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同期の華
ep.5
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会社に行くのが楽しくて仕方がない。恋する少女のような懐かしい感覚が嬉しくて嬉しくて。
先日、課長の本性が垣間見えたのだが、本性を曝け出す相手が私というのは、私を特別視してくれているのだと思うとそれも嬉しかった。
(久々だった私には刺激が強すぎたけど…)
朝のミーティングで、リーダーが私に言った。
「そう言えば、高田さんの同期の高遠くん戻ってくるんだって」
久々に懐かしい名前を聞いた。高遠慎二は私と同期入社で隣に座る麻奈とも同期なのだ。
私たち(麻奈ごめんね)とは違い、入社直後から期待されているエースで、3年前からニューヨークの金融機関に派遣されていたのだ。
もう顔も思い出せないくらい会ってないけれど、見た目は悪くなかったと思う。チャラチャラしてて、私はタイプじゃなかったけど…。私は断然、佐伯課長派ですから。
佐伯課長の方を見ると、電話中だった。素敵な人は何をしていても素敵だと思う。電話をしているだけで絵になるんだから。
「いつ帰ってくるんですか?」
そこまで興味はなかったけど、会話の流れ的に一応聞いてみた。
「今日だって」
へーそうなんだ。くらいの気持ちで聞き流していた。
夕方、フロアの方が騒がしくなり、大きなスーツケースを持った男がフロアに現れた。
私と麻奈はその男の方を見て、ほとんど同時に声を上げた。
「高遠くんだ」
久々に見た高遠くんは、どこか以前と雰囲気が違っていた。大人になったというか、以前のチャラチャラした雰囲気は身を潜めていた。アメリカに行くと、こうも変わるのかと思える程だった。
高遠くんは、周りをキョロキョロと見渡している。そして、私と目が合うと大きなスーツケースをあちこちにぶつけながら、一目散にやってきた。
「高田さん、ご無沙汰です。恥ずかしながら戻って参りました!」
前言撤回です。中身は変わっていなかったようです。でも、見た目は悪くないかな…。いかにもニューヨーカーといった髪型が良く似合っている。
床でスーツケースを開けて、何やら探し物をしている。周りが注目する中、スーツケースから小さな箱を取り出して、私に差し出してきた。見覚えのあるターコイズ調の箱。
「あ、ティファニーだ」
周りの誰かが言った。
「はい、高田さんのお土産ね」
強引に箱を私に受け取らせて、再びスーツケースから色々な物を出しては周りの社員へ配っている。
「ちょっと!なんで彩奈だけティファニーで私たちはクッキーなの」
横で麻奈が文句を言っている。確かに、なんで私だけ…
高遠くんが私の方を一瞬見て、笑った。
「高田さんは特別なの!」
その時、課長が私を呼んだ。
「なんでしょうか?」
先日の出来事を思い出してしまい、ちょっと恥ずかしかった。私の全てを見られてしまったから…
課長はパソコンの画面に向かったまま、私だけに聞こえる声で言った。
「遊んでないで仕事しろよ」
初めは言葉の意味がわからなかったのだが、理解するととても嬉しかった。
(課長が嫉妬してくれた…)
先日、課長の本性が垣間見えたのだが、本性を曝け出す相手が私というのは、私を特別視してくれているのだと思うとそれも嬉しかった。
(久々だった私には刺激が強すぎたけど…)
朝のミーティングで、リーダーが私に言った。
「そう言えば、高田さんの同期の高遠くん戻ってくるんだって」
久々に懐かしい名前を聞いた。高遠慎二は私と同期入社で隣に座る麻奈とも同期なのだ。
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佐伯課長の方を見ると、電話中だった。素敵な人は何をしていても素敵だと思う。電話をしているだけで絵になるんだから。
「いつ帰ってくるんですか?」
そこまで興味はなかったけど、会話の流れ的に一応聞いてみた。
「今日だって」
へーそうなんだ。くらいの気持ちで聞き流していた。
夕方、フロアの方が騒がしくなり、大きなスーツケースを持った男がフロアに現れた。
私と麻奈はその男の方を見て、ほとんど同時に声を上げた。
「高遠くんだ」
久々に見た高遠くんは、どこか以前と雰囲気が違っていた。大人になったというか、以前のチャラチャラした雰囲気は身を潜めていた。アメリカに行くと、こうも変わるのかと思える程だった。
高遠くんは、周りをキョロキョロと見渡している。そして、私と目が合うと大きなスーツケースをあちこちにぶつけながら、一目散にやってきた。
「高田さん、ご無沙汰です。恥ずかしながら戻って参りました!」
前言撤回です。中身は変わっていなかったようです。でも、見た目は悪くないかな…。いかにもニューヨーカーといった髪型が良く似合っている。
床でスーツケースを開けて、何やら探し物をしている。周りが注目する中、スーツケースから小さな箱を取り出して、私に差し出してきた。見覚えのあるターコイズ調の箱。
「あ、ティファニーだ」
周りの誰かが言った。
「はい、高田さんのお土産ね」
強引に箱を私に受け取らせて、再びスーツケースから色々な物を出しては周りの社員へ配っている。
「ちょっと!なんで彩奈だけティファニーで私たちはクッキーなの」
横で麻奈が文句を言っている。確かに、なんで私だけ…
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「高田さんは特別なの!」
その時、課長が私を呼んだ。
「なんでしょうか?」
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