ダメな方の異世界召喚された俺は、それでも風呂と伴侶を愛してる

おりく

文字の大きさ
上 下
50 / 170
3章 天使と仔猫と風呂と俺、マスコットを添えて

28

しおりを挟む
「お前さん、またそんな事言って!オレにパンツを選ぶ権利はねえのかっ!」

「あるに決まってる。ただ、パンツの線がわからない物にしてほしいだけだ。」

紐かTバックかノーパンから選ぶと良い。

いっそ全部乗せで、穿いてないほど布面積が小さい紐のTバックでも良いんじゃないか。

総レースを忘れていたな。

シームレスのパンツも下着のラインがわからないが、ここは敢えて無視だ。

「選択肢が少な過ぎるだろうが!」

5つもあるのに贅沢な。

「そんな事言われてもな。上を目指すなら下着にも気を使うべきだろ?ジェイデンと自分の雄尻を見比べて、どちらの下着が相応しいか、もうわかっているじゃないか。」

「ぐっ!確かにその通りだ。その通りだが、そもそもお前さんがこんなピチピチなズボンを穿かせるからだろうが!」

さっきまでホットパンツ穿いてたくせに何を言っているんだ、この男は。

「失礼な。俺はジェイデンとお揃いのズボンを渡しただけだ。文句があるなら彼に言ってくれ。」

「ジェイデン!お前のせいかっ!」

「わっ、わたしですかっ!?そんな!いきなり酷いですよ!」

「しかもお前はパンツ渡されただけで穿いてねえだろ!オレばっかりこんなの穿かされるなんて納得いかねえ!お前も穿け!今すぐ穿け!」

そんな事を言いながらジェイデンの下衣を脱がそうとベルトに手をかけるメルヴィンと、それを防ごうとするジェイデンが熱い攻防を繰り広げ始めた。
かなり大柄な二人がソファで騒いだら壊れないか?
ギシギシとイヤな音がしている。

「さっきシオンも言ってましたけど、強制されてもいないのに、その下着を穿いたのはメルヴィンでしょう?わたしを巻き込まないでください!」

正論で返されてメルヴィンが押し黙った。
どうやらジェイデンに軍配が上がったようだ。
ソファが壊れる前に決着がついて良かった。

「そもそも何でそんなに嫌がるんだ?ホットパンツは平気なのに、傍からは見えない下着を恥ずかしがる必要は無いだろ。誰かに見られる予定でもあるのか?」

セフレとか…な。
そんなのが居たら俺とサシでしてもらうが。

「んなモンねえ!………だって、オレみたいなデカくてゴツいオッサンがこんなパンツ穿いてるなんて、気持ち悪いだろ?」

何その『だって』とか!
可愛いだろ!
こんなに大人の色気もあって格好良くて、しかも可愛いのにそっち方面に自信が無いのは抱かれた事が無いからか?
それとも昔の男に何か言われたからか?
処女には拘らないけど、後者だったら相手の男は不能にしてやる。

「メルヴィン、あんたは格好良い。ホットパンツ止めたから文句無しに大人のイイ男だ。惚れ惚れする。」

「そうかよ。」

褒められてそう言いながらも、嬉しそうじゃない。
わかってる。
あんたが欲しい言葉と俺が伝えたい言葉が同じで良かった。
俺が嘘をついたらきっと見抜かれるだろう。

「でもな、あんた、可愛いんだよ。拗ねたり、じゃれたり、真っ赤になってるのバレてるのにデカい声出して誤魔化そうとしたり。頼りがいあって、格好良くて、色気もあるのに、可愛くて仕方ない。そんな相手が誘うような下着を着けていてみろ。全部喰らい尽くしてしまいたい。さっきから言ってるだろ?俺を誘ってくれって。もちろん、ジェイデンも。あなたは甘やかして溶かしてしまいたい。」

だって愛しいんだ。
まだ言えないけど、愛おしい。

「他の有象無象がどう思うかは知らないが、俺は絶対に気持ち悪いなんて思わないよ。ジェイデンも身に着けて、穿き心地を教えてくれないか?」

流れでジェイデンにも穿いて貰おう。

「わ、かりました。では奥を借りて着替えてきます。」

奥に消えたジェイデンを見送ったメルヴィンが口を開いた。

「しかしお前さん、悪い男だな。オレとジェイデン、両方欲しいだなんて贅沢過ぎるぜ。しかもあいつにもあのパンツ穿かせるしよ。」

なかなかやるだろ?

「自分でも驚いているんだ。こんなことしたこと無いし、言ったことも、考えたことも無い。あんたたちが俺をそうさせてるんだ。責任取ってくれ。」

俺だって多少は混乱してるんだ、これでも。

「何だ、責任とって抱かせろってか。だがお前さん、オレを相手に本当に勃つのかね?いざってときにやっぱりムリでしたなんて、さすがにオレでも傷つくぞ。」

俺はそんなヘタレじゃないはずだ、多分。
それに抱いて終わりになんてさせない。

「責任は他の方法で取ってほしいが、俺があんた相手に勃たないなんて有り得ないね。」

そんなことを宣言していたらジェイデンが戻って来た。
俺の目の前で後ろを向いて、下から雄尻を撫で上げながら聞いてくる。
ガードルのCMモデルみたいなポーズだ。

「どうですか?やっぱり違いますよね?」

「野暮ったさがなくなって、より魅力的になったと思う。」

目の前にきゅっと上がった雄尻とか、誘わてるとしか思えない。

「見た感じ頼りないなって思っていたけれど、意外とちゃんとホールドしてくれて驚いたよ。それに肌触りも凄く良いね。今まで布があった後ろはさすがに違和感があるけれど、慣れたら大丈夫だと思う。」

メルヴィンと全然反応が違うな。
もっと恥ずかしがると思ってた。

「お前、恥ずかしげも無くよくそんなこと言えるな。」

やっぱりそう思うよな?

「こちらでも高みを目指してみようかと思ったからでしょうか。シオンが言ったまともな方の理由しか考えなければ大丈夫です。それに、あの人に負けたくないから。」

あの人って、レイラさんか。
写真を見せたけど、ジェイデンの何かに火を付けたらしいな。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

転生したら同性から性的な目で見られている俺の冒険紀行

BL
ある日突然トラックに跳ねられ死んだと思ったら知らない森の中にいた神崎満(かんざきみちる)。異世界への暮らしに心踊らされるも同性から言い寄られるばかりで・・・ 主人公チートの総受けストリーです。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...