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伴侶の章 アレナドふたりの、はじめてがいっぱい
メルヴィン・アレナドは翻弄される 07
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素直で可愛いジェイデンと、素直に求めるのが怖いオレ。
どっちが愛されるかなんて考えるまでもなかった。
若くて極上の男に口説かれて、自分がどんな存在だったか忘れるほど舞い上がってたのが恥ずかしい。
オレが惚れた「俺」を信じろって言われたが、「オレ」の目が節穴っつーか、曇ってたっつーか…とにかく情けねえ。
相思相愛、恋人同士の激しくも甘いベッドで独り蚊帳の外だ。
ジェイデンに子種を注ぐ様を見せつけられているようで心が苦しい。
子種がっていうよりシオンと最後まで出来ない、求められない自分が虚しい。
愛されたくて心が軋む。
認めたくないがオレはジェイデンに嫉妬している。
弟みたいに「好きだ」「愛して」と言えたなら、弟と同じ様に愛されただろうか…。
「愛してる」と言ってオレの胎内で果ててくれただろうか…。
そんな事を考えながら、子種を受けた胎を大事に抱えて満ち足りた表情で眠りに落ちたジェイデンの身体を上掛けで隠してやる。
「まったく。大事に腹ぁ抱えて、幸せそうな顔して寝やがって…。」
思わず言葉が出ちまった。
シオンにはガウンを掛けてやれば「ジェイデンも子を産みたいのかな?」だと!
ちゃんと質問には答えたが、ジェイデンの答えなんか聞くまでもねえだろうが!
それよりもオレに子を産んでくれって言ったのは気の迷いだったのか?
思わずシオンを責めたくなるが、そこで気が付いた。
今の状況は元々オレがジェイデンの為に望んだものと同じだ、と。
弟を囲ってオレは思い出したときにでも抱いてくれ、なんてよく言えたもんだ。
実際に経験してみたらこんなにも辛くて虚しい。
そんな想いを悟られるワケにもいかねえ。
だが隠し通すことも難しい…。
どうしたモンかと思ってたら声が掛かった。
「メルヴィン、もう眠たいか?」
「そこまで眠くはねえな。どうした?」
胎とケツに違和感はあるがツラくはない。
「あんたにお願いがあるんだ。聞き入れてほしい。」
そう言いながら胡座をかいてたオレに抱きついてきた。
愛されてる自信は無くなったが、惚れた弱みだ。
「オレにできることなら良いぞ。」
「ありがと。…あのな、メルヴィン。あんたがジェイデンを大事にして護ってきたのは俺でも分かる。でもな、さっき順番を決めるときに無意識にジェイデンのお願いを優先して、何の見返りも求めずに受け入れてただろ?俺は一人しか居ないから譲り合ってもらわなきゃならない事もある。でもあんただけが譲るのは違うだろ?あんたの望みも口に出さずに、惰性とか習慣でジェイデンを優先するのは止めてくれないか?それに、そんな事を続けてたらいつまで経ってもジェイデンはあんたに引け目を感じたままだ。」
それもジェイデンの為か?
それともオレの意識も変えたいのか?
だが、まあ…シオンの言う事ももっともだ。
「シオン…。はあー、………確かにお前さんの言う通りかもしれん。」
「他のことは今までどおりで構わない。俺の事だけで良いんだ。ガキくさいかもしれないけど、お願い。」
「…………わかった。お前さんの事からな。」
「メルヴィン?」
「あー、今までは弟としてだったが、それに加えてこれからはお前さんの…よ、嫁として、だな…対等な関係でありたいと思ってな。」
オレとジェイデンの関係を変えていくのに丁度良い。
あいつも兄離れする良い機会だ。
弟のようにシオンと想い合えなくても、嫁になるならそっちの方が良いだろう。
「うれしい、ありがとう。きっとジェイデンも喜ぶ。」
「…そうかもな。」
やっぱりジェイデンの為か…。
目の前に居るのは…会話してんのは…触れ合ってんのはオレなのに。
こんな事考えてるなんてバレねえように…嫌われないようにしねえと。
さっきからアタマの中がとっ散らかってて、まともに働いてないな。
そんなにショックだったのか………。
「なあ、お願いはまだあるんだ。」
抱きつかれたまま後ろに押し倒されて何事かと訝しめば、思いもしなかったお願いをされた。
「俺と二人きりのときだけで良い。もっと求めてくれ。遠慮なんかせずに欲しがってくれ。どんなあんたも、俺はきっと好きになる。だから安心して思っていることを教えてくれ。」
そう言うとオレの答えも聞かずにキスで唇を塞いできた。
たったそれだけの言葉とキスだけで、一気に身体が反応を始める。
ガウンの中を弄られたら、言われた事の意味を理解する前に発情してしまう。
「お前さん、何やってんだ!ジェイデンだって起きちまうぞ!」
乳首を弄るのはまだしも、バキバキになったオレのイチモツに、あろう事かシオンが尻を擦り付けて煽ってきた。
オレのを突っ込みたいのか?とか、そのままじゃ裂けるぞ!とか半ばパニックだ。
そんなオレにシレっとトンデモナイ宣言をしてきた。
「大丈夫、朝まで起きない。それに、あんたたち相手に我慢すんの止めたんだ。一度しか射精さずに終われるワケがない。文句があるならジェイデンに言ってくれ。」
どっちが愛されるかなんて考えるまでもなかった。
若くて極上の男に口説かれて、自分がどんな存在だったか忘れるほど舞い上がってたのが恥ずかしい。
オレが惚れた「俺」を信じろって言われたが、「オレ」の目が節穴っつーか、曇ってたっつーか…とにかく情けねえ。
相思相愛、恋人同士の激しくも甘いベッドで独り蚊帳の外だ。
ジェイデンに子種を注ぐ様を見せつけられているようで心が苦しい。
子種がっていうよりシオンと最後まで出来ない、求められない自分が虚しい。
愛されたくて心が軋む。
認めたくないがオレはジェイデンに嫉妬している。
弟みたいに「好きだ」「愛して」と言えたなら、弟と同じ様に愛されただろうか…。
「愛してる」と言ってオレの胎内で果ててくれただろうか…。
そんな事を考えながら、子種を受けた胎を大事に抱えて満ち足りた表情で眠りに落ちたジェイデンの身体を上掛けで隠してやる。
「まったく。大事に腹ぁ抱えて、幸せそうな顔して寝やがって…。」
思わず言葉が出ちまった。
シオンにはガウンを掛けてやれば「ジェイデンも子を産みたいのかな?」だと!
ちゃんと質問には答えたが、ジェイデンの答えなんか聞くまでもねえだろうが!
それよりもオレに子を産んでくれって言ったのは気の迷いだったのか?
思わずシオンを責めたくなるが、そこで気が付いた。
今の状況は元々オレがジェイデンの為に望んだものと同じだ、と。
弟を囲ってオレは思い出したときにでも抱いてくれ、なんてよく言えたもんだ。
実際に経験してみたらこんなにも辛くて虚しい。
そんな想いを悟られるワケにもいかねえ。
だが隠し通すことも難しい…。
どうしたモンかと思ってたら声が掛かった。
「メルヴィン、もう眠たいか?」
「そこまで眠くはねえな。どうした?」
胎とケツに違和感はあるがツラくはない。
「あんたにお願いがあるんだ。聞き入れてほしい。」
そう言いながら胡座をかいてたオレに抱きついてきた。
愛されてる自信は無くなったが、惚れた弱みだ。
「オレにできることなら良いぞ。」
「ありがと。…あのな、メルヴィン。あんたがジェイデンを大事にして護ってきたのは俺でも分かる。でもな、さっき順番を決めるときに無意識にジェイデンのお願いを優先して、何の見返りも求めずに受け入れてただろ?俺は一人しか居ないから譲り合ってもらわなきゃならない事もある。でもあんただけが譲るのは違うだろ?あんたの望みも口に出さずに、惰性とか習慣でジェイデンを優先するのは止めてくれないか?それに、そんな事を続けてたらいつまで経ってもジェイデンはあんたに引け目を感じたままだ。」
それもジェイデンの為か?
それともオレの意識も変えたいのか?
だが、まあ…シオンの言う事ももっともだ。
「シオン…。はあー、………確かにお前さんの言う通りかもしれん。」
「他のことは今までどおりで構わない。俺の事だけで良いんだ。ガキくさいかもしれないけど、お願い。」
「…………わかった。お前さんの事からな。」
「メルヴィン?」
「あー、今までは弟としてだったが、それに加えてこれからはお前さんの…よ、嫁として、だな…対等な関係でありたいと思ってな。」
オレとジェイデンの関係を変えていくのに丁度良い。
あいつも兄離れする良い機会だ。
弟のようにシオンと想い合えなくても、嫁になるならそっちの方が良いだろう。
「うれしい、ありがとう。きっとジェイデンも喜ぶ。」
「…そうかもな。」
やっぱりジェイデンの為か…。
目の前に居るのは…会話してんのは…触れ合ってんのはオレなのに。
こんな事考えてるなんてバレねえように…嫌われないようにしねえと。
さっきからアタマの中がとっ散らかってて、まともに働いてないな。
そんなにショックだったのか………。
「なあ、お願いはまだあるんだ。」
抱きつかれたまま後ろに押し倒されて何事かと訝しめば、思いもしなかったお願いをされた。
「俺と二人きりのときだけで良い。もっと求めてくれ。遠慮なんかせずに欲しがってくれ。どんなあんたも、俺はきっと好きになる。だから安心して思っていることを教えてくれ。」
そう言うとオレの答えも聞かずにキスで唇を塞いできた。
たったそれだけの言葉とキスだけで、一気に身体が反応を始める。
ガウンの中を弄られたら、言われた事の意味を理解する前に発情してしまう。
「お前さん、何やってんだ!ジェイデンだって起きちまうぞ!」
乳首を弄るのはまだしも、バキバキになったオレのイチモツに、あろう事かシオンが尻を擦り付けて煽ってきた。
オレのを突っ込みたいのか?とか、そのままじゃ裂けるぞ!とか半ばパニックだ。
そんなオレにシレっとトンデモナイ宣言をしてきた。
「大丈夫、朝まで起きない。それに、あんたたち相手に我慢すんの止めたんだ。一度しか射精さずに終われるワケがない。文句があるならジェイデンに言ってくれ。」
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