156 / 170
6章 足りないのは我慢なのか適性なのか
感謝SS 03ー2 〜ハロウィンだから
しおりを挟む
「もう!なんて魅力的なうさぎさんなのかしら。丁寧に下拵えしてまるごと食べちゃいたいわ…ちゅっ。」
「ジェイデンに食べてもらえるなら本望だ。それにしても今日は華やかでゴージャスでファビュラスだね。鳥類の王様の化身みたい。」
ジェイデンの額は黒真珠のサークレット、髪は羽根で飾られている。
しかも纏っている大判のショールはもっふもふ…いや、もっふぁああっとした羽根でできている。
こんなに豪華な羽根のショールは、アケミさんの衣装保管用マンションでしか見たことがない。
うーん、アケミさんがカラオケで歌う、昭和の不死鳥の歌姫を思い出す。
ちなみにアケミさんの十八番は「愛燦々」だ。
「シオンだって素敵よ。でもこんなに可愛いおヘソまで出すなんて反則だわ!太ももだってこんなにっ!目もともいつもと雰囲気が違うし、メルヴィンだってイチコロだったじゃない!」
「ジェイデンもイチコロにできたかな?」
「もうっ!ハートを鷲掴みにされっぱなしよ!鳥はわたしの方なのに!ちゅっ、ちゅぅ、ちゅうぅ!」
ジェイデンに褒めてもらえてすっかりご機嫌だ。
これで今日の目標の半分は達成できたな。
「だったら嬉しい。ちなみにどんな鳥の仮装なんだ?」
「分からない?…あっ!シオンは遠い国の出身だから知らないのね。
これはね、本来はとっても地味なのだけれど、番を見つけると美しく姿を変える伝説の鳥の仮装よ。現実には存在しないから魔境で化物を狩ってきて、その羽根を代用しているの。似合うかしら?」
「うん!それに綺麗な羽根を使っているってことは、ジェイデンは番う相手を見つけたってことだよな?」
「ええ、そのとおりよ。」
「ねえジェイデン…。俺は自惚れてもいいんだろうか?」
「自惚れなんかじゃないわ。わたしの番う相手はあなただけ。愛しているわ、シオン…ちゅ。」
「俺も…ん、ちゅぅ。」
「はあ、名残惜しいけれどお料理もお酒も楽しまないとね。今日は以前あなたが《保温》を付与してくれた大皿も使っているのよ。
さあ、集まってくれた皆さんも、会費のもとを取って帰れるようにたくさん召し上がれ!
それと、お酒を飲むと中座したくなるでしょう?中庭に仮設のレストルームを準備してあるの。そちらも使ってちょうだいね。」
それを聞いて若干前屈みになっているギャラリーの数人がコソコソと動き出した。
さすがジェイデン、誘導も巧みだ。
しゃがみ込んで動けない人は………まあ、頑張ってくれ。
そんな彼らにメルヴィンがとどめを刺す。
「お前さん、覚悟しろ。今日こそは思い知らせてやる。泣いたってやめてやらねえからな。」
そんなことを言うワリに、いつも返り討ちにされているのは自分なのに懲りない男だ。
「望むところだ。『もう打ち止めだ』って泣きを入れるのはいつだってメルヴィンだからな。期待してる。」
「わたしだって!シオンに満足してもらえるように頑張るわ!パーティーの後はたくさん愛し合いましょうね。
それと、あっちにフェイトちゃんとラースちゃんがいるわよ。ラースちゃんは可哀想なことになっているみたいだけど、フェイトちゃんは大丈夫みたいね。」
盛り上がりはじめた参加者をすり抜けて二人がいる場所に行くと、ラースはばっちり前屈みだった。
「前が痛ぇ」とか言ってるのは聞こえないフリをしてやる。
「フェイト、ラース、俺の仮装はどうだ?似合っているか?」
せっかくだからポージングして、いろんな角度から見てもらう。
いつも純粋に俺を慕ってくれるフェイトへのサービスも兼ねて。
「はい、とっても!おヘソは可愛いのに割れた腹筋は格好良いし、甘いレース生地との対比が際立ちますね!それに長めのベルスリーブから見える指先がとっても色っぽいです!もちろんうさ耳もお似合いですし、オープントゥのショートブーツも最高です!
ふあぁっ!背中まで透けるレースなんですね!」
今日はペディキュアまで抜かりなく塗ってるからな。
「褒めてくれてありがとう。フェイトはキツネかな?大きな耳が可愛いし、よく似合ってる。もふもふな尻尾まで動くなんてすごいな。」
「えへへっ、これはメルヴィンさんの尻尾と同じ魔道具なんです!メルヴィンさんから受けた虎の尻尾を作る依頼のついでに自分の尻尾も作ってみました。魔力の流れを感知して動くんですよ。」
「へぇ!俺のうさぎ尻尾も頼めばよかったな…。なあ、あんたも何か言えよ、ラース。」
「うぅ…俺は今それどころじゃねえ…っぐ。」
ちなみにラースの仮装は吸血鬼。
それにしても日に焼けてすっごく健康的なガチムチ吸血鬼って斬新だな。
ラースも元がイイ男だから衣装自体は似合っているが、吸血鬼の定義に一石を投じるつもりなんだろうか。
「むう…。せっかく気合いを入れて仮装したのに。」
「悪いがその格好で俺の視界に入らないでくれ。…っぅぅ。それにだ、こんなに俺に近づいたらアンジェラさんとキティさんが妬くんじゃねえか?」
「確かにあんたじゃなければ警戒するだろうな。」
「あ?そりゃどういうことだ?」
「メルヴィンとジェイデンはあんたに一目置いてる。ちょっと特殊な特別っぽいぞ。」
あの二人はラースが行動を起こすのを待っている節があるからな。
「は?」
「あっ、ニコルたちだ。じゃあまたな!」
「おい!言い逃げかよ!……チっ!その格好似合い過ぎだぞ、シオン!」
ラースらしい褒め言葉を背中に受けてニコルたちのところへ行く。
彼女たちの仮装は人気小説の勇者一行。
魔法使いのラーナが勇者、食いしん坊でお転婆娘のアルシェが聖女、剣士ニコルが賢者だった。
ハンターの装備と大差ない仮装だが、いつものジョブと違うと新鮮で、こういう仮装もありだなと思った。
他にもルーシャたちギルドの職員さんや、依頼で知り合った人たちと談笑して楽しい時間を過ごすことができた。
もちろん宣言どおり、ジェイデンとはたくさんベッドで愛し合った。
この日も可愛くあんあん啼いてくれて最高だった。
メルヴィンは今回も返り討ちにしてやった。
ひんひんガチ泣きしていたけど自業自得だよな?
たとえリングでは最強のタイガーマスクでも、ベッドじゃあ年中無休で発情期のうさぎに勝てるワケが無いんだから。
「ジェイデンに食べてもらえるなら本望だ。それにしても今日は華やかでゴージャスでファビュラスだね。鳥類の王様の化身みたい。」
ジェイデンの額は黒真珠のサークレット、髪は羽根で飾られている。
しかも纏っている大判のショールはもっふもふ…いや、もっふぁああっとした羽根でできている。
こんなに豪華な羽根のショールは、アケミさんの衣装保管用マンションでしか見たことがない。
うーん、アケミさんがカラオケで歌う、昭和の不死鳥の歌姫を思い出す。
ちなみにアケミさんの十八番は「愛燦々」だ。
「シオンだって素敵よ。でもこんなに可愛いおヘソまで出すなんて反則だわ!太ももだってこんなにっ!目もともいつもと雰囲気が違うし、メルヴィンだってイチコロだったじゃない!」
「ジェイデンもイチコロにできたかな?」
「もうっ!ハートを鷲掴みにされっぱなしよ!鳥はわたしの方なのに!ちゅっ、ちゅぅ、ちゅうぅ!」
ジェイデンに褒めてもらえてすっかりご機嫌だ。
これで今日の目標の半分は達成できたな。
「だったら嬉しい。ちなみにどんな鳥の仮装なんだ?」
「分からない?…あっ!シオンは遠い国の出身だから知らないのね。
これはね、本来はとっても地味なのだけれど、番を見つけると美しく姿を変える伝説の鳥の仮装よ。現実には存在しないから魔境で化物を狩ってきて、その羽根を代用しているの。似合うかしら?」
「うん!それに綺麗な羽根を使っているってことは、ジェイデンは番う相手を見つけたってことだよな?」
「ええ、そのとおりよ。」
「ねえジェイデン…。俺は自惚れてもいいんだろうか?」
「自惚れなんかじゃないわ。わたしの番う相手はあなただけ。愛しているわ、シオン…ちゅ。」
「俺も…ん、ちゅぅ。」
「はあ、名残惜しいけれどお料理もお酒も楽しまないとね。今日は以前あなたが《保温》を付与してくれた大皿も使っているのよ。
さあ、集まってくれた皆さんも、会費のもとを取って帰れるようにたくさん召し上がれ!
それと、お酒を飲むと中座したくなるでしょう?中庭に仮設のレストルームを準備してあるの。そちらも使ってちょうだいね。」
それを聞いて若干前屈みになっているギャラリーの数人がコソコソと動き出した。
さすがジェイデン、誘導も巧みだ。
しゃがみ込んで動けない人は………まあ、頑張ってくれ。
そんな彼らにメルヴィンがとどめを刺す。
「お前さん、覚悟しろ。今日こそは思い知らせてやる。泣いたってやめてやらねえからな。」
そんなことを言うワリに、いつも返り討ちにされているのは自分なのに懲りない男だ。
「望むところだ。『もう打ち止めだ』って泣きを入れるのはいつだってメルヴィンだからな。期待してる。」
「わたしだって!シオンに満足してもらえるように頑張るわ!パーティーの後はたくさん愛し合いましょうね。
それと、あっちにフェイトちゃんとラースちゃんがいるわよ。ラースちゃんは可哀想なことになっているみたいだけど、フェイトちゃんは大丈夫みたいね。」
盛り上がりはじめた参加者をすり抜けて二人がいる場所に行くと、ラースはばっちり前屈みだった。
「前が痛ぇ」とか言ってるのは聞こえないフリをしてやる。
「フェイト、ラース、俺の仮装はどうだ?似合っているか?」
せっかくだからポージングして、いろんな角度から見てもらう。
いつも純粋に俺を慕ってくれるフェイトへのサービスも兼ねて。
「はい、とっても!おヘソは可愛いのに割れた腹筋は格好良いし、甘いレース生地との対比が際立ちますね!それに長めのベルスリーブから見える指先がとっても色っぽいです!もちろんうさ耳もお似合いですし、オープントゥのショートブーツも最高です!
ふあぁっ!背中まで透けるレースなんですね!」
今日はペディキュアまで抜かりなく塗ってるからな。
「褒めてくれてありがとう。フェイトはキツネかな?大きな耳が可愛いし、よく似合ってる。もふもふな尻尾まで動くなんてすごいな。」
「えへへっ、これはメルヴィンさんの尻尾と同じ魔道具なんです!メルヴィンさんから受けた虎の尻尾を作る依頼のついでに自分の尻尾も作ってみました。魔力の流れを感知して動くんですよ。」
「へぇ!俺のうさぎ尻尾も頼めばよかったな…。なあ、あんたも何か言えよ、ラース。」
「うぅ…俺は今それどころじゃねえ…っぐ。」
ちなみにラースの仮装は吸血鬼。
それにしても日に焼けてすっごく健康的なガチムチ吸血鬼って斬新だな。
ラースも元がイイ男だから衣装自体は似合っているが、吸血鬼の定義に一石を投じるつもりなんだろうか。
「むう…。せっかく気合いを入れて仮装したのに。」
「悪いがその格好で俺の視界に入らないでくれ。…っぅぅ。それにだ、こんなに俺に近づいたらアンジェラさんとキティさんが妬くんじゃねえか?」
「確かにあんたじゃなければ警戒するだろうな。」
「あ?そりゃどういうことだ?」
「メルヴィンとジェイデンはあんたに一目置いてる。ちょっと特殊な特別っぽいぞ。」
あの二人はラースが行動を起こすのを待っている節があるからな。
「は?」
「あっ、ニコルたちだ。じゃあまたな!」
「おい!言い逃げかよ!……チっ!その格好似合い過ぎだぞ、シオン!」
ラースらしい褒め言葉を背中に受けてニコルたちのところへ行く。
彼女たちの仮装は人気小説の勇者一行。
魔法使いのラーナが勇者、食いしん坊でお転婆娘のアルシェが聖女、剣士ニコルが賢者だった。
ハンターの装備と大差ない仮装だが、いつものジョブと違うと新鮮で、こういう仮装もありだなと思った。
他にもルーシャたちギルドの職員さんや、依頼で知り合った人たちと談笑して楽しい時間を過ごすことができた。
もちろん宣言どおり、ジェイデンとはたくさんベッドで愛し合った。
この日も可愛くあんあん啼いてくれて最高だった。
メルヴィンは今回も返り討ちにしてやった。
ひんひんガチ泣きしていたけど自業自得だよな?
たとえリングでは最強のタイガーマスクでも、ベッドじゃあ年中無休で発情期のうさぎに勝てるワケが無いんだから。
0
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い



淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・
相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。
といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。
しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる