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5章 風呂とかき氷と甘々の目撃者たち
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流れでメルヴィンと一緒にギルドで昼食を取ったが、酒場だと思っていた場所は食堂で、意外にも酒類は取り扱っていなかった。
職員の安全と周辺の飲食店に配慮した結果なのだそうだ。
考えてみれば当たり前だ。
酔っぱらいが集まれば喧嘩になるし、戦闘職の乱闘なんかに付き合っていられないもんな。
飲んだくれの喧嘩の仲裁でメルヴィンの帰宅が遅くなるとか、考えただけで腹立たしい。
是非ともこのまま酒類の提供はしないでもらいたい。
でも何より危ない事をさせたくない。
メルヴィンがすごく強いことは知ってるけど、物事に絶対なんて無い。
彼のやさしさや弱みに付け込む卑劣な輩が居るかもしれない。
それに、酔っぱらい問題ならジェイデンも飲食店のオーナーだから他人事じゃないし。
『エンジェルスマイル』の従業員の安全も考えてみよう。
そんな事を考えていてら眉間にシワが寄っていたらしく、メルヴィンに心配されてしまった。
「何か悩み事か?…ここのメシが美味くねえとか?」
「いや、量もあって美味いよ。ただちょっと考えが纏まらなくてな…。」
「じゃあどんな事だ。オレにゃあ言えねえか?」
メルヴィンの眉がへにょってなってる!
自信無さそうな顔しなくても大丈夫なのに。
「そんな事ない。何て言ったら良いか……あー、相談できる段階に無い…かな?もう少し形になってから相談したい。その時は話を聞いてくれるか?」
「おう、待ってる……ちゅう。」
「はぁ…メルヴィンから人前でキスしてくれるなんて珍しいな。コレで俺の口を割らせようっていうんじゃないだろうし、どうした?」
「なんていうかなあ……嬉しくなった。お前さんが相談してくれるって言うから、オレにもお前さんにしてやれる事があるんだ、って。」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに目尻を下げているメルヴィンの可愛さといったら!
もっと触れ合いたくなって困る。
ああ…でも昼食自体は食べ終わってるから良いか、とメルヴィンの逞しい腿に跨がった。
お昼時の食堂のだからギャラリーも居るけど気にしない。
ゴクリとか生唾を飲む音なんて聞こえないフリだ。
「メルヴィンが俺の事好きになってくれてうれしい。メルヴィンからキスしてくれたからもっとうれしい。それなのにいじらしい事まで言われて、あんたは俺をどうしたいんだ?」
メルヴィンの首に腕を回してすり寄れば、俺の腰を抱いてくれる。
「どうしたいって言われてもなあ………。まあでもずっとオレに惚れてて欲しいかな。それこそジイさんになっても。」
「そんなの当たり前だ。今夜も空っぽになるまで搾り取ってやるから覚悟して。」
「お、おう、だがオレのトシを忘れてくれるなよ?お前さんと違ってもう若くねえんだし。」
「心配ない、あんたがそのへんの若い奴らに負ける要素なんて皆無だ。相性もイイし、歳の差なんて気にするな。」
メルヴィン、結構年齢を気にしてるよな。
実年齢より若く見えるし、気力も体力も漲ってるのに。
しかもツヤツヤ…。
「いや、オレが気にして欲しいのはトシの差じゃなくて、オレのトシだからな!」
「あんなにすっごいのに?………善処する、多分。」
衰える気配なんてどう考えても無いよな?
回数も量も多いし、ずっと啼いてくれるし、緩くもならないし。
「えらく消極的な返事だが…まあいいだろう。それよりもそろそろ色気垂れ流すの止めてやれ。前屈みの奴らをこれ以上増やしてくれるな。」
「分かった」と頷いたら「いい子だ」とキスしてくれたけど、少し膨れてしまう。
「メルヴィン、あんたキスしておけば俺が大人しくなると思ってないか?」
微妙に子ども扱いしてるよな?
メルヴィンの包容力にあてられて、求めてばかりだから仕方ないけど、何か悔しい。
「違うのか?」
「違わないけど、それじゃ足りないからもっとシて。」
子どもじゃないからもっと欲しいんだ。
あんたにも分かるだろ?
「だからソレを止めろって言ってんのに…ちゅっ……ちゅぅ。」
「ん……ありがと、続きはベッドでちょうだい。ちゅう。」
「そんときゃあ、ちゅっ…いくらでも……ちゅ。これからロバートんトコ行くんだろ?…ん、ちゅうぅ…はっ、暗くなる前に帰って来いよ…ちゅ。」
吐息が掠めてくすぐったいけど、それも含めて全部欲しい。
「分かった、ちゅっ…その代わり夕飯は一緒に食べよう。行ってきます……ちゅう。」
「おう、…ちゅ……気を付けてな、ちゅう。」
ああ、離れ難い。
俺の嫁が魅力的過ぎてツラい。
後ろ髪を引かれながらメルヴィンと別れてギルドを出た。
ロバートさんの店に向かいながら護身グッズについて考える。
催涙スプレーやスタンガンやテーザーガンあたりが思い浮かぶが、これらだとやり過ぎて難癖をつけられるかもしれない。
折角魔法がある世界だし、護身用の小さな結界を張るのはどうだろう。
結界を採用するなら何かに魔法を付与することになる。
常に身に着けるという点ではアクセサリーが優れているが、たくさんの人に贈るには向いてない。
パートナーがいれば、他の人からのアクセサリーはきっと不快に思うだろうし…。
受付嬢なら万年筆にチャームを付けるとか……いや、邪魔だな。
もっと気軽に身に着けられる物で何か無いか?
幸いにもこれから向うのは服屋だし、ピンとくる物があるかもしれないな。
職員の安全と周辺の飲食店に配慮した結果なのだそうだ。
考えてみれば当たり前だ。
酔っぱらいが集まれば喧嘩になるし、戦闘職の乱闘なんかに付き合っていられないもんな。
飲んだくれの喧嘩の仲裁でメルヴィンの帰宅が遅くなるとか、考えただけで腹立たしい。
是非ともこのまま酒類の提供はしないでもらいたい。
でも何より危ない事をさせたくない。
メルヴィンがすごく強いことは知ってるけど、物事に絶対なんて無い。
彼のやさしさや弱みに付け込む卑劣な輩が居るかもしれない。
それに、酔っぱらい問題ならジェイデンも飲食店のオーナーだから他人事じゃないし。
『エンジェルスマイル』の従業員の安全も考えてみよう。
そんな事を考えていてら眉間にシワが寄っていたらしく、メルヴィンに心配されてしまった。
「何か悩み事か?…ここのメシが美味くねえとか?」
「いや、量もあって美味いよ。ただちょっと考えが纏まらなくてな…。」
「じゃあどんな事だ。オレにゃあ言えねえか?」
メルヴィンの眉がへにょってなってる!
自信無さそうな顔しなくても大丈夫なのに。
「そんな事ない。何て言ったら良いか……あー、相談できる段階に無い…かな?もう少し形になってから相談したい。その時は話を聞いてくれるか?」
「おう、待ってる……ちゅう。」
「はぁ…メルヴィンから人前でキスしてくれるなんて珍しいな。コレで俺の口を割らせようっていうんじゃないだろうし、どうした?」
「なんていうかなあ……嬉しくなった。お前さんが相談してくれるって言うから、オレにもお前さんにしてやれる事があるんだ、って。」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに目尻を下げているメルヴィンの可愛さといったら!
もっと触れ合いたくなって困る。
ああ…でも昼食自体は食べ終わってるから良いか、とメルヴィンの逞しい腿に跨がった。
お昼時の食堂のだからギャラリーも居るけど気にしない。
ゴクリとか生唾を飲む音なんて聞こえないフリだ。
「メルヴィンが俺の事好きになってくれてうれしい。メルヴィンからキスしてくれたからもっとうれしい。それなのにいじらしい事まで言われて、あんたは俺をどうしたいんだ?」
メルヴィンの首に腕を回してすり寄れば、俺の腰を抱いてくれる。
「どうしたいって言われてもなあ………。まあでもずっとオレに惚れてて欲しいかな。それこそジイさんになっても。」
「そんなの当たり前だ。今夜も空っぽになるまで搾り取ってやるから覚悟して。」
「お、おう、だがオレのトシを忘れてくれるなよ?お前さんと違ってもう若くねえんだし。」
「心配ない、あんたがそのへんの若い奴らに負ける要素なんて皆無だ。相性もイイし、歳の差なんて気にするな。」
メルヴィン、結構年齢を気にしてるよな。
実年齢より若く見えるし、気力も体力も漲ってるのに。
しかもツヤツヤ…。
「いや、オレが気にして欲しいのはトシの差じゃなくて、オレのトシだからな!」
「あんなにすっごいのに?………善処する、多分。」
衰える気配なんてどう考えても無いよな?
回数も量も多いし、ずっと啼いてくれるし、緩くもならないし。
「えらく消極的な返事だが…まあいいだろう。それよりもそろそろ色気垂れ流すの止めてやれ。前屈みの奴らをこれ以上増やしてくれるな。」
「分かった」と頷いたら「いい子だ」とキスしてくれたけど、少し膨れてしまう。
「メルヴィン、あんたキスしておけば俺が大人しくなると思ってないか?」
微妙に子ども扱いしてるよな?
メルヴィンの包容力にあてられて、求めてばかりだから仕方ないけど、何か悔しい。
「違うのか?」
「違わないけど、それじゃ足りないからもっとシて。」
子どもじゃないからもっと欲しいんだ。
あんたにも分かるだろ?
「だからソレを止めろって言ってんのに…ちゅっ……ちゅぅ。」
「ん……ありがと、続きはベッドでちょうだい。ちゅう。」
「そんときゃあ、ちゅっ…いくらでも……ちゅ。これからロバートんトコ行くんだろ?…ん、ちゅうぅ…はっ、暗くなる前に帰って来いよ…ちゅ。」
吐息が掠めてくすぐったいけど、それも含めて全部欲しい。
「分かった、ちゅっ…その代わり夕飯は一緒に食べよう。行ってきます……ちゅう。」
「おう、…ちゅ……気を付けてな、ちゅう。」
ああ、離れ難い。
俺の嫁が魅力的過ぎてツラい。
後ろ髪を引かれながらメルヴィンと別れてギルドを出た。
ロバートさんの店に向かいながら護身グッズについて考える。
催涙スプレーやスタンガンやテーザーガンあたりが思い浮かぶが、これらだとやり過ぎて難癖をつけられるかもしれない。
折角魔法がある世界だし、護身用の小さな結界を張るのはどうだろう。
結界を採用するなら何かに魔法を付与することになる。
常に身に着けるという点ではアクセサリーが優れているが、たくさんの人に贈るには向いてない。
パートナーがいれば、他の人からのアクセサリーはきっと不快に思うだろうし…。
受付嬢なら万年筆にチャームを付けるとか……いや、邪魔だな。
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