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3章 天使と仔猫と風呂と俺、マスコットを添えて
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「さて、そろそろギルドの説明をしないとね?」
メルヴィンを沈めて、良い笑顔のジェイデンが話題を変えてきた。
「ハンターが何をして生計を立てているかは知っているかい?」
「一応聞いたが、詳しくは知らないから教えてほしい。」
「わかったよ。先ずは採取だね。植物、主に薬草や鉱物なんかを探して取ってくるんだ。安全なところで採取できるものは常設依頼になっていて、子どもたちのお小遣い稼ぎにもなっているよ。」
ラノベでよくある説明がきた。
「次は護衛依頼。商隊の護衛から貴族の護衛まで、いろいろあるし、依頼ごとに条件が違うから良く確認してから受けてね。」
正直、貴族の依頼は受けたくないな。
「さらに討伐依頼。依頼を受けて街道や畑、町などに出没した魔獣や化物を狩って、素材や魔石を売ることもできる。これとは別に常設依頼があって、全ての化物が対象になっている。」
「すまないが、魔獣と化物の違いを教えてもらえるか?」
何が違うのかさっぱり分からないな。
「もちろんだよ。ワイバーンみたいな生まれながらに魔力を持っている魔獣の他に、野生の獣が生きていく中で魔力を過剰摂取すると、体内に魔石が生成されて魔獣に変化するんだ。化物は瘴気溜りから生まれてきたり、獣や魔獣が瘴気に触れて変化したものだよ。だから瘴気持ちとも呼ばれてる。」
つまり、
魔石無し→獣
魔石有り→魔獣
魔石・瘴気有り→化物
ってことか。
じゃあ魔獣と化物を狩ると、魔石も売れて効率が良いんだな。
「そちらはわかった。ありがとう。度々申し訳ないが、瘴気とは何だ?」
「瘴気については調べようが無くて良くわかっていないんだけれど、瘴気溜りは見た目には黒い靄が渦巻いている。それに触れた生物は黒い靄を纏って狂暴化するんだよ。ちなみに、空にできた瘴気溜りからは空の化物、陸にできたものからは地上の化物、地中にできたものからはワームみたいな地中を動ける化物が出現する。化物を生み出しきると、瘴気溜りは消滅することがわかっているよ。」
「なかなかに危ないんだな…。詳しく教えて貰えて助かる。」
「ふふっ、新人ハンターに説明する内容だし、気にしないで。それで最後だけど、指名依頼がある。これは変則的な依頼で、割と何でもアリなんだ。例えばわたしがシオンと食事をしたいと思えば、『ジェイデンと一緒に食事する』という依頼を出すこともできる。もちろん断ることもできるから、その時は断るとギルドに報告してほしい。」
「承知した。丁寧に説明してもらって感謝する。それからジェイデン、あなたからの食事の誘いならいつでも喜んで受けよう。声がかかるのを待っているよ。」
例えに出すくらいだから、そう思ってくれているんだよな?
「もう!説明の途中でそういうのは止めてほしい。言わなといけない事を忘れそうだよ。」
「つまり途中じゃなけりゃあ、喜ぶってこったな?」
俺の思ったことを、復活したメルヴィンが言ってくれた。
ニヤリとした表情には艶がある。
先程の会話で何か内面に変化でもあったのか?
「メルヴィンまで止めてください!」
「んじゃ、ここからはオレが説明してやろう。ハンターになれるのは成人の半年前から。ランクはGから始まってSが頂点だ。依頼ごとにランクの指定があるから、確認してから受けるように。Gランクは未成年専用で、年齢制限でハンターになれない、小遣い稼ぎの子どものための特設ランクだ。危険度の低い採取依頼しか受けられない。だからFランクからがハンターだ。で、ここからがお前さんに関係あるコトだ。」
「わかった。しっかり、忘れないように聞く。」
「よし。FからDまでが駆け出しや半人前、Cで一人前だ。Bで熟練、Aで凄腕、Sになれりゃ最強の一角ってとこだ。B辺りから指名依頼が入ったり、姓を名乗り始める者も出てくる。Aは貴族も一目置き、Sは国も無視できない力を持つ。お前さんには講師役を付ける。それで一通り依頼をこなしたらCからスタートだ。今のうちに名乗る姓を考えとけよ。」
魔獣やモンスターを知らない俺がCスタートっておかしくないか。
討伐に問題無い実力はあるかもしれないが、知識は無い。
だから講師役が付くのだろうが…。
分からない事は素直に質問しよう。
「なあ、メルヴィン。なぜCからなんだ?」
「お前さんに隠し事なんて得策じゃねえから正直に答えるが、簡単なこった。この国を拠点に活動するハンター、特に高ランクのハンターが足りねえんだ。ちまちまランクを上げさせるより、ガンガン討伐や護衛に出て、さっさとランクを上げて貰いたい。」
「何て言えば良いかな…、この国は少し暮らし難くて外国から来たハンターがなかなか居付かないんだ。宿で説明したけど、水不足とかね。」
「Bランクに上がるには一定の採取、護衛依頼も熟してもらわにゃならん。オイシイ依頼はCランク以上を指定するものが多いし、ここまではギルマス権限で上げられるから不正でもない。お前さんは心配せずに依頼を熟してくれりゃあ良い。」
「こんなこと言ってるけれど、多分下心もあると思うから、それも利用して早くAランク以上になってほしいな。」
下心って何だ?と聞こうとしたところでジェイデンに先手を取られた。
「下心の中身はそのうちわかると思うから、ここではナイショだよ。」
ふふっと微笑んでいるが、またしても教えてもらえないやつだ。
俺のあしらい方が上手くなっている気がする。
ジェイデン、手強いな。
メルヴィンを沈めて、良い笑顔のジェイデンが話題を変えてきた。
「ハンターが何をして生計を立てているかは知っているかい?」
「一応聞いたが、詳しくは知らないから教えてほしい。」
「わかったよ。先ずは採取だね。植物、主に薬草や鉱物なんかを探して取ってくるんだ。安全なところで採取できるものは常設依頼になっていて、子どもたちのお小遣い稼ぎにもなっているよ。」
ラノベでよくある説明がきた。
「次は護衛依頼。商隊の護衛から貴族の護衛まで、いろいろあるし、依頼ごとに条件が違うから良く確認してから受けてね。」
正直、貴族の依頼は受けたくないな。
「さらに討伐依頼。依頼を受けて街道や畑、町などに出没した魔獣や化物を狩って、素材や魔石を売ることもできる。これとは別に常設依頼があって、全ての化物が対象になっている。」
「すまないが、魔獣と化物の違いを教えてもらえるか?」
何が違うのかさっぱり分からないな。
「もちろんだよ。ワイバーンみたいな生まれながらに魔力を持っている魔獣の他に、野生の獣が生きていく中で魔力を過剰摂取すると、体内に魔石が生成されて魔獣に変化するんだ。化物は瘴気溜りから生まれてきたり、獣や魔獣が瘴気に触れて変化したものだよ。だから瘴気持ちとも呼ばれてる。」
つまり、
魔石無し→獣
魔石有り→魔獣
魔石・瘴気有り→化物
ってことか。
じゃあ魔獣と化物を狩ると、魔石も売れて効率が良いんだな。
「そちらはわかった。ありがとう。度々申し訳ないが、瘴気とは何だ?」
「瘴気については調べようが無くて良くわかっていないんだけれど、瘴気溜りは見た目には黒い靄が渦巻いている。それに触れた生物は黒い靄を纏って狂暴化するんだよ。ちなみに、空にできた瘴気溜りからは空の化物、陸にできたものからは地上の化物、地中にできたものからはワームみたいな地中を動ける化物が出現する。化物を生み出しきると、瘴気溜りは消滅することがわかっているよ。」
「なかなかに危ないんだな…。詳しく教えて貰えて助かる。」
「ふふっ、新人ハンターに説明する内容だし、気にしないで。それで最後だけど、指名依頼がある。これは変則的な依頼で、割と何でもアリなんだ。例えばわたしがシオンと食事をしたいと思えば、『ジェイデンと一緒に食事する』という依頼を出すこともできる。もちろん断ることもできるから、その時は断るとギルドに報告してほしい。」
「承知した。丁寧に説明してもらって感謝する。それからジェイデン、あなたからの食事の誘いならいつでも喜んで受けよう。声がかかるのを待っているよ。」
例えに出すくらいだから、そう思ってくれているんだよな?
「もう!説明の途中でそういうのは止めてほしい。言わなといけない事を忘れそうだよ。」
「つまり途中じゃなけりゃあ、喜ぶってこったな?」
俺の思ったことを、復活したメルヴィンが言ってくれた。
ニヤリとした表情には艶がある。
先程の会話で何か内面に変化でもあったのか?
「メルヴィンまで止めてください!」
「んじゃ、ここからはオレが説明してやろう。ハンターになれるのは成人の半年前から。ランクはGから始まってSが頂点だ。依頼ごとにランクの指定があるから、確認してから受けるように。Gランクは未成年専用で、年齢制限でハンターになれない、小遣い稼ぎの子どものための特設ランクだ。危険度の低い採取依頼しか受けられない。だからFランクからがハンターだ。で、ここからがお前さんに関係あるコトだ。」
「わかった。しっかり、忘れないように聞く。」
「よし。FからDまでが駆け出しや半人前、Cで一人前だ。Bで熟練、Aで凄腕、Sになれりゃ最強の一角ってとこだ。B辺りから指名依頼が入ったり、姓を名乗り始める者も出てくる。Aは貴族も一目置き、Sは国も無視できない力を持つ。お前さんには講師役を付ける。それで一通り依頼をこなしたらCからスタートだ。今のうちに名乗る姓を考えとけよ。」
魔獣やモンスターを知らない俺がCスタートっておかしくないか。
討伐に問題無い実力はあるかもしれないが、知識は無い。
だから講師役が付くのだろうが…。
分からない事は素直に質問しよう。
「なあ、メルヴィン。なぜCからなんだ?」
「お前さんに隠し事なんて得策じゃねえから正直に答えるが、簡単なこった。この国を拠点に活動するハンター、特に高ランクのハンターが足りねえんだ。ちまちまランクを上げさせるより、ガンガン討伐や護衛に出て、さっさとランクを上げて貰いたい。」
「何て言えば良いかな…、この国は少し暮らし難くて外国から来たハンターがなかなか居付かないんだ。宿で説明したけど、水不足とかね。」
「Bランクに上がるには一定の採取、護衛依頼も熟してもらわにゃならん。オイシイ依頼はCランク以上を指定するものが多いし、ここまではギルマス権限で上げられるから不正でもない。お前さんは心配せずに依頼を熟してくれりゃあ良い。」
「こんなこと言ってるけれど、多分下心もあると思うから、それも利用して早くAランク以上になってほしいな。」
下心って何だ?と聞こうとしたところでジェイデンに先手を取られた。
「下心の中身はそのうちわかると思うから、ここではナイショだよ。」
ふふっと微笑んでいるが、またしても教えてもらえないやつだ。
俺のあしらい方が上手くなっている気がする。
ジェイデン、手強いな。
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