125 / 170
5章 風呂とかき氷と甘々の目撃者たち
21
しおりを挟む
流れでメルヴィンと一緒にギルドで昼食を取ったが、酒場だと思っていた場所は食堂で、意外にも酒類は取り扱っていなかった。
職員の安全と周辺の飲食店に配慮した結果なのだそうだ。
考えてみれば当たり前だ。
酔っぱらいが集まれば喧嘩になるし、戦闘職の乱闘なんかに付き合っていられないもんな。
飲んだくれの喧嘩の仲裁でメルヴィンの帰宅が遅くなるとか、考えただけで腹立たしい。
是非ともこのまま酒類の提供はしないでもらいたい。
でも何より危ない事をさせたくない。
メルヴィンがすごく強いことは知ってるけど、物事に絶対なんて無い。
彼のやさしさや弱みに付け込む卑劣な輩が居るかもしれない。
それに、酔っぱらい問題ならジェイデンも飲食店のオーナーだから他人事じゃないし。
『エンジェルスマイル』の従業員の安全も考えてみよう。
そんな事を考えていてら眉間にシワが寄っていたらしく、メルヴィンに心配されてしまった。
「何か悩み事か?…ここのメシが美味くねえとか?」
「いや、量もあって美味いよ。ただちょっと考えが纏まらなくてな…。」
「じゃあどんな事だ。オレにゃあ言えねえか?」
メルヴィンの眉がへにょってなってる!
自信無さそうな顔しなくても大丈夫なのに。
「そんな事ない。何て言ったら良いか……あー、相談できる段階に無い…かな?もう少し形になってから相談したい。その時は話を聞いてくれるか?」
「おう、待ってる……ちゅう。」
「はぁ…メルヴィンから人前でキスしてくれるなんて珍しいな。コレで俺の口を割らせようっていうんじゃないだろうし、どうした?」
「なんていうかなあ……嬉しくなった。お前さんが相談してくれるって言うから、オレにもお前さんにしてやれる事があるんだ、って。」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに目尻を下げているメルヴィンの可愛さといったら!
もっと触れ合いたくなって困る。
ああ…でも昼食自体は食べ終わってるから良いか、とメルヴィンの逞しい腿に跨がった。
お昼時の食堂のだからギャラリーも居るけど気にしない。
ゴクリとか生唾を飲む音なんて聞こえないフリだ。
「メルヴィンが俺の事好きになってくれてうれしい。メルヴィンからキスしてくれたからもっとうれしい。それなのにいじらしい事まで言われて、あんたは俺をどうしたいんだ?」
メルヴィンの首に腕を回してすり寄れば、俺の腰を抱いてくれる。
「どうしたいって言われてもなあ………。まあでもずっとオレに惚れてて欲しいかな。それこそジイさんになっても。」
「そんなの当たり前だ。今夜も空っぽになるまで搾り取ってやるから覚悟して。」
「お、おう、だがオレのトシを忘れてくれるなよ?お前さんと違ってもう若くねえんだし。」
「心配ない、あんたがそのへんの若い奴らに負ける要素なんて皆無だ。相性もイイし、歳の差なんて気にするな。」
メルヴィン、結構年齢を気にしてるよな。
実年齢より若く見えるし、気力も体力も漲ってるのに。
しかもツヤツヤ…。
「いや、オレが気にして欲しいのはトシの差じゃなくて、オレのトシだからな!」
「あんなにすっごいのに?………善処する、多分。」
衰える気配なんてどう考えても無いよな?
回数も量も多いし、ずっと啼いてくれるし、緩くもならないし。
「えらく消極的な返事だが…まあいいだろう。それよりもそろそろ色気垂れ流すの止めてやれ。前屈みの奴らをこれ以上増やしてくれるな。」
「分かった」と頷いたら「いい子だ」とキスしてくれたけど、少し膨れてしまう。
「メルヴィン、あんたキスしておけば俺が大人しくなると思ってないか?」
微妙に子ども扱いしてるよな?
メルヴィンの包容力にあてられて、求めてばかりだから仕方ないけど、何か悔しい。
「違うのか?」
「違わないけど、それじゃ足りないからもっとシて。」
子どもじゃないからもっと欲しいんだ。
あんたにも分かるだろ?
「だからソレを止めろって言ってんのに…ちゅっ……ちゅぅ。」
「ん……ありがと、続きはベッドでちょうだい。ちゅう。」
「そんときゃあ、ちゅっ…いくらでも……ちゅ。これからロバートんトコ行くんだろ?…ん、ちゅうぅ…はっ、暗くなる前に帰って来いよ…ちゅ。」
吐息が掠めてくすぐったいけど、それも含めて全部欲しい。
「分かった、ちゅっ…その代わり夕飯は一緒に食べよう。行ってきます……ちゅう。」
「おう、…ちゅ……気を付けてな、ちゅう。」
ああ、離れ難い。
俺の嫁が魅力的過ぎてツラい。
後ろ髪を引かれながらメルヴィンと別れてギルドを出た。
ロバートさんの店に向かいながら護身グッズについて考える。
催涙スプレーやスタンガンやテーザーガンあたりが思い浮かぶが、これらだとやり過ぎて難癖をつけられるかもしれない。
折角魔法がある世界だし、護身用の小さな結界を張るのはどうだろう。
結界を採用するなら何かに魔法を付与することになる。
常に身に着けるという点ではアクセサリーが優れているが、たくさんの人に贈るには向いてない。
パートナーがいれば、他の人からのアクセサリーはきっと不快に思うだろうし…。
受付嬢なら万年筆にチャームを付けるとか……いや、邪魔だな。
もっと気軽に身に着けられる物で何か無いか?
幸いにもこれから向うのは服屋だし、ピンとくる物があるかもしれないな。
職員の安全と周辺の飲食店に配慮した結果なのだそうだ。
考えてみれば当たり前だ。
酔っぱらいが集まれば喧嘩になるし、戦闘職の乱闘なんかに付き合っていられないもんな。
飲んだくれの喧嘩の仲裁でメルヴィンの帰宅が遅くなるとか、考えただけで腹立たしい。
是非ともこのまま酒類の提供はしないでもらいたい。
でも何より危ない事をさせたくない。
メルヴィンがすごく強いことは知ってるけど、物事に絶対なんて無い。
彼のやさしさや弱みに付け込む卑劣な輩が居るかもしれない。
それに、酔っぱらい問題ならジェイデンも飲食店のオーナーだから他人事じゃないし。
『エンジェルスマイル』の従業員の安全も考えてみよう。
そんな事を考えていてら眉間にシワが寄っていたらしく、メルヴィンに心配されてしまった。
「何か悩み事か?…ここのメシが美味くねえとか?」
「いや、量もあって美味いよ。ただちょっと考えが纏まらなくてな…。」
「じゃあどんな事だ。オレにゃあ言えねえか?」
メルヴィンの眉がへにょってなってる!
自信無さそうな顔しなくても大丈夫なのに。
「そんな事ない。何て言ったら良いか……あー、相談できる段階に無い…かな?もう少し形になってから相談したい。その時は話を聞いてくれるか?」
「おう、待ってる……ちゅう。」
「はぁ…メルヴィンから人前でキスしてくれるなんて珍しいな。コレで俺の口を割らせようっていうんじゃないだろうし、どうした?」
「なんていうかなあ……嬉しくなった。お前さんが相談してくれるって言うから、オレにもお前さんにしてやれる事があるんだ、って。」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに目尻を下げているメルヴィンの可愛さといったら!
もっと触れ合いたくなって困る。
ああ…でも昼食自体は食べ終わってるから良いか、とメルヴィンの逞しい腿に跨がった。
お昼時の食堂のだからギャラリーも居るけど気にしない。
ゴクリとか生唾を飲む音なんて聞こえないフリだ。
「メルヴィンが俺の事好きになってくれてうれしい。メルヴィンからキスしてくれたからもっとうれしい。それなのにいじらしい事まで言われて、あんたは俺をどうしたいんだ?」
メルヴィンの首に腕を回してすり寄れば、俺の腰を抱いてくれる。
「どうしたいって言われてもなあ………。まあでもずっとオレに惚れてて欲しいかな。それこそジイさんになっても。」
「そんなの当たり前だ。今夜も空っぽになるまで搾り取ってやるから覚悟して。」
「お、おう、だがオレのトシを忘れてくれるなよ?お前さんと違ってもう若くねえんだし。」
「心配ない、あんたがそのへんの若い奴らに負ける要素なんて皆無だ。相性もイイし、歳の差なんて気にするな。」
メルヴィン、結構年齢を気にしてるよな。
実年齢より若く見えるし、気力も体力も漲ってるのに。
しかもツヤツヤ…。
「いや、オレが気にして欲しいのはトシの差じゃなくて、オレのトシだからな!」
「あんなにすっごいのに?………善処する、多分。」
衰える気配なんてどう考えても無いよな?
回数も量も多いし、ずっと啼いてくれるし、緩くもならないし。
「えらく消極的な返事だが…まあいいだろう。それよりもそろそろ色気垂れ流すの止めてやれ。前屈みの奴らをこれ以上増やしてくれるな。」
「分かった」と頷いたら「いい子だ」とキスしてくれたけど、少し膨れてしまう。
「メルヴィン、あんたキスしておけば俺が大人しくなると思ってないか?」
微妙に子ども扱いしてるよな?
メルヴィンの包容力にあてられて、求めてばかりだから仕方ないけど、何か悔しい。
「違うのか?」
「違わないけど、それじゃ足りないからもっとシて。」
子どもじゃないからもっと欲しいんだ。
あんたにも分かるだろ?
「だからソレを止めろって言ってんのに…ちゅっ……ちゅぅ。」
「ん……ありがと、続きはベッドでちょうだい。ちゅう。」
「そんときゃあ、ちゅっ…いくらでも……ちゅ。これからロバートんトコ行くんだろ?…ん、ちゅうぅ…はっ、暗くなる前に帰って来いよ…ちゅ。」
吐息が掠めてくすぐったいけど、それも含めて全部欲しい。
「分かった、ちゅっ…その代わり夕飯は一緒に食べよう。行ってきます……ちゅう。」
「おう、…ちゅ……気を付けてな、ちゅう。」
ああ、離れ難い。
俺の嫁が魅力的過ぎてツラい。
後ろ髪を引かれながらメルヴィンと別れてギルドを出た。
ロバートさんの店に向かいながら護身グッズについて考える。
催涙スプレーやスタンガンやテーザーガンあたりが思い浮かぶが、これらだとやり過ぎて難癖をつけられるかもしれない。
折角魔法がある世界だし、護身用の小さな結界を張るのはどうだろう。
結界を採用するなら何かに魔法を付与することになる。
常に身に着けるという点ではアクセサリーが優れているが、たくさんの人に贈るには向いてない。
パートナーがいれば、他の人からのアクセサリーはきっと不快に思うだろうし…。
受付嬢なら万年筆にチャームを付けるとか……いや、邪魔だな。
もっと気軽に身に着けられる物で何か無いか?
幸いにもこれから向うのは服屋だし、ピンとくる物があるかもしれないな。
10
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・
相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。
といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。
しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・


俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる