98 / 170
伴侶の章 アレナドふたりの、はじめてがいっぱい
ジェイデン・アレナドは捧げたい 05
しおりを挟む
夜着を着たわたしを旦那様はどう思われるか…。
とても緊張しながらメルヴィンの寝室に入りました。
そこで目の当たりにしたのは、至上の美貌に月光を浴びる夜を支配する者の姿でした。
ただそこにいるだけで全てを捧げたいと思わせる存在です。
今からそれが叶うなど、信じられません。
さすがの兄も緊張していて、またしてもスケスケ言っていました。
それでも旦那様は自分も緊張してる、メルヴィンだけじゃないと言ってくれました。
それを聞いてわたしの緊張も少しだけ解け、夜着について尋ねることができました。
妖艶だなんて、初めて言われました…。
わたしなど、旦那様より大きくて、ごつごつと固い身体の、拗らせた、いい歳のおじさんですのに。
それでも旦那様は情熱的なキスをくださいました。
しかも張形でとはいえ、汚されて初物とは言えないわたしに『初めて』だなんて…。
期待と不安で思わずわたしを好きに使って欲しいと口にしましたが、旦那様に叱られてしまいました。
愛しいから抱きたい、わたしだから欲しいと、そんなに望まれていたなんて、思いもしませんでした。
自信が持てず怖じ気付いても、情けなく泣き言を言っても、年甲斐もなく甘えても、旦那様はわたしを受け止め愛を伝えてくださいます。
なんて幸せなことでしょう。
わたしに足りないのは自己の肯定感だとは理解していますが、自分では如何ともし難いものです。
それを十分過ぎる程に旦那様が与えてくださる…。
すぐには無理ですが、絶対に旦那様の妻として恥ずかしくない人間になってみせます。
旦那様を支えて、メルヴィンとも肩を並べ、二人の助けになれるように変わってみせます。
そのような決意をしていると、メルヴィンから提案がありました。
わたしから旦那様に抱いてもらえ、と。
状況的におかしくはありませんし、旦那様はわたしたちが望むなら、と答えました。
複数人ですから旦那様に強い希望があるならそちらを優先しますが、そうでなければ抱かれる者同士が納得する方が良いでしょう。
ですがわたしは納得していませんでした。
二人にお願いしたことは偽りではありません。
でも旦那様に身を捧げるのは、まっさらなメルヴィンからが相応しい…いえ、例えそうでなくともメルヴィンこそが相応しいと思っています。
ワイルドな外見に目が行きがちですが、兄は高潔な人ですから。
それに、メルヴィンのナカに入る旦那様を育てたい欲求は抑えられません。
わたしの存在を拒むことのない二人を前にすると、思いもよらなかった性癖を持っている事に気付かされます。
それだけ特別な、大切な人たちということなのでしょう。
ただ旦那様の表情が陰ったのが気がかりでしたが、すぐにそんな気配はなくなりました。
それに、次からは閨の薬を一緒に使ってくださるそうです。
正直に言うとシリンジの先端だけでも一人で異物を挿れるのは怖かったのです。
旦那様がメルヴィンと、セックスは怖くないと教えてくださるならありがたいことです。
しかし旦那様はメルヴィンに難題を出しました。
ベッドに誘って…だなんて恥ずかしいです。
案の定、初めての経験をしたメルヴィンの誘い文句は酷いものでした。
素面の状態で、突っ込んでくれ!とは……。
極度の緊張で残念なことになってしまいましたが、わたしも同類でした。
でも旦那様はわたしたちの慣れていないやり取りを気に入ってくださったようで一安心です。
それにメルヴィンもちゃんと気持ちを伝えられて良かったです。
旦那様にメルヴィンのために男根を育てるよう促され、興奮しながら上半身の服を脱がせて息を呑みました。
余りに美しかったのです。
その至上の美に思わず抱きついて縋ってしまいましたが、身体を好きに触って良いだなんて畏れ多いです。
メルヴィンが旦那様の手で極めるまで、ずっと…静かに二人を見ていました。
旦那様の手で露わになる肢体が昂ぶり乱れる様は、得も言われぬ高揚感があります。
自らの身体に旦那様の所有印を望む兄は健気で可愛らしく、旦那様もまたそんな兄を愛おしそうに見つめていました。
気持ち良かったか?と尋ねる旦那様にメルヴィンが答え、聞き返しました。
「そりゃあ、な。オレの、ことより、お前さんは、どうなんだ?」
あなたの不安は良く分かります。
ですが心配は無用です。
旦那様はメルヴィンを可愛がりながら昂っていましたから。
その事を伝えれば、恥じらいながらも嬉しそうでした。
旦那様の男根を挿入できるまでに育てるため、わたしも励みましょう。
「あの、シオン。わっ、わたしの、愛撫を受けてくれますか?」
勇気をだして尋ねると、わたしを気遣う言葉をいただきました。
「もちろん。でも怖くなったらすぐに止めるって約束して?」
「はい。では、あの、腰を浮かせてもらえますか?」
立ち上がってくださった旦那様のウエストに手をかけ、意を決して下着ごと引き下ろすと、一糸も纏わぬ姿が目の前に現われました。
目的のためには旦那様の中心に触れなくてはならないのですが、わたしが触れて萎えてしまったらメルヴィンに申し訳無い…そんな思いから躊躇っていると抱き寄せられました。
キスに酔うわたしの手を、旦那様自ら優しく導いてくださいました。
「まだ柔らかさが残っていますね…。」
柔らかいだなんて、わたしはなんと失礼なことを!
でも旦那様は気にする様子も力を失うこともありませんでした。
「ん、ジェイデンがするって言ったからちょうど良いだろ?」
うれしい……メルヴィンに夢中でも、わたしのことを忘れずにいてもらえたなんて。
とても緊張しながらメルヴィンの寝室に入りました。
そこで目の当たりにしたのは、至上の美貌に月光を浴びる夜を支配する者の姿でした。
ただそこにいるだけで全てを捧げたいと思わせる存在です。
今からそれが叶うなど、信じられません。
さすがの兄も緊張していて、またしてもスケスケ言っていました。
それでも旦那様は自分も緊張してる、メルヴィンだけじゃないと言ってくれました。
それを聞いてわたしの緊張も少しだけ解け、夜着について尋ねることができました。
妖艶だなんて、初めて言われました…。
わたしなど、旦那様より大きくて、ごつごつと固い身体の、拗らせた、いい歳のおじさんですのに。
それでも旦那様は情熱的なキスをくださいました。
しかも張形でとはいえ、汚されて初物とは言えないわたしに『初めて』だなんて…。
期待と不安で思わずわたしを好きに使って欲しいと口にしましたが、旦那様に叱られてしまいました。
愛しいから抱きたい、わたしだから欲しいと、そんなに望まれていたなんて、思いもしませんでした。
自信が持てず怖じ気付いても、情けなく泣き言を言っても、年甲斐もなく甘えても、旦那様はわたしを受け止め愛を伝えてくださいます。
なんて幸せなことでしょう。
わたしに足りないのは自己の肯定感だとは理解していますが、自分では如何ともし難いものです。
それを十分過ぎる程に旦那様が与えてくださる…。
すぐには無理ですが、絶対に旦那様の妻として恥ずかしくない人間になってみせます。
旦那様を支えて、メルヴィンとも肩を並べ、二人の助けになれるように変わってみせます。
そのような決意をしていると、メルヴィンから提案がありました。
わたしから旦那様に抱いてもらえ、と。
状況的におかしくはありませんし、旦那様はわたしたちが望むなら、と答えました。
複数人ですから旦那様に強い希望があるならそちらを優先しますが、そうでなければ抱かれる者同士が納得する方が良いでしょう。
ですがわたしは納得していませんでした。
二人にお願いしたことは偽りではありません。
でも旦那様に身を捧げるのは、まっさらなメルヴィンからが相応しい…いえ、例えそうでなくともメルヴィンこそが相応しいと思っています。
ワイルドな外見に目が行きがちですが、兄は高潔な人ですから。
それに、メルヴィンのナカに入る旦那様を育てたい欲求は抑えられません。
わたしの存在を拒むことのない二人を前にすると、思いもよらなかった性癖を持っている事に気付かされます。
それだけ特別な、大切な人たちということなのでしょう。
ただ旦那様の表情が陰ったのが気がかりでしたが、すぐにそんな気配はなくなりました。
それに、次からは閨の薬を一緒に使ってくださるそうです。
正直に言うとシリンジの先端だけでも一人で異物を挿れるのは怖かったのです。
旦那様がメルヴィンと、セックスは怖くないと教えてくださるならありがたいことです。
しかし旦那様はメルヴィンに難題を出しました。
ベッドに誘って…だなんて恥ずかしいです。
案の定、初めての経験をしたメルヴィンの誘い文句は酷いものでした。
素面の状態で、突っ込んでくれ!とは……。
極度の緊張で残念なことになってしまいましたが、わたしも同類でした。
でも旦那様はわたしたちの慣れていないやり取りを気に入ってくださったようで一安心です。
それにメルヴィンもちゃんと気持ちを伝えられて良かったです。
旦那様にメルヴィンのために男根を育てるよう促され、興奮しながら上半身の服を脱がせて息を呑みました。
余りに美しかったのです。
その至上の美に思わず抱きついて縋ってしまいましたが、身体を好きに触って良いだなんて畏れ多いです。
メルヴィンが旦那様の手で極めるまで、ずっと…静かに二人を見ていました。
旦那様の手で露わになる肢体が昂ぶり乱れる様は、得も言われぬ高揚感があります。
自らの身体に旦那様の所有印を望む兄は健気で可愛らしく、旦那様もまたそんな兄を愛おしそうに見つめていました。
気持ち良かったか?と尋ねる旦那様にメルヴィンが答え、聞き返しました。
「そりゃあ、な。オレの、ことより、お前さんは、どうなんだ?」
あなたの不安は良く分かります。
ですが心配は無用です。
旦那様はメルヴィンを可愛がりながら昂っていましたから。
その事を伝えれば、恥じらいながらも嬉しそうでした。
旦那様の男根を挿入できるまでに育てるため、わたしも励みましょう。
「あの、シオン。わっ、わたしの、愛撫を受けてくれますか?」
勇気をだして尋ねると、わたしを気遣う言葉をいただきました。
「もちろん。でも怖くなったらすぐに止めるって約束して?」
「はい。では、あの、腰を浮かせてもらえますか?」
立ち上がってくださった旦那様のウエストに手をかけ、意を決して下着ごと引き下ろすと、一糸も纏わぬ姿が目の前に現われました。
目的のためには旦那様の中心に触れなくてはならないのですが、わたしが触れて萎えてしまったらメルヴィンに申し訳無い…そんな思いから躊躇っていると抱き寄せられました。
キスに酔うわたしの手を、旦那様自ら優しく導いてくださいました。
「まだ柔らかさが残っていますね…。」
柔らかいだなんて、わたしはなんと失礼なことを!
でも旦那様は気にする様子も力を失うこともありませんでした。
「ん、ジェイデンがするって言ったからちょうど良いだろ?」
うれしい……メルヴィンに夢中でも、わたしのことを忘れずにいてもらえたなんて。
0
お気に入りに追加
543
あなたにおすすめの小説
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる