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伴侶の章 アレナドふたりの、はじめてがいっぱい

ジェイデン・アレナドは捧げたい 05

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夜着を着たわたしを旦那様はどう思われるか…。
とても緊張しながらメルヴィンの寝室に入りました。

そこで目の当たりにしたのは、至上の美貌に月光を浴びる夜を支配する者の姿でした。
ただそこにいるだけで全てを捧げたいと思わせる存在です。
今からそれが叶うなど、信じられません。

さすがの兄も緊張していて、またしてもスケスケ言っていました。
それでも旦那様は自分も緊張してる、メルヴィンだけじゃないと言ってくれました。

それを聞いてわたしの緊張も少しだけ解け、夜着について尋ねることができました。
妖艶だなんて、初めて言われました…。
わたしなど、旦那様より大きくて、ごつごつと固い身体の、拗らせた、いい歳のおじさんですのに。

それでも旦那様は情熱的なキスをくださいました。
しかも張形でとはいえ、汚されて初物とは言えないわたしに『初めて』だなんて…。

期待と不安で思わずわたしを好きに使って欲しいと口にしましたが、旦那様に叱られてしまいました。
愛しいから抱きたい、わたしだから欲しいと、そんなに望まれていたなんて、思いもしませんでした。

自信が持てず怖じ気付いても、情けなく泣き言を言っても、年甲斐もなく甘えても、旦那様はわたしを受け止め愛を伝えてくださいます。
なんて幸せなことでしょう。

わたしに足りないのは自己の肯定感だとは理解していますが、自分では如何ともし難いものです。
それを十分過ぎる程に旦那様が与えてくださる…。
すぐには無理ですが、絶対に旦那様の妻として恥ずかしくない人間になってみせます。
旦那様を支えて、メルヴィンとも肩を並べ、二人の助けになれるように変わってみせます。

そのような決意をしていると、メルヴィンから提案がありました。
わたしから旦那様に抱いてもらえ、と。

状況的におかしくはありませんし、旦那様はわたしたちが望むなら、と答えました。
複数人ですから旦那様に強い希望があるならそちらを優先しますが、そうでなければ抱かれる者同士が納得する方が良いでしょう。

ですがわたしは納得していませんでした。
二人にお願いしたことは偽りではありません。
でも旦那様に身を捧げるのは、まっさらなメルヴィンからが相応しい…いえ、例えそうでなくともメルヴィンこそが相応しいと思っています。
ワイルドな外見に目が行きがちですが、兄は高潔な人ですから。

それに、メルヴィンのナカに入る旦那様を育てたい欲求は抑えられません。
わたしの存在を拒むことのない二人を前にすると、思いもよらなかった性癖を持っている事に気付かされます。
それだけ特別な、大切な人たちということなのでしょう。
ただ旦那様の表情が陰ったのが気がかりでしたが、すぐにそんな気配はなくなりました。

それに、次からは閨の薬を一緒に使ってくださるそうです。
正直に言うとシリンジの先端だけでも一人で異物を挿れるのは怖かったのです。
旦那様がメルヴィンと、セックスは怖くないと教えてくださるならありがたいことです。

しかし旦那様はメルヴィンに難題を出しました。
ベッドに誘って…だなんて恥ずかしいです。
案の定、初めての経験をしたメルヴィンの誘い文句は酷いものでした。
素面の状態で、突っ込んでくれ!とは……。
極度の緊張で残念なことになってしまいましたが、わたしも同類でした。

でも旦那様はわたしたちの慣れていないやり取りを気に入ってくださったようで一安心です。
それにメルヴィンもちゃんと気持ちを伝えられて良かったです。

旦那様にメルヴィンのために男根を育てるよう促され、興奮しながら上半身の服を脱がせて息を呑みました。
余りに美しかったのです。
その至上の美に思わず抱きついて縋ってしまいましたが、身体を好きに触って良いだなんて畏れ多いです。

メルヴィンが旦那様の手で極めるまで、ずっと…静かに二人を見ていました。
旦那様の手で露わになる肢体が昂ぶり乱れる様は、得も言われぬ高揚感があります。
自らの身体に旦那様の所有印を望む兄は健気で可愛らしく、旦那様もまたそんな兄を愛おしそうに見つめていました。

気持ち良かったか?と尋ねる旦那様にメルヴィンが答え、聞き返しました。

「そりゃあ、な。オレの、ことより、お前さんは、どうなんだ?」

あなたの不安は良く分かります。
ですが心配は無用です。
旦那様はメルヴィンを可愛がりながら昂っていましたから。
その事を伝えれば、恥じらいながらも嬉しそうでした。
旦那様の男根を挿入できるまでに育てるため、わたしも励みましょう。

「あの、シオン。わっ、わたしの、愛撫を受けてくれますか?」

勇気をだして尋ねると、わたしを気遣う言葉をいただきました。

「もちろん。でも怖くなったらすぐに止めるって約束して?」

「はい。では、あの、腰を浮かせてもらえますか?」

立ち上がってくださった旦那様のウエストに手をかけ、意を決して下着ごと引き下ろすと、一糸も纏わぬ姿が目の前に現われました。

目的のためには旦那様の中心に触れなくてはならないのですが、わたしが触れて萎えてしまったらメルヴィンに申し訳無い…そんな思いから躊躇っていると抱き寄せられました。
キスに酔うわたしの手を、旦那様自ら優しく導いてくださいました。

「まだ柔らかさが残っていますね…。」

柔らかいだなんて、わたしはなんと失礼なことを!
でも旦那様は気にする様子も力を失うこともありませんでした。

「ん、ジェイデンがするって言ったからちょうど良いだろ?」

うれしい……メルヴィンに夢中でも、わたしのことを忘れずにいてもらえたなんて。
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