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5章 風呂とかき氷と甘々の目撃者たち
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「なあ、メルヴィン…ジェイデンが言った通り緊張してるのか?」
寝室に入って特大サイズのベッドに腰掛けた可愛い男の前に立って尋ねる。
「……………まあ、な。らしくねえのは分かってるんだが、どうしてもな。」
「2度目なのに?もしかして俺とするのはイヤになったか?」
初めてのメルヴィン相手にやり過ぎた自覚はあるが、怖がらせたかったワケじゃない。
というか、愛する伴侶にそんな思いをさせてたなら凹む。
受け入れるのが初めてでも、セックス自体は場数を踏んでいるから大丈夫だろうと考えていたのがいけなかったのだろうか。
「その……ヤりたくないってワケじゃねえよ。むしろ2度目だからこその悩みだな。」
「イヤじゃないなら良いんだけど、どういうことだ?」
俺の言葉にあーとか、うーとか唸りながら上目遣いでチラチラ見上げてくる。
通常なら俺が見上げることになるメルヴィンの上目遣いなんて貴重な表情を見られて俺の凹んでいた気分は回復するが、肝心のメルヴィンは唸ったままだ。
どうしたものかと思っていると徐ろに手を引かれて、メルヴィンの雄っぱいに背中からダイブしていた。
ジェイデンのと一緒でメルヴィンのバックハグも怖くないし、暖かくて気持ち良い。
何だろう…今日はバックハグの日なのか?
最高だな!
俺のテンションがおかしな事になるのを阻むかのようにメルヴィンが口を開いた。
「あのな、こないだお前さんと…その……シただろ?」
「うん、凄くよかった。」
真っ最中の乱れたメルヴィンもイイが、今の恥ずかしがってもじもじしてるメルヴィンもイイ。
「ぐっ!お、オレもとんでもなくヨかったけど…ってそうじゃねえ。そん時のこと思い出すとだな、何ともいたたまれなくなっちまうんだ。」
「あんなに感じてくれてたのに?いたたまれないことなんか何も無かったぞ。」
「うぐっ!そっ、そうじゃなくてだな。お前さんはオレをそりゃあ熱烈…?熱心…?執拗…?まあいい、情熱的に抱いてくれただろ?その結果、オレはどうなった?」
「可愛いくなった!」
「ぐあっ!…………そうかよ。あー…話しを戻すが、オレの中では目も当てられない状態になってたんだ。だってそうだろ?ただひたすらに喘いでお前さんに縋り付いて、そのキレイな身体を傷だらけにしちまった。オマケにしっ、シオまで吹いてよ………。」
「それの何がいけないんだ?俺には嬉しいことばかりだけど。」
感じ過ぎて上も下も涙を流しながら、ぎゅうぎゅう抱きついてきてすごく可愛いかったのに。
「…………恥ずかしい。いい歳こいたオッサンが初回から潮吹くとか、普通は引くだろ。お前さんに愛想尽かされそうで怖い。」
「なあメルヴィン、俺に『すげえ愛されてる』んだろ?あんたが怖がるなら俺は普通の枠なんかブチ壊してやる。何度でも言うが、俺はきっとどんなメルヴィンも好きになる。もっと乱れてくれ。その姿で俺をあんたの虜にすればいい。」
「シオン………。オレみたいなのにそんなこと言うのはお前さんだけだ。オレをこんなにした責任とってちゃんと愛してくれ。」
欲しい好意を望めなかったメルヴィン…。
俺の向ける愛情がメルヴィンの心を癒してくれると良いな。
「うん。メルヴィン、愛してる。俺のこともずっと好きでいてくれ。俺がオッサンになったからって捨てるなよ。」
「今さらお前さんの居ない人生なんか考えたくもねえ。それにしてもオッサンになったシオンか…。きっととんでもない美中年になるんだろうな。」
その言葉で俺とそっくりな父親を思い浮かべると、確かにとんでもない美中年だ。
四十路を越えても公開処刑人と怖れられ、隣に立った芸能人たちを轟沈させ続けているからな。
いっそメルヴィンとジェイデンのために父親以上の美中年を目指そうか。
「そうなれたら良いけどな。ね、メルヴィン…いろいろ悩んでたあんたには悪いが、俺は苦手なモノが減りそうだぞ。」
「そりゃあめでたいが、何かあったのか?」
「しかも今まで知らなかった幸せも実感してる。このまま…俺を抱いたまま聞いてくれるか?」
俺のお願いに「いいぞ」と言って、ぎゅっと抱きしめる腕の力を強くしてくれた。
その腕に手を添えてメルヴィンの広い胸に背中を預ける。
「………ちょっと情けないんだけど、俺は背後に他人の気配を感じるのが苦手なんだ。日常生活に問題は無いし、大分マシになったけどな。だから今まで後ろから抱きしめられると安心するとか言ってる人の感覚が分からなかったんだ。」
「っ!お前さん、それは……。」
「誘拐犯とか不埒なヤツって後ろから襲ってくるだろ?多分、ソイツらのせい。」
ヤツらは死角から襲ってくるからな。
それも隙が無ければこっちの意識を逸すように、死角をわざわざ作ってまで。
「シオン…。」
そんな痛ましい声を出さないでくれ。
あんたたちが幸せな感情をくれたんだ。
「でもな、メルヴィンとジェイデンは怖くない。暖かくて気持ち良い。ついでに背中で感じるふわふわ雄っぱいも堪んない。二人に挟まれたら、もう最高。」
「茶化すな。これからお前さんの背中はオレとジェイデンが守ってやる。だから…!」
「ん、ありがとメルヴィン。俺の心を温めてくれて。すごく嬉しい。大好き。」
後ろを振り仰いげば優しい口づけが降ってきた。
俺を労り癒そうとする優しいキス…。
メルヴィン、あんたやっぱりイイ男だな。
寝室に入って特大サイズのベッドに腰掛けた可愛い男の前に立って尋ねる。
「……………まあ、な。らしくねえのは分かってるんだが、どうしてもな。」
「2度目なのに?もしかして俺とするのはイヤになったか?」
初めてのメルヴィン相手にやり過ぎた自覚はあるが、怖がらせたかったワケじゃない。
というか、愛する伴侶にそんな思いをさせてたなら凹む。
受け入れるのが初めてでも、セックス自体は場数を踏んでいるから大丈夫だろうと考えていたのがいけなかったのだろうか。
「その……ヤりたくないってワケじゃねえよ。むしろ2度目だからこその悩みだな。」
「イヤじゃないなら良いんだけど、どういうことだ?」
俺の言葉にあーとか、うーとか唸りながら上目遣いでチラチラ見上げてくる。
通常なら俺が見上げることになるメルヴィンの上目遣いなんて貴重な表情を見られて俺の凹んでいた気分は回復するが、肝心のメルヴィンは唸ったままだ。
どうしたものかと思っていると徐ろに手を引かれて、メルヴィンの雄っぱいに背中からダイブしていた。
ジェイデンのと一緒でメルヴィンのバックハグも怖くないし、暖かくて気持ち良い。
何だろう…今日はバックハグの日なのか?
最高だな!
俺のテンションがおかしな事になるのを阻むかのようにメルヴィンが口を開いた。
「あのな、こないだお前さんと…その……シただろ?」
「うん、凄くよかった。」
真っ最中の乱れたメルヴィンもイイが、今の恥ずかしがってもじもじしてるメルヴィンもイイ。
「ぐっ!お、オレもとんでもなくヨかったけど…ってそうじゃねえ。そん時のこと思い出すとだな、何ともいたたまれなくなっちまうんだ。」
「あんなに感じてくれてたのに?いたたまれないことなんか何も無かったぞ。」
「うぐっ!そっ、そうじゃなくてだな。お前さんはオレをそりゃあ熱烈…?熱心…?執拗…?まあいい、情熱的に抱いてくれただろ?その結果、オレはどうなった?」
「可愛いくなった!」
「ぐあっ!…………そうかよ。あー…話しを戻すが、オレの中では目も当てられない状態になってたんだ。だってそうだろ?ただひたすらに喘いでお前さんに縋り付いて、そのキレイな身体を傷だらけにしちまった。オマケにしっ、シオまで吹いてよ………。」
「それの何がいけないんだ?俺には嬉しいことばかりだけど。」
感じ過ぎて上も下も涙を流しながら、ぎゅうぎゅう抱きついてきてすごく可愛いかったのに。
「…………恥ずかしい。いい歳こいたオッサンが初回から潮吹くとか、普通は引くだろ。お前さんに愛想尽かされそうで怖い。」
「なあメルヴィン、俺に『すげえ愛されてる』んだろ?あんたが怖がるなら俺は普通の枠なんかブチ壊してやる。何度でも言うが、俺はきっとどんなメルヴィンも好きになる。もっと乱れてくれ。その姿で俺をあんたの虜にすればいい。」
「シオン………。オレみたいなのにそんなこと言うのはお前さんだけだ。オレをこんなにした責任とってちゃんと愛してくれ。」
欲しい好意を望めなかったメルヴィン…。
俺の向ける愛情がメルヴィンの心を癒してくれると良いな。
「うん。メルヴィン、愛してる。俺のこともずっと好きでいてくれ。俺がオッサンになったからって捨てるなよ。」
「今さらお前さんの居ない人生なんか考えたくもねえ。それにしてもオッサンになったシオンか…。きっととんでもない美中年になるんだろうな。」
その言葉で俺とそっくりな父親を思い浮かべると、確かにとんでもない美中年だ。
四十路を越えても公開処刑人と怖れられ、隣に立った芸能人たちを轟沈させ続けているからな。
いっそメルヴィンとジェイデンのために父親以上の美中年を目指そうか。
「そうなれたら良いけどな。ね、メルヴィン…いろいろ悩んでたあんたには悪いが、俺は苦手なモノが減りそうだぞ。」
「そりゃあめでたいが、何かあったのか?」
「しかも今まで知らなかった幸せも実感してる。このまま…俺を抱いたまま聞いてくれるか?」
俺のお願いに「いいぞ」と言って、ぎゅっと抱きしめる腕の力を強くしてくれた。
その腕に手を添えてメルヴィンの広い胸に背中を預ける。
「………ちょっと情けないんだけど、俺は背後に他人の気配を感じるのが苦手なんだ。日常生活に問題は無いし、大分マシになったけどな。だから今まで後ろから抱きしめられると安心するとか言ってる人の感覚が分からなかったんだ。」
「っ!お前さん、それは……。」
「誘拐犯とか不埒なヤツって後ろから襲ってくるだろ?多分、ソイツらのせい。」
ヤツらは死角から襲ってくるからな。
それも隙が無ければこっちの意識を逸すように、死角をわざわざ作ってまで。
「シオン…。」
そんな痛ましい声を出さないでくれ。
あんたたちが幸せな感情をくれたんだ。
「でもな、メルヴィンとジェイデンは怖くない。暖かくて気持ち良い。ついでに背中で感じるふわふわ雄っぱいも堪んない。二人に挟まれたら、もう最高。」
「茶化すな。これからお前さんの背中はオレとジェイデンが守ってやる。だから…!」
「ん、ありがとメルヴィン。俺の心を温めてくれて。すごく嬉しい。大好き。」
後ろを振り仰いげば優しい口づけが降ってきた。
俺を労り癒そうとする優しいキス…。
メルヴィン、あんたやっぱりイイ男だな。
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