蒼穹の彼方へ

うるは猫

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第1章: 不思議な扉

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日常の喧騒から逃れたいと願う青年、翔(しょう)は、都会の片隅にある古びた書店でふと目に留まった一冊の本を手に取った。表紙には異様な絵柄が描かれ、どことなく引き寄せられるように感じた。その本にはタイトルも著者も記されていない。ただ、ぼんやりとした文字が浮かび上がっているように見えた。

「これ…なんだろう?」

好奇心に駆られた翔は、店主に尋ねることなくその本をレジに持って行った。店主は無言で微笑み、まるで翔の行動を予期していたかのように、静かに本を包んで手渡した。

家に帰ると、翔はさっそくその本を開いてみた。しかし、最初のページは白紙だった。不思議に思いながらも、次のページをめくると、突然強烈な光が部屋中を包み込んだ。眩しさに目を閉じ、気が付くと、翔は見知らぬ場所に立っていた。

「ここは…どこだ?」

目の前に広がるのは、広大な草原と青く澄んだ空。遠くには巨大な城がそびえ立っていた。翔は、夢を見ているのか現実なのかも分からないまま、その景色に圧倒されていた。だが、そのとき、彼の耳に低く響く声が届いた。

「選ばれし者よ、ようこそリヴィアの世界へ。」

振り返ると、長い白髪と鋭い目を持つ老賢者が立っていた。その目には計り知れない知恵と経験が宿っている。

「リヴィア…の世界?」

「そうだ。君が手にした本、それはただの書物ではない。異界への扉なのだ。」

翔は驚きと混乱の中、次第にその言葉の意味を理解し始めた。彼が手にしたあの不思議な本は、現実からこの異世界へと彼を導いたのだ。

「君には、この世界を救う使命がある。だが、その道は決して容易ではない。多くの試練と戦いが君を待ち受けているだろう。」

老賢者の言葉は重く響いたが、同時に翔の中に湧き上がる冒険心を刺激した。彼は深呼吸をし、心を落ち着けると決意を固めた。

「わかりました。この世界で何が待ち受けていようとも、僕は進むしかないようですね。」

「その通りだ、翔。君の名は、やがてこの世界に伝説として刻まれることになるだろう。」

こうして、翔の異世界での冒険が始まった。彼の前には数多の困難と、そしてかけがえのない仲間たちとの出会いが待っている。果たして翔は、このリヴィアの世界で自らの使命を果たすことができるのだろうか——。
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