がペーストになる寸前でした。

止めてくれた料理長に感謝しつつ恐る恐る尋ねると、アウト寄りのセーフだそうです。
それはもうアウトなのでは……?

食材を無駄なく美味しくいただくためにも料理中に旦那様の想像…………いえ、妄想は禁止ですね…。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

柔道部

むちむちボディ
BL
とある高校の柔道部で起こる秘め事について書いてみます。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・

相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。 といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。 しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

僕のダーリンがパーティーから追放宣言されて飼い猫の僕の奪い合いに発展

ミクリ21 (新)
BL
パスカルの飼い猫の僕をパーティーリーダーのモーリスが奪おうとしたけど………?

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

処理中です...