ダメな方の異世界召喚された俺は、それでも風呂と伴侶を愛してる

おりく

文字の大きさ
上 下
60 / 170
3章 天使と仔猫と風呂と俺、マスコットを添えて

38

しおりを挟む
「何だ、ジェイデン。まだ何かあるのか?」

「あのね、シオン。こんなこと言うとはしたないって言われちゃうかもしれないのだけれど……。わたしにシオンの、あの、男根を、その、あっ、愛撫させてっ、くれないかな?」

………予想外だ。
中断したけど、自分もしてほしいと言われるものだと思っていた。
尽くす嫁に憧れでもあったのだろうか。
呼び方も『旦那様』だもんな。

「あなたの申し出は、とても嬉しい。でも駄目だ。」

「やっぱりわたしでは、その気になって貰えませんか…。」

泣きそうな顔も可愛いが、そんなに表情しないでくれ。

「そうじゃない。ジェイデンにそんな事をしてもらったら、最後まで奪ってしまいそうなんだ。我慢ができなくなるから、駄目だよ。」

ああもう、本当に地位が欲しい。

「ちょっと待て、シオン。お前さんオレらを抱かないつもりか?」

必死で我慢してるのにそんな事を言わないでくれ。

「今すぐにでも欲しいが、せめて堂々と恋人だって宣言できるくらいになってから、と思っている。大事な人に不誠実な事はしたくたい。」

そう言ったらメルヴィンに盛大なため息を吐かれてしまった。

「お前さん、若けえのに頭が堅いな。それに自制もできるからタチが悪いぜ。オレなんか36年も不本意に処女なんだぜ?お前さんみたいなとんでもない美形のオトコができて、我慢なんかできるわけねえだろうが。早いとこ抱いてくれ、シオン。」

メルヴィン、ある意味漢だな。

「わっ、わたしも、早く抱いてほしい。一日でも若いうちに、衰える前に、シオンにわたしを捧げたいんだ。」

ジェイデンは健気だ。

そんなに望まれてるなんて、驚いたけどすごく嬉しい。
据え膳を食べないなんて有り得ない。
今すぐ美味しくいただきたいが、聞かなければならない事がある。

「二人ともありがとう。そう言ってもらえて、すごく嬉しいよ。でも少し待ってほしい。」

「どうした?何かあるのか?」

「メルヴィン、情けないが俺はこの国の閨の作法を知らない。俺に無作法があったり、それに気付けなくてあんたたちを傷つけたくない。あんたにこんなことを聞くは忍びないが、教えてくれないか?」

「そういう事か…。すっかり忘れてたな。」

「わたしもです。準備とか…ね。」

やっぱり何かあるんだな。

「参考までに聞くが、お前さんの故郷ではどうなんだ?」

「取り敢えず身綺麗にして、不潔で無ければ大丈夫だったと思う。」

他にもあるだろうが、今は置いておく事にする。
二人が匂いフェチじゃないことを祈ろう。

「そうか。お前さんは抱く側だからそれで問題ない。」

てことは、抱かれる側には準備が必要なのか。
しかしジェイデンが真っ赤になっているし、過激な事なんだろうか。

「ジェイデン、大丈夫か?」

「ふあっ!ごめんなさい!旦那様の、その、さっサイズを想像していました!」

おおぅ、プレッシャーを感じてしまう発言を貰ってしまった。

「落ち着け、ジェイデン!それじゃあただの変態だ!…あのな、シオン。オレら男性体の後ろは、あー、男のイチモツをだな、ある程度の大きさまでなら普通に受け入れられる。だが、濡れはしても専用の器官を持つ女性体程には始めから柔らかくねえ。それで解す薬や弛緩させる薬を使う事があるんだ。で、必要かどうかはその…、お前さんのイチモツ次第だからジェイデンは想像っつーか妄想してたんだ。デカかろうが、小さかろうが、お前さんには違いねえから気に病まないでくれ。」

プレッシャーが…。
メルヴィンの優しさが突き刺さるな。

「わかった。その薬は気軽に買えるものなのか?」

「まあ、ナニがデカいとバレるが普通に買えるぞ。明日、日用品買うついでに見に行くか?」

見に行く…か。
買いに行くって言われなかったな。
なぜだか悔しい。

「ん。買って帰ろう。」

俺の答えを聞いて、メルヴィンとジェイデンが揃って頬を紅潮させてそわそわし始めた。
なんだ?
ソッチも細いと思ってたのか?
多分、初めてなら薬が必要だと思うぞ。
見栄じゃないからな!

「準備はそれだけか?」

「ええと、婚姻した初夜はその、夜着がその日用のものになるかな。特に決まりはないけれど、旦那様好みの衣装を纏うことになっているよ。」

やはりジェイデンには花嫁っぽいベビードールを着てもらわなければ。
メルヴィンは……着てくれないかもしれないな。

「後はその、あー、何だ、くそっ、きっ、強制じゃねえし!してないヤツも居るけど!つっ、ツルツルにするっ!」

まさかのパイパンだった…。

しかもツルツルって言った。
メルヴィンがツルツルって言ったよ。
なんだろう、エロ可愛い。

「ってことは、俺に剃ってほしいのか?」

「ちげえよ!」
「良いの!?」

「ジェイデン!」

「だって、仲の良いカップルはそうしてるって聞いたから…。メルヴィンもお願いしたら?」

「お前、そんなヤツだったか!?」

それは俺も思っている。

「だって、シオンはそのくらいの事でわたしたちを捨てたりしないって信じてるから。メルヴィンだってそう思っているのでしょう?」

「そりゃあそうに決まってるが、さすがにこの歳で初めてのツルツルはなぁ…。」

初めてのツルツルって何だ!
可愛いが過ぎるだろ!
今すぐにでもツルツルにしてやろうか!?

俺は何かを試されているのかもしれない…。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

柔道部

むちむちボディ
BL
とある高校の柔道部で起こる秘め事について書いてみます。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・

相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。 といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。 しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

処理中です...