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6章 足りないのは我慢なのか適性なのか
感謝SS 03ー1 〜ハロウィンだから
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✽✽お読みいただく前の注意✽✽
このSSは時系列などを無視しています。
パラレルだと思ってお読みください。
6章終了後くらいにSS置き場を作って移動させる予定です。
調子に乗って書いたSSですが、少しでも楽しんでいただけたらうれしいです。
✽✽✽✽✽
いきなりだが、今日はハロウィンだ。
正確に言えば異世界版ハロウィンのような日。
ジェイデンの宿『エンジェルスマイル』では仮装パーティーが開かれる。
異世界ハロウィンでは仮装をしてない人にイタズラしても許される。
仕事などで仮装できない人は胸にジャックなかぼちゃのバッジを付けるとイタズラを免除される。
そんな日。
まあ仮装してる人にイタズラしないなんて建て前なんだろう。
だって仮装した恋人を目の前にしたら、俺は襲う自信がある。
いつもと違うメルヴィンとジェイデンを朝になっても離したくない…そう思うに決まってる。
俺たち三人の今回の仮装は、ジェイデンの提案で動物モチーフにすることになった。
それぞれロバートさんに依頼して、衣装を作ってもらった。
デザインは当日まで秘密だから、お互いどの動物を選んだかは知らない。
お楽しみってやつだ。
ちなみに俺の仮装は定番のバニーボーイ。
蝶ネクタイは不採用。
上は総レースでヘソが出る丈のハイネックの長袖で、下はショートパンツだ。
俺ももう25。
そろそろボーイと言い張ることがキツくなってきた。
だが、メルヴィンとジェイデンに言い寄る有象無象を撃墜することが目的で選んだ仮装だから頑張れる。
元々薄い脚の無駄毛の処理もしたしな。
ついでと言ってはなんだが、別の意味であの二人も撃ち落としたいと思っている。
目指せ!撃墜王だ。
やるなら徹底的に!とメイクもして、気合いを入れて宿泊している客室を出る。
この世界に来た日もハロウィン関連行事だったな…と思い出しながら階段を降りて行くと、バーにはでっかいタイガーマスクがいた。
いや、元の世界のタイガーマスクは口もとしか出ていないが、こちらのタイガーマスクは目もとだけを隠すマスクだ。
逞しい上半身を惜しげもなく曝して、虎の尻尾が付いた身体にフィットするレザーパンツを身に着けている。
そして間違いなくメルヴィンだ…。
俺の基準では、あんなに格好良い身体の持ち主はメルヴィンかジェイデンしかいないからな。
もし顔の大部分を隠すマスクだったら、そのマスクを毟り取っていたかもしれない。
元の世界の某獣神みたいに、マスクを毟ったらまたマスクだった…みたいなネタなら大歓迎だが。
文句なしにでっかいタイガーマスクは格好良い。
心の底からそう思う。
だけど不特定多数の他人に素肌を見せなくたっていいじゃないか!
俺も今日はヘソ出てるけど!
こうなったら俺の必殺技「父親(職業モデル)の真似」を発動するしかない。
俺を見るギャラリーのざわめきなんか気にしない。
メルヴィンの肌を見られるくらいなら、自分が注目された方が万倍マシだ!
バニーボーイだが猫のような靭やかさを意識して、歩きながら声をかける。
「メルヴィン、俺の仮装はどうだ?あんたを悩殺できるかな?」
「ん?お前さん、今来た、の…か…………。」
こちらを向いたメルヴィンが固まった。
目もとが隠れているから分かりにくいが、見惚れてくれているらしい。
「どうやらあんたのお眼鏡に叶ったみたいだな?」
イタズラっぽく言ってそのまま近付くと、メルヴィンの雄っぱいに俺がつけた歯形を見つけた。
いくらなんでも歯形が残っていることに気が付かず肌を曝すなんて考えられない。
自分にはそういうことをする相手がいるって宣言してくれているのと同じだ。
あまりの嬉しさで鎖骨の下を甘噛みして、新しく歯形を追加した。
その痛みでメルヴィンが再起動する。
「お前さん、その格好は…。」
「似合う?…ん、ちゅ。」
まだ若干呆けているメルヴィンの尻尾を掴み、頬を寄せてから舐め上げるように舌を這わせて先端にキスをする。
ベッドでメルヴィンの中心を愛撫するときと同じ仕草で。
ギャラリーがえらく静かだが知ったことか。
すると俺の大好きなキスが降ってくる。
「っく!シオン!シオンっ!ちゅ、っふ、お前さん、んちゅ、何てことしやがる!……ちゅうぅ。」
「ゆうわく……。メルヴィン、大好き。…来て。」
「クソっ!オレも愛してる!ちゅ…半端なヤツらなんかに渡すもんかよ。お前さんはオレのだっ!…ちゅぷ。オレのシオン…。」
キスするとき俺は「顔寄越せ」って言われるのが好き。
それと同じく、メルヴィンは俺に「来て」と言われるのが好きだ。
こうやって誘うと夢中で俺の唇を貪ってくれる。
これくらいやれば、この場にいる人間はメルヴィンにちょっかいを出したりしないだろう。
友人や知人との付き合いを邪魔するつもりはないが、恋人ができたことで「あわよくば自分も!」と寄ってくるヤツは許さない。
全力で徹底的に叩き潰す。
年中こんなことをして疲れないか?と思われるかもしれないが、こういうことは積み重ねが大事だと思っているから苦ではないし、チャンスがあればいつでも触れ合っていたい。
目撃した人が噂を広めてくれることも期待している。
俺たちの間には入り込む隙間なんてどこにも無いってな。
静まり返ったなかで「ギルマスって愛してるとか言わない男だと思ってた…」なんて素晴らしい発言をしてくれたギャラリーさんには金一封を差し上げたいくらいだ。
「あら、メルヴィンたら酷い男ね。わたしだってシオンを愛してるのに。」
少し茶化す色を含んだ声の主はもう一人の愛しいひとのもの。
「ジェイデン。」
「ふふ、シオン、こっちにいらっしゃい。」
微笑みを浮かべながら誘われたら、その雄っぱいに飛び込むしかない。
ぎゅうぅっと抱きしめ合ってから縦に抱き上げられた。
このSSは時系列などを無視しています。
パラレルだと思ってお読みください。
6章終了後くらいにSS置き場を作って移動させる予定です。
調子に乗って書いたSSですが、少しでも楽しんでいただけたらうれしいです。
✽✽✽✽✽
いきなりだが、今日はハロウィンだ。
正確に言えば異世界版ハロウィンのような日。
ジェイデンの宿『エンジェルスマイル』では仮装パーティーが開かれる。
異世界ハロウィンでは仮装をしてない人にイタズラしても許される。
仕事などで仮装できない人は胸にジャックなかぼちゃのバッジを付けるとイタズラを免除される。
そんな日。
まあ仮装してる人にイタズラしないなんて建て前なんだろう。
だって仮装した恋人を目の前にしたら、俺は襲う自信がある。
いつもと違うメルヴィンとジェイデンを朝になっても離したくない…そう思うに決まってる。
俺たち三人の今回の仮装は、ジェイデンの提案で動物モチーフにすることになった。
それぞれロバートさんに依頼して、衣装を作ってもらった。
デザインは当日まで秘密だから、お互いどの動物を選んだかは知らない。
お楽しみってやつだ。
ちなみに俺の仮装は定番のバニーボーイ。
蝶ネクタイは不採用。
上は総レースでヘソが出る丈のハイネックの長袖で、下はショートパンツだ。
俺ももう25。
そろそろボーイと言い張ることがキツくなってきた。
だが、メルヴィンとジェイデンに言い寄る有象無象を撃墜することが目的で選んだ仮装だから頑張れる。
元々薄い脚の無駄毛の処理もしたしな。
ついでと言ってはなんだが、別の意味であの二人も撃ち落としたいと思っている。
目指せ!撃墜王だ。
やるなら徹底的に!とメイクもして、気合いを入れて宿泊している客室を出る。
この世界に来た日もハロウィン関連行事だったな…と思い出しながら階段を降りて行くと、バーにはでっかいタイガーマスクがいた。
いや、元の世界のタイガーマスクは口もとしか出ていないが、こちらのタイガーマスクは目もとだけを隠すマスクだ。
逞しい上半身を惜しげもなく曝して、虎の尻尾が付いた身体にフィットするレザーパンツを身に着けている。
そして間違いなくメルヴィンだ…。
俺の基準では、あんなに格好良い身体の持ち主はメルヴィンかジェイデンしかいないからな。
もし顔の大部分を隠すマスクだったら、そのマスクを毟り取っていたかもしれない。
元の世界の某獣神みたいに、マスクを毟ったらまたマスクだった…みたいなネタなら大歓迎だが。
文句なしにでっかいタイガーマスクは格好良い。
心の底からそう思う。
だけど不特定多数の他人に素肌を見せなくたっていいじゃないか!
俺も今日はヘソ出てるけど!
こうなったら俺の必殺技「父親(職業モデル)の真似」を発動するしかない。
俺を見るギャラリーのざわめきなんか気にしない。
メルヴィンの肌を見られるくらいなら、自分が注目された方が万倍マシだ!
バニーボーイだが猫のような靭やかさを意識して、歩きながら声をかける。
「メルヴィン、俺の仮装はどうだ?あんたを悩殺できるかな?」
「ん?お前さん、今来た、の…か…………。」
こちらを向いたメルヴィンが固まった。
目もとが隠れているから分かりにくいが、見惚れてくれているらしい。
「どうやらあんたのお眼鏡に叶ったみたいだな?」
イタズラっぽく言ってそのまま近付くと、メルヴィンの雄っぱいに俺がつけた歯形を見つけた。
いくらなんでも歯形が残っていることに気が付かず肌を曝すなんて考えられない。
自分にはそういうことをする相手がいるって宣言してくれているのと同じだ。
あまりの嬉しさで鎖骨の下を甘噛みして、新しく歯形を追加した。
その痛みでメルヴィンが再起動する。
「お前さん、その格好は…。」
「似合う?…ん、ちゅ。」
まだ若干呆けているメルヴィンの尻尾を掴み、頬を寄せてから舐め上げるように舌を這わせて先端にキスをする。
ベッドでメルヴィンの中心を愛撫するときと同じ仕草で。
ギャラリーがえらく静かだが知ったことか。
すると俺の大好きなキスが降ってくる。
「っく!シオン!シオンっ!ちゅ、っふ、お前さん、んちゅ、何てことしやがる!……ちゅうぅ。」
「ゆうわく……。メルヴィン、大好き。…来て。」
「クソっ!オレも愛してる!ちゅ…半端なヤツらなんかに渡すもんかよ。お前さんはオレのだっ!…ちゅぷ。オレのシオン…。」
キスするとき俺は「顔寄越せ」って言われるのが好き。
それと同じく、メルヴィンは俺に「来て」と言われるのが好きだ。
こうやって誘うと夢中で俺の唇を貪ってくれる。
これくらいやれば、この場にいる人間はメルヴィンにちょっかいを出したりしないだろう。
友人や知人との付き合いを邪魔するつもりはないが、恋人ができたことで「あわよくば自分も!」と寄ってくるヤツは許さない。
全力で徹底的に叩き潰す。
年中こんなことをして疲れないか?と思われるかもしれないが、こういうことは積み重ねが大事だと思っているから苦ではないし、チャンスがあればいつでも触れ合っていたい。
目撃した人が噂を広めてくれることも期待している。
俺たちの間には入り込む隙間なんてどこにも無いってな。
静まり返ったなかで「ギルマスって愛してるとか言わない男だと思ってた…」なんて素晴らしい発言をしてくれたギャラリーさんには金一封を差し上げたいくらいだ。
「あら、メルヴィンたら酷い男ね。わたしだってシオンを愛してるのに。」
少し茶化す色を含んだ声の主はもう一人の愛しいひとのもの。
「ジェイデン。」
「ふふ、シオン、こっちにいらっしゃい。」
微笑みを浮かべながら誘われたら、その雄っぱいに飛び込むしかない。
ぎゅうぅっと抱きしめ合ってから縦に抱き上げられた。
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