ダメな方の異世界召喚された俺は、それでも風呂と伴侶を愛してる

おりく

文字の大きさ
上 下
133 / 170
5章 風呂とかき氷と甘々の目撃者たち

28

しおりを挟む
「なあ、メルヴィン…ジェイデンが言った通り緊張してるのか?」

寝室に入って特大サイズのベッドに腰掛けた可愛い男の前に立って尋ねる。

「……………まあ、な。らしくねえのは分かってるんだが、どうしてもな。」

「2度目なのに?もしかして俺とするのはイヤになったか?」

初めてのメルヴィン相手にやり過ぎた自覚はあるが、怖がらせたかったワケじゃない。
というか、愛する伴侶にそんな思いをさせてたなら凹む。
受け入れるのが初めてでも、セックス自体は場数を踏んでいるから大丈夫だろうと考えていたのがいけなかったのだろうか。

「その……ヤりたくないってワケじゃねえよ。むしろ2度目だからこその悩みだな。」

「イヤじゃないなら良いんだけど、どういうことだ?」

俺の言葉にあーとか、うーとか唸りながら上目遣いでチラチラ見上げてくる。
通常なら俺が見上げることになるメルヴィンの上目遣いなんて貴重な表情を見られて俺の凹んでいた気分は回復するが、肝心のメルヴィンは唸ったままだ。

どうしたものかと思っていると徐ろに手を引かれて、メルヴィンの雄っぱいに背中からダイブしていた。
ジェイデンのと一緒でメルヴィンのバックハグも怖くないし、暖かくて気持ち良い。
何だろう…今日はバックハグの日なのか?
最高だな!

俺のテンションがおかしな事になるのを阻むかのようにメルヴィンが口を開いた。

「あのな、こないだお前さんと…その……シただろ?」

「うん、凄くよかった。」

真っ最中の乱れたメルヴィンもイイが、今の恥ずかしがってもじもじしてるメルヴィンもイイ。

「ぐっ!お、オレもとんでもなくヨかったけど…ってそうじゃねえ。そん時のこと思い出すとだな、何ともいたたまれなくなっちまうんだ。」

「あんなに感じてくれてたのに?いたたまれないことなんか何も無かったぞ。」

「うぐっ!そっ、そうじゃなくてだな。お前さんはオレをそりゃあ熱烈…?熱心…?執拗…?まあいい、情熱的に抱いてくれただろ?その結果、オレはどうなった?」

「可愛いくなった!」

「ぐあっ!…………そうかよ。あー…話しを戻すが、オレの中では目も当てられない状態になってたんだ。だってそうだろ?ただひたすらに喘いでお前さんに縋り付いて、そのキレイな身体を傷だらけにしちまった。オマケにしっ、シオまで吹いてよ………。」

「それの何がいけないんだ?俺には嬉しいことばかりだけど。」

感じ過ぎて上も下も涙を流しながら、ぎゅうぎゅう抱きついてきてすごく可愛いかったのに。

「…………恥ずかしい。いい歳こいたオッサンが初回から潮吹くとか、普通は引くだろ。お前さんに愛想尽かされそうで怖い。」

「なあメルヴィン、俺に『すげえ愛されてる』んだろ?あんたが怖がるなら俺は普通の枠なんかブチ壊してやる。何度でも言うが、俺はきっとどんなメルヴィンも好きになる。もっと乱れてくれ。その姿で俺をあんたの虜にすればいい。」

「シオン………。オレみたいなのにそんなこと言うのはお前さんだけだ。オレをこんなにした責任とってちゃんと愛してくれ。」

欲しい好意を望めなかったメルヴィン…。
俺の向ける愛情がメルヴィンの心を癒してくれると良いな。

「うん。メルヴィン、愛してる。俺のこともずっと好きでいてくれ。俺がオッサンになったからって捨てるなよ。」

「今さらお前さんの居ない人生なんか考えたくもねえ。それにしてもオッサンになったシオンか…。きっととんでもない美中年になるんだろうな。」

その言葉で俺とそっくりな父親を思い浮かべると、確かにとんでもない美中年だ。
四十路を越えても公開処刑人と怖れられ、隣に立った芸能人たちを轟沈させ続けているからな。

いっそメルヴィンとジェイデンのために父親以上の美中年を目指そうか。

「そうなれたら良いけどな。ね、メルヴィン…いろいろ悩んでたあんたには悪いが、俺は苦手なモノが減りそうだぞ。」

「そりゃあめでたいが、何かあったのか?」

「しかも今まで知らなかった幸せも実感してる。このまま…俺を抱いたまま聞いてくれるか?」

俺のお願いに「いいぞ」と言って、ぎゅっと抱きしめる腕の力を強くしてくれた。
その腕に手を添えてメルヴィンの広い胸に背中を預ける。

「………ちょっと情けないんだけど、俺は背後に他人の気配を感じるのが苦手なんだ。日常生活に問題は無いし、大分マシになったけどな。だから今まで後ろから抱きしめられると安心するとか言ってる人の感覚が分からなかったんだ。」

「っ!お前さん、それは……。」

「誘拐犯とか不埒なヤツって後ろから襲ってくるだろ?多分、ソイツらのせい。」

ヤツらは死角から襲ってくるからな。
それも隙が無ければこっちの意識を逸すように、死角をわざわざ作ってまで。

「シオン…。」

そんな痛ましい声を出さないでくれ。
あんたたちが幸せな感情をくれたんだ。

「でもな、メルヴィンとジェイデンは怖くない。暖かくて気持ち良い。ついでに背中で感じるふわふわ雄っぱいも堪んない。二人に挟まれたら、もう最高。」

「茶化すな。これからお前さんの背中はオレとジェイデンが守ってやる。だから…!」

「ん、ありがとメルヴィン。俺の心を温めてくれて。すごく嬉しい。大好き。」

後ろを振り仰いげば優しい口づけが降ってきた。
俺を労り癒そうとする優しいキス…。

メルヴィン、あんたやっぱりイイ男だな。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

柔道部

むちむちボディ
BL
とある高校の柔道部で起こる秘め事について書いてみます。

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・

相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。 といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。 しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

処理中です...